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教団X



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【この小説が収録されている参考書籍】
教団X
教団X (集英社文庫)

教団Xの評価: 2.60/5点 レビュー 329件。 Eランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全107件 61~80 4/6ページ
No.47:
(4pt)

無料お試し部分だけ読みましたが

とてもスイスイ読めて面白くて次の展開が気になる本でした。
文庫本が出たら買うつもりです。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.46:
(5pt)

とても好きな作品です。

読み終えた後は、「ショーシャンクの空に」を見終えた感じの清々しさがある。
文学作品として素晴らしいし、面白い。文句なしの星5
50年後にも残る作品だと思う。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.45:
(5pt)

壮大な思考実験装置

壮大な思考実験装置

この作品を一言で説明するなら、この表現が相応しいのではないかと思う。

正直膨大な参考資料のわりに舞台背景の考証がしっかりしているとは思えないし、一部には言葉のプロとは思えない語彙を使っていたり、登場人物の心理描写や設定が薄っぺらかったりと綿密な取材、徹底した考証、奥行きのある世界観の中繰り広げられる人間模様こそが小説の醍醐味であると感じる人向けではないと思う。

実際中盤まで読み進めると、感じるのはこの作品を面白いと評価している方達に対して強烈な嫉妬心。
「みんなはなんで夢中になれるの??」
裸の王様みたいに自分だけお馬鹿さんになったような気持ちで読み進めてもやっぱり理解できない、けれど不思議な読書感に助けられなんとか読了。
読了後も不可解な気持ちでなんとか解釈しようと悪戦苦闘すること2週間、遂に思考実験という言葉でストンと理解できた。

有名な思考実験「シュレーディンガーの猫」に例えてみる。
この実験で猫の種類(猫である必要すらないけれど)、実験者の心理状況、実験を行うに至った物語性は不要であり、ただガスで死ぬ動物が部屋に入れられたという仮定だけが必要である。
同様に、教団Xという作品でも、登場人物の心理描写や細かい背景の設定は不要であり、作者が綿密に組み立てた仮定の中でどのような事象が起こりうるかを思考することがもっとも重要であり、この作品の見所だと思う。

そう理解して改めてこの作品を俯瞰してみると、作中の全ての要素をフレームとして組み立てられた、まるで重化学製品の工場のような壮大で複雑で立体的でメタリックな思考の実験装置が見えてくるのではないかと思う。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.44:
(5pt)

素粒子は狂っている

宗教と素粒子を結びつけるのはいとも容易い。
その存在が、ふるまいが、あまりにも宗教的であるからだ――。

順を追って説明すると、まずこの小説でも触れられているとおり、素粒子は量子の一種であり、量子は粒子と波の性質を併せ持つ。
色々端折って言ってしまえば、つまりは(① 科学的・哲学的)に語るところの、この世界を構成しているあらゆる存在は、「ここには何もかもが存在しておらず、同時に何もかもが存在している状態である」、ということになる。
そして、前述の(①)の部分を「宗教的」という言葉に置き換えても、何ら問題はない。

だからこの小説で初めの方に紹介されている、仏教の「無」についても、素粒子論や量子力学であっさりと裏付けしてしまえる……。

私も二重スリット実験やシュレーディンガーの猫から量子力学、素粒子論に興味を持ったのだが、知れば知るほど意味がわからなくなり混乱するし、多分全体の1%も理解できていない。

しかし、宗教と素粒子の親和性については、ちょっと頭をひねればすぐに納得がいくのだ。
科学と宗教の融合はそう遠くない未来で行われる、というかもうすでに行われている。

唯物論は崩壊し、あるいは唯心論に回収され一体化される。
マルクス・レーニン主義以降、物質に疎外され、振り回され続けた人々はようやく解放され、心の活動を重視し始める(だろう)。

この小説は、その臨界点を描いているように、私は思う。預言書のような役割も持っているし、啓蒙書のようでもある。
それをエンタメっぽくうまく包み込んでくれているから、読んでいて楽しいし勉強にもなる。

