■スポンサードリンク
(短編集)
夜の床屋
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夜の床屋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
良かった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
連作短編集で、各短編で残るもやもやした感じが、1冊を通して読み終えると全く別な意味を持っていたことに気づく、という凝った作りの一冊です。 バラバラの初出の作品をまとめて、この凝った構成の一冊に仕上げるのですから、なかなかの力業だと思います。 寡作な作家さんのようですが、すぐに他の作品を読みたくなりました。 例えば米澤穂信さんの作品が好きな人にアピールする作品だと思います。 それにしても、東京創元社さんは、「探偵は教室にいない」の川澄浩平氏や、「蝶として死す」の羽生飛鳥氏、それに「強欲な羊」の美輪和音氏のような、新しい才能あふれた作家さんを見つけてくるのがうまいなぁと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ単体の場合「よくまとまったミステリーで,短編賞受賞もうなずける」って感じですが 全体を読むと,イメージがガラッと変わります | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一般には著名な作品ではないけれど、ミステリ通の間では最近注目されている作品はないかな、とネットを巡っていたところ、行き着いたのが、本書。 注目作だけあって、凄い。 何が凄いかと言うと…。 本書は、佐倉という大学生が巡り合った事件を記した連作短編集で、7つの作品が収められています。 表題作である「夜の床屋」は、冒頭の第1編。佐倉が、友人の高瀬とともに、山の中で道に迷い、暗くなったところで、無人の駅に辿り着く。 そこで一夜を明かそうとしたところ、駅の近くにある理髪店の明かりが点いていた。 さきほど駅周辺を確認したところでは、近くの建物はどこも無人で、周辺には人が住んでいないと思っていたし、もちろん理髪店の明かりも消えていた。 恐る恐るその店のドアを開けてみると、そこには──。 と、いうことで、「日常の謎系の作品か」と感じさせます。 そこで、推理していくと思いがけない真相が待ち受けていて…と言った趣向か、と。 実際、次の「空飛ぶ絨毯」という作品は、ある女性が、酔って自宅に帰り、翌朝目を覚ましてみると、部屋の絨毯が消えていた。 確か、帰宅した時には、絨毯は敷かれていたはずなのに…という、これまた、「日常の謎系」。 注目作の割には、これまで多く書かれてきた「日常の謎系」ミステリの延長ではないか、とちょっと期待外れかも、と思っていました。 ところが、第4編から様相が変わってきます。 この第4編から第7編は、それぞれ独立した作品ですが、1つの中編として読むこともできる内容になっているのです。 そして、最終編の「エピローグ」を読む──と。 それまで見えていた作品世界が、がらりと姿を変えます。 そして、この一冊全体に仕掛けられた「ある企て」に茫然とさせられます。 こんなミステリ短編集は、初めて。 最後まで読むと、その凄さが分かり、注目作というのも納得のオススメのミステリ小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ほのかに幻想的な推理小説。 後付け設定かもですが、最終話において、全ての伏線を収束できたのは作者さんの技量かと。 クオリティに反比例しているとしか思えない知名度の低さと、作中から感じられます将来性の高さを加味して星4です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
楽しくドキドキしながら読みました。 スリルがあり楽しめました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元々はここに含まれている「『眠り姫』を売る男」を東京創元社主催の第3回ミステリーズ!新人賞に投稿して落選しているが、これは150年ほど前のスコットランドの監獄を舞台にした作品で、「『眠り姫』を売る男」は、イギリスの獄中を舞台に、ファンタジーとホラー要素を濃厚に盛っている。盛りすぎて、ほとんどミステリでなくなっているのが難点。」(第3回選評 有栖川有栖)と評されている様な不可思議な短編。 次いで冒頭に収録された「夜の床屋」(応募時タイトル「インディアン・サマー騒動記」を改題)にて第4回ミステリーズ!新人賞を獲得しているが、この作品はやや拡大した「日常の謎」というべき作品で、とても150年ほど前のスコットランドの監獄との関連は見いだせない。 ところが、この2作品がいつのまにやらファンタジー要素の満点のとある存在により結び付けられる。科学的な矛盾のないミステリーとは程遠いが、その強引な力技に実に奇怪な後味が残る。 