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(短編集)
四人組がいた。
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四人組がいた。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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高村さんがこれを書く姿を想像するのも面白く思いながら、含み笑い。 | ||||
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奇々怪々の作品である。高村薫の新作小説をずっと待ち続けているファンは多い。私もそうである。なのに、私は図書館の片隅にこの本を見つけるまでの4年間、その存在を知らなかった。何度か新作をチェックしたと思うのだが、何故かその時Webに載らなかったとしか思えない。世の中も話題にしていなかったので、私の情報収集が劣っているというわけでもなさそうだ。 この作品は、何か秘術が使われて、あまり世間に出回らないようになっているのではないか。何故ならば、この12篇の連作短編集は、まるで存在そのものが「在るのに無い」という性格を持たされているからである。則ち、12編とも題名の上に「四人組」を冠していて一見典型的な農村の、元村長、元助役、郵便局長、キクエ小母さんという暇を持て余した四人組老人たちを主人公とした日常を描いているのかと思いきや、実はこの四人組がとんでもないものたちだったという構造があるのかと思いきや、実は農村自体がファンタジー構造に組み込まれていると分かる後半部分でだいたいこんなんだと思った途端、最後は筒井康隆の如く日本の地方問題が批判的に描かれハチャメチャになって絶望的カオスに進んで終わりと思いきや、なんと神仏含めて世界は凡そ事も無しと進み「正体」が一向に現れないのである。色即是空。空即無、無即空也。 私はこの題名を見た時に「やった!レディ・ジョーカーの元作「日吉町クラブ」の単行本化か!」と密かに思ったのものである。が、紐解いて、あまりものギャップに、声が出なかった(読書中そもそも声は出さないが)。まあ、高村薫小説世界の王道たる「太陽を曳く馬」も「冷血」も「土の記」も、まだ未読の私に「何をか言われんや」とは思う。 | ||||
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簡易な配送でしたが、期限内に届きました。高村薫のユ。ーモアがいいですねえ | ||||
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限界集落の暮らしの妙味が満載で、最近の世の中の馬鹿馬鹿しさのオプション付きで、笑えます。もっと痛烈なつっこみがあっても良かったのでは、まだまだ刺激が足りません。 | ||||
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現在行きている作家の中で私が一番注目している高村薫(1953−)さんの最新作。2008年から2014年にかけて、12本の連作として「オール讀物」に発表されたものを2014に単行本として発売されていた。この度、手に入れる事が出来、一日ひとつずつ、じっくり味わいながら読み繋いで、最後まで読みました。 理屈臭く、教養・知識に溢れ、しかし反社会的でもあり、パワフルな山奥の寒村に暮らすじいさん、ばあさん4人組。政治・経済から宗教、文化、はては風俗、AKBまで。時事ネタを満載して、笑い飛ばし、皮肉って、落ちは奇想天外。12作めは、地獄と天国の経済破綻がテーマで、なんじゃこりゃ、の結末。 「晴子情歌」(2002)「新リア王」(2005)「太陽を曳く馬」(2009)そして「冷血」(2012)と重たい作品が続いた後の、ちょっとした小休止のようなものと思っていたが、そうでもない。 薄っぺらな文章、生き様を賭けて書いていない小説が多いなかで、高村薫さんの小説は、文句無く信頼を裏切らない。 | ||||
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あの高村薫さんがこれを書く必要があったかどうかはわかりませんが、久しぶりに楽しめた本です。 何の合理性もなく、何の制約もないぶっ飛んだお話集ですが、にもかかわらずこの現在の日本の文化の中にさえ、今でもあり得そうな感覚。 そのやさしく、懐かしい不思議な感覚を感じることができてかなり嬉しかったです。(しかし、この感覚は自分の人生の中でいつ身につけたものだろう?) これ、まだまだいろいろ出てきますね、出せますよね。是非続けてください。楽しみにしてます。 | ||||
