■スポンサードリンク


(短編集)

二壜の調味料



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二壜の調味料の評価: 4.22/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.22pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(5pt)

パクられ元?

この二壜の調味料の使い方はあまりにも有名ですね。
昔、某有名漫画家が露骨にパクっている作品を読んだ事があります。いいのかなあと思いましたけどね。
(因みにこの某漫画家には落語ネタをパクった物もあります。そう言えば最近…おっと)
他に某有名ホラー漫画でも似たような展開の物が有り、これもか、と思ったらこちらはちゃんと一捻りされていました。
それ程漫画を読んで来た訳でもない私でも二つも見つけた位ですから、他にも結構パクられているのかもしれませんね。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.8:
(3pt)

奇妙なコンビ

「二壜の調味料」のようなものを奇妙な味というのか。なるほど、調味料の味と小説の読後の味とをかけてあるのかとも思った。こういう奇妙な味なら、志ん生の「後生鰻」とか「寝床」、「あたま山」、「粗忽長屋」などの落語にも通じるんじゃないかと思う。このコンビが今でいうと身分・能力格差コンビで、ホームズやポアロの相棒たちとは一味違っている。
各短編は妙に落ち着き払った語り口と趣向がそれぞれ面白い。訳文も読みやすい。
作者の表記だが、スペルを見るとIで終わってないでYで終わってるので、ダンセイニじゃなくダンセイニ―かダンセイニィではないでしょうか。私はてっきりイタリア人かと思っていた。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.7:
(4pt)

乱歩評「奇妙な味」の代表例

乱歩評「奇妙な味」の代表例として高名な短編「二壜の調味料」をはじめとして、26編を収録した短編集。
店頭で平積みになっているのが目について購入。ダンセイニの作品は、「二壜の調味料」以外読んだことがないはず。

いきなり表題作で始まる冒頭の1/3程度は、リンリー探偵もの。「肉や塩味料理にかける調味料ナムヌモ」のセールスマンであるスメザーズ氏が語り手を務める。(もちろん、このナムヌモがが問題の二壜なわけだ。)リンリー探偵は安楽椅子探偵かと思っていたのだが、実はそうでもないというのは本書を読んで初めて知った。

リンリー探偵ものが終わっても、奇妙な味はそのまま続いていく。どうなることやらと思いながら読んでいくと、なんと最後までそうだった、と。なかなか楽しい読書体験でした。あえて好みの作品をあげるとすると、「演説」がなんとも面白いストーリー展開をみせる。もちろん英国の事情を知っている必要はあるが、そうきましたか!と膝を打つという話だ。

まあそうはいっても、かなりミステリマニアな人向けに本書は編まれているようにも思えますね。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.6:
(1pt)

アホか!とツッコミ

短編集。表題作は、最後の1行に感心するか呆れるかが評価の分かれ目。私は「アホか」と思った。ミステリというのは知的なお遊びだと思っているが、これは脱力するナンセンスコント。文章もヘタクソで、読むのに苦痛。文章がもっとマシだったら、評価は上がったはず。
2編目は、凶器の消失がテーマ。江戸川乱歩がトリックで紹介しそうだが、今なら通用しない。
2編読んだらあまりにつまらないので、その後は読んでいない。
最近、江戸川乱歩の初期短編を読み直しているが、「心理試験」がちょっと面白いくらいで、あとはびっくりするほどくだらない。子供のころ読んだときは、もっと面白いと思ったのになぁ。それに比べ、今のミステリは進化したもんだ。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.5:
(5pt)

面白いです

読み進むほどに味が出てくるような良いミステリーだと思いました
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.4:
(5pt)

英国版「六枚のとんかつ」(だと私は思う)

江戸川乱歩がこの作家の短篇ミステリを「奇妙な味」と評したそうですが、さらに私は踏み込んで「六枚のとんかつ味」だと言いたい。表題作。推理の展開よりも、語り部が訪問販売している謎の調味料の実態の方が気になってしまうというのはすごいことだと思いました。確かに最後の一行で「はっ?」となりました。それから30分ほど経ったころ唐突に「ハッ!」となって、そういうことかと早合点かも知れませんが思いました。デヴィッド・リンチを思わせる惚けた唐突さみたいなものが濃厚に溢れていて楽しめました。表題作の二人のコンビの連作小説なのかなと思っいたら途中から、独立した短篇や別シリーズが始まりました。すると「六枚のとんかつ味」が薄まってきましたが、さりげなく最後に置かれた短篇で度肝を抜かれました。これまでの流れの整合性みたいなものを瓦解させるすさまじいトリックで、訳者あとがきを読んで「さもありなん」と思いましたが、本当にびっくりしました。江戸川乱歩の「人間椅子」や「芋虫」のグロテスクさは横に置いておいて、それでも滲み出す変てこりんさが好きな人は、本書もお楽しみいただけるのではないでしょうか。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.3:
(5pt)

