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孤狼の血
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孤狼の血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全174件 141~160 8/9ページ
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広島県警の若手刑事日岡秀一が、呉原東署のベテラン刑事大上章吾の下に異動となるところからこの物語は始まる。大上は暴力団 担当としてその剛腕ぶりは誰もが認めるが、一方暴力団との癒着や違法捜査で黒い噂が絶えない男だ。赴任一日目から大上に厳 しく鍛えられる日岡。暴力団同士の抗争が再燃しようとしている当地で、自分なりの正義で以て一方の暴力団に梃入れする大上、 その違法捜査や暴力的な尋問などに対して、日岡は中々馴染めない。だが、その大上の度胸、辣腕そして優しさに次第に魅かれて いく。 女性作家とは思えないような暴力描写、広島弁のセリフ(そう、まさに「仁義なき戦い」の雰囲気)、そして筋運びの巧みさに舌を巻く が、圧巻は最後の100ページほどの予想もしない展開。ネタ晴らしになる故書けないが、警察権力に対する大いなる批判を込めて 一気に事態は展開していく。この本のプロローグとエピローグが意味を持ってきっちりとはめ込まれるのもすごい。既に映画化され公開を 待っているところらしい。主演は役所広司と松坂桃李。楽しみだ。 | ||||
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かなり渋くて好みのややど真ん中を射ぬいてくれました。 ただ、難点をあげるなら、主人公側と友好関係にあるヤクザのグループが、外道グループに悪質な挑発をされてやむなく報復というパターンの多用が気になります。 あと、主人公は偉大な先輩に重要な遺産を任されるのですが、そこまで大きな信用を得るまでの過程に物足りなさを感じます。いっそ先輩刑事にぶん殴られるような反目があればラストの感情移入も強くなっていたかと。 | ||||
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2016年版このミス第三位に輝く警察小説。機動隊から暴力団の抗争事件が頻発する広島県の呉原東署二課(暴力団係)に異例の人事で配属となった日岡秀一は、広島県警内部で凄腕のマル暴刑事として有名は大上章吾の部下となる。着任初日早々いきなり、暴力団員に因縁つけるように飛んでもない指示を受ける。冒頭からトップスピードで物語は始まり、一気呵成にラストまで疾走します。 最初は、清濁併せ吞む破天荒な刑事と反撥しながらも心通わせる新米刑事とヤクザとの闘いかと思いましたが、流石に各方面で評価の高いハードボイルドだけに、物語の構図はそんな単純なものではありません。勿論、昭和時代の仁義なき抗争も盛り込まれた上に、ラストはまさに予想もしない方向に展開しプロローグからエピローグまで見事に繋がり着地します。 | ||||
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最近読んだ中ではピカイチでした。 刑事とヤクザの友情、先輩刑事の魂が後輩に受け継がれていく様、心が熱くなりました。 広島を離れて20年、すっかり関西弁の私が、読み終わった後は自然と広島弁で話してました。 | ||||
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手に汗握る、しかも展開の見えなさに酔いしれる とはこのことかと、しかも、地元が元になっている ということで、イメージが わきやすい環境も読みやすかった。 | ||||
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仁義なき世界を丹念な描写でリアルにしていく著者の力量に感服。従来この種の物語にあった「sex、バイオレンス、哀感…」の臭いは薄めなのが評価が分かれる点と思うが、これはこれで読後感が良い。例えば、悪徳刑事は何を拠り所にしていたのか?その辺があっさりしているところは、読者に余韻を残す著者の配慮なのかもしれない。 | ||||
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警察官という枠の中では、あってはならない物語。でも、主人公失踪の時の男たちの熱き叫びに泣けました。絶対に、続編が読みたいです。 | ||||
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佐々木譲、黒川博行、にならぶ、男ぽい作品を書く、作家が、登場した。読みおわって、女性作家と知り、びっくり。つづけて、この人の作品を読む楽しみが出来た。 | ||||
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骨太で凄まじい迫力のストーリーだと思いました。映画ではどうなるか気になります | ||||
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図書館で借りて熟読。作者の2014年作品というが知らなかった。 昭和の舞台でポケベル、トランシーバー大の携帯など、いつの作品?と、奥付を何度も見てしまった。 プロローグとエピローグのつながりや章ごとの伏せ字も最後にはっきりして、映画っぽいなと思ったら 映画化されるんですね。 古き良き時代のハードボイルド?! | ||||
