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メリーゴーランド



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【この小説が収録されている参考書籍】
メリーゴーランド
メリーゴーランド (新潮文庫)

メリーゴーランドの評価: 4.23/5点 レビュー 57件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全57件 21~40 2/3ページ
No.37:
(4pt)

中年男性なら身に沁みるはず。

会社の同僚にお勧めされた、地方公務員奮闘記小説。

あまりに淡々として特徴のない出だしで、読みきれるか、これ、と思ったのだが、途中から俄然面白くなった。

経営の傾いた遊園地を一地方公務員がアイデアだけを武器に復活に導いていくという内容は、言ってみれば成功秘話みたいなもので、面白くないわけがない。ただ、それだけで終わってないのが、この小説のもっといいところで、より面白いところだと思う。

すべてが上手くいくなんてことはあり得ない。
でも、上手くいかなかったから失敗だということではない。

とてもじわじわとだけど、確実に眠っていたやる気を取り戻させてくれる小説だと思う。

あと、個人的に。
舞台が自分の会社を彷彿とさせたので、身に染みて辛かった。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.36:
(4pt)

清々しい物語

能率成果至上主義の民間企業に勤める者から見ると、
駒谷市役所のルール・システムや職員のマインドは
全くあり得ない世界である。

そんな世界にそろそろ慣れ始めた主人公が一念発起し、
魑魅魍魎を相手に悪戦苦闘する様を、時には自分に
重ね合わせてみたりして、楽しく読んだ。

読後に、まあ人生こんなものだよな、と思わず呟いたが、
言葉とは裏腹に、清々しい気分の呟きであった。
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4101230331
No.35:
(3pt)

著者の思いを体現できていない

主人公は、市役所の一職員
ある地方イベントの推進役を引き受けることになる
障害となるのは、役所体質、昔の仲間、
そして変わることのできない自分自身だ
その昔の仲間が、時々鋭いことを言う
まるで著者の思いを代弁しているかのようだ
  「他人にズズンとモノを伝えたかったら、
   自分の血の最後の一滴まで絞り出す。
   そうしなくちゃ、人の血を騒がすことなんてできねぇ」(P171)
  「目的はなんだ。お前が自腹を切って人に見せるのか?
   そうじゃないんだったら、まず個人的な趣味は捨てろ」(P182)
  「どっちもって発想がだめなの。男も女も、老いも若きも、
   そういうのはだめさ。誰もが好きっていう毒にも薬にも
   なんないモノには、たいしたモノがないの。狙いは絞んなくちゃ。
   投網じゃないんだから」(P311)  
・・・・・・・・・・・・・・・・・
平凡づくしの状況設定で、ぐいぐい読ませる小説に仕上げるには
掘り下げた人物描写や、緻密な物語設定が必要だ
しかし残念ながら、この小説には どちらも足りていない..
ステレオタイプの登場人物も、周到に張ったつもりの伏線も空回りしている
著者の思いを体現できていない かわいそうでならない
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4101230331
No.34:
(5pt)

本当の公共利益とは?

非常に読みやすく面白い本です。しかし書かれている内容は非常に重く考えさせられるものです。ここでは地方公務員を題材にして、川上が考える「公共利益」と我々川下が望む「公共利益」のギャップを面白おかしく描いています。しかしこれは公務員に限ったことではなく、私が勤める民間企業でもありえる話です。会社の利益になると思って頑張っている仕事に対して、上司の個人的理由で否決されそうになる事はよくあります。「世間の常識が社内の非常識」というやつです。社外交渉よりも社内調整に神経を使っている事実にため息を漏らすこともあります。でもどこの会社も同じことの繰り返しなのかもしれませんね。本書を読んでちょっと元気になれました。
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4101230331
No.33:
(5pt)

