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虚けの舞
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虚けの舞の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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おもしろいすぐ読みましたおすすめです | ||||
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『峠越え』がとても面白かったので2作目です。 小牧・長久手の戦いで家康に利用される人だっけなあ、信雄。もう一人の主人公・北条氏規に至ってはもう、誰?有名なの?くらいで読み始めました。が… 何コレすごく面白い!!戦国時代ビギナーで大筋を頭に入れたくて手当たり次第に手に取っているだけで正直いつもそう感動は求めていないのですが、これは歴史の勉強ではなくて心理小説でした。対比でもって二人それぞれを際立たせた悲哀に涙しそうでした。 個人的に信雄が好きに…はならないけど、でも応援したくなる…と言ったらそれもちょっと違うけど、何と言うか戦国武将って皆おかしく豪傑で、人間その時代に生まれたら本当にそんなバリバリやれちゃうもんなの?という気がしていた所に、信雄ピタッと来ました!ああ~これ若い時の私だわ~(^_^;)チャンス生かせない、自分の意見かと思ってたけど人が言ってた事だったわ、決定する時は流されて仕方なくだったわ、すごいと思われたいわりにミス追求されなかったらホッとする、なんかもうカッコ悪い~。でも普通そうでしょ、人間 皆。 今年は大河の影響でダメダメが流行りですよね!この信雄イチ押しです。所謂「推し」にはならないけど。 あと、ラストも良かったです。ただ、よし私も頑張ろう!って思えるかどうかは、年齢で分かれるかもしれませんね。 | ||||
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織田信長の次男である信雄(おだのぶかつ 作品中では出家した名前である常真)と、後北条氏の3代目当主北条氏康の4男である氏規(うじのり)という、小説ではほとんど扱われない人の話です。 信雄は秀吉の小田原合戦に改易され、浪々の身ながら家を再興したいと考え、プライドを捨てて行動します。 氏規は関東に絶大な権勢を誇った後北条氏が没落した後に、北条の血筋を残そうと努力します。 信長の息子で血筋は良いが凡庸な信雄。血筋、能力共に優れているが運に見放された氏規の人物描写が良くできています。 最初の頃は、2人を別々の小説にした方が良いのではないかと思いましたが、終盤の小田原合戦で二人が激突します。構成の妙を感じました。 没落した人の悲哀が身に染みてくるようで、歴史小説を堪能できます。凡庸なところが自分とも重なって思えてしまいます。 小説としての完成度は高いと思いますが、やはり二人は別々に、姉妹本とした方が良かった気がします。 また、信雄は秀吉の朝鮮出兵時の頃には1万8千石を与えられて、”復活”していますが、関ヶ原の戦いの時には西軍に付いたため、再度改易の憂き目に遭っています。 しかし、家康の時代に5万石を与えられ再度”復活”するという浮き沈みの激しい人生を送っています。信雄の子孫は現代まで続いています。 本小説では、第1回朝鮮出兵までしか書かれていないので、尻切れトンボ感はぬぐえません。 ぜひ、信雄一代記として新しい小説を書いて欲しいものです。 | ||||
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大名とかが屈辱に耐えながら血を残していく苦悩が素晴らしかったです | ||||
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皆さんのレビュー通り交わることのない2人が主人公です。 私自身、入れ替わりたち変わる2人になかなか感情移入出来ず、ただただ信雄のショボさと北条氏規の聡明(っぽさ)が印象的でした。 イマイチ理解できていないなと3回読み返して…ようやく深さを理解出来ました。 ※事情により初回を読み切るまでに2ヶ月かかった事も影響してます。 さてようやく本番のレビューですが やっぱり!読みやすく深く考えさせられる描写ですよ。信雄は、やっぱり信雄で、ページをめくる度、期待はもともとしてませんがガッカリするし、北条氏規はたんたんと信念を突き通す姿、考え方がカッコよく描かれています。 反面、信雄と北条氏規の単体作品を読み下げたくなりました。 | ||||
