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煙か土か食い物
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煙か土か食い物の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全97件 21~40 2/5ページ
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アナーキーで、かなりブッとんだ作品。 サンディエゴで救急外科医として働いていた奈津川四郎のもとに日本に居る母親が連続主婦殴打生き埋め事件の被害を受けたという知らせが…故郷で待ち受けていたのは、血と暴力に塗れた奈津川家の過去の記憶…奇妙なタイトルとミステリーの要素も散りばめられた思い切ったストーリー展開に驚かされた。 著者のデビュー作にして、第19回メフィスト賞受賞作。 | ||||
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結構古い本だったのであまり期待していませんでした。しかし、手に取った本は新品よりピカピカでした。感動しました。 | ||||
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食べ物だって体に悪いものの方が美味しいなんて言うし、その割りにいい材料は使ってるじゃん、という感じ。一気呵成に完食。 | ||||
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初めて読んだ舞城王太郎、独特の文体とそのテンポ感がかなり楽しかった。 感情的なスラングで装飾された概念のしりとり/連想ゲームを書き起こしたような文体。 止めどなく綴られる主人公の独白とご都合主義的展開が、超速のテンポ感を演出している。 この圧縮されすぎた文体が放つ、異常なまでの「行間のなさ」を他に知らない。 | ||||
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・単語は乱暴であるのに、文体はよく考えられているため よどみなく読めることができます。 ・ふだん綺麗ではない単語があると、ひっかかって読み進めないのですが 本作はわざと乱暴な表現をしていても、その単語にそれほど引っかかりなく 読むことができました。 ・こうも騒がしい内容の作品を読むことは少ないのですが、読み終わって 意外に、家族と友達にたいする優しさ、ぬくもりを感じることができた作品でした。 | ||||
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メフィスト賞はとんでもなくくだらない作品もあるが、本作品のように素晴らしい作家を見出すこともある。 スピード感あり、強引な推理あり、やや滑稽な猟奇性あり、そして言葉の選び方も面白く、ラストの主人公の活躍も大きな伏線があったのかと思い至り、感心した。 数年ぶりの再読だが、やはり面白い。荒削りではあるが、デビュー作とは思えない完成度である。 | ||||
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舞城王太郎が生涯で初めて書いたのがこの作品であるかどうかは分からないが、少なくとも僕が読む限りでは、この作品が舞城の原点になっているのではないかと思う。 僕が最も感銘を受けたのは、主人公の四郎が小説家であり兄である三郎に向かって吐く、「小説家なら自分の血と涙と汗を擦り付けた物語を書け」(台詞詳細はちょっと思い出せません)という台詞。小説に「自分を書く」というのは、全ての舞城作品に共通していることだと思うのだ。 僕は地の文に心情を叩きつけてある文章が大好物で、この作品も例に漏れずそうなのだが、舞城王太郎は自分の考えを小説に色濃く出すタイプの作家だと思う。 彼(もしくは彼女かもしれない…)特有の畳み掛けるような文体や、ミステリーの要素や、作中の犯罪の猟奇性や暴力性は、読者を掴んで離さないためのものに過ぎず、舞城自身が読ませたいのは地の文や四郎の台詞にある、作者自身の思想ではないだろうか。少なくとも僕はそう考えている。 とは言いますが、文体や展開が魅力のないものというわけではなく、これが主人公の苛烈な性格と相まって、たまんないドラッグなんです。上になんやかんや偉そうに書きましたが、初めて読んだときは何も考えてませんでした。それでも読めて、楽しめます。 あと、ミステリー小説を期待して読むと、肩透かしを喰らうでしょう。同じくメフィスト賞作家の森博嗣さんなどの作品と比べると、ミステリー要素はおまけみたいなもんです。 文体・展開ともに激しいですが、三島由紀夫賞の「阿修羅ガール」のような超展開はありませんので、舞城初心者でも読みやすいと思います。 おすすめです! | ||||
