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(短編集)
奇商クラブ
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奇商クラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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本作は某探偵になぞらえるように探偵役と語り部を用意し、奇怪な事件の真相を解き明かすというもの。 しかし探偵役は自他ともに認める狂人で神秘家という点でエポックメイキングを図ろうとした作品といえるだろう。 安楽椅子探偵というよりも矢吹駆のような直感系の探偵の走りというべきだろうか。 作者は推理小説のスタイルに対して一石を投じたかったのかもしれない。 ただ、正直に申し上げて、書き方が稚拙と言わざるを得ない。 本作は殺人事件ではなく、怪事件の真相を追う形やそれに巻き込まれる形で進展する。 そしてその影に潜むのは「奇商クラブ」という秘密結社。 別に悪の組織ではない。当時の考え方から言うとかなりぶっ飛んだことを生業とする、そういう人たちの連合だ。 そしてこの小説のオチは、早い話が「奇商クラブの仕業」で終わるのである(厳密にはすべてではないが) 三話くらい読むと、話のオチが見えるので特に展開に期待などできなくなる。 さらに、その真相に迫る過程がひどい。 探偵役の狂人バジルは謎の明察でひとりでに真相に辿り着くが、 その推理や思考は、神秘学的な経験則だと言って、全く説明しないのである。 早い話が、名探偵コナンから解説パートを一切合切取り除くようなものだ。 追い詰めると犯人は勝手に自白し、めでたしめでたしとなる。 スカスカの中身を埋めるため、語り部が当時の世相や町並みの描写を所々に入れてくるが、 翻訳があまり上手くないこともあって、正直読んでいくのが辛い。 中身のある内容ではないため、読むのが面倒になってくるのだ。 当時の風情を出すにしても、もうちょっと何かなかったのか。 結局、本作は、頭の悪い中学生が考えた「最強の名探偵」というレベルの代物でしかなかった。 頭がいいという設定だけがあり、それを表現する能力や知性を、作者自体が有していない。 スカスカの中身を言葉だけで誤魔化すのは、今の世も昔も変わらないらしい。 | ||||
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