■スポンサードリンク


メリーゴーランド



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
メリーゴーランド
メリーゴーランド (新潮文庫)

メリーゴーランドの評価: 4.23/5点 レビュー 57件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全57件 1~20 1/3ページ
123>>
No.57:
(5pt)

綺麗な本

中古本にしてはたいへん綺麗な本でした。
また迅速に対応していただきほんとうにありがとうございます。たいへん良い買い物ができたと喜んでいます。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.56:
(4pt)

あらすじが気になったら是非オススメですO(≧∇≦)o

9年前に過労死続出の職場を辞め、Uターンした主人公は市役所に転職していた。
愛する妻に子供たちと無難な職場で平穏無事な毎日だったが、市役所員たちの重要な天下り先でもある超赤字テーマパークの再建部署に異動。
とは言え再建部署とは名ばかりで、単に市役所の無駄遣い追及の市民団体をごまかすポーズでしかなく、きちんとした改革案を打ち出しても幹部たちは上のゴマすりのため改革を認めない。
市役所で流されるまま生きてきた主人公だが、息子に誇る仕事を取り戻すため孤軍奮闘開始。果たして彼の改革の結末はーー?

以上、そんな作品です(^-^*)/
まずは僕も場や内容は違えど、3年前から改革を始めて、ようやく去年改革が実り万歳してたら、今年になって上も自分の立場も変わると共に後任の方々が改革前よりも酷い状況へと悪化させて、苦い思いを抱いたので、物凄く共感する作品でした!

まさに作品の通りに、どれだけ頑張っても上が変わればなかった事になりますし、それが社会の現実の一端でもあります。
それでもより良く改革に取り組んだ日々は自身の経験として蓄積され、別の場でいつか活かされる事もありますから、どんな事でも無駄にはならないというのも社会の現実の一端だと思います(^-^*)/

作品の結末には賛否両論あるように思いますが、現実を上手く捉えつつ、現実で戦う全ての方に『それでも頑張っていきましょう』とエールを贈っている名作に感じました(^o^*)☆彡
あらすじが気になったら是非オススメですO(≧∇≦)o
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.55:
(3pt)

いらないものが多い作品

自分自身の読解力の無さを棚上げにしての感想なので星ひとつ上乗せで。
残念ながら、この作者が何を伝えたいのか分からないまま読み終わった。
印象に残るのはユーモア描写の多用。
それが強すぎて内容が頭に残らない。
登場人物が多いのによく似たキャラが多い。
げきだんの座長とねねこと咲太郎はまとめて同一人物にしていい。
かえでもいらない。
林田も理事長もいらないし、挙げ句の果てには室田もいらないと思った。
アテネ村無くす話書く前に、もう少しなくすものがあるだろう。
ダラダラと長く、高評価されているのに疑問を感じる。
本当に読むのが苦行だった
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.54:
(3pt)

まあまあ

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。…って、再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって?!でも、もう一人の自分が囁いたのだ。“やろうぜ。いっちまえ”。平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが―。笑って怒って、時々しんみり。ニッポン中の勤め人の皆さん、必読。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.53:
(2pt)

残念

非常に良い、との情報で購入したが帯こそあるものの、本のかどは白くかすれており中身も折れ目が入っていて、残念に思った。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.52:
(4pt)

めちゃくちゃ面白い!けど今ひとつ物足りない…

市役所に勤めている主人公が、廃業寸前のテーマパークを再建させるために奮闘する物語。

まず気になるのは「メリーゴーラウンド」ではないのかというところ。
作中に一度だけ「メリーゴーラウンド」とサブキャラが喋っている場面があるので、恐らく著者はあえてメリーゴーランドと表記しているのだろう。
表紙の英語表記には”Merry-Go-Round”と書かれているのだが…。

