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ガットショット・ストレート



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【この小説が収録されている参考書籍】
ガットショット・ストレート

ガットショット・ストレートの評価: 4.00/5点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

筆力に支えられた珍妙な宝物の争奪戦の楽しさ

『11月に去りし者』で久々に手ごたえのある筆力を持った作家と出会えたことが嬉し過ぎて、たった一冊のルー・バーニーの古い翻訳書を手に入れ、ようやくこの作家の世界と再会することができた。なるほど、前半はほぼロード・ノベル。こういう作風を得意とする作家である。

 しかも善玉悪玉ともに人間味があり、捨て難い印象を残すため、文字通り、善悪入り乱れてのもつれにもつれ合う、ひっきりなしの逆転ストーリーであっても、読者の側に、さほどの混乱は起きない。だからこそ、この作者の筆力に、ぼくはまたも着目してしまう。

 善悪と書いたものの、善なる人(たいていは被害者の側)はあまり登場しない。ほぼ登場人物の大方は、腹に一物抱えた煮ても焼いても食えないような男女ばかりだ。ひっきりなしの対決と駆け引きのシーンにアクションが混じるのだが、思いのほか暴力的な印象は多くない。からっとクールな緊張感と、独特に過ぎるユーモラスな会話がページを快適なステップで躍らせてくれるのだ。

 リズム感と疾走感と、人間のもつ純粋な温かみのようなものが、悪党だらけの世界であるのに溢れ出る。

 主人公であるシェイクが監獄を出所する間際の暴力すれすれシーンに始まり、出所後すぐに手にする一見簡単そうだがその実あまりにもやば過ぎる仕事。そしてこの作者ならではの独特の女性描写の巧みさが活きるアンチ・ヒロイン、ジーナの登場。スムースに終わらない取引と裏切りと化かし合い。組織対個人。独特過ぎる宝物の争奪戦。

 LA、ヴェガス、そして舞台はパナマシティに。運河を介して、太平洋とカリブ海に挟まれた太陽の町を舞台に、ユーモラスでスリリングな世界が広がる。エルモア・レナードを想起させる明るくドライなピカレスク・スリラーは、ページをめくる手を止めることのできない楽しさでいっぱいである。

 もっと沢山この作者の本が読みたい。でも今は読み終わった二作しか日本語作品はない。『11がつに去りし者』の人気に押されて次々と作品が日本に紹介されてゆくことが期待される。何度も言うがルー・バーニーは真の実力派作家なのである。
ガットショット・ストレートAmazon書評・レビュー:ガットショット・ストレートより
4781611699
No.3:
(1pt)

期待したほどではない

雑誌でおすすめとあったので買ってみたが、設定は中途半端で、話の展開も普通。
ガットショット・ストレートAmazon書評・レビュー:ガットショット・ストレートより
4781611699
No.2:
(5pt)

嬉しい驚き!

帯の推薦文に、カール・ハイアセン、エルモア・レナード、エヴァン・ハンターらの要素が好きな方にお薦めと書かれていたのを見て読んだ。
これは嬉しい驚き! 予想を超える面白さ、陳腐な言い方になってしまうが、「途中で読むのをやめられなかった」!
なによりも、刑務所を出所したばかりの主人公、シェイクのキャラクターが最高。
あなた、そんなに人がよくって、よくまあ刑務所で生きてこられたね? そう言いたくなるくらい、男気あふれるいい奴じゃないか!
しかも、若い頃からいろいろあって刑務所暮らしの常連らしいのだが、夢は「おいしいレストランを開くこと」で、料理にも一家言持っている。
対するは、出所したばかりの〈運び屋〉シェイクが、成り行きで助ける羽目になってしまった嘘つき美女ジーナ。
これがまた、とんでもないワルなんだけど、実に魅力的で……。
そして、きわめつけ。作中に出てくる、ある「秘宝」(秘宝というか珍宝というか……)の存在なんですが、あとがきを見るとどうも実在するらしい。もう、このへんは本当に、変な笑いがとめどもなく漏れる感じでした。まいった、まいった。
ガットショット・ストレートAmazon書評・レビュー:ガットショット・ストレートより
4781611699
No.1:
(5pt)

『容疑者Xの献身』『解錠師』に匹敵する? 読書体験

お勧め。「フィクションはおもしろければよい!」の玉条に照らせば最高の傑作、読者へのサービス精神てんこもりの超エンタテイメントである。翻訳もナイス。
(「運び屋」ものではハリウッド映画で「トランスポーター」があるが、シェイク、ジーナはじめキャラクターの魅力では上回るかも?)

2011年の「バリー賞」新人賞にノミネートされた作品らしいが、同年の受賞作は非常に話題になったハヤカワの あの『解錠師』、
しかも東野圭吾の傑作 『容疑者Xの献身』が翌年2012年、このバリー賞新人賞にノミネートされやはり受賞を逃していることも、本作の魅力実力を語る事実ではないだろうか?

まったくクライムノベルとか読まない読者である自分がここまで楽しめたので、[息抜き]を欲する純文学好きも読む価値あり。

繰り返すが、お勧め!
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4781611699

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