良書だと思うのだけれど、何でこんなに評価が低いのかしら……。

最後に、何で宗教の話なのに科学の説明が結構な尺で小説の中で展開されるのだろうと思った方は、このレビューも是非参考にして欲しい。
稚拙だが、ちょっとはお役に立てるはず。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.43:
(5pt)

純文学を好きではない人の価値観を押し付けるな

純文学というものは元々一般向けを狙ったものではありません。
ストーリーに分かり易い起承転結が無いような作品も多くて、暴力描写や性描写は激しくて当たり前、不道徳的な内容がほとんどです。
それを知らずにただただ批判をする人達、貴方達はこの作品を叩く以前に純文学が嫌いなのだから面白くないと思うのは当たり前です。
テレビで紹介されたから読んだ人達にはもったいない作品です。
純文学好きの方とても良い作品なので是非読んでくださいね。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.42:
(4pt)

くすぐられる好奇心。

読み進めていくと止まりません!
現代科学の見識に優れた作者が書かれた
御本と認識できます。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.41:
(5pt)

なんという不器用な物語だろうか。

う~ん、なんて不器用な作品なんだろう。。。これが最初の感想です。

図書館では三桁予約待ちで、アメトークでは又吉が絶賛し、
Amazonでは139のレビューとその内の評価点1と2が48%の小説。
しかも576頁もあって著者は現時点での自分の全て、だと言い切っている。
コレは心して読まねばなりますまい。。。と、最初は正座して読みましたよ。

カルト教団と穏健な宗教サークルの二つの集団の中で翻弄される男女の群像、
それぞれの指導者が説く宗教観や量子論のよる世界観。
そして国際的なテロ組織まで引きずったクーデター計画が動き出します。

なんとなく本書に抱いていたイメージは頭のいいタイプの芸能人が読んでることを
ファッションとかキャラとして売りにできるようなスタイリッシュで知的な本。
読むことによって自分は体験組に参加できてちょっと知り合いに自慢できる本。
というものでした。未読の方は同じように思ってらっしゃる人もきっと多いと思います。

でも違います。。。。
どう言えば良いのか、、?この本はそういうアイテム的な本では無いのです。
どちらかと言うと公の場所で読了を公言しているよりも、
もっと読んでいることが恥ずかしい本、或いは個人的なプライベートな本。
であったのでした。
この本のニオイは太宰とかキタセクスアリスとか、、まあ、そんなジャンル
に共通している。そんな気がします。

きっと作者の書いている時の心境も同じようだったに違いありません。
不器用な物語、と言った主旨はその辺りにあります。
作者の思い、生き方、宗教観、政治や経済のダークサイドに対する意見、
戦争や靖国神社問題などが次々と登場人物の台詞を借りて満々と綴られます。
それぞれの人物の凄惨な体験や境遇がディテールたっぷりにリアル感を持って
語られます。読み手は作者の、書きたい、伝えたいという目一杯の熱量に
読者として相対することを強いられるのです。

まったくスマートでない、不器用で、泥臭い物語。作者でさえもきっと
10年後には、あんな小説を書いちまってオレってなんて恥ずかしいヤツ。。。
そんな稀有な小説を読むことが出来る。それが教団Xを読む、ということ
なのだと思いました。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.40:
(5pt)

もう一度読み返したくなる作品

この本は新聞で広告を見たことがあり、書店で平積みされているのを目にしたこともあったので気にはなっていた。しかし、あまりに分厚くそれなりに値段もするので、なかなか購入には踏み切れなかった。レビューを見てみると、あまりに評価が低いので、売れているのに評価が低いのはどういう事かと逆に興味を引かれた。とりあえず図書館で予約をしようとしたが、少なくとも18週は待たないといけない予約状況だった。そうなると余計に気になって仕方なくなり、次の日に購入した。読み始めると内容に引き込まれ、最後まで興味深く読むことができる作品だった。脳も原子の集まりであるはずなのに、そこになぜ意識が生まれるのか、その謎に迫る文章で読んでいてワクワクした。これだけ難しい内容を扱っているのに、それを見事に文章化しているところに感動し、さすがプロだ!と唸らされる作品だと思った。図書館で借りるまでに順番待ちをしなければならなかった事を考えると、早くこの作品を味わうことができた分、私にとっては購入して正解であった。著者の作品を読んだのは初めてであったが、ぜひ他の作品も読んでみたいと思う。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.39:
(5pt)

