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巨鯨の海
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巨鯨の海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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鯨漁で有名な太地。 小さい漁村ながら、村民すべてが鯨の漁に関わることにより成り立っている。 なればこそ、それぞれの立場なりの辛さや悩みがある。 死が隣り合わせの鯨漁だからこそ、生きることに真剣で、真摯な人々。 漁の描写が圧巻だ。 うねるような波、船を操る様が圧倒的な映像になる。 迫力、臨場感で、引き込まれていく。 鯨の描写もすばらしく、必死な鯨の姿に泣けてきた。 直木賞の候補作品になったのもうなずける力ある1作。 | ||||
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本書は、前回に続き直木賞候補となった著者が、鯨漁で知られた紀伊国太地を舞台とした、連作集で直木賞候補作でもある。 これまで戦国時代を舞台に武将あるいは侍達を描くことの多かった著者が、舞台も登場人物も一変させてきた。 人物でいえば、これまでの多様な、往々にしてしたたかな生き方が多かった侍達に代わって鯨漁に生涯を捧げる男達が居並んでいる。彼らの暮らす太地は、国家権力の手も及ばぬ特殊な掟が支配する社会として描かれているのが先ずユニーク。そして、そこで生きる漁師達が生と死に直面しての生きざまあるいは死にざまを見せつけるのが本書の一番の魅力となっている。生きざま・死にざまといえば、侍の独壇場という既成概念をぶち壊す、実に魅力的な人物群像は、著者の更なる進化を感じさせてやまない。 そして、そのさまを効果的に映し出すのが、彼らが対峙する巨大な神の如き存在の鯨達であり、彼らと鯨とがぶつかり合う鯨漁は、そんじょそこらの戦場面などものともせぬほどの臨場感と迫力を備えている。実は前作でも鯨漁に関わる人々を主人公とした作品はあったのだが、今回の描写は実に凄いものとなっている。 各作品は、スピンオフなどではない強いつながりを持っているが、最後の作品が、それまでの作品とは正反対の価値観や人物像を通じて描く世界は、最終作に相応しいものとなっている。正しい意味で死を恐れぬ者達の生きざま・死にざまから一転して、死にたくないと願う者達に迫る死の運命というテーマは、そこまでの積み重ねの中で非常に効果的に表現されていた。 | ||||
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何部かの物語で構成されています。どの項も悲劇と言うドラマがあり読ませます!時代に沿って物語が展開されており、創成期、成熟期、衰退期の 模様がよく表現されていて最後まで飽きさせません | ||||
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江戸時代、那智勝浦(現在の和歌山県東牟婁郡の辺り)の南で、捕鯨で身過ぎ世過ぎをする集団「鯨組」があった。一糸乱れぬ統制は、その生活が、危険と背中合わせの漁であることを意味し、彼らは厳しい掟のもとで、巨鯨と格闘する日々を送っていた。本書は、本年度、吉川栄治文学新人賞受賞者・伊東潤による新作である。著者の描写は、海に生きる男たちを、とどめを刺す「刃刺」までの記述を集団と個人の両面から描きながら・・・凄まじきエナジーを持つ鯨のダイナミックさを同時に描いている。読む者が息を呑む場面が続出である。男たちが何百人がかりで命を張った古代捕鯨、迫力のある描写に満足。これは読ませる!お薦め。 | ||||
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江戸時代から明治にかけての鯨漁に関する短編小説。 和歌山県の太地を舞台にした鯨漁を主題にしてるが、六編とも違った面白みを味わえる。 鯨との死闘や組織の厳しい掟など紹介しつつ、臨時雇いのよそ者との人間模様などが描かれてます。 現代社会に何かを訴えてるようにも取れました。 特に捕鯨シーンには作者得意の迫力のある戦闘シーンがリアルに再現されて圧倒されました。 最後のどんでん返しも面白かったです。 この作者は新作を出すたびに進化してるので次作も楽しみです。 | ||||
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