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メリーゴーランド
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メリーゴーランドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 41~57 3/3ページ
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文章も軽やかで、読みやすく面白い。つぶれてゆく地方のテーマパークの様子が、きっと実際そうなんだろうなあと、リアルに伝わってくる。ただ、天下りしてもろくに働きもしないで、エラそうにだけしていて経費の無駄もものともしない連中の様子はともかく、ふつうに、仕事している一般の公務員はそんなにゆるゆるした仕事はしてないと思う。中に入らないとわからないたいへんさを知らずに、外から見たイメージだけで、公務員を語ってはいないか?まじめに働いている公務員が読んだら、きっと怒るだろう、と思うところもあった。 でも、小説としては、とても面白かった。 | ||||
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なんでしょうね、この作者の小説は。やっぱり面白い。でも、なんだか切ない。ん?切ない、ん?空しい?ちょっと違うかな〜。でも悔しい、かな?読んでいて、面白いけど、フラストレーションが溜まるんです。ああ、なんで思い通りにならないかなぁ!と。小説なんだから、大どんでん返しとやらを使って、主人公がかっこよく逆転ホームランを打つ爽快さが欲しくなる。終わりが近くなるに連れて、そろそろ啖呵きってギャフンと言わせるんじゃないか、そろそろスッキリさせてくれるんじゃないか、と期待して読み進める。なのに最後までもやもやが消えない。消化不良で終わってしまう。ああ!終わっちゃった、と。でも、面白かったと思ってるんですよね〜。不思議。消化不良なのに軽くなってるんですよね。スッと息が抜けるというか、スッと風が通るというか、「ま、こんなもんでしょ」とフッ笑えるというか。なんだか柔らかい気持ちになれます。社会で働いている方にご一読をお薦めします。 | ||||
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なんといっても脇役たちがみんな光ってる。主人公の部下の柳井くんはお洒落系スーツに身を包んだ、やる気あるんだかないんだか分からないイマ風の若者。徳永さんはほとんどしゃべらず幽霊みたいなのになぜか存在感ある女性(でもその正体は…!)。上司は仕事もしてないうちからプレッシャーで胃潰瘍になる憎めない人。学生時代に参加していた劇団の座長・来宮は、今なお放浪癖ある芸術肌の演出家。劇団仲間の咲太郎さんは料理上手なオカマさん。イベント制作会社のプランナーはこだわりの強いオタク青年。気の荒い大工見習いのシンジと、暴走族仲間たち。主人公がやっとこさかき集めたユニークな面々が、さびれた遊園地を立て直すって物語。不毛な会議にたとえ疲れても、手足を動かし汗を流して働くことは、なんて楽しいんだろう! 公務員も会社員も、すべての働く人に元気を与えてくれる。働くことの苦しさも悲しみも喜びも知っている大人のための、エンターテイメント小説ですね。 | ||||
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東京での急がしすぎる生活に嫌気が差し、故郷に「でもどり」した地方公務員が、 売れないテーマパークを再生していき、上司達と戦う、熱い物語。 読み終わった感想は・・・おもしろいっ!!の一言。読めば読むほどはまっていくこの深さ。 まさに荻原ワールド。 好きなシーンは頭の中で「カン」とゴングを鳴らすところ。 | ||||
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田舎町の市役所勤めの脱サラ公務員が, 赤字の市営テーマパークの再建に。 天下り先と化したテーマパークは, 役人根性丸出し,事なかれ主義万歳の, ジジイたちばかりの職場。 そんななか,父ちゃんは頑張る訳ですな。 荻原浩のお得意の作風です。 序盤はしっかり笑わせて,最後はしんみりと。 とにかく,役人根性丸出しの登場人物たちが, 「さすがりありえないでしょう。いや,ありえるかも」という絶妙な面白さ。 地方の公務員達を思いっきり皮肉ったうえで, エールを送る作者の心が見え隠れします。 気持ちよく楽しめるエンタメ小説です。 | ||||