内容はなかなか面白い。市役所のお役所仕事から離れて仕事に打ち込む主人公に心打たれる人もいるだろう。
世の中の理不尽と闘う姿はかっこいい!と思えるものである。
結末も決して悪いものではなかった。こういう終わり方も”あり”なのだろうと思う。

ただ、作品前半、つまり「主人公がテーマパーク再建に取り組むまで」の物語がとにかく退屈。
作品の1/4くらいは「市役所の仕事は楽でヒマなんだなぁ」ということ以外の感想が無かった。
もちろんこれは中盤以降の話への布石でもあるし、対比でもあるのでしょうが、あまりにも暇すぎて、途中読み飛ばしてしまった。

この本も十分面白いのだが、個人的には同著者の「ファイヤーボール」をおススメする。この作品はテーマパーク再建ではなく、町おこしがテーマである。本質は似ており、この作品が楽しめた人はこの本も楽しめるだろう。
この作品のレビューで紹介するのは本来ご法度なのかもしれないが、内容が似ており、同じ著者の作品なのでご愛敬ということで…。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.51:
(4pt)

さぁ。行きましょう。椅子は立ち上がるためにあるのです。

荻原浩は 主人公の素直なつぶやきの 挿入が実にうまい。
物語のナレーション役となっている。
息子の哲平が お父さんは どんな仕事をしているの?
と言う質問に対して、市役所の仕事を説明できない。
あたらしく 出向した アテネ村リニューアル推進室の仕事は さらにいうことができない。
公務員って 一体なにか?
を突き詰めていく。不思議な国アリスのような心境に陥る。
主人公の啓一はいう
『さぁ。行きましょう。椅子は立ち上がるためにあるのです』
変化が起こる。
妻の路子はいう『なかなかいいヤツだと思うよ。ちょっとガツンって言う感じの迫力が足りない。』
娘にも『しょうしんもも』といわれてしまう。
なかなか決めることができない 小心者である 啓一は、
いつのまにか 儲からない アテネ村の再建に 熱心に働くのである。
平凡な中に潜む 英雄になろうとする心をくすぐる。平凡のなかに 非凡さがある。
とりまきが 沢村 ふたこぶらくだの来宮 シンジ 柳井 徳永。
それぞれ、個性が生きる。
公務員って 余りがんばらなくてもいいんだよね。それは、営利を目的としていない。
しかし、どうも 営利的な事業をやろうとするから 失敗するのだけど。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.50:
(4pt)

公務員パパの奮闘記

山間部の地方都市にあり、巨額の赤字を抱えるテーマパーク「アテネ村」の再建物語。主人公が公務員とあって、お役所仕事や日本政治の実態も絡んできてなかなか上手くいかない。平凡な公務員パパの奮闘する姿がいい。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.49:
(3pt)

精神年齢の若い人にお勧め

なんというべきでしょうね。最近、朝の民放のニュース番組を妻と子供が見るので、私もついつい見るのですが、この間キャスターの男性アナウンサーが52歳になったんですって。これが52歳とは思えない軽さ。騒ぎ方、はしゃぎ方、コメントなどが20代のノリなんですね。相方の男性アナも同期とか。こちらも信じられない軽さ。もちろん演出的な要素もあるでしょうが。
前置きが長くなりましたが、荻原という人の小説を読むと、いつも同じような感想を持ちます。それが身上なのでしょうが、ノリが軽いというか、劇画のような文体。いい年をして地の文に若い人が使うような口語体が混じる。会話文の軽さ(若い人でもこういう話し方はしないのではと思う場面も多々あります)。
なんというかテレビ的、ドラマ的、マンガ的なんですよね、すべてが。
ストーリー自体はオリジナルでも、細かい設定とか展開の仕方とか、セリフ回しとか、何となくマンガか映画かドラマかどこかで
見たような既視感がつきまとうのはなぜでしょう。「あざとい」という感じがどうしてもしてしまうのです。
一方でこういう小説が流行るのは分かるような気がします。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.48:
(5pt)

