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火星に住むつもりかい?
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火星に住むつもりかい?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全60件 41~60 3/3ページ
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「中世の魔女狩り」が、「平和警察」によって現実となった世界の話です。 いまでこそ、魔女狩りは危険思想だという概念が一般的になりましたが、現在の世界において、果たしてその危険思想が全くなくなったと言えるでしょうか。 『危険な人間が危険人物となるわけではなくて、危険人物と指された人間が、危険人物になるだけだ』 この一節に、集団心理の怖さ、さらには集団を管理するルールから逃げられない怖さを感じました。 | ||||
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次の作品も気になります。 全て本で揃えていましたが、初電子本です。 | ||||
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今までの伊坂作品は頼りがいの無い主人公が周囲の人物に振り回され、反社会的なものに巻き込まれていくパターンが多かったが、この作品は違う。どちらかというと反社会的な人物を裁く側に焦点が置かれている。今までの作品では謎に包まれることが多かった部分だ。私はその謎を追いかけながら先がどうなるのかドキドキし、周囲の人物のユーモアに溢れた掛け合いを楽しむのが好きだった。そのため、この作品は合わなかった。阿部和重との共作もついこの間出版され、その作品についても今までの作品とは違う印象を受けた。まさに今伊坂さんは作風を変えようとしている段階なのだろうか。その試みは小説家人生として悪くはないだろうが、私個人としては残念だ。出来れば次回作はモダンタイムスや残り全部バケーション、ゴールデンスランバーのような作品を期待したい。 | ||||
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警察の一組織が過剰な力を持つ世界 理不尽な拷問、処刑・・・それが嫌なら「火星にでも住めばいい」 そんな世界にヒビを入れたのは・・・・ 初期作品の様な洒脱な会話や伏線は控え目ですが、 登場人物のキャラ、独裁、密告、人を追い詰める拷問などの世界の描写、 伊坂幸太郎ならではの2つの時間軸とそれが収斂していく様子に引き込まれてあっという間に読み進めてしまいます。 もっと色々書きたいのですが、ネタバレになるのでここまでにします。 伊坂幸太郎の初期作品からのファンにもおすすめですし、この作品を取っ掛かりに伊坂幸太郎作品に入る人にもお勧めです。 | ||||
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テーマがテーマだけに、伊坂作品らしいウィットに富んだ小気味の良さはなし。 物語のいたるとこに散りばめられた複数の伏線がすべて回収され、 なんともいえない爽快感を感じるのが伊坂作品の持ち味だけど、今回はそういった種類のものでもなし。 前半はあまりテンポが良くないけど真壁鴻一郎という存在がスパイスとなり、彼が登場したあたりからようやく物語が動き出した印象です。 「正義」と「偽善」の違いは何か。 恐ろしい集団心理のなかで、どれだけ自分を保てるか。 読み進めていくうちにテーマが明確になってくると作品の重みもグンと増していきました。 「困っている人は助けろ」、これは私には至極当然なことのように思えるけど 「人を助けることができるなんておこがましい」「すべてを助けないことは偽善」・・・・という考えもある。 正義のあり方をつい考えてしまいましたね。 だけど、この作品に登場するヒーローは深いことも重いことも考えてなくて、ただ人間としてのあたりまえの感情に突き動かされて行動しただけ。 この単純さもこの作品の魅力だと思います。 十分楽しめはしたけど、私はこういうのよりはもう少しユーモアのある伊坂作品の方が好きなので今回は☆は4つにしておきます。 | ||||