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とても気に入りました。 | ||||
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若い頃なら,織田信雄と北条氏規が秀吉に頭を下げて何とか家名を保とうとする姿をみっともないとか,潔くないとか感じただろうが,中年となった今となってはよく理解できる。落ちるところまで落ちた人,落ちて復活した人,落ちてそのままな人,いろいろ見て来た。自分に置き換えてみれば,自分のため,家族のために転落からがんばれるだろうか? とよく思う(臆病者なので,転落しないようにしないように,としてしまう。)。 本書は,舞台こそ戦国時代であるが,現在でも誰にでも起き得るテーマを描いており,中年であれば読んで感じるところがあるだろう。 知識面では,改易後の織田信雄については,御伽衆をやってたとか,大名として残ったということくらいしか知らなかったので,詳しい話しが分かってよかった。作者は,史実を念入りに調べて書いている。 | ||||
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私は武田贔屓なので戦国奇憚 惨から入りましたが、人物描写が素晴らしくたちどころにはまってしまい先生の作品を収集してます。この作品も織田信雄、北条氏規という私たち凡人はおろか、ほかの作家さんまで通りすぎてしまいそうな二人の人物をW主演という形でそれぞれのターニングポイント、交点を巧みに利用して素晴らしい物語りに仕上がってます。 しくじったり没落しても生きる。現在の私たちにも照らしあわせうる素晴らしい作品。 | ||||
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戦や政治に敗れ家を失った、北条氏規と織田信雄。 生きる意義を失いつつも、血を残すためだけに生き続ける。 二人がたどった道が異なることから、豊臣政権内での扱いも異なり苦悩する二人。 ストーリーは朝鮮出兵さなかの肥前名護屋城下で、お互いの過去をフラッシュバックさせながら進みます。 当然ながら、何か劇的な展開があるわけでもなく、 ドラマチックな展開を期待する人には辛い本かもしれません。 戦国時代の本を読み飽きた方にとっては、この斬新な切り口は新鮮です。 戦場で大手柄を上げることも、また華々しく散ることも出来なかった、いわゆるこの時代の敗者というものが、 いかに生きづらい世の中だったのか、その片鱗を垣間見る思いです。 | ||||
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織田信雄(織田信長の二男)と北条氏規(北条氏康の四男)が主人公の歴史小説。強大な戦国大名の家に生まれながら、家が没落する憂き目を見て、捨扶持で血を残すことだけが使命となってしまった二人を通じて世の無常を繊細に描いている。二人の回想を通じて描かれた史実描写はとてもリアルであり、特に二人が対峙した韮山城攻防戦は、城と砦群の縄張りの調査に基づいて詳細に描かれていた。この辺が伊東潤さんの中世小説のいいところだと思う。 | ||||
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織田信雄と北条氏規2人の物語。信雄、氏規の話が交互に過去現在と交錯して物語は進んでいきます。話はいいのですが焦点がぼやけ気味な気がして、どちらか1人に話を絞った方がよかったのでは?と思いました。 | ||||
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読後感はかなりガックリした 話がどうもにも尻切れであり 着想の良さを生かせてない 読まないほうがイイ | ||||
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織田信雄と北条氏規というマイナーな武将を主人公に据えるのは伊東さんのいつもの手法ですが、物語が中途半端なところで終わっています。織田信雄といえば織田信長の氏族の中でも最も最後まで家を残すため戦い抜いた人物なので、その辺が描かれるのかと期待していたのですが、秀吉に蹂躙されるシーンが大半で肩透かしでした。 | ||||
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名前は知っていても詳しく知らない武将でした。それぞれの武将の心境がおもしろく、新たな視点から歴史を紐解くことができました。 | ||||