面白かったです

一寸展開がダレる所も有りましたが、面白く読破後は清々しい気持ちになりました。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.38:
(4pt)

深刻な顔をした伊坂幸太郎

著者の作品は初めてだが、陰鬱なテーマと展開のわりに伊坂幸太郎のような、書くこと自体を楽しんでいる感じがあった。蘊蓄多目なところもにている気がする。なので「ブンガク」と肩肘張らずに、やや厚目のミステリだと思うとそこそこ楽しめた。これ読んで人間に絶望することも神の存在に思いを馳せる必要もない。ただ少しだけ我が身を振り返る、そんな手応えの小説だと思う。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.37:
(5pt)

ゴギャーンの『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を何故だか想起した

感想が長い時間書けなかった。ずっと考えていたら、ゴギャーンの『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を何故だか想起した。生まれて、死ぬまで人間の歩み。確かに松尾が言うように、日々入れ替わる原子の塊である人間、生物、事物。人間は、それらの原子を分節化して認識し、それらを使って物語を作り上げていく。一人一人の物語は、集団として共有されれば増幅されて大きな物語として語られる。
理性的で物質的な松尾の集団、エロスとタナトスの沢渡の教団。これは何を意味するのか、我々が持つ二面性なのか、それは、片側だけでは生きていくことは出来ないものであるはず。理性は、そのエロスとタナトスから進化して昇華していくのだろうか。それとも現代では、無理矢理分離されたことで、様々な矛盾を生み出しているのか。そうだとすれば、それは再度、統合されるのだろうか。
理性として進化していくのか、理性とエロスとタナトスが融合して進化するのか。この物語の続きはある、それは,我々が何処へ行くのか という、答えることの出来ない課題をずっと考えなければならない先にある。
人間への根源的な問いかけを提起し、ずっと考えなければならない課題として提起する小説だと思う。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.36:
(5pt)

具沢山ジューシー肉まん!

アメトークを見て読んだうちの1人です。
低評価を見て読まないのは勿体ないです。様々な要素が巧みにぎっしり詰め込まれ、超具沢山黒豚肉まんみたいな満足感。
途中暗い話もありましたが読後感は気持ちよく、世界を見る目が温かくなり、地道に自分の道を生きていこうと思えます。心の闇や隙間の話など暗い話やドロドロした話が沢山あるのに、最後には読者に人間への愛と希望を感じさせる、作者のかたの凄さを感じました。
評価の低い性描写について、私は女性ですが違和感なかったです。数多ある小説の中ではけっこうオーソドックスな気が。主観的なものだから必ず誰もがしっくりくるものでもない…。主題でもないし合わなければ「この作家は性描写についてはこう書くんだ~」くらいで流してよいのでは?
宇宙、宗教、貧困、歴史、性、様々な心理描写などをこんなに熱く旨く描いた作者の力量を感じます。比較的自分が知らなかった分野をもっと知ってみたくなるオマケも。
各々の分野に前提知識が足りなすぎると躓いてしまい読みにくい、面白くないと感じるのかも?
宇宙好きですが、粒子やひも理論まで非常に旨く分かりやすく表現していて、説明的でなく文学性もあり表現力に感動しました。 多種多様な知識と文学的表現力の素晴らしい共演を観ました。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.35:
(5pt)