さわやかな気持ちになりました

この本を読んで、とてもさわやかな感動をおぼえました。
大人になって仕事や子育てしてて、昔の何かに夢中だったころの大切な思い出を思い出す事があります。
そんな自分の感覚とふと重なってしまうところがあります。
引っ越しでなくしてしまったので、再購入。
時々読みたくなるし、人にすすめることもできます。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.47:
(5pt)

おかしくて切ない人情喜劇のようで,実は奥の深い1冊

平凡ながらも家族との幸せな日々を送っていた地方公務員が,ハコモノ行政の典型的失敗例のテーマパークの再建を命じられ,孤軍奮闘するというお話。よくあるテーマと言えばそれまでですが,公務員ではなくとも,旧態依然とした職場の体質やしがらみの中で悶々としている日本のサラリーマンにとっては,思わず感情移入してしまうテーマですよね。
 いくら「お役所仕事」とはいえ,今どき,さすがにこんな公務員はおらんやろ,というぐらいにデフォルメされた上司や同僚,呆れるほど奔放なサブ・キャラクターが巻き起こす奇想天外なエピソードを交え,物語は中盤あたりからダイナミックに展開していきます。
 面白くておかしくて,それでいて何処か懐かしくて,何故か切ない・・・・一見するとまるで人情喜劇みたいですが,結構奥も深いです。時に改革・改善は必要であり,誰もが,今のままじゃいけない,このまちを良くしたいという大きなベクトルでは同じ方向を向いていても,実際に行動を起こすと意見がぶつかってしまう・・・・誰もがハッピーになれる方法ってないんでしょうか。そんなことも考えさせられます。
 そして,何より,成功しようが失敗しようが,大事にしなければならないものがあることも気づかせてくれます。
 サラッと読めるけど,喜怒哀楽,郷愁,きずな・・・様々なものに出会い,気づかせてくれる一冊です。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.46:
(5pt)

サラリーマンの同僚に読んでいただきたいな

サラリーマンの自分が元気になる本です。
現実と理想、会社と家族・・・
大好きな本で、昔読みましたがもう一度買ってしまいました。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.45:
(5pt)

荻原ワールド十八番

相変わらずむちゃな話しだけど、役所体質を皮肉るのは素晴らしい。

絶対経験したことのある、お役所体質。

それを笑いで構成していくストーリーはさすがです。

どんなプロジェクトもきっとやり方はあると思わせてくれるし、そんなこと考えなくても読める。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.44:
(3pt)

メリーゴーランド

地方都市に取り残されたテーマ―パークの再建。いや再生いやいや推進と自治体の体面丸出しのプロジェクトを任された市職員。これといったアイデアが無くゴールデンウィークスペシャルが近づく。しかしかれの前に立ちはだかるのは天下りの仕事もろくにできないテーマパークのトップたち。あれこれ画策し何とか成功裏に終わらせたが、新市長の公約通り赤字経営のため閉館してしまう。主人公遠野敬一の振る舞いがどうも釈然としない。間違ったことでも上司へは一切反抗しないどころか、長いものには巻かれろ式の人生が読者に共感を与えない。一般文学通算522作品目の感想。2013/01/13 17:10
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.43:
(4pt)

痛快小説

現在の日本の怠慢な公務員体質を皮肉りながら、どうにかそれを変化させようと努力する
お父さんの物語というところだろうか。
全体的にテンポがよく、テーマパークを成功させるまでの流れは素晴らしい。

だがそこからの展開がいまいち
爽快な展開にリアルな展開を入れるのは悪くないがこの作品には不要ではなかったろうか
それに妻もああいったことをやるなら事前にはっきり言う性格に見えるのに、ばれるまで黙っている
というのは最後の流れを作りたいだけに見えたのでどうかと
徳永がメリーゴーランドに興味を示す複線があったのに、メリーゴーランドがテーマパーク開園中の
目玉になったりしないところなども不満
そもそも徳永自身重要そうで単なる口数の少ない空気キャラだったりと、ややアンバランスさがあった