最後の “オチ” がブラックに記憶にこびりつく珠玉の短編集

江戸川乱歩が「奇妙な味」の代表作と評した、巻頭の「二壜の調味料」。まず読者はこの結末にいきなりカウンターパンチを食らうことになる。

本書は、明晰な頭脳の持ち主リンリーをホームズ役に、そして同居人の調味料のセールスマン、スメザーズを‘わたくし’ことワトスン役にして、スコットランド・ヤードのアルトン警部が持ち込む難事件を次々に解決してゆく9編のシリーズ短編を含めた26編からなる短編集である。

リンリーの物語の中ではひとつのクロスワードパズルからズバリ犯人像を割り出す「手がかり」がその代表例といえるだろう。

後半には引退したリプリーという元刑事から‘私’が話を聞くという懐古風の物語がいくつか入っているが、そこでは不可解な事件が、驚愕の真相をともなって語られる。しかし、いずれも最終的な判断を読者にゆだねる様な終わり方をしている。

全26編すべて、証拠を丹念に追い詰めて解決してゆくのではなく、短編らしく、一見不可能と思われる犯罪が一瞬の元にその謎を解かれる、といった奇想に満ちた趣向の作品ばかりである。そこには、50数年経っても色褪せることなく読者を驚嘆させるダンセイニならではの腕前を見ることができる。

本書は、最後の“オチ”が、なんともブラックに記憶にこびりつく、珠玉の短編集である。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.2:
(5pt)

立証不能な完全犯罪を夢見る著者の豊かな発想に舌を巻く絶品のミステリー短編集です。

イギリスのファンタジー作家として名高いダンセイニのミステリー色の濃い幻の傑作短編集が遂に翻訳出版されました。本書には名探偵リンリーと調味料ナムヌモの販売人スメザーズのコンビが活躍する連作短編9編と単発短編17編で構成され全部で堂々26編と大いに読み応えがあります。著者は本来ファンタジーの物語作家だからでしょうか本作のミステリーはどれも手掛かりを基に謎を解くパズラーというよりも解決が到底不可能に思える謎に対して手品のように最後に種明かしして飛び切りの奇想で読者をあっと驚かせる形式が大半です。名探偵リンリーのシリーズにはアルトン警部と殺人犯スティーガーがレギュラーで登場しており、ここで未読の方は「えっ、殺人犯がレギュラー?」と疑問を持たれると思いますが、要するにスティーガーは殺人を犯しながら証拠不十分で決して警察に逮捕されないのです。著者は本書で立証出来ない殺人のあらゆるヴァリエーションを試していて徹底的に究め尽くそうとする姿勢が窺えます。個々のトリックは完全に独創的とはいえませんが、著者が「奇妙な味」の作風と呼ばれる由縁の読者をぞっとさせ完全に意表を突く真相の出し方が非常に巧みでお見事だと思います。そしてもうひとつ顕著なのは著者が殆どの作品で最後に悲劇的な結末を用意する残酷な嗜好を感じます。『二壜の調味料』娘の謎の失踪と男が木を切り倒した理由を繋ぐ接点とは?ラスト一行で戦慄の真相が暴かれる永遠の名作です。『新しい名人』チェスの自動機械が指したありえない手とは?恐るべきSFミステリーの怪作です。『新しい殺人法』とても奇抜な殺人法に驚愕させられる逸品です。『アテーナーの楯』ギリシャ神話を素材にした怪奇ファンタジー・ミステリーの異色作です。その他どの作品も著者の豊かな発想に舌を巻く絶品揃いの短編集ですので、ミステリーの初心者からマニアの方まで存分にお楽しみ頂きたいと思います。
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227
No.1:
(5pt)

至高のストーリーテイリング、極上の余韻!!

20世紀の前半に活躍した小説家ロード・ダンセイニが記した短編のうち

ミステリーに分類される小説を集めた短編集。

頭脳明晰なリンリーと食品セールスマンのスメズーザを主人公にしたホームズ&ワトソン型の探偵小説と

回想・独白談型の推理小説が、およそ半数ずつ収められます。

初出から50余年を経ているので

本作の中には、現実にはかなり無理そうなトリックや、

現在では「バカミス」と呼ばれてしまうような作品もありますし

また、登場人物たちの設定も使い古された印象を受けます。

しかし、本作の真骨頂は、巧みな「語り」とそれが醸成する極上の「余韻」

たとえば、表題作『二瓶の調味料』では

推理の内容を全部描かず、

決定的とも思える会話の断片を示すことによって

読者の記憶に一生残るであろう余韻をあたえますし

他の作品でも、決定的な解決を示すのではなく

読者にやんわりと任せるような構成をとる事で、

いつまでも余韻が読者の心に残ります☆

ほとんどの話が10ページ前後という長さもちょうどよく

手元にずっと置いて楽しみ続けたくなる本作。

現在のミステリーはほとんどチェックしているという方にこそ

読んでいただきたい著作です☆☆
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018227

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!