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この手の作品にありがちな勢いでページだけ稼ぐ作品とは違い、 後々設定や複線が絡み合う内容の詰まった作品になっている上手い まあとてもミステリとして評価できる作品ではないが、 家族をテーマにした作品としては素晴らしい出来だろう ただ重要人物である主人公の父が現在進行形であまり出番がないのが気になった もう少し出番があってもよかった 名探偵の存在意味は不明 | ||||
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福井県西暁町でおこる連続主婦殴打事件。 サンディエゴの救急病院に勤務する外科医、奈津川四朗は母親が事件に巻き込まれたの契機に西暁町に戻ってくる。 序盤は謎解きミステリーのような展開を思わせるが、 地元では名士として知られる一族の愛憎の歴史が徐々に紐解かれていく… 愛憎の最小単位は家族。 それがどんなに煩わしくても「血の繋がり」から逃げることはできない。 ひとりひとりが家族を愛しているのに歯車が狂い、救いを求めるのにどうしようもない袋小路に追い込まれてしまう。 「家族を愛している、でも家族だからこそ許せないことがある」そんな相反するベクトルに苦しむ人々。 この作品の本質は謎解きエンターテイメントではない。家族愛だ。 著者の他の作品にも特徴的な、抽象画を小説で表現したような自由な文体。 リアリズムは問題ではなく、必ずしも因果の帰結を求めない。 それは、ただテーマを一貫できるのであれば、表現の仕方は自由だと叫んでいるようだ。 それゆえ保守的な作品を好む人たちには受け入れがたいと思う。 本作もグロテスクな表現や暴力をロックのような文体で書面に叩き付けており、まさに「文圧」という表現がぴったりくる。 それでも心に迫るのは、「家族」というテーマをブレずに描ききっているからに違いない。 | ||||
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詩人のようなセンシティブな感覚。力強い矜持。強烈な表現の説得力。 これを≪才能≫と言わずになんと言い表せるだろう。 暴力と愛とが混在し混ざり合い一体となって洪水のように読み手に押し寄せる。 作者の半生はきっとこの小説のようにぶっ飛んでるのではないかと思う。 | ||||
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初めて舞城王太郎の作品を読んだけどとてもテンポがいい文章で読んでて気持ち良いです。内容ももちろん面白かったし。他の作品も全部読んでみたいと思った作家さんでした。 | ||||
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相変わらずの疾走感と圧倒的な流動感で、息もつかせないという感じ。最近面白い小説読んでないなー、とか新しいジャンルを開拓したいなー、という方には是非に。なんかちょっとヘンな話だし、暴力もふるうけど、最後に「あぁ…」と余韻が残る。そして、切ない!主人公・四郎が、父に向かって「お父さん!」と呼ぶときの切迫した感じを、まだ読んでない方に味わって欲しいです。 | ||||
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何かが違う。新鮮。変わりモノが好き。そんな方にオススメの一作です。特筆すべきは、舞城さんの文体ですね。とにかく、圧巻されますよb舞城さんの作品の中でも、特に文体がノッてる作品なので是非読んでみて欲しいです。もちろん、文体だけでなく話の方も面白いですよ。ただ、真面目に推理するのが好きって人にはちょっと向かないかもです^^; | ||||
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舞城王太郎のデビュー作にして、第19回メフィスト賞受賞作。とにかく文体、構成が独特。人物同士の会話でも改行せず、ほぼ毎ページ全てに敷き詰められている文字には最初驚きました。なのにスピード感を感じるようにスラスラ読み進められる文体は見事に自分のツボにヒット。多分、軽快なテンポと四郎の軽口のおかげかな。読みづらさも感じずに「チャッチャッチャッチャッ」と5時間くらいで読了。個人的に西村氏みたいな『〜は(改行)「…」(改行)と言った。』といった文体が苦手だったのもありますが。所々にちょい過激表現がありますが、そこでの外科医である四郎の発言が、ホントに生々しい。そして軽い。(自分も終盤の「だらん」とか「プラプラ」とかは正直「うげ…」ってなりました。)よって、血とか暴力とか、そんな表現が苦手な人は要注意ですね。(ちなみに喧嘩シーンではかなり燃えました。四郎…かっこいいw)そして血生臭い内容や衝撃的な展開の末に訪れるのは、意外にもスキッと清々しいラスト。人の心って深い。そして温かい。後味スッキリとした読了感。人は選びますが、その「文圧」に引き込まれたら最高に面白い作品です。 | ||||