とはいえ安心できるクオリティの内容なので、作者のファンなら気軽に買っていいだろう
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.42:
(4pt)

お役所組織は不条理な「アリス」の世界・そこに生きるひとびとの素顔

自治体がかかえこんだテーマパークと、それの再建にかりだされた公務員の奮闘記です。
駒谷アテネ村というギリシアふうテーマパークは市が予算をつぎこんだ事業でしたが、赤字続き。これを立て直すよう命じられた主人公、啓一はお役所組織の壁にはばまれ、あちこちで老害やら利権の垣根に右往左往しながら、ゴールデンウィーク中の売り上げを昨年一年間の4分の1まで達成します。

つぶれた隣のファミリーパークから動物や遊具をもらってきたり、昔いた前衛的な劇団の座長に声をかけてきてもらったり、と、普通の公務員である啓一のせいいっぱいの働きがみのった成果です。とくにこの劇団「ふたこぶらくだ」の面々の破壊的パワーによって、ペガサス企画の若手プランナーのたてた「不思議の国のアリス」の世界が、見事に立ち上がります。彼も、そして、啓一の下のこの出向部署に配属された部下も、謎の無口な女性公務員もいきいきと自分を発揮してゆきます。

しかし・・・政治と組織の壁は厚かった。市長が、女性評論家に選挙で敗れたとたん、アテネ村は廃止が決まり、新しい風が吹くかと思った啓一一家も、やっぱりいつも頭上には広々とした空ではなく「低い天井がある」ことをかみしめます。

 最初は、テーマパークというものにほれ込んだ市役所の公務員が、夢を実現しようとする話(境港市のように)かなと思っていましたが、主人公は特にテーマパークに思い入れが強いわけではなく、ただ新しい企画を軌道にのせようという熱意で動いている感じでした。
 それはそれでまた痛快でしたし、「前例がない」「慣例だ」「改変したら、これまでの自分たちがまちがっていたのを認めることになる」など、お歴々からの発言にいちいち憤ったりがっくりしたりしているうち、これこそまさに「アリス」のナンセンス世界だ、と感得するところも読みどころでした。

 そして、あたかも進歩的で平等を標榜する世界を約束してくれるかに見えた新政権も、公約遵守、そして画一的なフェミニズム政策の実現など、やっぱり組織になったとたんに硬直してゆき、「どこか違う」。新たな「アリス」のコーカスレースが始まっただけ、と啓一は悟るのですが、家族のきずなはこの一連の事件で強まり、最後に、廃止されるメリーゴーランドに夜、みんなで乗りにゆくシーンはあたたかいものを胸にともしてくれます。

 お役所とはこういうもの、なのですが、あきらめて心から切り捨てるのではなく、アリスの世界とわりきった主人公の心境が気持ちよく、久々に、リアルなのに失望でおわらずにすむ角度をもった、ユーモアの効いた社会小説を読んだ気がします。

メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.41:
(4pt)

作者には民主党の堕落を見抜いていたのだろうか?

ブックオフで読む本を探していて、目当てのものがなかったのでとりあえず手に取ったのが本書だった。
 そんなに期待しないで読み始めたが、読むうちに面白くなっていき、最後には「とりあえず」で買ってしまったことが恥ずかしく思えてくるほどだった。

 超赤字のテーマパーク「アテネ村」がどんどん変わっていくところは面白かったし、登場人物たちの言葉から教えられるものも少なくなかった。
 特に、来宮の言葉は聞いてみて「ハッ」とするものばかりだったし、最初は気弱だった主人公が変わっていくところにも学ぶ部分が多かった。