絶賛されるわけだなぁ…

中島らもさんの「ガダラの豚」読んだ時も、荻原浩さんの「砂の王国」読んだ時も、XJAPANのToshIさんの洗脳の特番見たときも、オウム真理教も、人が人を操る話って興味深い。途中の宇宙とか宗教の話とか語りの部分が長いと感じてしまったしまった自分が勿体ない。理解出来るようになりたいよ
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.34:
(5pt)

おもしろーい

おもしろかったです
なかなかの傑作だとおもいます
たのしみです、
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.33:
(5pt)

引き込まれるが性描写に抵抗がある人は厳しいのかも

中村文則氏の大作。
難しいテーマを扱っている分、評価は割れると思うが、非常に考えさせられる部分がある点では意味があると思う。と同時にエンターテインメントとしても楽しめた。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.32:
(4pt)

マインド・コントロールがはびこる現代。。。

これは面白い小説です。

現実と虚構が移ろいながら、人間のこころの闇が見え隠れします。

宗教とは何か?運命とは何か?自分は何のために生きているのか?を考えさせられる一冊です。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.31:
(5pt)

単純だが、重い言葉、軽い文体〈教団X〉

二つの教団組織を軸に人間の存在と運命を描く、中村文則さん最大の傑作、かつ最大の長編作品。

読後最初に受けた印象は、書かれたテーマがあまりに巨大だという事。最先端の脳科学や量子物理を援用しながら、実際に現代物理学者が語ることもあるように、仏教思想と科学の一致を導きつつ、哲学の最大問題と言える『神』と『自由意志』について問い続けています。

一方でこの作品がただ難解な思想的冒険にならないのは、群像劇として描かれるストーリーの持つ魅力的なドラマがあるからだと思いました。
複数の男女の生い立ちの物語に象徴されるように、多くの人物がそれぞれの生き方や価値観を持って現れ、対立あるいは共闘して行きます。特にその他者同士の関係や接触により、個人の意思とは関わりなく、それぞれの人生が影響を与え合う様はテーマと重なりながら予想のつかないドラマを描き進みます。

物語は、中心的主人公の楢崎が失踪した恋人を探して、松尾という老人が主催する宗教的集会に加わるところから始まります。一方で失踪者の立花は過去に松尾たちと因縁があり、松尾の信者達も立花と、彼女の属する地下教団の本拠地を探している。その地下カルト教団『X』の教祖は松尾と一時期行動を共にした男。
松尾の語る脳科学や物理学を理論ベースにした形而上学や運命論、カルト教祖の予言的言説が絡み合いながら、楢崎や立花、立花の兄の高原たちの行動がやがてテロリズムに結び付きます。

また作中では靖国神社の持つ矛盾や、巨大企業や軍需産業の生み出す貧困の構造を、登場人物たちが議論の中で具体他的に抉り出しています。企業と国家と戦争利権の癒着は最近よく示されますが、作中では資料を典拠に語られていて、ネットの噂や無根拠な批判とは違う確かさがあり、私自身社会学には詳しいつもりでしたが正直驚かされる情報もいくつかありました。(社会学に多少知識がある人は社会制度の設計や、国内企業の海外への外注についての問題があまり深く扱われていない事に物足りなさを抱くかもされませんが)

しかしダイナミックに展開する物語の中でぶつけられる議論は鬱陶しさなどなく、むしろストーリーを加速させてゆきます。この小説が巧みなのは、この重い問題をスピーディーなドラマに乗せている部分だと読みながらも感じました。600ページ近くの大作になったのも必然的な事だったのだと思います。
それに読みやすさを配慮して地の文を削り、センテンスを短くしているのも読者に配慮した親切な書き方だと思いました。

現代社会が内包する矛盾、思想の対立、神仏と自由の問題を射程に、それらを圧倒的な物語と群像で浮び上がらせる手法は、明らかにドストエフスキーを彷彿とさせられます。
間違いなく中村さんはカラマーゾフの兄弟を念頭に執筆されたのだろうと思います。
だからこそ最後の場面の『共に生きましょう』という連帯と行動の呼びかけが、アリョーシャの言葉と重なり、胸に迫るものがありました。ただのうわべの台詞では無く、近代以降を生きる人間に対しての、大仰かもしれませんが『聖句』のような響きがあるのではないのでしょうか。
単純にも思える台詞だからこそ、全てを読み終えた後だからこそ、真剣な重みがあると私は思いました。