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都市と地方の格差やら老人差別やらをテーマに、高村さんらしいシャープで硬派な展開を期待していたら……一言で言えば、ダークなファンタジーですね。後半になればなるほどリズムが出てきて、こちらも世界観に慣れて、楽しく読めました。 とはいってもそこは高村さん。ユーモアにまぶして、社会批評もちらりちらりと垣間見えました。高村ファンとしても、作家の新境地を見るようで満足のゆく作品でした。 読後に思ったのは、「これ、アニメ化できるのではないか」ということです。とても子供向きにはなりませんが、作り方によっては奥深いモノができるような黄がします。「原作・村薫」の映画ではなく、アニメも話題になるのではないでしょうか。 | ||||
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何も問題なく受け取り読み終えました。 今後も宜しくお願いします。 有難うございました。 | ||||
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ニッポンの偉大な田舎 元村長、元助役、郵便局長、キクエ小母さん 儲け話と食い物に目のない老人四人組は、集会所に集まっては日がな一日茶飲み話を だがそこへ、事情を知ってか知らぬか、珍客がやって来て―― タヌキのアイドル、キャベツの大行進、最後は閻魔様まで! 今の日本を地方からユーモアを交えて軽妙かつシニカルに描き出す 村薫、初のユーモア小説 ワタクシの力では最近の村女王にはついていけません しかし、ユーモア小説ならばなんとかなるかと読んでみました 『四人組』というからには裏で何をやっているか分らないような輩なのかと考えてしまいますが、そうでもなく 利益追求、私腹を肥やすのは別の人間で、それらを傍目で見ながら、自分たちの欲求を満足させるべく抜かりなく人を動かしていく老人たち、といったところでしょうか ただのユーモア小説かと思いきや さすが村女王、深いですね~ ユーモアはユーモアでもブラックです 社会秩序、政治・経済・宗教や、人のなんたるかを鋭くチクリと刺します 閻魔、アミダと共に旅に出た四人組 帰ってきて、また面白おかしい話を始めてくれたら嬉しいのですが | ||||
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高村 薫様の本は定価で本屋さんで買うのがマイルール とにかく読みにくいのですが、それが快感となる筆力 すさまじく重く、限りなく緻密な高村さまが、 なんとユーモア小説? はいはいはい。 裏切られることなく脳みそがぐちゃぐちゃにかきまぜられました。 四人組みと四つ足が織り成す限界集落の最後の大花火(笑) えーと。 高村さまの小説が初めての方には薦められません。 それから。 この小説を読んで 「何がユーモアなのか、何がおかしいのか、わからない」という方とは、 たぶん私、友達になれないと思います。 会話が成立しないと思うからwww | ||||
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イーハトープじゃぁ、 パチパチとどんぐりが集まってくるし、 燕尾服きた上品なキツネガ住んでいるらしい。 変わってこの村じゃぁ、 ワッサワッサとキャベツが歩くし、 タヌキ、イノシシ、クマ、などなどの四つ足が 化けたり、化けなかったり。 一見似てるが、 主人公がジジババってところが、ちょいと違う。 純朴捨てて、洒落っ気と カモがネギを背負って来ないかと待ち構えている。 ジジババ童話(?)は、クワバラくわばら….. いや、あっぱれ….かな | ||||
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現代のおとぎ話という感じで面白かったです。ラノベ感覚で読めます。 この作者の小説は難しい話が多いですが、短くて楽しい話も書けるんだなあと驚きました。 ブラックな描写もありますが、動物と人間が協力し合ったり、ほのぼのしてて楽しいですよ。 アニメとか映像で見てみたいと思いました。 ちょっと残念なのは表紙ですね。読後だと内容をよく表している良い表紙だと思いますが、いまいちヒキが弱い気が…。 各話の扉にあるイラストが良かったので、文庫化の際は表紙もポップな感じにしたら、手に取る人が増えるのでは?と思いました。 | ||||
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高村薫るさんの小説は、主題が重く体の調子が悪い時には読み辛い事が多々ありました。 この作品はそういうう点では軽い気持ちで読むことが出来ましたが、世相を見る目は相変わらず 厳しいものがあると感じました。 | ||||
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高村薫氏の作品をそれ程数多く読んでいる訳ではないですが、あまりにもの作風の変化に最初は少々戸惑い気味でした。 それでも読み進んでいくと、思わず吹き出してしまうこともしばしばあって、この4人組が愛おしくなりました。 ユーモア小説とはいえ高村薫氏の作品である以上、過疎化した村の村おこし行事や開発事業、名所発掘や高齢・少子化問題などを風刺しているのだろうと、そこに意味を見出そうと読んだのですが、結局、空想のようなお話で、ただただ何も考えずに面白く楽しんだだけでした。 そしてラストは少し哀愁が漂い、また4人組に会いたくなります。 | ||||