 そして読んでみて、特に終盤に一番感じたのは、「作者には民主党の堕落を見抜いていたのだろうか?」ということだ。

 いや、単行本が発売されたのは2004年だから、「小泉政権の」になるのだが、とにかくそう思った。
 終盤の特に大事なことなので詳しくは書けないが、読んだ方でこう思った人も多いのではないかと思う。

 作者は「政治家なんて皆同じ、トップが誰に変わろうと関係ない」ということを思っていたのではないかと、特に「メリーゴーランド」というタイトルからはそれを感じ取ることができる。

 ぐるぐる回るメリーゴーランドのような政治を、変えてくれるような政治家は現れるのだろうか?
 河村名古屋市長、橋下大阪市長にはそれを期待したい。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.40:
(4pt)

公務員諸兄諸姉の寛大な御心を期待する

元民間企業出身の市役所勤めの主人公が、市出資の第三セクター、大赤字のレジャーランドを立て直すという筋立て。ありがちな設定だが、この手の奮闘物はやっぱり楽しい。公務員のお役所仕事ぶり、官民癒着、前例踏襲主義、事なかれ主義をここまで酷い公務員はそうはいないでしょ、と言いたくなるくらいデフォルメした上で、コミカルに揶揄する、著者ならではの手法が本作品でも生きています。

メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.39:
(5pt)

翻弄されつつも自分の人生を行く!

東京の私大を出た後 、当然のように東京でサラリーマンになって4年目。都会の生活に疲れ果てていた啓一は父が亡くなり母が一人になったのを機に故郷の駒谷市に帰り市役所職員となった。路子と出会い二人の子供に恵まれ平々凡々のスローライフを楽しんでいた。欲を出さずそこそこに勤めれば学校の進級と変わらない昇進もある。過労死やノルマに苦しみ同期の一人を自殺に追い込んだ以前の会社とは段違いの市役所。「まずは自分の人生があり、そのために仕事がある。自分をそこなってまで成すべき仕事などあり得ない。」そう思っていたが、市役所はちと、いやかなりゆる過ぎ。これでいいのか??と思いつつもぬるま湯にどっぷり浸かった日々に流されていたら、辞令が下りた。駒谷市で最大の税金の無駄遣いだと指摘され続けている「アテネ村」の再建を掲げた新しいプロジェクトチームに出向!!市長の再選を掛けた一大事業・・・のはずが・・・。なんで皆そんなにのんびりなの?やる気を出すとかじゃなくていつの間にか「アテネ村」の集客に努め残業の日々。以前所属していた劇団の変人団員やお世話になった宮大工棟梁のドラ孫息子、その仲間の暴走族が入り混じってゴールデンウィークのビッグイベントを仕掛ける!!さぁ、果たして結果は?で、その先は?
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.38:
(4pt)

読後の爽快感と少しの苦み

最初はあまり期待していなかった。冒頭に出てきた男は、主人公なのかどうかわからないけれど、あまり頭はよくなさそうだし、これでテーマパークの再建?結構な長編小説だけど途中で飽きてしまうのでは、と少々心配しながら読み始めた。

主人公がバリバリ仕事ができる有能なキャリア官僚なんかだったら、先が読めてしまってつまらなかったかもしれない。どこにでもいる平凡な善き家庭人、むしろ無駄な争いごとは避けたいタイプだと思うが、そういう人間だからこそ感情移入しやすかったのかもしれない。
天下り先で自分の利益しか考えない爺さん達に腹をたてている自分がいた。

ただ現実はそう甘くない。アテネ村リニューアルは思わぬ方向に進んでいく。こういうとき、社会の仕組みに嫌気がさして、自分を殺してただただ長いものに巻かれる人生を選ぶか、現実を受け入れながらもその中で自分の本当の幸せを探す手段を考えるか。

啓一は後者を選んだのではないかと思う。所々に出てくる啓一の子ども達も無邪気でかわいらしくて、啓一奮闘の機動力となっている。読後がなんとも爽やかな小説だった。


メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331

スポンサードリンク

  



123>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!