「ほろ苦くて、爽やか」そんな感じの本です

それにしてもこの作者はラスト辺りが本当にうまい!
タイトルと、夜風と星が肌に感じられそうなラストシーンです。
胸がほろほろと落ちていくような、「柔らかく、切ない」ですな。
主人公は地方公務員、市役所務め。
市のお荷物レジャー施設、「アテネ村」の促進係りとして、委託会社に出向になったばかりです。
この委託会社は市役所の天下り先、じじいの巣窟なわけです。
ここでの会議は、もはや滑稽と書くのもおこがましいほどの派閥会議。
皆さん地元ネットワークに踊らされている感じです。
さて、そんなステージで主人公は救世主のごとく、「アテネ村GWイベント」を『去年と同じくらい盛り上げる』大役を仰せつかるわけです。
しかし、昨年を踏襲した企画に一味加えるように指示があったところから始まって、さまざまなネットワークを使った主人公は、イベントとしては救世主のような、市役所員としては左遷必至な方になっていきます。
ここで劇団ふたこぶらくだ団長、来宮(らいみや)の話す言葉は、どれも含蓄に満ちています。
『豆男』の話なんかは背筋に衝撃が走るくらいのショートです!
イベントも大成功、順風に見える主人公のサイドにいくつか落ちる不安の影。
妻路子の外出、部下徳永の通院、市長の横暴なまでのエネルギー。。。
市長選挙の結果、結果的に主人公は新たなステージで働き始めることになるのです。
どう考えてもHAPPY ENDになりそうにない流れの中、主人公は家族を連れて、自分が企画した「日本で一番緯度の高いメリーゴーランド」に向かいます。
イベント設営を手伝ってくれた暴走族の激励、部下柳井からそれぞれのエールがあり、物語は小さな、とってもささやかなフィナーレを迎えます。
もう最後の4ページくらいは胸をかきむしりたくなるようなこの話!
おススめです!
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4101230331
No.32:
(4pt)

「ジョウシキ」の中で

役所勤めの方は共感することが多いのかなぁ、なんて思いました。
激務を強いられる会社を退職し、今は地方公務員として働く主人公。
「小心者」と(愛情をもって)言われながらも妻と子どもに囲まれ、なんとなくこのままでいいのかなぁとも思いつつ平和に暮らしていた。
そんな折、赤字テーマパークの再建を任されることになり…。
癖のある登場人物がうまくつながり合い、結果を出していく様は「神様からひと言」にも通じるけれど、こちらは舞台がテーマパークという「イベントもの」なのでよりシンプルに感じられる。
そして、決して「大成功だバンザーイ!!」と必要以上の大団円にならないあたりも同じで、このあたりが好感を持てるところ。
ちょっと寂しさを残しつつも、ラストのさわやかさが印象に残った。
見どころは中盤の暴走族や怪しい劇団やプライドの高いデザイナーたちの絡み合いかな。
「千年先まで、そうしてろ」というセリフも良かった。
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4101230331
No.31:
(4pt)

お役所仕事に革命を

話の内容はなかなかおもしろかったが、どの問題も案外すんなり片付いてしまい、イマイチ物足りなかった。理事長たちとのやりとりや、子供の徒競走のグループ分け等、リアリティがあってよかったと思うのだが、アテネ村のゴールデンウイークイベントについてはなんとなくご都合主義のような感じがした。結局、新しい市長によってアテネ村は閉鎖されることになるのだが、市長の鶴の一声にももう少し抵抗するなどの展開を見せて欲しかった。
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4101230331
No.30:
(4pt)

この作品を読んでいる間は幸せな気分にひたれる

市役所に勤める主人公が赤字続きのテーマパークの再建に取り組む。
読みやすい文章で軽いストーリの中にも、ロッキーのテーマや子供の
作文「お父さんの仕事について」などの小道具によって、気弱な主人公
が奮闘する姿が良く表されている。
主人公が勤める地方都市の公務員や、テーマパーク管理会社の理事達、
オタクのプランナー、アトラクションの手伝いをする劇団の仲間、大工の
シンジと暴走族たち、そして主人公の所属するリニューアル推進室の
メンバーと、かなり個性的なキャラクターが多数登場する。
その姿は漫画的と言っても良いだろう。実際はどうか判らないが、
作者自身楽しんで書いているように思え、その楽しさが読み手まで
伝わって来るようだ。
人生はレースじゃないよ、メリーゴーランドだよ。
なんて言った所で、現実問題として、学校では受験競争、大人に
なれば出世競争や成果主義、格差社会などが厳然として存在する。
そんな中で日々足掻いている人にとっては、この作品が一服の
清涼剤となるのではないだろうか。少なくとも、この作品を読んで
いる間は幸せな気分にひたれるだろう。
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4101230331
No.29:
(4pt)

地方都市に未来はないのか

 基本的には、地方公務員の保身と無責任体質を皮肉ったユーモア作品。でも、自分のできるところを精一杯尽くす中年・啓一のストーリーは熱い。極小劇団主宰の来宮が、強引で傍若無人に、それでも一応助っ人する。
 大赤字テーマパークが活性化するところがクライマックス。それなのに結局成功譚にしなかったのは、現実がそんなに都合良く行くはずがないからか。
 タイトルのメリーゴーランドは、美しいけどあまりにも寂しい輝きを見せた。
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4101230331
No.28:
(4pt)