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己をしる、という。 若いうちは敗北を知らず、自分の可能性が無限に広がるように感じる。 しかし誰であれ、いつまでも勝ち続けるわけではない。思うに任せぬ局面を迎えぬ者などいない。そして誰もが、敗北を知った後でも生きていかねばならない。 落魄した織田信雄、才を活かす機会を得ない北条美濃守、いずれも負けを受け入れ、這いつくばっても生きることを選択する。 それが大人になるということならば、生きていくのは何と過酷な道行きか。 この本に出てくる男たちに自分を投影してしまうのは、僕がある程度歳をとった、ということかもしれない。 | ||||
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以前単行本版だった時に読んだ後の充実した読後感が忘れられずに今回は手軽に読める文庫版を購入して再読してみた。 この文庫版は単行版を加筆修正しており、物語の重奏感はそのまま読みやすくなった印象を受けた。 伊東潤の作品はいくつか手に取ったことがあるがこの作品は初期作品であるとは思えない完成度である。 初期作品でありながら、これほどのレベルの作品を物にするのだから、この作者の実力は確かなものだと思う。 織田信雄と北条氏規という落魄した武将二人に焦点を絞り、彼らが過去を回想することで秀吉との関係性を浮かび上がらせるという構造になっているのだが、話の運び方がうまい。 更に、回想であるにもかかわらず、スリリングで鬼気迫る展開は一流だ。 「伊東潤に外れなし」の評価はこの作品にもしっかり当てはまっている。 | ||||
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『虚けの舞』 伊東潤 伊東潤の『虚けの舞』を読んだ。『黒南風(くろはえ)の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』に続き伊東潤作品を読んだため、朝鮮出兵の戦闘描写は「さすが!」と感心させられた。今回の作品も文禄の役を背景に、戦国期落した織田信雄(おだ・のぶかつ)、北条氏規(ほうじょう・うじのり)という二人の主人公が登場する。 文庫版の解説を池上冬樹という文芸評論家が書いているが、彼は『虚けの舞』を「「負け組」の男たちの気高さをしかと捉えていて印象深い」作品と云い、あるいは「(『虚けの舞』は、信長の子でありながら凡庸なために没落した織田信雄と、鬼謀を持ちながら小田原の役を戦ったため落した北条氏規の)二人の人生の対比に焦点をあてているものの、もっと大きな存在として秀吉が浮かび上がる」と、評している。だが、この作品の解説として本当にこれが適切かと、正直首をかしげてしまった。 作品自体も―思い切ったところで終わり、且つ初期作品らしく文学というより「歴史好きの趣味本」といったおもむきが強いため、作者が描きたかった「高み」に実は到達していないのではないか……という感じがした。 戦国―織豊時代のみを切り取ってみれば、織田信雄、北条氏規は確かに「負け組」と言えるかも知れない。しかし織田信雄の血は、出羽天童藩・丹波柏原(かいばら)藩として―また北条氏規の血は河内狭山藩として、江戸期に残り、家はともに明治維新まで残っている。―絶大な力をほこった豊臣家が、大坂の役で絶えてしまったのに、だ。 勝ち・負けはひとの視点と気持ちのありようでいくらでも変わる。飽くなき欲望のなかに身を置き続けなければならなかった権力者より、「ささやかでも『生き続ける』ことを望んだ男たちの姿」をこそ本作は描きたかったのではないかと思う。 本当の意味で《生きる》そして《幸せ》ということをテーマにした場合、それは壮大な「文学」に昇華するはずである。この作品がばさっと切れるように終わるのは、実は伊東潤が、自分の志を描ききるなら―織田家・北条家の話にして関ヶ原、大坂の陣……なろうことなら幕末まで辿らなければ済まないかも―と、気づいてしまったからではないか、と、思う。 書きようではそれが可能な着想であったことは間違いない。歴史上「凡庸」とか「悪人」とか「卑怯者」というひとをわざわざ取り上げて、「実は彼は素晴らしかった」と力説する作家を散見するが、この手の作品はその作者の力みがだいたい臭みになって数行読めば嫌になってしまう。 『虚けの舞』は織田信雄のみであれば奇をてらったようにも感じるだろうが―凡庸な男は凡庸として描かれているし―北条氏規を配したことで「血を絶やさぬことに生きる目的をもった男」たちの群像劇としての土壌を得、好感のもてる作品にしあがっている。この続編として、織田家・北条家が関ヶ原・大坂の陣をどう生き抜き、大名家となったか読んでみたい。 | ||||
