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うそつき、うそつき
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うそつき、うそつきの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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読後感の良いすっきりとしたミステリー小説を求めている方には向いていないと思います。物足りないと評されている方もいるようですが、何が嘘で何が真実なのか分からない中で自意識を色んな方向に増長させていく主人公の感情の揺れ動きこそがこの作品の描きたかったものなのかなと思います。個人的にはとても好きでした。 | ||||
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暗いファンタジー、といった感じ。 そもそもの設定がファンタジーで、あまりリアリティーがなかった。世界観に入り込めなかったから、いまいち共感できず。 謎解きも爽快感がなく、説明文を読んでいる気分だったのが残念。 好みの問題だろうけど、面白味がどこにあるのかわからなかった。 | ||||
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首輪型の嘘発見器の着用が義務づけられた,少し先の日本と思われる国が舞台の物語. まさに息が詰まるというのか,灰色にくすんだ人々や街,閉塞感がじわじわと伝わって, その重苦しさに重なる抑え気味の文章,そしてカバー絵がその空気をうまく表しています. 物語はその首輪の除去を生業とし,裏社会で生きる少年の現在と過去が交互に進み, 依頼者,つまりは嘘を必要とする人たちの背景に,その是非を考えることが多い印象. そこから社会の仕組みや少年の出自などへ転がり,様々な情報(嘘)が飛び交う様子は, 嘘に傷つけられ,失望を繰り返しながら,どう向き合っていくのかが問われているようで, 結局,どうしたところで人間は嘘をつく生き物,というのが唯一の真理なのかもしれません. また,向き合えば嘘発見器のランプに怯え,電話になればそれが見えずに不安になってと, 相手の顔を見ない,そこに人が存在しない彼らのやり取りは,何とも滑稽で皮肉に映ります. 一方,自分こそがと言い張った発言の真偽,さらには多くの素性も曖昧で終わりますが, 嘘に翻弄をされ続ける世界だっただけに,こういう煙に巻かれる感じも悪くはありません. ただ,とにかく救いがなく,個々のエピソードだけでも『しんどく』なるものばかりなのに, そこへとどめを刺すかのような最後の流れは,淡々と閉じられる分,なおさら胸を抉られます. | ||||
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オムニバスのように、首輪をはずす依頼者が現れては身の上話をしてく、という設定や文章力はいいのだけど、全体的になんとも暗い。 しかも首輪をうまく取り損なうと首輪が絞まるので、目の前でかきむしりながら苦しんで死んでいくのを見ている描写とか、何回も描かれると正直気分のいいものではない。 文章力で選ばれたのかもしれないが、最近は病んでる感満載の作品が賞を取りやすいので、日本社会がなんか心配になる。 病んでる作品が評価されるということは、書き手も読み手も病んでる現れという気がしてならない。 | ||||
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前にラジオで、こちらの小説の、紹介をしてました。 題名だけ覚えていて、いつか買いたいと思って買いました。 とても、良い内容で、読み飽きさせない小説です。 | ||||
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ラジオの書評で興味を持ったけど 図書館はずっと予約まちだし 文庫は出ないしで待ってましたけど 待ちきれず購入しました。 国民全員が嘘をつくと赤く光る首輪を 強制的に付けられている世界。 普段は青いけど嘘をつくと赤く光る しかし、それは本人には見えない。 主人公は様々な理由で首輪を外して 欲しい人達から首輪を外す裏稼業をしてる青年です。 彼は様々なタイプの首輪を外す事が出来るのですがこの国には外す事ができない首輪がある?と聞き と、まぁこんな感じでお話は始まります うーん、星三つかなぁ。 | ||||
