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(短編集)
天鬼越 蓮丈那智フィールドファイルV
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天鬼越 蓮丈那智フィールドファイルVの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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アイデアだけはあったのでそれに肉付けしたということなのでしょうが、表現が稚拙すぎるし、民俗学的要素である祭祀などがとってつけたようだし、最後の謎解きへのアプローチも突拍子もない。 何しろ「日本の原風景のような」とか「白髪ながらかくしゃくとしたという表現が似合う」とか「ひなびた風情の漂う開発から取り残された村」とか、いわゆる紋切り型の表現(もしくは芝居のト書き程度)しかできていない。これではどの作品の舞台もなんだか勇者ヨシヒコの村のような書割みたいだ。 また女性の描写も通り一遍。 内藤の心情の表現も唐突で意味が通らない箇所がある。 タイトルになる短編も、これ編集さんついてるの?って言いたくなるぐらい「賀川」に関する叙述のバラバラさ。 ネタ自体だけしかないので、生前の北森氏が本来なら生みの苦しみの末に「世に出せる」レベルのものに仕上げていたのに対して、チャチャっと仕上げた薄っぺらい内容。 しかも「ミクニ」連発。 せめてさ、北森先生が那智に「ミクニ」と口にさせたときの特別な状況や、それを口にした時の那智と内藤の内的交流とかを大事にしていた部分は踏襲できたんじゃないかな。 そうだね、高校生ぐらいが書いたとしたら「いい着眼点だね」とはいえるでしょう。 でも小説として世に出すには酷いもの。 北森先生のファンとしては許せないレベルです。 | ||||
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楽しめます。 | ||||
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もう、北森 鴻さんの作品は出ないと思っていたので見つけたときは、本当にすごく 嬉しかったです。連丈那智のマイペースに内藤三國がサポートして民俗学の謎を解き明かすストーリーは 気持ちいい感動を与えてくれます。民俗学や考古学が身近に思える素敵な作品です。 北森先生の作品に出合えて幸せなです。 | ||||
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作者急逝により途絶してしまった作品を、単行本未収録短編と共に遺稿を元に書き下ろした作品を加えたシリーズ最後の一冊。 鬼無里:家々を回って練り歩く伝統行事には、地図を作成し戦争に備えるという外国の意図が隠されていた。 奇遇論:悪知恵の働く不倫カップルによる「正妻の死は事故だよ」主張。 祀人形:式神的な、丑の刻参り的な。 補堕落:妻を娶れぬが貴人の血は絶やしたくない。 神職が俗人に帰れる唯一の密室とは。 天鬼越:三竦みによる動機なき殺人連鎖。 偽蜃絵:出会った美人の正体は。夢幻の如く、蜃気楼の如く。 伝統行事や古代史に隠された意外な事実や、それらの行事や祭りが作られた背景に隠された忌まわしい事件などを解き明かし、さらにそれにまつわる現代で起こった事件をも解き明かしてしまう美貌で孤高の民俗学者・蓮丈那智の活躍をもう見る事ができないというのが、ただただ残念でなりません。 表題作である天鬼越は、もともとTVシリーズ第2作目として書き起こされたものの、お蔵入りしてしまったものを基にして書かれたものだとか。 映像化されたものも是非見てみたかった。 北森さんが書かれた作品が2篇と浅野さんが書かれた作品が4篇(うち1作は北森さんの遺稿から書き起こし)。 確かに、なんというか「舌触りが違う」とでもいうような文体や表現の違いは感じられる部分はあるものの、概ね違和感を感じずに読めて私はとても楽しめました。 付き合いが長いとはいえ、浅野さんは本作を書くに当たってかなりの努力と御苦労をされたのでしょう。 このまま浅野さんが作品を引き継いで書き続けて頂きたいというのは、あまりにも無茶な望みでしょうか? | ||||