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読んだことのない疾走感のある本。雰囲気も独特。主人公がカタカナで英語しゃべりまくり。こちらが推理すらできない(というか推理する暇さえない)難解さ。おれは、こういう作品好きです。 | ||||
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腕利きの救命外科医である主人公に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件に母親が巻き込まれ、被害者となる。故郷に戻った主人公に待ち受ける血と暴力に彩られた過去、現在、そして未来。破綻する世界で対峙するものとは…。正常な状態とは、異常性を排除した異常な状態なのではないのでしょうか。 「生きてても虚しいわ。どんな偉いもんになってもどんなたくさんお金儲けても、人間死んだら煙か土か食い物や。日に焼かれて煙になるか、地に埋められて土んなるか、下手したらケモノに食べられてまうんやで」 | ||||
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暴力がこの世の根源的に存在してしまっているものだという悲しい現実に意識的な舞城氏だが、彼はそんな暴力のシステムの不条理さを描きつつ、ほぼいつも「家族の愛」を対置している。このデビュー作でも、一応はミステリー小説風に幾つかの謎が解かれていくが、結局きちんと解けた/整理がついたのは主人公の家族の問題だけで、具体的な殺人事件のトリックのディテール等は放ったらかしのままだ。でも、この家族を扱った主題についてはラストは泣けるし、しらけさせずにこういう大団円を書くというのはやはり筆力があるということだ。 それにしても、「型」がカッチリしたミステリー小説の形をとりながら、トリック明かしを全て行わない「型」の崩しをデビュー作で行った作家の度胸は買えるし、凝り固まらずにこんな作品をきちんと評価した編集者(=注、メフィスト賞選考は編集者が行う)も偉い。 育った家庭の壊れっぷりを延々と主人公が語る中盤に途中飽きたのと、多分作者が一番語りたかった話を推理ミステリーの形式で描く必然が本当はそんなにないのではないかということが見えてしまったため、星は1つ削った。それでも、その辺の「純文学作品」よりも遥かに「家族」というものの本質をえぐってみせた小説だと僕は思う。天晴れなデビュー作。 | ||||
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改行がない、「、」がほとんだ見当たらない、しゃべり言葉のような文章、読み始めの最初の数ページで、早くも本書を手にしたことを後悔しそうになったが、不覚にも読み進めてしまった。 だが、それが功を奏した。 これは面白いぞ・・。 読ませる読ませる、ユーモアのセンスとスピード感が圧巻。 気づけば彼の世界にぶち込まれていた。 主人公の無視スキルの高さに脱帽。 痛快! | ||||
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10年以上ぶりにがつんと来た本。 ある種の人は心臓をわし掴みにされるような「切なさ」が最大の特徴。 よく言われている、暴力も、文体のスピード感も、ミステリ仕立ても、福井弁も、全て「愛」を、「切なさ」を語るための道具に見える。 (とはいえ、切っても切り離せないところが舞城なんだが) 舞城は、愛を、暴力で、文体で、ミステリで、福井弁で、語る。 とはいえ、途中の暴力描写はとても痛かったし、万人には進められないけど、私には大事な本になりました。 | ||||
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舞城さんの作品には、とても素晴らしいものと、逆に非常に醜悪なもの がありますが、この小説においては前者で、本当に素晴らしい小説だと 思うのと同時に、彼はこのような小説を書き続けるべきだと思います。 というのも暴力もそれほど行き過ぎていないし、非常によく練られた構成だと 思うからです。殴打事件と家族の問題を絡めながら、福井弁で語るその手法は とても興味深いものでした。 近年の舞城さんは暴力に走り過ぎているように思えます。デビュー作のような作品を また書いて欲しいものですね。 | ||||
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