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3分の2を過ぎたあたりから、唐突に、謀略小説めいた展開になり、それが、2転3転と、どんでん返しが続く。その点で、ミステリかなと思わせる。ラストも、感動的に描かれていて、一部の現代クラシックのクライマックスのような(不協和音が続くが、古典的手法のクライマックスが訪れ、半ば強制的に感動する。狐につままれたままの気分で、拍手喝さいする、みたいな)終わり方も、好感。全編に、オリジナリティ横溢。全くの、空想上の世界(架空のルールの支配する)での、表の世界と、裏の世界を、想像力だけで構築。会話も軽妙で、随所に非凡な才能を感じる。しかし、あまり、面白くない。構成がいびつで、最後の3分の1の、この小説のキモの部分が、セリフによる「説明」でしかないため、「ふーん」だけ。ミステリであるならば、「魅力的な謎」「伏線とその回収」「トリック」が必要だが、すべてが弱い。3分の1を、もっと、前の方から「魅力的な謎」として、明確に(~は、なぜだろう?)、小出しに、各所にちりばめ、それを少しずつ解いていくという構成にすると、読者に、冒頭からゴールを暗示させることで、向かっていく方向を与え(それが、安心感となる)リーダビリティーが上がる。小出しが、伏線になるし、(その回収のカタルシス)書き方によっては、トリックに見せられる要素もあった。優秀だが、面白さが残念という作品。 | ||||
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首輪で行動を監視される世界。 そこに何があるのか。 ある種のファンタジックな異世界の雰囲気があり、端的に行って生命の躍動・若さの無鉄砲さがある。 感情があり、行動があり、結果がある。 そこに物語があった。 ここでは、推理やトリックなど些末なオマケに過ぎないだろう。 | ||||
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(ややネタバレあります) 巻末の選評に「瑕はない」とあったのですが、果たしてそうなのかな、というのが第1。 まずあり得ない状況設定なのはSFのお約束のようなのでさておき、 首輪なるものに仕込まれたギミックも、御都合主義に見えなくもない。 また、ハイティーン前後にしてはやたら詳細に説明できる少年少女がいろいろ語ります。 どれもそれなりに説得力があるのですが、どれも嘘が入っていないという確証が持てない。 トリックとその種明かし、という点がうやむやにされている印象です。 ああ、そういうことだったんだ、という爽快感がありません。 登場人物にこの世は狂ってると言わせたり記憶の改ざんが可能になってる時点で、もう何でもありになってしまうなとも思いました。 矛盾なく緻密に世界観を構築するのは困難なことなのだと思わずにいられません。 文章自体は読みやすい。 思うに、ストーリーの中心を占めるアイテムが「首輪」という点が、実は一番世界観を損ねているのではないか、そんな気もしました。 マミさんがマミられる描写がなかったのは作者の良心でしょうか。 | ||||
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第5回アガサクリスティー賞受賞作 (あらすじ。ネタバレなし) 近未来のある国家が舞台。そこでは全国民が4歳以上になると首輪をしなければならない。 その首輪には赤と青のランプが付いていて、普段は青のランプが点り、ウソをつくと赤のラン プが点る。国民は1週間に1度バッテリー交換のために「まごころ支援センター」に行かなけ ればならない。バッテリー交換の際、レコーダーが回収され、悪巧みなどはそこから発見され てしまう。つまり、首輪装着義務は国民の治安を守るために出来た制度だった。が、そこには 首輪を除去する裏業者が現れる。その1人が主人公のフラノである。 その首輪は、無理にはずそうとすると、ワイヤーがモーターで締め付けられ、人を死に至ら しめる。だから、特殊な技術を持った人でないと首輪除去は出来ない、という設定。 (感想) SFみたいな内容だから、瑕もある。たとえば、そんな危険な物を全員に取り付けるという 制度が立法化されることなど絶対にないだろうし、物理的に締め付けるのであれば、固い鉄の 枠などを内側に装着すれば、締め付けられて死ぬことはないはず。また、手術などで除去が必 要になる場合、医師は緊急に自分の判断で除去できるようになっているはずではないか。 とまあ、この辺りは追求しないのがルールらしい(笑) ミステリーの賞ではあるが、近未来SFという程度で、ミステリーの要素はあまりない。か なり緻密に作ってあるが、第4回のしだれ桜恋心中、第2回のカンパニュラの銀翼あたりと比 べるとかなりレベルは落ちる。 主人公フラノが18歳であるA1~A8と、16歳であるB1~B7(B7のみ16~18 歳)が交互に構成されているので、それを活かしたなんらかのどんでん返しや、あるいは叙述 トリックなどがあるのかと期待したが、それもなかったのは残念。 こういうのを「ディストピアSF」というらしいが、話の主眼は、人間の感情や背景にある と思う。その意味で、佳作ではある。 しかし、アガサクリスティー賞はミステリー、しかも本格物の賞であるべきではないのか? 過去の受賞作で本格物、誰の目から見てもミステリー、と言えるのは、「致死量未満の殺人」 のみ。アガサクリスティーの名を冠した賞が、こういう路線で良いのだろうか? | ||||