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伊坂幸太郎節炸裂。集団心理の恐ろしさ。ピリッと胡椒の聞いた会話。平和警察と名付けられた警察組織が、危険人物と密告を受けた人を逮捕し、逮捕=有罪で、中世の魔女裁判よろしく危険人物としての証拠をむりくり積み上げ、最後は広場での公開処刑。それを見て興奮する群衆。広がる密告合戦。最初はその気持ちの悪さに読むのが嫌になったが、途中から平和警察と戦う男が出てきて面白くなった。そのヒーローの動機も正義感なんかじゃ全くない、というところがまたまた伊坂ワールド。「人間が人間らしく振舞えるのは群れていない時だけだ。」(p364)あっさり言ってくれる伊坂ワールド。 | ||||
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発売前にタイトルを見たときは著者お得意の「洒落たユーモアもの」かと思ったが、そうではなかった。 まず、読むのに時間がかかった。特に前半部分はいろいろな登場人物、エピソードが出てきて、さくさくとページを進めづらい。但しこれは意図した構成だと感じた。読みやすい文章、軽いタッチ、ユーモラスな会話を敢えて封印したのではないか。前半部分はエピソードが繋がっていかないものの描かれている社会のいびつさ、重苦しさは否応なしに感じられる。 「全体主義社会」「監視社会」「群集心理」「悪意」「陰謀」「情報操作」「正義と偽善」「恐怖による支配」・・・伊坂幸太郎の著書にはよくでてくる要素であるが、本書は特にそれらが色濃くて「魔王」「モダンタイムス」に連なる小説だと感じた。 登場人物では「真壁」と「煎餅屋の社長」以外は軽口をたたかない。そしてこの2人が会話を交わすことはないので笑える会話が続く場面はない。深刻なテーマでもユーモアに交えて深刻ぶらずに語る、というのが著者のスタイルだが、今作では変化している。深刻ぶっているわけでも、悲観しているわけでもない小説だけど、ある種の諦念を感じる。 | ||||
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ストーリーは他の方が書かれているので割愛 ラストはいつもの「絡み合った糸がほどけた!」という爽快感(も、あるにはあるけど) ではなく、ぐっと考えさせる感じ 罪人といわれているけども、実際は見せしめのために 警察にどんどん殺される市民。それもギロチンで! ほとんどの人は「そんな風に見えなかったけど犯罪者だったのね」で終わる恐怖 そんなのおかしい、と思う一部の人も声をあげると狙われるので、発言ひとつが命がけ。 いつもの軽いタッチなんだけど重いよ。重い。 でもいつ現実になってもおかしくないような気もする。 次回作気になるわー | ||||
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架空の日本では、テロ対策を目的とする平和警察が絶大な権力をふるっている。密告によって危険人物を連行し、公開処刑を行う。 一度引っ張られて生きて帰った人はいない。泣く子も黙る平和警察に敢然と立ち向かうヒーローが現れた。 奇妙な行動を続けるヒーローの目的と正体は? 作者は以前から、公権力が暴走したときの恐ろしさを主張していた。同様のテーマの作品は以前にも書いているが、本作はその完成型ではないだろうか。特高警察か魔女狩りを思わせる平和警察の残忍さには寒気がする。 何より怖いのは、市民が密告制度に協力していること。そして平和警察を嫌って『いない』ことだ。 ネット上で人権や平和を訴える人に、「非国民」「売国奴」など意味も理解せず旧軍用語を使って罵倒する連中を見ていると、本作をあながち夢想とは思えなくなる。「お上大事」の従順さと草の根サディズムが合体すると、この世は地獄と化する。テロリストの爆弾より、こっちのが怖いような。 緊密に構成されたプロットと過不足のない達者な文体は、いつも通りの伊坂作品だ。ヒーローが素晴らしく魅力的だ。 行動する動機といい能力のユニークさといい、新しいタイプのスーパーヒーローと言っても過言ではない。 敵対する警察側のキャラ造形も秀逸だ。後半は追う側と追われる側の双方に視点が行き来する。 ラスト50ページほどは心臓が鷲掴みにされるような緊迫感だった。小説でこんなに興奮したのは久しぶりだ。 伊坂幸太郎の優れた部分が存分に味わえる。ファンはもちろん必読だが、初読みの入門書にも適している。 | ||||
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村上龍の"半島を出よ"を読んだ時のような、フィクションだけどリアリティがある世界観が一貫していた。ダークサイド伊坂好きにはお勧め。 | ||||
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章立てで視点が切り替わるので最初は読みにくいかと思ったが、統計、心理学(魔女狩り)、生物(虫)、組織論など色んなネタが盛り込まれていて、非常に勉強になる一冊だった。 | ||||
