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私が殺した少女
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私が殺した少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 1~20 1/3ページ
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沢崎よかですねえ。いまわ澤崎に変わっちゃいましたがそんなことまあよろし。 もう新作読めないのが全く残念。 | ||||
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文庫版に併録されている「あとがきに代えて―敗者の文学」は、沢崎に原尞の身元調査をさせるというシャレた趣向の短文で、この作家のエスキースがかなりの精度で描かれていると思われる。高齢の依頼人に促されて沢崎は原尞についての調査結果を逐一報告していくのだが、そこには、<いや>と否定で受け続けたり、<一体どっちが本当なのかね?>という問いにも<さあ、よくわからないが、おそらくどちらも本当ではないかと思いますね>などと答える始末。3人に訊いた証言もAの言ったことをBが打ち消し、Bが言ったことをCが打ち消すという風にシッポをみせない男として表される。あるいは、興味の推移にしても<それが、そうでもない>で受けることによって、原尞の生き方そのものが誰もが共感を得るようなものではないことが強調される。 そして、この態度こそが彼の書くものそのものでもあるのだ。今回の事件への介入も<まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日>として始まる。それほど滅多に遭遇することのない事件であり、二度と遭遇したくない事件であった。誘拐事件である本件に、なぜか身代金を運ぶ任務を指名され、さんざんあちこちに駆けずり廻されたあげく、アタマを殴打され、身代金は盗まれ、オマケに犯人からは連絡を遮断されてしまう。さらにあろうことか探偵の沢崎が共謀者にさえ追いつめられてしまうのだ。最初の8章はこれだけで吹っ飛んでしまう。 「真壁清香(さやか)」この12歳の天才ヴァイオリニスト。―しかし、一面識もないこの少女を殺したのは、むろん沢崎ではない。しかし、その死の周辺で蠢いていた一人であることは紛れもない。“犬の糞は飼い主が始末して下さい”という看板を見て、彼の愛車ブルーバードを、<犬の糞に間違えられたとしても>おかしくないが<掃き捨てられることはないだろう>だとか、Tシャツのマイケル・ジャクソンの顔が<整形手術の甲斐もなく醜く歪んだ>とか、ニュー・ファミリーふうのマスターが経営する<名前のない喫茶店>の<BGMはもちろんニューミュージック>などと揶揄しているうちは、―沢崎がタバコの<フィルターをちぎり取って火をつけ>るのを見た若者が<不思議な儀式でも見物するような眼つきで見ている>のを、<問題があれば、必ず模範解答がついていると思っている><世代>だとか批評しているうちは―もしくは、錦織警部の<カミナリという表現では上品すぎる悪態を三十秒間黙って聞い>ているうちはまだよかった。 一旦解決したかに見えた事件は、さらに新たな皮をむかれるようにして次々と異なる局面を見せて変転してゆく。それは、まるで誘拐事件そのものが身代金とは別の目的をまとっているようにさえ感じられる奇妙にねじれた事件だったのだ。ただ一人真っ先に事件の真相にたどりついた探偵は、容疑者が胸を張ってのたまう“家族愛”とやらに苦言を呈す。<人間のすることはすべて間違っていると考えるほうがいい。すべて間違っているが、せめて恕される間違いを選ぼうとする努力はあっていい>。ここに、この事件に対する探偵の―そして作者のいささか苦い所見がある。 今回、沢崎の元パートナー―かつて池辺良に肖ていたらしい渡辺がチラリと登場する。それも一分一秒を争う可及的な場面で。ほんの瞬間的に。これが効いている。この一瞬のフラッシュバックが沢崎にインスピレーションを与えたのかも知れないからだ。けっしてスッキリした後味をあたえる爽やかな読み物などではないが、せめてこういう探偵が生息していてくれたなら少しは息がつけるのにな、とは思わせてもらえるかもしれない。それは、言うも野暮だが、バックのないたった一匹のしがない探偵風情だからこそのリアリティであり、それ以上でも以下でもない。 | ||||
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綺麗に包装され、本自体も綺麗で読み切りました。楽しんで読みました。 | ||||
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この2週間、ハードボイルド小説を立て続けに3冊読みました。 本家チャンドラー「ロング・グッドバイ」、それに日本のチャンドラーと言われている 原尞の「私が殺した少女」と「愚か者死すべし」です。 3冊とも文章が簡潔で大変読みやすかった。 個人的には「私が殺した少女」が一番面白かった。 その中の一件を紹介しましょう。 『私はパッケージを破ってタバコを一本抜き取ると、 フィルターをちぎり取って火をつけた。 二人は、それを不思議な儀式でも見物するかのよう目つきで見ていた。』 これら小説はこのタバコを吸ったときのように、すうーと一気に文章が入ってくる。 フィルターやパイプをつけて吸った時のように屈折して喉に入ってこない。 ハードボイルドとは堅く茹でた卵のこと、でも続けざまに3冊も読むと 私の頭の中は、「スクランブル・エッグ」になりそうです。 彼は作品のほとんどを一人称で書いている。 これは素晴らしい事だと思います。 そんな彼が逝きました。 とても悲しいことです。 | ||||
