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母恋旅烏
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母恋旅烏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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本書も萩原浩の一連の作品同様、笑いあり、涙ありの物語。 花菱清太郎(これは芸名・本名は菱沼清)が家族全員を巻き込んで始めたのは、レンタル家族派遣業。元大衆演劇役者という経歴と経験を武器に意気揚々と張り切ったものの、浮草稼業に楽はなし。失敗につぐ失敗に、借金がかさみ火の車。やがて住む家すらも失い、かつての義理で旅まわりの大衆演劇の一座に加わることとなったが―。はてさて、一家6人の運命やいかに。 というわけで今回はシチュエーションからしていかにも人情ものっぽい旅まわり演劇の家族が主人公。‘父さん’、‘母さん’、‘兄ちゃん’、‘姉ちゃん’、そして“ぼく”の一家としての、そして個人それぞれの奮闘振りがドタバタ喜劇よろしく展開する。中でも中心は17歳になっても小学生のような語り口で一人称物語をリードする“ぼく”。見たままをストレートに表現してゆくところが本書の狙いだろう。 物語が進むにつれて、‘父さん’ひとりに引きずられて、表面はともかく内心はバラバラだった家族がそれぞれ自立しながらも‘母さん’の失踪(これもまた‘母さん’個人の自立)をきっかけにひとつにまとまってゆく、また“ぼく”がそれなりに成長して独り立ちしてゆく、そんなところが本書の見所だろう。できれば‘母さん’にも戻ってきてほしいと思う。 | ||||
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その日の生活もままならないほどの貧乏な暮らし。だが、この一家には暗さがない。「何とかなるさ♪」そんなお気楽な清太郎の性格は、うらやましくもあり、あきれるところもあり・・・。だが、けんかしながらでも一家はまとまっている。そんな感じがした。一家6人のほのぼのとした暮らしや大衆演劇の魅力は、読んでいてとても楽しかった。ラストはまさに「母恋旅烏」。果たして、末っ子寛二の思いは届くのだろうか?届いてないはずはないと思うのだが。 | ||||
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読み始めて最初に謎を持たせるのが,本書の大部分で一人称の語りになっている「ぼく」こと次男・寛二について。無邪気な振る舞いや語り口から小学生を想像させるのですが,すぐにその想像は裏切られます。しかしその設定は,寛二の父・清太郎が自分がかつて所属した劇団に復帰する後半,劇団の中で揉まれる寛二の成長物語につながっていきます。酒乱で無計画な事業を起こしては潰す親父,ケンカが弱くてフィギュアオタクな長男,そして元ロッカーで19歳にして子持ちの長女,などなど。荻原作品らしく,キャラクターのぶっ飛び加減も期待を裏切りません。清太郎はダメ親父のように見えるけど,役者としての技量と矜持にかけては一流というところに好感。清太郎が劇団に復帰後,自分の芸術を求めると言って独善的な駄作を演じ続けようとする若座長に諭す場面が真骨頂です。そのセリフは本の中で。 | ||||
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この本は、表紙のイラストに惹かれて買いました。はじめのうちは、普通ー、とか思ってましたが、数分で撤回しました。次第に見えてくる人物像、その人物から見えてくる人間関係、人間関係から見えてくる波乱万丈だが現実味のあるストーリー。読んで損はない一冊だと思います。もとい、読んで損などあるはずない一冊です! | ||||
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ユーモア小説で高い評価を得ている萩原浩が,一風変わった困った父ちゃんとその家族の物語を書きました。例のごと,さえまくる人物描写に引き込まれます。家族は母親以外の皆が,ふつうから見たら問題ありだったり,変だったりしますが,それぞれの行動に至る原理は一貫しています。一貫していないのが母親だったのですが,詳しくは読んでのお楽しみ。楽しく読めますけど,他の作品のような読後のカタルシスがあるかというと,微妙なので,星を一つ落としました。 | ||||
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