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伊坂作品はほぼ全て読破してきましたが、これまでのような最後に伏線を一気に回収する手法でなく 合間に回収をして、あえて読者に先の展開を予測させる、というようなプロット構成。もちろん期待をいい意味で裏切られること必至 物語に関しては述懐しませんが、興味深かった一節が、伊藤計劃の「虐殺器官」に 登場するジョン・ポールの「戦争を引き起こす謎の言葉」についての言及がなされているところ やはり悪を企てる黒幕とは、人の心理について熟知し掌握に長ける狡猾な化物(モンスター)であることを 改めて実感した一冊 | ||||
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伊坂ワールド、まさにそのものです。 平和警察怖い! こんな事態になったら、おそらく私は小さく縮こまって、できるだけ、他の人の目に留まらないように静かに静かに過ごそうとするだろう。 とにかく、伊坂さんの描く近未来、好きです。 | ||||
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久々の伊坂幸太郎。以前ビートルズの「ゴールデン・スランバー」を題名にしたことがあったが、今回はデヴィッド・ボウイの初期の名曲「Life On Mars?」を持ってきた!ボウイファンの私は一も二もなく購入、久々の伊坂節を堪能した。 舞台はいつもの如く仙台。警察組織の中に「平和警察」なる部署が誕生した。テロリストや危険分子を町から排除して未然に治安の悪化を予防する目的で創設され、いくつかの地域で実績を上げてついに仙台にやってきた。 ところがこの平和警察の職員選抜試験の基準はなんと「サディスト嗜好」のある者というところがなにやら怪しい。そう、これは現代の魔女狩りなのだ。 「平和警察に睨まれた人物とは、つまり、(実際はどうあれ)危険人物に他ならない。中世の魔女狩りでは、魔女と疑われた人物は、拷問によって死ぬか、もしくは魔女だと自白して処刑されるかのどちらかの選択肢しかなかった」(カッコ内は私の注釈) だから平和警察に引っ張られてしまえば、無実はありえない。現代風な無機質なギロチンで公開処刑されるしかないのだ。これが犯罪の抑止力になるのは数字が示している。しかし何かおかしいと思わないか? おかしいと思った人物は、例えばひそかに平和警察に反抗しようとする地下組織に協力する。しかしそれも罠ではないと言い切れるのか? となると個人で自分の知っている範囲内の人を守ろうとするしかない。そのための武器を偶然手に入れた「正義の味方」君は序盤で活躍する。いったい彼の正体は?そして奇妙な武器の正体は? 軽妙でテンポの良い伊坂節は健在。ぐいぐい読者を引っ張っていく。対抗する平和警察に呼ばれた真壁という人物も実に魅力的。昆虫が種として生き残るための様々な手段を延々と説明し続けるのが面白いのだが、それが最後の最後に伏線として生きてくるのは見事。 そして武器となるものの意外さもニヤリ。実はオーディオのスピーカーにも頻用される素材なのだ。ちなみに拙宅にもこの素材あります。 さて、ローカルな正義の味方君は最後に罠と知りつつ、公開処刑されそうな少年を助けようと悲壮な覚悟で出陣するのだが敢え無く捕まって絶体絶命。さあ彼の運命は? ここから先は出版されたばかりなので伏せておくが、一転二転三転くらいする目まぐるしいどんでん返しが待っている。平和警察を壊せるのは同じ匂いのするクロオオアリしかない。でもそうなったって世の中は良くなるわけじゃない。 「世の中は良くなったりはしないんだから、それが嫌なら、火星にでも行って、住むしかない」 伊坂らしい皮肉に満ちたディスユートピア小説の閉め方だ。でもあとがきを読んでちょっと驚いた。 『 自分でもどうにもならない恐ろしいニュースを目にし、落ち込んだ時、デヴィッド・ボウイの名曲「Life On Mars?」を聴くことがあります。この曲名の和訳は、この本のタイトルのような意味だと(調べもせず)勝手に思い込んでいたのですが、実際には、「火星に生物が?」という意味だと知り、恥ずかしくなった思い出があります。』 私も伊坂の言うとおり「火星に住むつもりかい?」が正しいのだと思っていた。この曲のサビはこうなっている。 Take a look at the lawman Beating up the wrong guy Oh man! Wonder if he'll ever know He's in the best selling show Is there life on Mars? う~ん、やっぱりそうなのかな?