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朝のガスパール
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【この小説が収録されている参考書籍】
朝のガスパールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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筒井氏の同時期の「パプリカ」では、夢から覚めてもまだ夢の中、現実なのか夢かわからない、そういう夢の階層化が表現されていましたが、「朝のガスパール」では世界自体が階層化されています。一番下位レベルにゲーム「まぼろしの遊撃隊」の世界、その上位レベルに、そのゲームをしている貴野原たちの世界、その上位レベルに、この作品(だけ)を書いている作家の世界。自分には上位レベルに行くほど話が面白く感じました。特に作家が新聞小説ならではの読者からの投書を論評・酷評する場面や、パソコン通信の内容に何日も猛烈に激怒するところなど、筒井氏のそばで仕事ぶりを拝見しているようで感銘を受けました。登場人物が「演じている」という視点も、役者でもある筒井氏の面目躍如だと思います。メタフィクションの傑作だと思います。 | ||||
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物語をサクサク読みたい人にはオススメ出来ないが、虚構について興味のある人にはオススメ。 | ||||
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流石はSF御三家!この一語に尽きます。 日本SF大賞受賞作品の中で(私も全てに目を通した訳ではありませんが)最も秀逸な作品です。 筒井康隆作品の共通項はどれ程、荒唐無稽な作品であっても若しかしたら有り得るかもと思わせるリアリティーではないかと思います。 そしてそれこそが天才・筒井康隆と凡百なその他のSF作家との絶望的ともいえる実力の差を如実に物語っているでしょう。 文句のつけようが有りません。 | ||||
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みなさんのように立派なレビューは書けません。 しかしながら筒井作品の中でも比較的レビューが少ないことに納得がいかず書いています。 時かけ、七瀬、ラゴス、パプリカ等を読んだのならなぜコレを読んでないのか疑問に思います。 笑ったり焦燥感に襲われたり泣いたり、と、めまぐるしい程の感情体験ができます。 | ||||
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「ご注意願いたいのは、この文章が既に小説の一部であると言うことだ。」 相変わらず人を食った書き出しです。「虚人たち」の解説で著者は小説のルールをからかっている、と言っていましたが、本書のからかいの対象は読者です。当初の触れ込みでは著者が読者の提案を受け入れてストーリーを作っていくという事でした。しかしほとんど建設的提案がなかった(と少なくとも作中からは判断できる)せいか読者の投書は「読者投書の感想会」で取り使われ、しかも終盤ではそれも櫟沢(この作品を書いていると言う設定の人物)が約2回分丸々使って読者の低劣さを罵る(「スカタン投書の言説は人目にさらされて子々孫々まで笑いもの。」)という展開になります。小説が読者を啓蒙する使命があるとするとこれほど直接的な働きかけは無いでしょう。 にしても某宗教関係者の意見も一部理解できます。読者の低劣な罵詈雑言や陳情も著者においしく料理されている感があります。「朝から人妻が操を捨てる話を読まされると、出勤前、または途上の亭主族は妙に落ち着かなくなる。」なんてただの投書なのになかなかナマナマしくていい文章だと思います。 | ||||
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インターネット普及前に 現在のネット時代の光と影を予見するような社会実験を行い それを新聞小説という形で発表した、天才にしかできない作品。 小説内の存在である人妻の貞操を巡って 舞台回し(これも虚構の存在)である「作家」が右往左往したり、読者の意見を容れて? 登場人物を大量殺害したり、「読者参加」小説のハチャメチャぶりには大爆笑させられる。 一方で、現在でいうところの「荒らし」の主体を小説内で揶揄したり、読者を罵倒したり、社会実験の全てを小説に巧みに取り込んでいく作者の悪辣ぶりには本当に関心させられる。 筒井さん あんた 本当に食えない極悪人ですなぁ。完全に脱帽。 | ||||
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新聞連載で、読者参加型の小説です。 「虚構と現実が入り混じり」と書くと割とありきたりに聞こえますが、 ほんとに混じっちゃってます。 終盤あたりは感覚として「本」ではない別のものに思えたくらいです。 筒井作品すべて読んではいないですが、今のところ一番好きな作品です! お勧めします。 | ||||
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怪我をして、入院していた時に、この本を読みました。 すごく夢中になったのを覚えています。最初のページから、グイグイひきつけられます。興奮して、体は動かせないのに、体中に力が入りました。退院してからもまた読みました。入院したことは、良くなかったけど、それでこの本に出えたんなら、すこし報われたかと思えたくらいでした。 | ||||
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周知のとおり、当作品は新聞連載小説として書かれ、パソコン通信や投書での意見、感想を作品に取り入れていくという実験的な手法で進行します。 主軸である夫妻の物語、作品内作品としての遊撃隊の物語、無責任で理解の無い投書にいらだつ作家と担当の会話、そして筒井康隆本人などの複数のストーリーが一気に集約していく終盤の展開に、リアルタイムの読者は大興奮でした。 しかし、文庫版は真鍋画伯による挿絵が収録されていないのが実に残念です。当時は毎日作品の内容に沿って挿絵が描き下ろされており、この作品の見所の一つでした。 | ||||
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今では考えがたいことだが、筒井康隆はアサヒ新聞に(!) 小説を連載していたことがあった。 もちろんただの小説であるはずがない。 連載しながらネット会議室や読者の投書を参照し、 展開に反映されるという形式を採ったのだ。 その結果はSFファンからはサロンのシーンが駄目だと言われ、 アサヒの読者からはSFを載せるなと言われ…。 発表当時は色々と気苦労も多かったようだが、 きちんと作品としてまとめてあるのはさすがの一言。 ファンならずとも、SFを毛嫌いしない方ならどうぞ。 | ||||
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紹介するまでもありませんが、この小説は1991年10月から1992年3月まで、朝日新聞朝刊に連載された小説です。ゲームの世界の人物が現実世界に出現するという超自然的な設定以上に驚かされるのが、この小説の展開が、投書やパソコン通信により読者から寄せられた意見に左右されるという、「読者参加」小説であることです。まさに「筒井ワールド」の新展開と言えます。インターネット全盛の現在ならともかく、単なる双方向通信の時代に、メッセージ数が23,805を数える(「電悩録ー解説にかえて」より引用)という事実はまさに驚異というほかありません。小説上で筒井は、櫟沢という人物に名を変え、筒井とは違う次元で、冷静な判断をくだしていきます。また、ゲーム「まぼろしの遊撃隊」の作者がご存知、時田浩作という設定も筒井ファンにとっては泣かせる話です。小説中で、美貌の人妻貴野原聡子が借金清算のため不倫を働く場面が、読者の要望で変えられてしまうなど、この小説の真髄を見せられます。野性の女性隊員穂高、チャーリー西丸など強烈な個性を発揮する人物も多く、決して途中で退屈することはありません。 | ||||
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