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(短編集)
まっ白な嘘
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まっ白な嘘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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1940年代アメリカの短編集、18篇。300ページ強。 ミステリといっても推理もの以外にサスペンスや奇譚まで幅広く、純粋な謎解きは一部だ。質的にも満足できる作品から読み終えて納得いかない作品まで様々で、ばらつきがある。トリックや動機、結末が微妙な作品もそれなりにあり、短編集ということもあってアイデア勝負の傾向が強く感じられる。テレビ番組の『世にも奇妙な物語』の元ネタになりえそうなストーリーが多い。 書店で帯で「ぜひ最後にお読みください」と大々的に煽られている「後ろを見るな」が気になって購入したが、これはやや拍子抜けだった。表題作はそれなりで、タイトルにはたいして深い意味はなかった。 個人的に印象に残ったのは、「メリーゴーラウンド」「叫べ、沈黙よ」「カイン」「ライリーの死」あたり。あまり期待しすぎず、移動や休憩中など空き時間の読書に向いている。 | ||||
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ミステリとSFに定評のあったフレドリック・ブラウンの名作短篇集の新訳で18篇収録。 どれも技巧の凝らされた作品が多く、最後に落ちがあるのがこの人の作風ですが、いずれも今読んでも評価に値いする作品だと思いました。 中で名作とされ色々なアンソロジー等に収録されている「叫べ、沈黙よ」は確かに名作だと思いますが、ネタに触れない範囲で少し書くと、振動でも判るのではないかと若干思えますがどうでしょうか。聴覚に障害のある人でないと判りませんが。 それはおいといても今読んでもあまり時代を感じさせずに古びていない(時代を感じさせる物もありますが)はやはりブラウンという人の才気だと思います。この人の作品は全て新訳にして頂きたいです。 今読んでも面白い短篇集。是非ご一読を。 蛇足ですが、この人の「3,1,2,とノックせよ」がサイコ物の源流として再評価されているのに復刊されないので、図書館から借りて読んだら、今読むと差別を助長する可能性のあるまずい部分があるのが判明。新訳復刊等は難しいかも。 | ||||
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新訳も良いですが、キンドルで手軽に読めるようになったことが個人的にはうれしいです。 ただし、最後の仕掛けは紙の本でないと…? ハッカーの話に置き換えて読みましょう。 | ||||
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SF全集に続いて、ミステリでもブラウンの新訳が進んでいるのは嬉しいです(『復讐の女神』も新訳が予定されているとのこと)。 70年前の短編集なので、ちょっと安直な精神の病の扱い方などもありますが、全体としてはそこまで古びた印象もありません。 それに読んだのがずいぶん前で、内容を忘れかけているものも多かったこともあり、楽しく読めました。 表題作はひょっとしたら『天使ミミズ』のアイディア元にもなったのでしょうか。 ちなみに、これはよく覚えていると思った三編は、どうやらハヤカワの異色作家短編集の方でも読んでいたからの模様――なにせ『危ないやつら』は、こちらの旧版では割愛されていたそうなので。 解説にさらりと入っていたネタにもクスっとしました。「でも、おかしくないかな」と感じた部分に関して、そのネタがきちんと成立することが後で説明されているのも上手い。 | ||||
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越前敏弥氏による新訳が出ました。とても読みやすく自然な日本語です。 越前氏と言えば、最近、クリスマスキャロルの新訳が角川文庫から出たばかりですが、素晴らしい翻訳だと思いました。たくさんある同書の訳本のなかで、おそらく一番のおススメです。同時期にO.ヘンリーの短編集も出版されているようです(未読)。怒涛の翻訳ラッシュ、すごいエネルギーですね。 新作を紹介していただくのも良いですが、過去の名作をあらためて取り上げていただくことにも大いなる意義があると思いました。 古典を新訳で、ということですが、光文社のように独立のブランドは立てず、「新訳プロジェクト」という位置づけで進んでいるようです。このやり方は新潮社のスタークラシックに似ています。解説も洒落ています。続巻が予定されているようですので期待しましょう。 作品の内容については別の方がレビューすると思うので、この辺で。 収録作 笑う肉屋 四人の盲人 世界が終わった後 メリーゴーラウンド 叫べ、沈黙よ アリスティードの鼻 背後から声が 闇の女 キャスリーン、おまえの喉をもう一度 町を求む 歴史上最も偉大な詩 むきにくい小さな林檎 出口はこちら 真っ白な嘘 危ないやつら カイン ライリーの死 後ろを見るな | ||||