伊坂流解釈でもいいと思うけれどね。ちなみにこの曲はアメリカのスタンダードナンバー「My Way」を皮肉った曲だと言われている。コード進行も「My Way」とそっくりに作ってある。初期ボウイの反骨精神を取り込むことで伊坂幸太郎は自らをリフレッシュし、いい作品を作り上げたと思う。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの既刊作品の中で、一番好きだと思っていたのがグラスホッパーです。 という人には、かなりお勧めだと思います。 大まかなあらすじは国家権力に立ち向かう小市民、というストーリーです。 悪はとことんあくどく、というか、残酷な人物による暴力が淡々と描かれるパートも少なくないので、不快に感じる方がいるかもしれません。 ですが、その「不快」さをやっつけてくれる「正義の味方」が登場するので、それはもう爽快です。 でもその爽快さはすぐにはやってきません。最初は「えっ何っ誰っ」て思って(それがストーリーの軸なんですが)、読み進めていくうちに、じわじわ希望が見えてくるというか、とにかく気持ちが明るくなるんですね。 最後のほうはどうなるんだろうどうなるんだろうって思って手が止まりませんでした。 もちろん想像してなかった仕掛けもいっぱいありました。 なるべく先入観抜きに見てほしいので簡単に書きましたが、物語は全然つながって無い点が結んでいけば一つになるように、非常に伏線に満ち、私を最後まで楽しませてくれました。 この小説はエンターテインメントそのものだと思います。 本当に買ってよかったです。 | ||||
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なかなか面白かったです。 大筋はゴールデンスランバーですけど。 | ||||
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巨悪があり、仮面のヒーローがそれに抵抗する。 藤沢とおる「仮面ティーチャー」や永井豪「けっこう仮面」を思わせますが、今作では巨悪が国家権力なのでもう行き詰まり感が半端ないです 誰が仮面の男なのかというのが物語の焦点の一つですけど、どう転んでもハッピーエンドになりそうもない状況なわけです。 物語の展開を予想して暗澹たる気持ちになりながらも読む手は止められませんでした。 それでも読後感は悪くなかったです。むしろ良かったです。 問題解決からは遠いところでエンディングになりますけど、なんかスカッとしました。 | ||||
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待ち遠しかった…伊坂幸太郎作品。 今回は 残虐さ、裏切り、国家権力を背景に 隠蔽 まぁ~いたせりつくせりの伊坂ワールド。後半 3/2まで ジェットコースターの気分でした。 まだ 読んでない方も いらっしゃるので 詳細は 書いては…ダメかな。。 何とも…言えない 登場人物が 後半 この人がいなかったら…湿った気分で終わった事でしょうね。 帯に《あの、正義てなんでしょうね?》最後まで読んで…本当に何だろう??と 考えさせられました。 | ||||
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伊坂氏の小説を何冊か読んでいる方でしたら、お分り頂けるかと思いますが、 この本は、よく人が死ぬパターンの方の小説です。 残酷なシーンはグラスホッパーやマリアビートルの様にエグく、大きな勢力に巻き込まれ、 一人悪の警察組織と闘う様は、ゴールデンスランバーに近く感じる。 偽善と擬態がテーマで正義の味方(犯人?主人公?)は最後まで、善と偽善との間で悩み続け、 警察組織内では、昆虫の擬態よろしく、異物の裏主人公が最後にこの小説をどんでん返しする 最高の長編小説です。 個人的に、行儀が悪いのですが、食事をする時に、よくタブレットを前に置いて、 読みながら食べていますが、この小説のグロい表現はなんとも食欲をなくします。 結果ダイエットに良いかもしれません・・・。 もし映画化するようでしたら絶対R指定ですよ。きっと。 ちなみに、誰も火星には行きませんしSF小説でもありませんので、お間違えのないように・・・。 | ||||
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伊坂幸太郎は時代の空気感を書き出すのが抜群にうまいと実感した。 読後感はスッキリしないけどそれもこの時代らしい。 | ||||
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