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大好きなシリーズで、全て何度も読み返している。特に北森鴻の民俗学に対する知識と考察力の鋭さは、舌を巻くばかりである。また、単に民俗学の知識に頼った作品でなく、登場人物のキャラクターのたっていることや、話の構成もよく、作品として非常に楽しめるものであった。 この作品は初めの2編が北森鴻オリジナルで、表題作の「天鬼越」が作者が残していたプロットをもとに、後の2編浅野里沙子による作品なのだが、やはり北森鴻と浅野理沙子の作品の落差が非常に大きい。民俗学の知識や洞察に差があるのは仕方がないとして、登場人物のキャラクターが立っていないうえに、物語も状況説明ばかりで起伏がなく進んでしまっている。蓮杖那智の個性はやはり助手の内藤三國のきわめて人間味あふれるキャラクターがいることによって浮かび上がるものであった。浅野作品の内藤は驚いたり、落ち込んだりといった感情表現がほとんどなく、このシリーズの大きな魅力を欠いたものになっている。他の登場人物もどうもキャラクターがはっきりせず、行動原理を理解しにくいものになっており、北森鴻の筆力の素晴らしさを逆説的に認識させられてしまった。今後、新たな北森鴻作品が読めなくなることの喪失感はとても大きい。 | ||||
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「『天鬼越』は単行本で新作が出版されたと知った時に狂喜しながら購入して、楽しく読みました。 蓮丈先生と佐江さん、内藤が出てくる物語を読むだけで心地よく嬉しいのです。 レビュアーの方々はどちらかというと『これで最後だろう』というものが多かったのですが『いやそれでも次回作は出る』と期待を抱いてきました。 それが今回の文庫化にあたって、なんと帯に『蓮丈那智、最期の挨拶』とあるではありませんか。『新潮社さんそれはないでしょう。望みは絶たれたのか』と思いながらも文庫を買って読み返してみました。 『天鬼越』は『鬼無里』で始まり『偽蜃絵』で優しく幕を閉じるのですが、読み終えて改めて表紙を見直した時に、 イヤチョットマテヨ『江○○○○ ト同ジクライニ日本デポピュラーナノハ コ○○○○○ デハナイカ』トイウ関係ダトシタラ、『最期の挨拶』ノ次ニクルノハ『蓮丈那智の帰還』デハナイカ、イヤコレシカナイ。 私は、この文庫化は新潮社が読者に仕掛けた次回作への伏線で、『蓮丈那智は帰ってくる』これが帯に込められたメッセージであると思います」 「他の研究室に移っても良いのだよ。Cマイナス」 浅野里沙子先生、新潮社のA氏、T氏、次回作をぜひにお願いします。たくさんの人が同じ思いで待っています。 | ||||
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北森鴻の作品は、長編も悪くはないのだが、短篇、特に連作短篇が一番おもしろい。その意味で、本シリーズの前作「邪馬台」は、作者急逝により後半部分を浅野里沙子が書き足すという異例の形式で書かれた長編のため、消化不良な感じが否めなかった。本シリーズは、「邪馬台」で最後だと思っていたので、まだ短篇が残っていたのかという驚きと期待を持って、さっそく文庫版を購入した。 本シリーズの面白さは、ミステリーに民俗学の要素を取り込んでいることにある。似たような要素を取り入れている作家は他にもいるが、北森鴻の知識の該博さはぬきんでている。そうでなければ、「銭形平次はなぜ神田明神に住んでいるのか」という設問を、本筋のトリックではなくトリビアとしてさらっと出すことなどできるはずがない。そうした意味で、北森鴻の自筆と浅野里沙子の補作では、この民俗学の知識の落差があまりに明白で、浅野里沙子作品が創作した古い伝承が、北森作品と比べると何となくウソっぽく浅薄に見えてしまうのである。特に、表題作の「天鬼越」は、北森鴻が生前2時間ミステリー向けに残していたわずかなプロットを頼りに肉付けがされた中篇だというが、古代の伝承はとにかく嘘くさく、結末も横溝正史のある名作をパクったとしか思えない代物である。作品としての出来は決して良くはない。 「偽蜃絵」など、浅野作品のなかにも面白い作品はあった。とはいえ、筆者の浅野里沙子本人が言うように、彼女が書いた部分はあくまで補作であり、むしろ同人誌の二次創作に近いものがある。今後、浅野里沙子自身が、北森鴻作品の補作者ではなく、独立した作家として文筆活動を続けていくのかどうかはわからない。しかし、北森鴻の民俗学の豊富な知識に多くを負った本シリーズを、彼女が補作者として書き継いでいくことはおそらく能力的に不可能だろうし、後書きを見ると、本人もそれを望んでいないように思える。ファンにとっては残念だが、本作で蓮丈那智シリーズは打ち止めということだろう。 | ||||
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蓮杖那智フィールドファイルは、私の大好きな作品でした。この本はその中の一冊ですから、とても欲しくてアマゾンに注文したものです。6話の短編で構成されています。実際の著者は浅野里沙子さんですが、原案・プロットは北森先生です。北森ワールドを再現しようと、大変な努力と苦労を重ねてつくり上げた労作だと思います。異端の民俗学者 蓮杖那智の活躍はたっぷりとちゃんと楽しめます。 | ||||
