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(短編集)

ゾンビ・アパート



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【この小説が収録されている参考書籍】
ゾンビアパート

ゾンビ・アパートの評価: 3.60/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

また読もうとは思えない

初めて読んだ作家。題名が題名だが、何となく手にとって読んでみた感想。
 何とも全ての話がどこかで読んだことのあるようなお話集。

 「ゾンビ・アパート」は感心できなかった。典型的な「ごく普通のゾンビ」に
「恐怖の粉」を薄く振りかけたような筋。最後もありきたりで、こうだろうと予
想可能な「オチ」になっている。小説も一つの発見がなければ、単なる作文か、
独りよがりの妄想になってしまうと感じた。これくらいの筋立てで、恐怖小説で
すよと言われても、どうにも相槌一つ打てない。アイデアだけが先行し、全くふ
くらみのない話。

 「襲名」はけっこうその表現や取り扱う題材が面白かった。きちんと調べてか
ら話を組み立てたと思われる所が多い。「鰍沢」という演目に、グロテスクな描
写がうまく重なっている。著者は「筆達者」なのか、それとも描写する力を曲げ
てしまった「悪達者」なのか。「遊星からの物体X」のような後味。

 「深夜の舞踏会」、アイデア倒れ。「愛児のために」、悪趣味すぎる。

 「やがて、空から」も結局はゾンビもの。どうにも作者のアイデアが、一つの
インスピレーションからいくつもの話を紡いだような感がある。「本作」ではな
く「派生した」・「スピンオフした」・「傍流のような」話であり、感心できない。
C級ビデオの「ウォーキングデッド」の一話一話を提示されているようで、何と
も読んでも何も残らない。

 「横恋慕」。まるで江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」と「押し絵と旅する男」(こ
の短編の中で作者自身が触れているが)この二つのモチーフを結合させたものと
しか思えず、話自体は面白いとも思うが、新奇さが全くない。これでは興趣を削
がれてしまう。
 その他3作品は何も残らなかった。

そこそこ読ませる作品であるし文章力もある。しかし肝腎の「何を描きたいのか」
という点で、今一つの作品集。「ホラーもの」で短編集を作るので、とりあえず
こんな作品を作ってみました、とちゃんと下拵えも味見もせずに、出した料理の
よう。

 暇つぶしにはなるが、また読み直そうとは思えない。
 多分、多作になって十分な時間がなく上梓してしまったか。
 やはり   ☆☆ くらいです。
ゾンビアパートAmazon書評・レビュー:ゾンビアパートより
4309023800

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