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過去の推理小説で気になっていた作品でした。とても楽しめました。 | ||||
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名高い短篇集である。小生のは1979年26版だが、今回再読してやはり大いに楽しんだ。 語り口が巧いので、話を知っていても(「むきにくい林檎」など忘れようとしても忘れられないし) いつのまにか全編読んでしまうのだった。 筋立てもオチもなかなかなのだが、それにもまして語り方が上手いというのか、畳み方が 鮮やかというのか、読む快感がある。 「後ろで声が」が好きだが、この無駄のないラスト1ページがすばらしい。「メリー・ゴー・ラウ ンド」や「闇の女」などの人情話もあるし、あと味の苦いものもある。 味わって損なし。 | ||||
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フレドリック・ブラウン、なかなかまとまって読む機会がなく、特にサスペンス・小話・推理系の作品はほとんど読んだことがなくて、大森望の書評に出てきたり、桜庭一樹さんがお好きだとか、吾妻ひでおの「アル中病棟」にもちらっと出てくるので興味を持ち購入。 うーん、佳作ぞろい、というか、うまい。もっと若い時に読みたかったなあ。 読んでて、星新一や筒井康隆が非常に影響を受けた、というのがよく分かる(特に星新一さん)。 「叫べ、沈黙よ」「後ろで声が」「キャサリン、おまえの喉をもう一度」「史上最も偉大な詩」「むきにくい林檎」「カイン」がすき。これだとおもしろくなかった作品を挙げたほうが早いですが(苦笑)。 「うしろを見るな」は本にも最後に読むように、とあって期待したのですが、あんまりびっくりしませんでした。ちょっと中井英夫の「虚無への供物」や、アガサクリスティーの「アクロイド殺人事件」を思い出しました。なんでかしら。 SF系も「星ねずみ」ぐらいしか読んでないので、SF系の短編集も探して読んでみようと思ってます。 | ||||
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昔に読んだ本で、また読み直したのですが、新鮮味を感じました。 | ||||
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読めば誰でも戦慄するようなお話であっても,筋や落ちはもちろん一切書けません。 それは殺人鬼を知っていながら告発出来ない苦しさにも似ているでしょうか。 さて「叫べ、沈黙よ」 音というものは、それを聴く人の存在が無くても音であるのか,それとも聴く人がいなければ 「それは音ではない」のか。自然科学の定義かそれとも哲学か, フレデリックブラウンの手になればそれは恐怖のひとつのパターンになるのでした。 そんな事件に関わりたくない,しかしまだ列車は駅に来ない。 いやでも「その話」を聞かされる主人公の恐怖がじわじわと大きくなって行きます。 短編17編。 フレデリック・ブラウンの本は全て揃えるつもりです。 | ||||
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才人F.ブラウンの皮肉と諧謔に溢れた傑作短編集。タイトル作はかつて殺人事件が起こった新居に住む新婚夫婦の疑心暗鬼を描いたサスペンス物で一応読ませるが、タイトルになる程の傑作とは思えない。特に最後のダジャレはヒドイ。 しかし、どの作品もF.ブラウンの才気とアイデアが溢れており、水準作以上のものが揃っている。「笑う肉屋」はいわゆる"雪の上の足跡もの"で、当時としては斬新なアイデアであったと思うし、何より事件が起きるまでの登場人物の心理描写が光る。「叫べ、沈黙よ」は有名な「聞く人の誰もいない森の奥で木が倒れたら、それは無音であるか」という問答から始まり、駅のホームに佇む男を殺人犯と名指す駅員の告発が次第にエキセントリックになっていき、読者を虚実の穴に落とす。「史上で最も偉大な詩」は哄笑を誘うホラ話。「むきにくい林檎」は途中でオチが読めるものの、やはり怖い。「カイン」は題名の通りの弟殺しの拘束囚を待っている真の罰とは...。構成の巧さもあって、恐怖が滲んで来る。「うしろを見るな」は当時「E.Q.M.M」でも評判を取ったそうで、「**」が被害者という奇想天外な設定に挑戦している。 紹介できなかった作品にも佳作が多く、人情の機微に触れた作品等幅広い芸風が楽しめる。買って絶対損しない才気と諧謔と残酷さに溢れた傑作短編集。 | ||||
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