地方公務員の主人公が第3セクターのテーマパークを立て直すために奮闘する

第3セクターのテーマパークを立て直すために、地方公務員の主人公が奮闘する話である。その姿は、見るのが痛々しい感じがする。この主人公は、強く言えない人だから、劇団の団長や硬直した組織に翻弄されるのだが、なんとかやり遂げるのである。自分が面白いと思ったことをどんどんやらせたほうがうまくいくんだな。やはり、公務員は公僕であるから、できることなら民間の力を借りてやっていくのがいいのだろう。そうすると、コストも安く済むし、企画も面白いものになる。第三セクターのテーマパークで苦しんでいるところなんかは、励みになるのではないか。
最後のほうになると、アテネ村を争点として、市長選挙が行われる。選挙の結果どうなるのか、また主人公はどうなるのかに注目するといいでしょう。
公務員や官僚の人たちって、本書で書かれていることをやっているのかな。足の引っ張り合いというか、そういうことを行うのかな。それだったら、公務員も官僚も政治家ももっと減らしたほうがいい。人件費の無駄だな。
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4101230331
No.27:
(4pt)

サラリーマンの清涼剤

 作者は、渡辺謙主演で映画化された若年性アルツハイマーを扱った「明日の記憶」の原作者。仕事に疲れたサラリーマンが少しストレス解消できるような小気味よいストーリーです。
 家電メーカーを退社し、故郷の市役所に勤めながら妻と二人の子供と平凡に暮らしていた主人公が、市のお荷物テーマパークを一から再生し閉園するまでのお話で、軽めのビジネス小説といった趣があります。
 会話形式で進むストーリーは読みやすく、妻や子供、現代っ子な同僚、隠れオタクなプランナー、出し物に協力してくれる劇団員の先輩(強烈なキャラが記憶に残ります)、ヤンキー少年など周囲の人物描写が微笑ましい。
 役所特有の事なかれ主義に翻弄され、時に子供の言葉に自らの内面を見つめ直しながら、テーマパークの施設や出し物を充実させていこうと奮闘する主人公の姿は、サラリーマンならば共感するところが多いことでしょう。
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4101230331
No.26:
(4pt)

やっぱり荻原浩

やっぱり荻原浩,ラストがたまりません!
普通ならサラッと終わるエピローグも,この人は魅せますね。
今回のメリーゴーラウンド。
正直,序盤どこか今ひとつな感がありました。
つまらなくは無いけど,今ひとつ読むテンポがあがらない…といった具合で。
でもラストまで読んで,スッキリしました。
最近頑張れない人,なんか疲れちゃった…という方にオススメです。
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4101230331
No.25:
(5pt)

サラリーマン人生はメリーゴーランドのようなもの

同じ風景をぐるぐる回るだけの変化のない世界、それでも回り続けなければならない。
愛するもののために。そう、サラリーマンはけっこうつらいのです。
公務員さんのお仕事ぶりをかなり極端ではありますが、結構言いえてて、公務員の方には身につまされるお話ではなかったでしょうか。
改革されたと思った新市長も蓋を開けてみれば。。。なんてところ、”県庁の星”を思い出しました。
所詮は、しがない一市職員に反抗できるわけもなく、本書の結末はかなり苦い。
荻原浩の小説の登場人物は、いつもどの人も愛らしく、愛情を持って書かれている。
だから読む方も、愛情を持って読んでしまうのです。
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4101230331
No.24:
(4pt)

ほろ苦いコメディ小説

20ページぐらいまで続く冒頭のくだらないドライブのシーンで、読むのを止めようかと思ったけど、最後まで読んで正解だった。
冒頭のシーンは、テーマパーク「アテネ村」がいかにくだらない施設かを示す<つかみ>。
本編は、そのくだらないテーマパークを再生させようともがく地方公務員の物語だ。
こういう話の場合、型破りな男が村にやってきて、慣習にとらわれない自由な行動で次々と改革を起こし、最初は嫌がっていた村人たちも次第に彼に惹かれていき、最後はすかっと爽快に施設が大変身する。なんていうストーリーになりがちだ。
しかし、この作品の主人公はヒーローにはほど遠い。冴えない中年男で、それほど有能でもない。気に食わない役人たちに対し、心の中で毒づくことはあっても、正面きってタンカを切る事もない。どちらかというと、状況に流され、流されて何とか船が転覆しないようにバランスをとるのに精一杯という印象だ。
そんな彼のリアルな普通さがあるからこそ、事なかれ主義で腐敗しきった<お役所>の人たちの、利権と保身でがんじがらめになった<怪物ぶり>が、際立っている。
主人公とその周りの人たちも、そんな怪物たちを打ち倒すことはできない。
話の途中で何気なく出てくる「誰もが豆男であり村人なのさ」という台詞が、とても印象的だった。
ハッピーエンドとは言えないラストも、深い余韻を残す。
コメディタッチでさらりと大事なことを書く、筆者の優れた資質だと思う。
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4101230331
No.23:
(5pt)

