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人間の顔は食べづらい
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人間の顔は食べづらいの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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敬称略。 白井智之の「人間の顔は食べづらい」は、読者を異形の世界へと誘う衝撃的なミステリー小説。 この作品は、食用クローン人間が育てられる未来の日本を舞台に、倫理的な問いかけと緻密な推理が交錯する物語。 物語の中心にいるのは、クローン施設で働く和志という青年。 彼の仕事は、育てたクローン人間の首を切り落として発送すること。 しかし、ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから生首が発見される事件が発生する。 この事件をきっかけに、和志は自らの職務と倫理観に揺さぶられながら、真相を追い求めることになる。 白井智之は、独特の世界観と緻密なプロットで読者を引き込む。 クローン人間を食用にするという設定は、初めて聞くとショッキングだが、物語が進むにつれてその異常さに慣れていく自分に気づかされる。 これは、作者の巧みな筆致によるものである。 また、登場人物たちの心理描写も見事。 和志の葛藤や、クローン人間たちの存在意義についての問いかけは、読者に深い思索を促す。 特に、和志が自らの行動に疑問を抱き始める場面は、物語のクライマックスに向けての緊張感を高める。 さらに、この作品は単なるミステリーにとどまらず、人間の倫理観や社会の在り方についても鋭く問いかける。 クローン人間を食用にすることの是非や、生命の価値についての議論は、現代社会にも通じるテーマであると感じる。 あなたは、物語を通じて自らの価値観を見つめ直す機会を得ることになる。 まとめると「人間の顔は食べづらい」は、独創的な設定と緻密なプロット、深い心理描写が融合した傑作ミステリー。 白井智之の筆致は、読者を異形の世界へと引き込む。 この作品は、ミステリー好きだけでなく、倫理的な問いかけに興味がある読者にもお勧め。 | ||||
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公的に人肉を食す世界という設定はやや古典の有名SF映画を思い起こさせ、西澤保彦や乾くるみのテイストに似たノリのSFミステリ、 そこにグロが加われば鬼に金棒な感じがするが、事件自体はかなり小粒であまり魅力的とは言い難い。 ただ構成が巧く飽きさせないし、事件外のミスリードもある。 長めの中篇として読んだら満足感はまた違ったかもしれない。 | ||||
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人間以外の動物がウィルスによって死滅し、ひとのクローンを食する事が是となった日本。その法案の反対派議員が殺害されたことに端を発し、隠された陰謀が明らかになるという展開だ。 異常な世界の中、異常な犯罪が発生するというミステリ。ひとつの世界観を作って、その制約の中でトリックを仕立てる力技が良い。 クローンを食料へと解体していく様はグロテスクで興味を惹いたが、作中人物たちによる犯人当ての討議あたりで飽きがきた。そのあたりを我慢すればラストは驚きである。テンポよければなお良しというところだろうか。 | ||||
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つまらなくはない。でも、最後までワクワクはしなかった。 世界観、設定は素晴らしい。ただ、それを生かし切れていない気がする。もったいない。 ヒトクローンという設定で、三分の一くらい読んだところで、今後の展開はこうなるのかと予想したら、本当にそのとおりだった。 推理小説好きだと物足りないんじゃないかな。 世界観、設定は素晴らしいので、今後はそれを生かすような練りこみを期待したい。 以下、ややネタバレ要素。 叙述トリックも予想通り。あと、突っ込みどころが結構ある。 ヒトクローンは、成長促進剤のために肉体的には成人だが、メンタルは乳幼児と同じ・・・と言っておきながら、 本を投げ込むだけで、ここまで推理できる人格が育つのか? 代議士クローンもそこそこの人格を持っているが、なぜ、ここまで成長できたかが不明。 どう考えても、代議士クローンは読書できない環境だったでしょ?・・・等。 | ||||
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設定は面白かったけど、その設定を生かしきれていない憾みがありました。 また「クローン」という言葉から、ある種のトリックが当然のように想像されてしまい、 メイントリックがその予想の範囲を一歩も出ていなかったのが残念。 若い作者らしいので、今後に期待して星三つ。 | ||||
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有栖川、道尾、両選考委員に絶賛されながらなぜ次点となったのか。 読めばわかるぞ、こんなの受賞したら、来年から応募作全体がとんでもないことになる。 でもなぜ、出版されたのか。 読めばわかるぞ、もうありきたりの本格ミステリじゃ満足しない変態読者への角川からのプレゼント。 | ||||
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個人的には今年一番面白かった。 SFホラーかと思ったがオビで道尾氏、有栖川氏のコメントがあるから本格ミステリだろうと期待して購入。 ヒトの成人クローンを短期間に作れる技術・工場があり反対派の市民団体もいるが、それ以外は現代の日本と同じような設定。 デビュー作特有の荒さもあるがすんなりと一気読み出来た、ストーリーも尻上がりに加速していきスケールも広がり推理の乱れうちも楽しかった。今後の活躍が期待できそう。 ☆を二つ減らした理由は読後に感じた不満。 未来の日本でなく描かれてるのはどー考えてもコテコテの現代日本だろうに(作品では20××年ですが)ヒトクーロンの製造は技術的に無理でしょう。導入するにしても倫理的責任等で日本にそんな決断できる政治家はいない。国民性でも無理。…が頭に最後まであった。 また記述が複数の登場人物の視点に分かれて構成されており話の展開的にも感情移入が出来なかった。主人公が誰かを見失う。あとはタイトルはこれで良かったか…などなど。 しかしストーリーや展開の面白さ、読みやすい文章、個性的な登場人物はすごく楽しめました。秋の夜長に一気読みでした。 | ||||
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