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北村先生の絶筆を継がれたとはいえ、ファンとしては蓮杖研究室の面々の新たな活躍が見られたのは全くの幸いです。 引き続いての、続刊を期待したいと思います。 | ||||
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物足りない感あり。 なんと言うか・・・浅いんだよな~、話が。 もうちょっと捻ってほしかったかなと。 | ||||
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「民俗学とミステリー」というあまり聞きなれない分野を開拓した北森鴻氏の遺作で、 原案を引継ぎ書下ろしを加えた浅野里沙子氏との共著です。 蓮丈那智先生が主人公なのでしょうが、私は助手の内藤三國氏に思い入れが強かったですね。 本作も「ミクニ」が活躍?する話があります。 これが最後?のフィールドワークをご堪能下さい。 | ||||
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人の生活をどれだけ科学的に考察できるか? 民俗学とはそういう物かも知れない。 何気ない行動にも意味があるし、その裏に隠れている物が大きいこともある。 もうこのフィールドワークに触れることができないのが残念だ。 | ||||
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今作は短編集でしたが、一番最後に収録されている《偽蜃絵》が面白かった。 民俗学を扱った小説が本当に少ない中で、『蓮杖那智シリーズ』の続刊が出ることは、本当に嬉しいです。 が、気になることが少々。 これは出版社側の事情かもしれませんが、民俗学という、あまり一般に馴染みのないジャンルを扱っているにもかかわらず、挿画が一枚も無いというのは、ちょっと読者に対して不親切の様な気がします。そして、地名や専門用語に、もう少しルビ(ふりがな)があっても良かったのでは。 シリーズがドラマ化されていることもあり、新しい読者を開拓できているはずなので、例えば…ミステリー畑から流れてきたけど、民俗学には明るくない、という人でも読み易いような、もう一工夫が欲しいです。 | ||||
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北森鴻氏による作品「鬼無里」「奇偶論」、原案による「天鬼越」。 おそらくこれが最後のフィールドワークになるでしょう。 あとがきにもあるように、あくまでのほかの作品は北森鴻の模倣なのですから。 やはりこれをもって、蓮丈那智フィールドワークは終了となるべきでしょう。 ファンとしては残念なことですが・・・。 | ||||
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書評家の杉江松恋さんが「本の雑誌」のWEBサイトで、紹介されていたのを目にし、Amazonで購入。 いや~、本当に堪能しました! 杉江氏の書評に感謝です。 私の住む地方では、この作品は書店に並んで居らず、杉江氏の書評がなければ、この作品を手にすることができなかったでしょう。 この作品は2010年に急逝された、北森鴻の未発表の遺作2作と、北森氏のパートナー浅野里沙子によって書き継がれた3作から成る、短編集です。 私としては、1作目の「鬼無里」が最も良かったです。 東北の奇祭「ナマハゲ」に対する考察と、この祭りの特色にのったトリック、冒頭の作品からグっと引き込まれてしまいました。 もちろん、どの作品も非常に趣き深く読むことができました。「フィールドファイル」の副題のとおり、どの作品も国内随所の古来の祭祀と現世の事件との絡め方が大変巧みでした。 それぞれの作品は、基調となる祭祀にまつわる事件によってオドロオドロしい雰囲気を出しつつ、この雰囲気に相対するかのように、登場人物たち、主人公の那智、由美子、三國の軽妙な振る舞いが巧みに調和されていると思います。 特に、主人公の那智の振る舞いや鋭い洞察を、助手の三國の観点で記述するという、「ホームズ・ワトソン」的な、探偵小説の王道的記述も、この作品の雰囲気にマッチしていました。 繰り返しとなりますが、祭祀と、それにまつわる事件への考察も良かったですし、最終話の「偽蜃絵」のように、旧事そのものへの考察も大変説得力が高く、作品テーマへの興味をかきたてられました。 北森氏の没後、浅野氏がさらなる作品を書き継がれていくことを、いち読者としては祈るばかりです。 | ||||
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