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★★★★★ | ||||
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とても綺麗 | ||||
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和製チャンドラー、といわれるのは文章のムード作りが巧いからでしょう。ちょっと踏み外すと、気障で陳腐な世界になってしまうので、慎重に言葉を選んでいます。著者は、物語の結末より、そこに至る文章に重きを置いているのが、後年の作品でより分かります。文章を味わいましょう。最後に、私立探偵を主人公にして成功した日本の小説は稀有で、その意味でも貴重な作品です。 | ||||
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こういうのは久々に読みました。あまりカッコよくないのが良いですね。 | ||||
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誘拐ものは数多あり本格系の込み入ったものから、シンプルなものまで様々。 今作はほどほど込み入り方はほどほど。法月綸太郎の小説のように後からストーリーの説明に困るほど複雑な話ではないが、意外性もあり楽しく読めた。 ハードボイルド作家なので当然、探偵はヤクザや警察官に毅然としていて、というか終始喧嘩腰でかっつけるんだけど、こういうハードボイルドのノリって要するに『なろう系』の主人公みたいな無敵感を感じて白ける人もいるだろうな、という印象。正直こういうのを現代では中二と呼ぶのでは、と思う。 それ言い出すとチャンドラーからしてあれなんだけどね。 | ||||
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原さんの本を何冊か読んでいたのですが、これを読んで大ファンになりました。 | ||||
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やっぱりハードボイルドなんだろな。ミステリーとしては、十二分に推理の手掛かりが与えられているわけではないからだ。解決に至るまでの主人公の探偵沢崎がどう行動し、どう会話するかというところにこの小説の面白さが凝縮されている。会話の妙、文章の比喩の面白さ、話の展開の意外さなどがいいのだ。少女が殺されることや終局の後味の悪さがちょっとなあというところもある。それにしても、作者はヤクザの橋爪が好きなんだな。本筋と関係あろうがなかろうが、どうしても登場させたいんだね。 | ||||
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ニヒルなセリフ、ブレない心、 厄介で、面倒くさくて、誠実な男沢崎。 待ちに待った14年ぶりの新刊、それからの明日を読んだら、全作再読したくなり、新装の文庫を購入。 沢崎シリーズの魅力は、絶妙なバランスだと思う。悪態をついていても、信頼あっている錦織との関係、橋爪や相良との間にも、言葉にならない絶妙なきずな感がある。 ストーリーそのものも、圧倒的に面白い。 叶わないとは思うけど、もっと書いて欲しい。 | ||||
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探偵沢崎シリーズ第二弾。80年代の東京が舞台。くたびれた日常と飽くなき真実への追求のコントラスト、そこに絡む人間の悲しさに引き込まれる。 | ||||
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ハードボイルド探偵小説。 今回もハードボイルド。とあるを誘拐事件を巡る話。前作、そして夜は蘇るからの続編だが、続きの要素は少なめ。 最後のどんでん返しが、そうなのそこなの、どこに伏線あったのって感じだったけど、それ以外は、安定のクオリティー。 今回も満足できた。 | ||||
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新装版になってさらに100円ほどアップしましたね。 中身を見たら旧版とページ数が変わらない。 何なんでしょうね、新装版と称して値上げしていくこの出版社たちは。 (もともと早川文庫は高い!) これで「売れない」と嘆いてもしょうがないでしょう。 | ||||
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直木賞作品らしい、重厚さのある、サスペンスハードボイルド、最後のドンテン返しに驚く。 | ||||
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誘拐事件に巻き込まれた主人公がやがて・・・というお話。 これが発売された際は処女作がいきなり傑作だったので否が応にも期待が高まる中で読みましたが、前作を上回る出来で興奮しました。その後名のある文学賞を受賞したのは流石に意外な感もありましたが、やはり小説、推理小説としての完成度、文章の巧さで一般の文学賞でも無視できなくなっていたという事でしょうか。何でも賞を取る前から4万部が出たとの事で、日本でベストセラーという言葉を使っていいのは10万部を超えたらと聞いた事があり、それだけ売れる期待がかけられていた、そして実際に売れたという事実は今でも結構すごい事だったなぁと思いました。 賞を獲る前に小規模のサイン会があり、私も当時高校生でしたがのこのこ出かけてサインして頂きましたが、整理券に住所と名前を書く欄があり、特に書かなくてもいいのに書いたら原さんが持ち帰ってくれたらしく、次の年の初めに年賀状が来て驚きました。多分、原さんの方ではもう覚えてないとは思いますが、私は今でも大切の保管しております。その頃はまだバカ高校生でかなり失礼な事を書いてしまった記憶があるのでこの場を借りて謝ります。すいません。 前作の再読でも思いましたが、意外と軽く読めて一日で読み終わりまして、初読の時の重厚さをあまり感じなかったのは驚きましたが、前作のレビューでも書きましたが、原さんが元はジャズのピアニストとの事でリズム感のいいテンポのいい文章を書いたという事なのでしょうか。 前作どうよう傑作だった2作目。是非ご一読を。 | ||||