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『虚けの舞』 伊東潤 伊東潤の『虚けの舞』を読んだ。『黒南風(くろはえ)の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』に続き伊東潤作品を読んだため、朝鮮出兵の戦闘描写は「さすが!」と感心させられた。今回の作品も文禄の役を背景に、戦国期落した織田信雄(おだ・のぶかつ)、北条氏規(ほうじょう・うじのり)という二人の主人公が登場する。 文庫版の解説を池上冬樹という文芸評論家が書いているが、彼は『虚けの舞』を「「負け組」の男たちの気高さをしかと捉えていて印象深い」作品と云い、あるいは「(『虚けの舞』は、信長の子でありながら凡庸なために没落した織田信雄と、鬼謀を持ちながら小田原の役を戦ったため落した北条氏規の)二人の人生の対比に焦点をあてているものの、もっと大きな存在として秀吉が浮かび上がる」と、評している。だが、この作品の解説として本当にこれが適切かと、正直首をかしげてしまった。 作品自体も―思い切ったところで終わり、且つ初期作品らしく文学というより「歴史好きの趣味本」といったおもむきが強いため、作者が描きたかった「高み」に実は到達していないのではないか……という感じがした。 戦国―織豊時代のみを切り取ってみれば、織田信雄、北条氏規は確かに「負け組」と言えるかも知れない。しかし織田信雄の血は、出羽天童藩・丹波柏原(かいばら)藩として―また北条氏規の血は河内狭山藩として、江戸期に残り、家はともに明治維新まで残っている。―絶大な力をほこった豊臣家が、大坂の役で絶えてしまったのに、だ。 勝ち・負けはひとの視点と気持ちのありようでいくらでも変わる。飽くなき欲望のなかに身を置き続けなければならなかった権力者より、「ささやかでも『生き続ける』ことを望んだ男たちの姿」をこそ本作は描きたかったのではないかと思う。 本当の意味で《生きる》そして《幸せ》ということをテーマにした場合、それは壮大な「文学」に昇華するはずである。この作品がばさっと切れるように終わるのは、実は伊東潤が、自分の志を描ききるなら―織田家・北条家の話にして関ヶ原、大坂の陣……なろうことなら幕末まで辿らなければ済まないかも―と、気づいてしまったからではないか、と、思う。 書きようではそれが可能な着想であったことは間違いない。歴史上「凡庸」とか「悪人」とか「卑怯者」というひとをわざわざ取り上げて、「実は彼は素晴らしかった」と力説する作家を散見するが、この手の作品はその作者の力みがだいたい臭みになって数行読めば嫌になってしまう。 『虚けの舞』は織田信雄のみであれば奇をてらったようにも感じるだろうが―凡庸な男は凡庸として描かれているし―北条氏規を配したことで「血を絶やさぬことに生きる目的をもった男」たちの群像劇としての土壌を得、好感のもてる作品にしあがっている。この続編として、織田家・北条家が関ヶ原・大坂の陣をどう生き抜き、大名家となったか読んでみたい。 | ||||
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物語は、北条氏規と織田信雄の2人の視点で描かれています。当てにならないと言えばそれまでですが、軍記物等で名将氏康の息子の中でも「知勇兼備」の武将と謳われた氏規の後半生を、余すところなく描いています。後北条氏好きにはお勧めです。 | ||||
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織田信雄と北条氏規という武将の、それぞれの滅びの後の話。特に印象的なシーンは、信雄が生きていることに失望して、自害しようとするシーンに、氏規が止めにはいるシーンがよかった。生きていればこそ、必ずやまた良いこともある。とにかく、血脈を絶やさないこと。大事に守り、二人の血脈は秀吉以後の時代も脈々と受け継がれる。 滅びたあとに、いかに生きるのが大切かということを感じる作品。また滅びても、またやり直すことができるのだということを感じさせてくれる作品。 秀吉さえも、大きな渦にまきこまれる、ただ一人の人間だということを感じる作品。 | ||||
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