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2015年に発売となり瞬く間にベストセラーとなり、「第69回日本推理作家協会賞」受賞、「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位、「このミステリーがすごい!」(2016年度版)第3位。更に「第154回直木賞」にノミネートされるなど話題を独占したベストセラー小説『孤狼の血』! 本書を知ったのは、映画の製作発表会見のニュースでした。『』〈2013〉で映画賞を総なめにし、『』〈2016〉など今日本で最も注目される白石和彌監督の待望の最新作が来年公開予定(主演:役所広司、松坂桃李)の本作だ。 白石監督といえば、上記の実録犯罪モノを手掛けて脚光を浴びた新進気鋭の映画監督で近年、同様のジャンルでいえば、『』『』『』『』といった韓国(コリアン)ノワール(もしくはアウトロー作品)が、毎年のように傑作が生み出され、その画面にみなぎる力強さに圧倒され、日本でもこの手の分野(ジャンル)で傑作を撮る人が現れないだろうかと思っていた時に白石監督の作品を見て、日本にも期待ができる監督がいる事を知って楽しみにしていた。 日本ではコンプライアンスの問題でなかなか映画でも昔のように犯罪モノやアウトローものが作りづらくなったご時勢にこのジャンルに積極的に取り組み、名を挙げた白石監督が今年の韓国のアウトローの傑作として名高い映画『』のキム・ソンス監督との対談し、近年の韓国ノワールに対抗できるのは白石監督しかいないと思っていた時に本作の映画を撮っている事を知り、興味を持ちました。 今回の作品はなんと広島を舞台にしたヤクザの抗争モノでしかも平成の『』という触れ込みで否が応でも期待が高まり、本書を手にした次第です。 まず、本作を執筆した作者が女性である事にビックリΣ(゚Д゚)し、しかも『』に影響を受けて書かれたというから驚きだ(余談だが、『』に登場するナースの皆川さんのような人だ)。 組織暴力犯罪が横行する暴対法成立以前(昭和63年)の広島・呉原市(注:呉市がモデル)を舞台に暴力団系列の金融会社社員失踪事件をきっかけに捜査する警察と暴力団組織間の激しい抗争を描いていた物語である。 呉原東署に赴任した新人刑事・日岡秀一(25歳、演:松坂桃李)。配属された捜査二課の先輩で古株のベテラン刑事・大上章吾(44歳、演:役所広司)とコンビを組み、先の事件の捜査に当たる事となった日岡だったが…。 まず、大上の経歴が県警本部で凄腕のマル暴として有名な人物で暴力団絡みの事件を多数解決し、警察庁長官賞をはじめとする警察表彰を何度も受け、百回にも及ぶ受賞暦は、広島県警では現役のトップだがその反面、訓戒処分も現役ワーストの刑事で何かと暴力団との癒着があると黒い噂の絶えない刑事だ。 このあたりが、『』〈1975、監督:深作欣二〉で主演の菅原文太が演じた久能徳松を連想させたり、個人的には上記の経歴を聞いて、映画『』〈1973〉で主演の渡哲也が演じた鳴神涼を思わせた(今度の映画では、役所広司さんが演じるそうだが、『』〈1996〉に近いキャラになるだろう。余談だが、今回の系列の映画でいえば同じく渡哲也主演『』〈1976、監督:深作欣二〉も必見!)。 大上自体、黒い噂の絶えないアウトロー刑事であっても自身の中で刑事としての正しい価値観(モラル)を持ち合わせており、上記の両面を兼ね備えたような刑事像で決して『』に登場する小日向文世扮する片岡のような悪徳刑事ではない事がわかります。 大上の直属の上司であり、暴力団関連の捜査にあたる捜査二課課長・斎宮(いつき)正成、昔から由緒のある老舗の博徒である尾谷組で服役中の組長の留守を預かり、大上が懇意にしている若頭・一之瀬守孝(30半ば、演:江口洋介)、県下最大の暴力団・仁正会に属し、傘下の加古村組を使って尾谷組と敵対する五十子(いらこ)会会長・五十子正平(演:石橋蓮司)、同じく仁正会の幹事長で大上とは学生時代からの旧知の仲で義兄弟同然の間柄である瀧井組組長・瀧井銀次、大上の行きつけの店で何やら過去に関係のある含みを持つ「小料理や 志乃」の女将・晶子(45)、…… など(注:真木よう子さんの役がクラブ「リコ」のママ・高木里佳子となっているが映画のオリジナルキャラで本作の「小料理や 志乃」の女将・晶子の役割でないかと思われる)。 物語に登場する仁正会は『』に登場する北大路欣也(松村保役)が率いる天政会(実在のモデルは共政会)がモデルであり、作中でも「吐いた唾ァ飲まんといけんよう」〈329頁〉など『仁義なき』オマージュもありニヤリ( ̄ー ̄)とさせられる。 文体自体は、ハードボイルドの雄である大沢在昌氏の方が読みやすい(読ませ上手)ように思います。それと大上の存在理由が『』とかぶっている印象を受けました。 ただ物語自体は、読んでいて引き込まれるし、毎回各章の冒頭に日誌と行動記録が書かれているのは読者に向けてわかりやすく展開を伝えるのが目的かと思っていたが、実はコレがラストに大きな意味を持っていたり、ラストの意外性も韓国(コリアン)ノワールを見ているようで面白かった。 本作の映像化には大いに期待したいと思います。著者の他の作品も機会があればぜひ読んでみたいと思います。 | ||||
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「昭和」の広島の雰囲気が満載の、典型的と言ってしまえばそうなのですが、世界観に引き込まれて一気にラスト! ドキドキしながら展開を期待していたのですが・・・ ラスト以外は本当に面白かったです!なので星4つにしました。 | ||||
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男性的な内容かと思いながら読み始めましたが、最初の1ページからぐいぐい内容にひかれてきづけば最終ページに。面白かったです。 | ||||