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シリーズ5作目が 2018年3月に、14年ぶりに出版されるので 新規で読み始める人や、再読者などで 本書の注目度も高くなっていると思います。 以下、ネタバレなしで ”自分が読み始める前に、もっとも楽しめる事前情報”として レビューしてきます。 沢崎シリーズ 第2弾であり シリーズ最高傑作の呼び声も高い本作 国産ハードボイルド小説のはしりとして 直木賞受賞など作家からの評価も高く また、さまざまなミステリランキングにランクイン するなど読者の人気も高いです。 さらに "このミステリーがすごい!"のBest of Best 1988年からの20年間分のランキングでも3位と、 発表当時だけでなく、時を越えた高い評価を得ています。 とはいえ、 30年も前の小説なので現代とだいぶ違います。 ・どこでもタバコが吸える ・携帯電話がない(公衆電話) ・インターネットがない なので、今の感覚とはちょっと違うので そういった認識で読むと良いと思います。 また、本作は王道のハードボイルド小説なので 台詞回しが独特だったりします。 それをカッコイイと思う人もいるでしょうし 低評価のレビュアさんのように 馴染めずに「はぁ?」と呆れる人もいるでしょう。 本作主人公は、40代の私立探偵 生活感もなく、お金もなく、過去に 誇る実績や社会的な肩書もない。 そんな男だが、お金に流されず 警察や暴力団とも堂々と渡り合う。 接客の店員などにも 不要な軽口を叩く。 社会の規範ではなく 自分のルールで動くこの中年を カッコイイと思うか、 困った変人と思うかは 読者の想像力にかかってます。 特にビジュアルにおいて 渋くてカッコイイ俳優などに 主人公を脳内変換出来るかどうかが 本作品を楽しめるかどうかの大きな要素かと思います。 本作はシリーズ2作目なので私は本書から 読み始めました。 なので、前作を受けてのエピソードも あるのかもしれません。 本作の筋とちょと関連のない シリーズを彩るエピソードもあるように感じました。 本作は国内ハードボイルド小説として 高い評価を受けてて直木賞受賞時 ベテラン作家は選評でこぞって絶賛してます。 選評は、”直木賞 選評 私が殺した少女”で検索すれば すぐ出てきますが、ネタバレになっているので 読書前は読まないほうがいいです。 最後に、登場人物の一覧を紹介します。 電子書籍で読むと、冒頭の人物一覧が 本のようにパッと出てこない。 私は、登場人物の物覚え悪いので 別ファイルにしてます。 みなさん、どうしているんでしょう? 人物の簡単な説明もネタバレなしなのでご安心を ============== 沢崎 私立探偵 真壁脩 作家 真壁恭子 真壁脩の妻 真壁清香(さやか) 真壁脩の娘、ヴァイオリンの天才少女 真壁慶彦 清香の兄、中学生 伊坂警視 本庁の刑事 加治木警部 本庁の刑事 毛利警部 目白署の捜査課長 大迫警部補 目白署の刑事 室生刑事 目白署の刑事 錦織 新宿署の警部 甲斐正慶 真壁恭子の兄、音楽大学教授 甲斐慶嗣 甲斐正慶の長男、ロック・ギタリスト 甲斐慶郎 甲斐正慶の次男、レストラン経営者 甲斐慶樹 甲斐正慶の三男、ボクシング部員の大学生 嘉村千賀子 銀座のクラブのママ 嘉村千秋 嘉村千賀子の娘 阿久津隆男 オートバイ乗り 大槻茉莉子 阿久津隆男の友人 細野晋 阿久津隆男の友人 結城卓也 インテリア・デザイナー 結城きぬ子 結城卓也の母 清瀬琢巳 結城拓也の友人 橋爪 暴力団<清和会>の幹部 相良 橋爪の用心棒 渡辺 沢崎の元パートナー、アル中の放浪者 以上です。 読んで損のない名作なので楽しんでください。 | ||||
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ハードボイルドはほぼ読んだ事がなかったが、沢崎の口調や立ち居振る舞い、刑事たちとのやりとり、どれも格好良すぎて堪らなかった。 ミステリとしてはさほどパンチは効いていない感じがしたが、単純に読み物として非常に満足いく一冊だった。 | ||||
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誘拐された少女の身代金の受け渡しという奇妙な依頼を受けた私立探偵. 受け渡しに失敗し,少女の遺体が発見されるが・・・. アメリカのハードボイルドを思わせる文体,セリフ回しが堂に入っている. 単にシニカルなだけでなく,無力感や絶望感を漂わせつつ, それでも真相追求をやめない主人公の姿がカッコいい. この種のスタイルの国内のミステリーとしてはかなり完成度が高いと思われる. また,ハードボイルド小説として読ませるだけでなく, 真相の意外性でもレベルが高い. 直木賞もうなづける一冊. | ||||
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