面白いだけでなく、大切な事もいっぱい表現されています。

主人公を問わず登場人物全てのキャラクター設定をお座なりにしない所がこの作家の作品の魅力だと思います。
特にこの作品は脇役の設定が個性的で微笑ましい人物ばかりなので、最後まで飽くことなく読めてしまいます。
内容もGOOD。この主人公設定は個人的に好き。控えめなようで、やる時はやる、誰が相手でも着実に人間関係を築いていけるが決して腹は黒くない。
こういう中庸なキャラクターだからこそ、勿論回りの脇役が引き立つのかもしれませんが。でもこういう人と仕事ができたら、士気は高まるのでは?と思います。
公務員と一般企業は確かに内容は違いますが、仕事を通して自分自身をどうあるべきかを考えさせてくれる一冊でもありました。
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4101230331
No.22:
(5pt)

公務員

ああ日本中の地方都市の不釣合いな景観から浮き出た建物の多くはこの本のような意思決定というか馴れ合いの産物なのでしょうか?
公務員もがんばっている、市民オンブスマンなんてのもいるし最近は違うのではなんて、というのはあまーーい願望なのでしょう。
この本読んで地域を考えるのかそれとも地方公務員をうらやむのかは個々人の自由でしょうが、あきらめて仕方ないと思うのはやめておきたいものですね。
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4101230331
No.21:
(4pt)

宮仕えのつらさ

どこかで読んだようなと思ったら、「神様からひと言」と勝手にダブらしていました。
勤め先が、民間企業から公務員になっても、サラリーマンは、やっぱり辛いんだ。でも、公務員の方がましか、出る釘は打たれることはあっても、抜かれることは無いし。
(それにしても、全国に作られたテーマパーク等の施設も、同じような状況で作られ、赤字を抱え、挙句の果てが、解体費用もだせずにそのままになっている現状は何とかならないものなのかね)
「メリーゴーランド」タイトルに皮肉が、含まれてるのかな?
同じところを同じスピードで乗っているだけで、ぐるぐる回ってくれる、公務員のお役所仕事。
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4101230331
No.20:
(5pt)

役人であればなお面白い

某市役所のダメダメ公務員が第三セクターが経営する赤字垂れ流しの遊園地の担当部署へ異動となり、一躍奮起して遊園地経営の改革に乗り出すというストーリーで、どことなく映画「県庁の星」に通ずるところがある。当然脚色されているのだが、あながち嘘とも言えない市役所内部のものすごい官僚構造の中で主人公が一人闘う姿につい感情移入してしまう。うまく主人公の役所における状況と私生活における状況をうまくシンクロさせながら描写しており、途中飽きることなく一気に最後まで読めてしまう。特に役人であれば共感するところも多いと思われるが、それ以外の人が読んでも楽しめる良作である。
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No.19:
(5pt)

メリーゴーランド

 大赤字の駒谷アテネ村の再建を任された平凡な市役所勤めの公務員の奮闘記です。組織の力と戦いながらゴールデンウィークのイベントを大盛況に終わらせるることができ、さあこれから・・・というときに、思わぬ結末が待っています。 当然ここでは書きませんが・・・
 この作品はサラリーマンの人に読んでもらいたいです。 仕事のストレスを一時ではありますが、忘れさせてくれます。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331
No.18:
(4pt)

山場の後にストンと落とす。そこから来るホロリ感。

電機メーカを辞めて故郷にUターンした35歳の主人公・啓一。平凡な市役所勤務の日々に訪れた転機は,赤字テーマパークの再建プロジェクト。随所にあふれるお馬鹿な会話,個性豊かな登場人物。山あいの地方都市を舞台に描く,作者得意のプロモーション物語です。
前例主義のお役所仕事。波風さえ立てなければ平穏無事に暮らせるけれど,それを放っておけるか,おけないか。上に立つのは得意じゃない啓一だけど,周囲に背中を押されつつ,彼の中に眠っていたものが,呼び覚まされていきます。「カン!」となるゴングのように。
ベタとはいえ,クライマックスではマーケティングの好例を披露。これで大団円!と思いきや,残ページが結構ある。そこには,もうひとつの物語。結果的にこの部分が,ラストシーンの切なさ,荻原作品特有のホロリ感を出しています。
メリーゴーランド (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:メリーゴーランド (新潮文庫)より
4101230331

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