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映画化という事で読んでみました。一連の深作欣二が手掛けたヤクザ映画への愛が詰まった作品です。未見の方は特に「県警対組織暴力」を観てから再度この本を読むと味わい深くなると思います。 | ||||
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帯どおり、とても面白くプラス読みやすかったです!続けて2回読んでしまいました。 が、地元の人間としては、方言の語尾の言いまわしが気になったかな… | ||||
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大上という刑事。極道とわたりあう。 広島というのは、独特のヤクザの抗争があり、 広島弁は、またヤクザに あっている。 広島生まれであるが故に、ヤクザも刑事も同級生や顔見知りが多い。 そんななかで、幾多の修羅場をくぐってきた 大上。 ガミさんと誰にでも呼びかけられる。敵も多く、味方も多い。 やくざの抗争の中で、どちらかに思い入れがあり、 その事で、抗争が更に広がっていく。 昭和63年という時代。ポケベル、でっかい携帯電話、公衆電話。 時代が 大きく変化している事を 理解できる。 『昭和の刑事』の気性をのこしたまま、大上は突っ走る。 大上の部下に配属された広島大学出身の日岡は、 大上のなくなったムスコと同じ名前だった。 大上の脱線捜査をみながら、これは大変と思う。 が 次第に 大上の信条に 惹かれていく。 この物語は 圧倒的な 大上と言う 刑事の存在感にある。 | ||||
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暴力団同士の抗争や警察と暴力団との関わりをベースにした小説は好みではありません。方言が多用される会話文も苦手です。この作品はまさにこれらの要素に溢れています。しかし、面白く読み終えました。 何より所轄署の暴力団係に所属する大上班長のキャラクターが光ります。大上や、その部下として配属された主人公の日岡をはじめとする登場人物は、ステレオタイプという感もありますが、いずられも分かりやすい造形です。 各章の冒頭に置かれている「日誌」がなぜところどころ削除されているのか、という疑問を持ちながら、やや劇画的な展開に引っ張られて読み進むと、終わり近くで劇的な展開が待ち受けています。 その後のオチのつけ方には賛否両論あるようですが、当レビュー子は良いと思います。 難を言えば、他のレビュアーが書かれているように、女性の作者であるということもあり、もう少し普通の女性(例えば主人公の彼女)を登場させて、その心理や行動を絡めた方が良かったのではないかと感じられることが挙げられます。ただ、この作者のことですから、いろいろ考えた上でのことなのでしょう。 あるイベントで作者を拝見し、お話を拝聴したことがあります。とてもこういう作品を書かれるような方には思えませんでした。驚きの一語です。 中高年のオヤジが読むに足る、男臭い骨太のエンターテイメントとして、高く評価できる作品です。 | ||||
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本当におもしろかった。 興奮あり、切ないさもあり、悔しさもあり。 結末も僕的にはすごくよし。 とても本のなかに入り込める作品でした。 | ||||
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冒頭に、狼の彫刻がなされたジッポーが出てきて、「北方謙三の初期の作品じゃあるまいし、今時こんな臭い小道具を使うか」としらけて読むのをやめました。 他に読む本がなくなったのであらためて読書再開すると、いつのまにやらページを繰る手が止まらなくなっていました。 う~む、これはおもしろい。 昭和末期の時代設定にしたのも必然性ありです。平成に入ると3年後には暴対法が成立し、本書のような半ば公然の癒着捜査はリアリティーを喪失していきます。時の流れをプロローグとエピローグに持ってくるためにもこの設定がベストでしょう。 岡山弁が実にいいし、久しぶりにフィクションに没頭できました。読めてよかったです。 | ||||
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柚月裕子の名も、「孤狼の血」というタイトルも微かに記憶にあると思ったら、受賞こそしなかったが、直木賞の候補作だったし、「このミステリーがすごい!」の上位に選ばれていたのだ。実力が有ると見たが、如何ほどのものか、じっくりと読んでみたい。 表紙絵は右上に火の点いたジッポーのライターが描かれ、浮き彫りの狼の絵柄があった。プロローグでこのライターの持主が登場するのだが、これが重要なファクターを持つ。 冒頭、広島呉原東署暴力団係班長、大上章吾が紹介される。広島、暴力団ときたら、「仁義なき戦い」であるが、菅原文太の役は広能昌三。字は違うが、本編の主人公も同じ「しょうちゃん」である。 また、全編広島弁のオンパレードであるが、場所が大阪だったら、黒川博行「疫病神」である。このように、既視感のある映画や小説を想起させるので、それを凌駕するには、相当な実力を発揮しないと失敗する。従ってプロットの斬新さと、登場人物が、どう魅力的に描かれるかが要諦となる。 大上章吾の人物造形が素晴らしい。後半あたりでジッポーのライターがさり気なく出てくる。そしてどう締めるかであるが、エピローグを読んで、プロローグを漫然と読んでいた事に気付き、「孤狼の血」というタイトルが絶妙であることを知らされる。これはやられた。 | ||||
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