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万物理論
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万物理論の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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あらすじについては他の人もずいぶん書かれているので割愛します。 物語の前半、他者によって定義付けられる事に倦んでいる人々が数多く登場する一方で、 中盤からは宇宙全体のあらゆる法則を包括するたった一つの理論TOEと、それを完成させようとする物理学者、TOEによる宇宙の説明あるいは”定義づけ”を拒否する無知カルトや原理主義者、またそのいずれとも違った特殊なグループがそれぞれの思惑とともに絡み合う絶妙な構成になっています。(厳密にはTOEが世界のありとあらゆる事象それ自体を定義付けるというわけではないようですが) 自己や他者が認識し認識されるという関係性の中でのみ存在しうることやあらゆる事象のリンクとしてプレ宇宙に言及しているあたり、 これまでのイーガン作品における主要なテーマであった「自己とはなにか?」という普遍的な問いに加えて、「自己を含むあらゆる実体はそれそのものでは存在せず、決して逃れることのできない関係性の中に編みこまれた一点に過ぎない」という関係主義的なテーマも盛り込まれていて、社会学の視点から見ても非常に面白いSFなのではないかなと思います。 理論物理や数学が好きな人だけでなくむしろ西洋哲学や社会学に興味を持つ人にぜひ読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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本屋さんで立ち読みしてて先入観なく購入しました。でだしのエピソードはTruCallingのSF行き過ぎ版みたいだったのですが、だんだん外れて行って、情報化理論ぽくなります。 統一理論の大本は情報理論かその亜流が解決すると、私は信じており、この本の展開は納得いきます。が、話としてみたときの情景が今ひとつ思い浮かべにくいのが難点です。 | ||||
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主人公はテレビ局の依頼を受け番組を制作する映像作家。自らの体内にメモリを埋め込み、自宅でメモリから映像を取り出しては時間のゆるすかぎり編集に没頭する日々。そんな彼に愛想をつかして恋人は去ってしまうが、彼には理解できない。そんなとき舞い込んだ別の仕事の依頼を断って、彼はすでに他人が進めている「万物理論」の取材権利を横取りしてしまう。向かうは「ステイトレス」。そこは、遺伝子工学を珊瑚礁に応用したという地球でたったひとつの無政府の島だった。島にはすでに理論を発表する3人が到着しており、それぞれが発表を行いながら間違いを検証する。主人公は、さまざまなカルト集団と万物理論を発表する基石(キーストーン)をめぐって危険な目に遭遇する。ビッグバンでさえも、この理論により再構成されてしまい、人間がすべていなくなってしまう可能性もあるというのだが……。けっして、ありえないことと未来にはなるほどこんなことがおこるだろうということの組み合わせが巧みに構成されており、SFXを駆使した映画をおもわせる展開であるが、ストーリーの流れに必然性を感じない。主人公はステートレスについて長い考察をするのだが、読んでいて、本編となんの関係があるのだろうと考えてしまった。しかし、さまざまにちりばめられた未来には、SFの醍醐味を味わい、映画にはない映像を自分なりに楽しめたのでこのレビューを書いている。一読に値する新しいSF作家だと確信する。 | ||||
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うまくいえないのだが、またここで示される世界観というものに非常に親近感を持つ。それは、私が書くことと、座ることによって世界の見え方が変容してきたことに近いものだと感じる。そして、著者であるイーガンの世界観の前提として以下のような記述に深い諦念を感じる。これは、ゲーテにつながるのではないだろうか? 「脱出を思い描くのは意味がなく、誤った計画で、おろか者の夢であると。この病んだ体が、ぼくというものすべてなのだ。」 この作品は最初から最後までひとつのテーマと愛でつらぬかれている。 | ||||
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若かりし頃に読んで深い感銘を受けたヘルマンヘッセの「デミアン」を思い出した。 額にカインの印がついた主人公が神なき暗い世界に一歩を踏み出す。その先にある新天地は??? 生硬な文体が読みづらく、また、万物理論を成立させてしまうあたりにトンデモ度の高さが出てしまっているが、吸い込まれていきそうになる哲学的深遠の描き方は顕在。 短編の方が破綻が少なく完成度が高いように思うが、存在の不思議を堪能することは出来た。 | ||||
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自分が求めていたような、万物物理についての最新の研究成果について描かれたものではなく、ただのSFといった感じ。作品中のアイディアや哲学には驚愕させられたが、あまりこの分野に詳しくない私には、真面目に学ぶにはSF的過ぎて、退屈しのぎに読むには少々読み難くかった。もともとこういった想像力あふれるSFにはまっている人にはお勧めの本かもしれません。 | ||||
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イーガンって、うぶだよね。うぶで悪けりゃピュアでもいい。人間原理って、初めて出会ったときは、理性的には「そりゃトンデモだろ~」って思うんだけど、情緒的にはちょっと信じてみたい気持ちになる。そういう「ピュアなロマン」の部分を、そのままド派手に膨らましたのが本書だ。かつて人間原理を知ったばかりの頃の自分に重ね合わせると、その思考過程が楽しめる。 ま、たとえその本筋が楽しめなくても、長編3本分、短編10本分くらいのネタのブチ込み具合だけで、お腹いっぱいになるほど楽しいんだけど。個人的には、ソフトウェアの製品名がいちいち太字になってるのが、なぜか一番ツボだった。 | ||||
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世界の根底にある最終解=万物理論をテーマに繰り広げられる哲学SF。 最高です。濃いです。 話題があっちこっち飛んだり、いろんな人がいろいろやったりしますが、じっくり理解しながら読み進めばきっといいことがあります。 全部のエピソードはクライマックスに向けて集約し、主人公が迎えるカタストロフィーが読み手の頭の中でも爆発します! | ||||
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めまいを誘発するアクロバティックなアイディアにくらくらする、という楽しみは健在ですが、いまひとつ着地が尻すぼみかも。 | ||||
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ネタの多様さ(ナノ、宇宙論、アイデンティティ、カルチュラル・スタディーズ的な面、科学文化論、身体論、社会変革、多国籍企業、リアリティ、・・・) そしてネタバレまずいので書けませんが、結末のスバラシサ。 個人的オールタイムベスト3に入りました! 宇宙消失、順列都市 を越えた、ある意味3部作完結編でしょうか。 ヴァレラの「身体化された心」とも個人的にはとてもシンクロして心地よいです。 願わくはもっと早く訳していただきたいところ。 以降の長編が楽しみでたまりません。 | ||||
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