アマゾンのレビューでは否定派が多いようだが、個人的には大いに惹き込まれた一冊 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新鋭のミステリー作家・沢村浩輔氏の短編7集で構成された「夜の床屋」が刊行 された。 ミステリーな要素を含んだそれぞれが独立した短編で完結していて、かつ、その 場面設定とストーリーに意外な結末を持って、最後にひとつの不思議なつながり を見せてくれている。 特に後半の「葡萄荘のミラージュ」と「眠り姫」は、ミステリー要素に加えて、おとぎ話 での、人魚伝説といった異なるジャンルを融合させながら、独特な雰囲気を醸し出し ているのは、本書の特徴である。計算されたスリル感のあるストーリー展開は、著者 のセンスを垣間見ることができる。 一方で、短編作品を通しての整合性を重んじるが故に、ストーリーの前半と後半に 状況証拠の辻褄合わせが、少し冗長な点が・・・・。 今後の作品に期待したい一冊なのである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大学生の佐倉を主人公にした一見、短編集です。 最初の3編はとてもつまらなく感じました。荒唐無稽なストーリーに安直な謎解き 小学生向きの推理小説のようでした。 しかし「葡萄荘のミラージュ」から少し面白みが出てきて、「眠り姫を売る男」に至ってはアラビアンナイトを思わせるような どこか幻想的で しかもドキドキ、ハラハラの展開にすっかり夢中になってしまいました。 同じ荒唐無稽なストーリーでも それなりに筋が通っていて、しかもどこか夢があり 人魚姫は実在するのではないか、と思わせる程の説得力のあるストーリーで 最初の3編とは比較にならないほど素晴らしい小説でした。 エピローグではこのストーリーが最初の3編とつながっていると思わせる内容になってますが、それはちょっと無理があるし、完全に別個の話にした方が良いのではないかと思いました。最初の3編がなければ文句なく星5つでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めて登った山で道に迷い、高瀬と佐倉は無人駅で一夜を明かすことにした。駅前は住人がいない廃屋ばかりだと思われたのだが、高瀬は深夜に一軒の理髪店に明かりがともっているのに気づいた。その店の中に入ってみると・・・。表題作「夜の床屋」を含む7編を収録。 無人の駅前の理髪店に深夜明かりがともる謎を描いた「夜の床屋」、寝ている間に絨毯だけが盗まれるという謎を描いた「空飛ぶ絨毯」、廃工場でドッペルゲンガー捜しをする小学生の真意を描いた「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」の3編は、現実社会でも起こりそうなリアリティのある話だった。けれど、名家の別荘に隠された宝をめぐる話を描いた「葡萄荘のミラージュI」「葡萄荘のミラージュII」「[眠り姫]を売る男」の3編は、現実離れした不思議な話だった。あり得そうな話とあり得ない話。これが「エピローグ」で結びつき、作者に新たな驚きを与える。最後の最後まで作者は読み手を翻弄する。これはこれで面白かったが、私個人としてはあり得そうな話ばかりでまとめたほうが現実味が増し、より面白くなるような気がした。ミステリーとファンタジーの融合は少々強引かもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
朝日新聞でこの本について記事が出ていました。とても興味を持ったので読んでみました。最初はホラー系かなと思いましたが知的推理ものでした。タイトルになっている「夜の床屋」で勢いづき次々に読んでいきましたが,短編集のようでありながら,一冊で一つの長編のように読めるよう仕組まれていました。しかし,冷静に振り返るとそれぞれの短編もどこか人工的な印象が残り,さらに全体として振り返るとさらにフィクション臭さが強く感じられ,リアリティのない短編集になってしまったなという感想になりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
創元推理文庫が好きなので知らない作家さんでしたが読んでみました。 「夜の床屋」という地味なタイトルに始まる短編集です。実際地味な感じで始まり、よくある日常の謎解きの類かなと思いました。 二つ目もそんな感じで三つ目の「ドッペルゲンガー」にさしかかると正直なんだかつまらないなあとページを繰る手も遅くなる始末でした。 小学生に混じってドッペルゲンガー探すって・・・。もちろん何かはあるんだろうけど。リタイアしそうになりました。 四つ目でいよいよ古い洋館とか登場、ようやくミステリーっぽくなってきたなと思いだんだん小説にはまっていきそこからはラストまでけっこう一気に読んでしまいました。「葡萄荘のミラージュI」から「エピローグ」までは独立した短編ではなく一続きの物語でなかなか読み物として面白かったです。 