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国民全員が首輪で管理されている所は、なんだかマイナンバー制度の様で思わず引き込まれてしまいました。 また、結末が何とも言えない展開でした読んでいる時の想像と全く異なったところが面白く感じました。 | ||||
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某テレビ番組で紹介されていたのが面白そうだったので購入。 「ミステリー」と聞かされて読んだわたしの期待とは全然違うものでした。 結論がわかっても「面白いミステリー」の作品は伏線を確認しながら何度か読み返すのですが、こちらはそれがありませんでした。 賞を取った作品も、やはり好みが分かれるんだなぁと勉強になりました。 | ||||
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空想的・寓話的な設定のフィクションだが,アガサクリスティー賞受賞ということでミステリ的プロットを期待して読むと,裏切られる。 さしたるトリック・謎解きもなく,後半部分で五月雨式に明かされる種明かしも,「ふーん」といった程度。 本作は,むしろ純文学として読むべき作品なのではないか。 ただし,それにしては,嘘判定機を内在させた首輪という特殊な設定から導き出される結論が,今一つ読者をうならせるものではなかった。 特殊な設定に基づくプロット自体は面白いと思うが,それに見合う著者の主張や真理に迫るアイデアが決定的に欠けていると思った。 文体は抒情的で,最後まで読ませる力は持っている。 | ||||
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アンダーグラウンドに生きる少年フラノは、国民着用が義務付けられている首輪型嘘発見器を外すことを生業としていた。それは師匠から伝えられた特殊技能で、ほかに首輪を外せる人間にフラノは会ったことがない。嘘の定義は難しいが、首輪は疚しさを基準にしている。嘘を吐いた本人が疚しさを感じたとき、首輪のランプが赤く光る。本人にはその色は見えない。除去しようとすると首輪は締まり、制限時間以内に外さなければ、外そうとした人は死んでしまう。フラノの元には首輪除去を求めてさまざまな依頼人が訪れる。たいていは犯罪者で、逃亡中の強盗や詐欺師などがいる一方で、虐待を受けても母親と一緒にいたい少女や、本当は血が繋がっていないことを病気の息子に知られたくない義母などもいる。フラノは依頼をこなしていく過程で、「レンゾレンゾ」と呼ばれる師匠すら解除できない謎めいた首輪の存在と、フラノの大切な人にその首輪が嵌められていることを知る。どうすればレンゾレンゾを外すことができるのか。そもそも何故そんな首輪が生まれたのか。フラノは首輪をめぐる真実に迫ってゆく。 連作短篇のように依頼人たちとのエピソードが連なって、そのそれぞれがバラエティに富んでいて、さらにそこに首輪の謎も絡んでくるので、リーダビリティの高い構成だな、と思います。嘘を何故つかなければいけないのか、それによって生じる不都合(不幸と言い換えても)のあらゆるパターンが表れます。現代社会への皮肉にも寓話にも読めてきます。それはそれで深い話なのかなと思うんですが、とにかく物語として面白い要素がいっぱいある。現在の18歳のややヤサグレたフラノと、首輪除去の稼業についたばかりの16歳の初々しいフラノの章が交互に登場するところでまずおおっとなります。フラノの語りが、トンデモない管理社会のアンダーグラウンドの住人としてクールで淡々としているところと、それでも若者らしく純で瑞々しいところとのバランスがとてもよくて、賛否あるかもですが、私はすごく読み心地が良かった。いや、フラノに言いたいことはいっぱいあるんですけどもね! おま、そこで失敗すんのかよ! よくツラ出せたもんだなアア〜ン? みたいな。まあそういう不器用なところもキュンとしてしまったりします。いいよね自分が特別って気づいてない理系男子の人間関係に不器用な感じ。なので、前半の某少女とか、某兄妹とか、後半の某息子との友情もグッときました。なんといってもヒロインとのラストシーンに心臓鷲掴みです。ヒデエ!(いい意味で)切なさ半端ないです。理系で言うと、首輪のギミックが妙に詳細なのもわくわくします。構造まったく理解できないのになんだかすごいという。著者が理系の人だからなのかなと勘ぐったり。伏線回収のピースをピタピタっと嵌めていく感覚も気持ちいいです。ラスボスのあの感じは、「嘘」がテーマだからなのか。読了後、即座に読み返しながら、誰が本当の「うそつき」なのか、うわあああっと考えました。すごい新人作家が出てきたものだなあと。次回作が楽しみです。あと、カバーも素敵です。 | ||||
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