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小説の中に、演劇の話として〔豆男〕の話が出てくる。 稲が十分に育たない痩せた土地に豆を育てる男の話。 最後には助けた村人からも糾弾されて殺されてしまう男の話。 慣習から抜けられない村人へ向けた男のセリフがいい。 「千年先までそうしてろ」 権力にへつらうな。求めるな。 わが道を行けばいい。 それで死ぬことになるとしても 自分を裏切りながら生きるより、ずっとましだ。 などと思ってはみたが、長いものにはまかれろ。 寄らば大樹の陰。そんな意識が浸透している 私の頭は、ちょっとやそっとじゃ変わらない。 この言葉を捨てゼリフに使うようじゃ、意味がない。 そうしてろと突き放しながらも、考えるのだ 明日のために。 | ||||
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舞台となった地方都市と、そこで繰り広げられる出来事に、とても懐かしく感慨深く共感した読者は多かったのではないだろうか。 型にはまり切った世代、世界の人々、これも、かの地に、多くいた。そして、型にはまらず、ヤンキーだったり、アウトサイダーであったりするけれども、実は、真心があり、男気、女気があり、憎めない奴ら。彼らの姿を思い浮かべながら、胸を熱くしながら読んだ。 架空の都市であるというが、これは、自分が思い浮かべたあの町のことで、そして、そこでドロップ・アウトしかかったが、あるいは、ドロップアウトしたが、実は、いい仕事をした、事をなした彼らが、モデルになっているのではないかと、私もそんな胸の高鳴りを感じていた。 | ||||
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本書は、著者のデビュー作『オロロ畑でつかまえて』とそれに続く『なかよし小鳩組』に連なる系譜の“父ちゃん奮闘”のユーモアとペーソスに満ちた小説である。 遠野啓一は民間企業を辞めて故郷にUターンし、中途採用された市役所公務員。年度替りの4月、彼は市が出資している第3セクターに出向を命じられた。そこは7年前の開園以来、閑古鳥が鳴く、超赤字のテーマパーク「アテネ村」を運営する会社だった。そしてその「リニューアル推進室」でゴールデンウィークの新規の集客増員企画を任されることになってしまう。 啓一は過去の人脈や民間企業時代のノウハウを駆使して、残業・休日出勤もいとわず仕事に精を出すのだが、そこは田舎のこととて、役所からの天下りの年寄り理事たちや起案書・報告・連絡・相談といった旧態依然としたお役所システムが彼の前に立ちはだかる。愛する妻や子供たちのため、“お父”の奮闘は続く。いつも頭に去来するのは、小学1年の息子、哲平が学校の作文、「お父さんの仕事について」で自分をどう書くだろうかということだ。 イベントは大成功、「アテネ村」は予想以上の集客を果たした。しかし、それはそれで理事たちの反感を買うのだ。唯一ほめてくれたのは市長だけで、啓一は「新生アテネ村準備室」の室長に抜擢されるのだが、そこにも市長の政治的な思惑があった・・・。 本書は全編に渡って荻原テイストあふれる、可笑しくて、やがて哀しき奮闘物語であるが、一方で地方の行政、公務員の世界・生態を痛烈に風刺した小説でもある。似たようなお話として織田裕二主演で映画化された『県庁の星』も頭に浮かんでくる、なんとなくほろ苦い“宮仕え小説”である。 | ||||
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荻原浩さんらしい、ユーモアと暖かみに溢れた作品です。 公務員だから、民間だからという視点ではなくて、働いたことのある人間ならば誰もが共感できるであろう、 仕事への矛盾や自分へのいらだちや周囲への羨望を、ちょっと哀しさを滲ませながら描いています。 明るくおもしろいのに、それは底抜けの楽しさではなく、遊園地で遊んだ帰りのように、 少し切ないような名残惜しいような、独特の読後感を生み出します。 しんみりするのに、なぜかほっこりと暖かいような、ハートフルな小説です。 帯だけ読むと社会派っぽい感じですけれど、そういった視点で読むよりも、 純粋に物語として読む方が似合っているように感じました。 今いちばん気になる作家さんです。 | ||||
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タイトルのキュートさとは裏腹に 現代社会の縮図をユーモア交えて表現してます。 腐った体制に対して変化を持たせるには 形になる並々ならぬ努力と、 自分の身を捨てる度胸がなければいけないと思わせる。 役所の腐りきった体制に奮闘する主人公の話。 っていうと固そうだけど周りを固めるキャラがホントいけてます。 面白い! 最後にキモチをちゃんと すかっとさせる爽快感も感じられます。 | ||||
