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(短編集)
ゾンビ・アパート
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ゾンビ・アパートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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初めて読んだ作家。題名が題名だが、何となく手にとって読んでみた感想。 何とも全ての話がどこかで読んだことのあるようなお話集。 「ゾンビ・アパート」は感心できなかった。典型的な「ごく普通のゾンビ」に 「恐怖の粉」を薄く振りかけたような筋。最後もありきたりで、こうだろうと予 想可能な「オチ」になっている。小説も一つの発見がなければ、単なる作文か、 独りよがりの妄想になってしまうと感じた。これくらいの筋立てで、恐怖小説で すよと言われても、どうにも相槌一つ打てない。アイデアだけが先行し、全くふ くらみのない話。 「襲名」はけっこうその表現や取り扱う題材が面白かった。きちんと調べてか ら話を組み立てたと思われる所が多い。「鰍沢」という演目に、グロテスクな描 写がうまく重なっている。著者は「筆達者」なのか、それとも描写する力を曲げ てしまった「悪達者」なのか。「遊星からの物体X」のような後味。 「深夜の舞踏会」、アイデア倒れ。「愛児のために」、悪趣味すぎる。 「やがて、空から」も結局はゾンビもの。どうにも作者のアイデアが、一つの インスピレーションからいくつもの話を紡いだような感がある。「本作」ではな く「派生した」・「スピンオフした」・「傍流のような」話であり、感心できない。 C級ビデオの「ウォーキングデッド」の一話一話を提示されているようで、何と も読んでも何も残らない。 「横恋慕」。まるで江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」と「押し絵と旅する男」(こ の短編の中で作者自身が触れているが)この二つのモチーフを結合させたものと しか思えず、話自体は面白いとも思うが、新奇さが全くない。これでは興趣を削 がれてしまう。 その他3作品は何も残らなかった。 そこそこ読ませる作品であるし文章力もある。しかし肝腎の「何を描きたいのか」 という点で、今一つの作品集。「ホラーもの」で短編集を作るので、とりあえず こんな作品を作ってみました、とちゃんと下拵えも味見もせずに、出した料理の よう。 暇つぶしにはなるが、また読み直そうとは思えない。 多分、多作になって十分な時間がなく上梓してしまったか。 やはり ☆☆ くらいです。 | ||||
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