あと他のいくつかのレビューで批判的に言われていることですが、その性的表現の過剰さにも意味があると私は思います。
中村さんは他の作品で、たとえ孤独でいても性欲があることの惨めさを主人公の告白に書いていましたが、ここでの性の描写は人間の本源的欲望と人間の宿命的本質を浮き出させる重要な意味があります。
またその類型的でありきたりな性的なセリフの頻出も、感情のまま単純化し類型化した(作中で言う『気持ち良い』状態の)人間そのものを象徴しているのではないでしょうか。

過去の傑作である『掏摸』に並ぶ、或いは超える傑作だと読み終えると同時に直感しました。当然、小説の本質として未読の方に作品の魅力のすべ てを説明することは出来ませんが、もし退屈に感じた方は、別の視点から読み直してみてはどうでしょうか。
単純な、純文学・エンタメの対立やフレームを超えた小説がそこにはあると思います。

私はこの作品が大好きです。

͡ ͜ ͡ ͡ ͜ ͡(←すみません、変な顔文字が消えなかったのでそのままです・・・)
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.30:
(4pt)

不条理に対する抵抗

この本には、極端な思想に乗ってテロを起こすような過激な人間は描かれていない。しかし、この腐れ切った社会で生きねばならない不条理さにとことん追い詰められてきた人物たちが登場する。ニヒリズムが蔓延し刹那的に生きることを強いられた私たちの意識はそのちっぽけな存在意義に耐えられず不意に自己破滅的な言動を起こしたくなる。
主人公の男は教団内部にいながらそことは決別している矛盾を抱えた存在として描かれている。そして主人公の男はこう思う「そとから私を異端視する者たちに復讐したい」と。これは身勝手な憶測と被害者意識に過ぎない。しかし、こういう意識と私たちは無縁なのだろうか?少なくとも私にはこの小説の世界は、不条理に対する抵抗に身をやつす人間のビジョンを的確にとらえているように思える。

石原慎太郎元都知事は日本人のアイデンティティはお笑いと性欲と食欲の3つになってしまったといっていた。この小説では、性欲について描かれていたと思う。この小説は日本人として読んでおいといたほうがいいと思います。

なんでこんな身勝手なやつがSEXできておれはできないんだよおおお
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.29:
(5pt)

大まかにめぐってみて

夫が読みたいと難しいように思えたが、私でも難しい文章ではない。
私も読んで見たくなりました。大手の書店で働いている人たちも進めてる。
夫は世界文学、日本文学も相当色々読んできている人だが、中村文則さんは初めて
広告で知り買ってほしいと言われた本で活字も私でも読みやすい。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906
No.28:
(4pt)

現代の聖書。つまらないが面白い

難しい内容だけれど、純文学のような芸術的な言い回しをしているわけではないので、わたしは大衆文学だと思った。

しかし単純に大衆文学と言ってしまうと違和感が生まれるのは、本来主軸となるはずの娯楽要素(ドラマ)の影が薄いから。
登場人物たちに感情移入することもできず、ただ傍観者として物語を読み終えて、あ~面白かった!!とはならない。だからそこで終わればこの本はつまらなかったとなる。

実は、この本の主軸はドラマではなく“教え”で、表面上のドラマが大衆文学の体を成しているが、これは教本であり、似たものをあげるなら聖書(読んでもつまらなかった記憶がある)だと思う。言ってしまえばドラマはおまけに過ぎず、生き方を考えるきっかけ、あるいはヒントがこの中にある。必要ない人には必要ない。しかし、不要かどうか一度確かめて見てほしい。

鵜呑みにするのではなく、あなたの考えを上乗せしながら。
教団XAmazon書評・レビュー:教団Xより
4087715906

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