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同年代の同業です。公務員でない方は、この本に描写されている公務員の世界は、ひょっとして脚色されたものではないかと思われるかもしれません。 しかし、実際は、声の大きい人の前例踏襲型、ことなかれ主義で物事がゆっくりと非合理的に決まっていくあたりは、とても正確に描写されています。 また、政治に翻弄される主人公の姿には、自分の姿を見るようでいとおしく思いました。 最近、話題の「県庁の星」をしのぐ、面白くためになる本です。是非ご一読を。 | ||||
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知らないところで大金が消え、誰も責任を取らないまま、いつの間にか大増税。誰かに都合のいいところが緩和され、本当に必要なものがなかなか許可されない。それもこれも誰のせい?よーく考えよう、というお話。そしてこれは現代のイソップ物語。鋭い社会観察の目を私たちは失ってはならないが、うかうかしていると変な団体に利用されたりするから気をつけたい。「メリーゴーランド」は、巧みなユーモアをちりばめながら、地味で大切なテーマを渋く書ききった。この作品はもっと評価されていい。 | ||||
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赤字のテーマパークを立てなおすために出向したものの、そこにはやる気のある人間は一人もいなかった。勤務時間を気にし、穏便に穏便にという雰囲気がありありと読める。実際の公務員もこんなものなのだろうと思わせるには十分である。 主人公も取りたててやる気のある人間には読めないが、それでも赤字テーマパークをなんとか立てなおそうと奔走。家族や劇団なども巻き込むことになるのだが・・・。 何が主人公を動かしたのか、公務員とはどんなものなのか、働く理由はなんなのか。その答えが本書にはある気がする。 | ||||
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首長の思惑ひとつから,典型的公務員の安寧の生活から激ハード残業生活へと主人公は移されます。ユーモア満載で公務員の本質をつく異色のフィクションです。荻原氏は一言で公務員仕事をあらわしきっています。さすがコピーライターを仕事にしていた方です。千年先までやってろと心の中で叫ぶのがブームになりそうです。ただし,作者は公務員をあげつらうために本書を著したのではないことは終いまで読むと歴然です。誠実であることと報われることの寓話でした。(単純に報われてはいませんですが) | ||||
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いやー,面白かった。私も公務員で,主人公と同じ30代後半なので,感情移入してしまいました。読んでいて,思わず,そうそうと頷いてしまうことばかり。IT導入をめぐる会議を思い出しました。それにしても,役所の仕事はまさしく「メリーゴーランド」ですな。何年たっても相変わらずの調子で,稟議が回り会議は踊る。思えば,役所人生自体が「不思議の国のアリス」のテーマパークで,私たち公務員は何年か毎に「メリーゴーランド」に乗り換えて定年まで過ごすということでしょうか。 | ||||
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やる気をもって入庁した尖った若者が、いつの間にか職場風土に染まって丸くなっていく。それが自治体職場の実態であろう。それを壊せるのは改革派の首長をまたなければならないのか、一人の職員の闘いによって変えられるのか。 そんなことを最近考えていたときに読んだ本書は、自治体職員への応援歌といえるのではないだろうか。誰のために、なんのために仕事をしているのか、そんな迷いをもった全国の役場職員にお勧めしたい。 | ||||
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荻原浩の本はすべて読んでますが、この『メリーゴーランド』も傑作でした!どの本を読んでもはずれがないというのは、ホント珍しい作家ですね、荻原浩。毎日毎日会社と家の往復でくたくたになっちゃてる今日この頃。この本を読んで、それでもやっぱり明日も元気に会社に行こうっ!っと思える元気をもらいました。仕事たるいけど、やっぱりがんばんなきゃなーと思ってる人にはオススメの一冊です。 | ||||
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