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読みながらニマニマと顔が緩んでしまいました。なんとなくシートン動物記が混ざっているような限界集落の山村。四人組が放つイキでブラックな会話や、あるあるあると叫びたくなるような村ならではの秘密。面白かったです。 ついつい一気読みしてしまい、ああなんてもったいない読み方をしたんだと最終章で後悔してしまいました。 | ||||
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実に痛快にして抱腹絶倒なユーモア小説。高村薫が、あのハード極まりない「冷血」や20世紀三部作を書く合間にこんな「現代の御伽噺」を書いていたとは。それも平然と、いつもの高村薫節で! 彼女を知らない人が読めば、文章は腹立たしくなるほど固くてぶっきらぼうでつっけんどんで、人物描写は底意地が悪い。そして日本の地方行政や小悪人の小賢しさの本質をずけずけと突いて遠慮がない。ブラックであったかと思えば、御伽噺ですからと平然とありえない現象を描いてしれっとしている。 だから、高村薫ファンではない方に無理にはお勧めしない。しかし、くさやの干物ではないが、そこが高村薫ファンにはたまらないのだ。 さて、舞台は「平成の市町村大合併」なる傍迷惑な構造改革のおかげで村役場も村会議もなくなった、野鳥と川の生き物を除けば、わずかな年寄りと四つ足しか棲んでいないしけた寒村。 そこで無為の日々をだらだらと送る、自称村一番の教養人の「元村長」、自称元プレイボーイの郵便局長、自称村一番の常識人の「元助役」、自称小股の切れ上がった熟女のキクエ小母さん、の四人が主人公。 12編のエピソードがあるが、キクエさん以外は最後まで個人名が出てこない。一応山梨か信州あたり、と当たりのつく記載はあるが、男三人は日本中どこの限界集落にもいる類型的人物だ、と高村薫は言いたいのだろう。しかし高村薫は「冷血」で見せたリアリズムの極致のような緻密極まりない描写をこの限界集落ではあえてしない。それどころか高村薫が嫌いそうな超常現象満載である。この村はなんか変だ、と毎回毎回思わせては少しずつ話が進んでいく。その都度ブラックユーモア度は増して行き、村へやってくる人たち(=一般人=読者)を翻弄して楽しんでいる高村薫のすました顔が見えるようだ。 何しろこの4人組は永遠に死なないと書いてある。経営不振の浄土や地獄へも阿弥陀や閻魔にわざわざ招かれてでかけていく。四つ足ともツウツウだ。タヌキだろうが熊だろうがダチョウだろうがタニシだろうが、平然と付き合うしこき使う。小学校から逃げてきた光る豚もちゃんと守ってやる。一方で人間は政治家だろうがガキだろうがマスコミだろうがつまらない奴らには容赦なし。 さて、その種明かしは?そんなもの、高村薫が用意するわけがない。楽しむなら勝手に楽しめである。まあ、政治経済から宗教哲学、農業、IT、芸能、風俗、パチンコまで博覧強記を絵に描いた女史の書いた文章である、縦横無尽に薀蓄が飛び回り、四つ足が人間と共生し、不思議なことが当たり前のように起こる。 特に凄かったのは「四人組、村史を語る」。青汁会社と結託して無農薬栽培でケールを栽培した挙句のキャベツに青虫発生大騒動である。 「キャベツ畑がアオムシの絨毯になっているという。(中略)昨日までふさふさと繁っていた春キャベツの葉の、表も裏もアオムシがびっしりと張りついてほとんど巨大子持ち昆布だ。」 もちろん無農薬栽培への強烈な皮肉であるのだが、それだけにとどまらず、怒ったキャベツたちは抗議の大行進を敢行して、山へ登り復讐の大合唱、挙句の果てはアオムシを爆弾代わりにケールと壮絶な地獄の白兵戦を行うのである。 一方で高村さんがこんなべたなギャグをそれとなく漏らすのか、という微笑ましい文章もあった。地上450Mのスカイツリーにツアーで上ったダチョウが呟く。 「生まれ変わったら鳥になりたい」(「四人組、伝説になる」) お後がよろしいようで。 | ||||
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宣伝文句には、「高村薫 ユーモア小説に挑戦」とある。 確かに、にやっとさせられる場面が少なくないのだが、 全体として見れば、この本は、彼女の「社会批評もの」に連なる作品だ。 それにしても、高村薫の博識、もしくは”知らない事を調べて、自分のものにする能力”には、改めて感心させられる。 本書でも、政治、行政、経済、宗教(このあたりは得意分野だろうが)から、アイドル、ギャンブル、風俗・・に至るまで、 硬軟、高尚低俗、分野を問わず、ごった煮のごときネタが次々と展開される。 公の場では発言するのがためらわれるような用語でも、高村薫は必要なら遠慮なく記す。 自分に確固たる自信があることの証拠だろうし、こちらもそうと分かっているのである。 なお、田舎が舞台で、高齢者が多く出てくる、というせいかもしれないが、 文章としては「新リア王」を思い起こさせるものが多いように感じられた。 | ||||
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