ただ自分が想像していたのとはあまりに違う展開ではありましたが。まさかこうくるとは、って感じです。 最後まで読んでようやくはじめの二つの短編のすっきりしない感がちょっと納得させられました。腑に落ちた、とでもいうか。短編集というよりはこの本一冊まとめて一個の作品なのだと理解しました。地味なタイトルからは想像つかない世界が描かれています。 それでもやっぱり「ドッペルゲンガー」は冗長に感じ、せめてもう少しコンパクトなエピとして挿入されていたらまとまりが良かったのではと思ってしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書が文庫で出た時、「夜の床屋」というタイトルが意味深だったのでよく覚えているが、沢村浩輔という作家を知らなかったので読まずじまいだった。それが、某新聞の読書欄に掲載された。頑張れよと思いながら、その実、見事に忘れていたので心苦しいが、遅ればせながら読んだ。 久しぶりに、私の琴線に触れた短編集だ。「夜の床屋」は最初、幻想的な雰囲気で掴むが、リアルな誘拐事件が絡み、その落差が面白い。「空飛ぶ絨毯」は抒情的で興をそそるが、奇妙な恐ろしさと、男女の機微や、男の強い想いが哀しくも切ない。「ドッペルンガーを探しにいこう」では、少年探偵団の装いが楽しく、ラストも心地よく決まっている。 ここまで、飛び抜けての傑作ではないが、何だか妙にしっくりとくるのである。そして「葡萄荘のミラージュ」で、猫の登場となる。猫好きな私にとって、これは反則ではないかと思いながらも、益々楽しくなる。 と、呑気な事を書いてきたが、今まで読んできたのは何なんだと思わせる驚愕のエピローグに、言葉もない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夫々意表を突く設定で、最後まで気を緩められませんでした。ただ、現実と言うよりもお伽噺に近い話が多いように思います。あまり目くじらを立てないで、沢村マジックに身を委ねて沢村ワールドで遊ぶべきなのだと思います。旅行の時などに携行するのに最適と思います。エピローグで、それぞれ独立と思われる作品を、纏め上げる手腕は大したものと思います。中で一つだけ「ドッペルゲンガー」は聊か手が込んでいる割には、お話に少々無理があるように思いましたが・・・。 「夜の床屋」の出だしでは、子供のころ読んだ宮沢賢治の「注文の多い料理店」をふと思い出しました。人魚の話では、最初はポーの「黄金虫」を、第二話以降では、「ウオーレスの人魚」を思い出しました。勿論全然違うけれど・・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
途中から話が変わり,最後に話がつながっていく展開が良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
評判に違わず、お見事な作品!大学生の佐倉を主人公にしたラノベチックなミステリー連作短編集かと思い、読み進んだのだが、エピローグで予想外の結末が待っていた。 本作には7つの短編とエピローグが収録されているのだが、やけに説明的な文章で、最初にトリックありきで書かれたミステリー短編ではないかなと思っていた。エピローグを読み、全てが氷解し、衝撃を受けた。 この衝撃は、ウイリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』を読んだ時の衝撃に近い。しかし、この著者の先行きも心配だ。一発屋にならなければ良いが… 夜の床屋、空飛ぶ絨毯、ドッペルゲンガーを捜しにいこう、葡萄荘のミラージュI、葡萄荘のミラージュII、『眠り姫』を売る男、エピローグを収録。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大変満足しましたが、もう少し話が長いと自分自身思いましたので星4つです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作をはじめ前半の3作は,推理のプロセスが意外な結末に飛躍するところが楽しい. 「9マイルは遠すぎる」や泡坂妻夫の諸作を髣髴とさせる. 後半のファンタジックなミステリも巧く,今後が期待できる作家である. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前半はそれぞれ単独の物語のようで、軽く読み流す感じであるが、後半の葡萄荘の物語からは TVドラマで言えば、ちょうど良いところで、なかなか目を離せないと言った感じだった。 物語の後半は少しばかり夢中になって読んだ。 読み終えた感想は、最後にどうだったの?と答えを聞きたい気分にさせられた。 どうも続きがあるようで、ないような複雑な気持ちだ。 皆さんはどのように感じるのだろうか。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!