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ミステリオーソ
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ミステリオーソの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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ジャズ関連の本を検索していて出てきた一冊。著者はハードボイルド・ミステリー作家。 彼の第1作は読んで、それほど感銘を受けなかった。なので彼の小説の良き読者ではない。 しかし著者は、ジャズピアニストという一面を持っていて、それで興味を持ち、手に取った。 読んでみると、彼の生い立ちや生涯の中に、音楽や文学、映画の話が織り交ぜられていて、 なかなか楽しく読める。 著者のひとつの傾向として、何かに興味を持つと、徹底してそれに突き進む、ということがある。 モーツァルトに興味を持つと、1ヶ月くらいの間に500枚くらいのレコードを買い、モーツァルトを 聴きまくる。小林秀雄に興味を持つと、全集を読破する。 ユニークな個性が世を渡っていく様が、こなれた文章で綴られていく。最後に著者の高校時代の 友人との対談が掲載されている。友人の名前は中村哲氏。パキスタンやアフガニスタンで 医療活動に従事し、亡くなられた、あの中村さんだった。 | ||||
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寡作のハードボイルド作家の原尞が、映画、ジャズ、小説などについて、自分の若い頃の人生を絡めて、自由に語っている。俳優ではハンフリー・ボガード、ジャン・ギャバン、アラン・ドロンなどについて、ジャズは自分がフリージャズプレーヤーだった頃の話にパド・パウエル、セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーンなどの話、小説についてはドストエフスキー、ニーチェ、山本周五郎などについてや自分の小説の流儀など、多岐に渡って述べている。いろいろ難しいことも語っているけど、気楽に読ませてもらった。レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」の中で、探偵マーロウが「背が高いのね」と横柄な態度で声を掛けられた場面を取り上げ、現実だとにやにやするか腹を立てるかぐらいだが、そんなふうに書くとハードボイルド小説では失格で、小説では「僕のせいじゃない」という洒落た切り返しだったという。これを読んで、なるほどハードボイルドとはそういうものなんだと合点した。 | ||||
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単行本「ミステリオーソ」は、内容も面白く、友人にも進めた。新たな原稿も加えて決定版にしたいという作り手側の意向も分からぬではないが、単行本を買った人間にもう一度買え、と言っているに等しい商魂も感じてしまう。高村薫さんが文庫化の度に全面改稿するのも、作者の労力を考えると作家的良心とも思うが、公開版の後でディレクターズ・カット版を買わされるようで、最初から決定稿で出せ、と言いたくなる。 原さんは、反骨の人で、この種の二度おいしい商売をする人だと思わなかったので、残念。親本の文庫化と「続・ミステリオーソ」の文庫化で、どうして出さなかったのか、沢崎に調査してもらいたい。 | ||||
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