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(短編集)
雷の季節の終わりに
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雷の季節の終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 61~78 4/4ページ
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受賞後第1作目というプレッシャーの中でこれだけのもの書いたのだから、満点でいいと思う。独特の世界観がきちんと隅々まででき上がっていて、とても楽しく読んだ。怖さもわくわく度もちょうどいいぐあいに交じり合って、精一杯書いたことがよくわかる。造語が実に上手なところも見事だ。 それだけに、3作目が少々トーンダウンしてきていることが気にかかる。もっともっと自由に書かせてやれば、それだけ伸びる作家だと思うのだが。 | ||||
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異世界の美しくもおどろおどろしい世界を描くのがうまいですね。 私的にはツボなので、この著者初の長編は堪能できました。 この著者の作品って、絵になりそうな格闘シーンがチラっと出てくること多いですね。 なんか、ゲームっぽいというか・・・。 まあそういうところ含めて大好きなのですが。 久々にネーム買いする作家さんです。 | ||||
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本書のベストセリフ 「性には興味がない。 生殖能力と性欲をセットで失ったのだ。 失ってしまえば、ただそれは、 公平な判断を狂わす不必要な劣情としか思えなくなった」 「20億の針」「寄生獣」「うしおととら」を想起させる傑作。 出来の良いクーンツの雰囲気もある。 不死の敵を如何に封印するか?ネタはタニス・リーにも匹敵する。 これも加えたら誉めすぎだが、 「デビルマン」に通じるイメージもあります。 時制のトリックが見事に炸裂するミステリホラーの傑作、 人称のトリックはやや不完全だが、 「夜市」同様捻ったプロットの意外性に溢れる傑作。 文学の香りも漂う美しい文だが、 難しい漢字や難解な比喩表現は一切使ってないのも素晴しい。 美しいホラーなんだが、エンタメとして 謎の要素が多いミステリとしても傑作。 美しい文が書けるのなら純文学に擦り寄る事も考えるだろうが、 ブンガクとしてのふざけたテクニックは一切使ってない 物語の王道を行く素晴しい小説。 日本一のホラー作家は恒川光太郎でケテーイである。 | ||||
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架空の町と、現世での出来事が、いろいろな人の視点から書かれていて 穏という不思議な町の出来事と、現世の話が、平行的に描かれて、後半、重なっていく。 誘導されてるなーと思って読んでると、アレ?と思う意外な結末。 この作家の作品で、今まで、ものすごい悪者っていうのが出てきたのを、 あまり読んだことがなかったのだけれど この作品には、継母とか、鬼を名乗るトバムネキとか、有力者の息子のナギヒサとか 絶対的な悪者が登場するのだが、それが、理屈抜きに悪すぎて、 得体が知れなくて怖くていい。 あらすじを書きなおしてると、小学生の課題図書みたいだなぁって内容なのに 読んでいて、まったくそんな感じはしない。 何度も同じように褒めてしまうんだけど、やっぱり、文章のせいじゃないかと思う。 美しい文章。 視点を変えて、いろんな方向から書く手法は、わたしも大好きだし 長編も充分面白かったけれど、やはり、夜市や、秋の牢獄くらいの短編が この作家さんの本領を発揮できるのではないかと思います。 不思議感が、その方が薄れないので。 | ||||
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惜しい!惜しいといしか言いようがない。 物語の進め方も無駄がなく、ファンタジーなのにわかりやすい。 細かい描写も抜かりなく想像しながら読み進めるのが楽しかった。 表現が素敵で、伏線の回収も鮮やかだった。個人的に久々100点満点だと思った。 でも、ラストがなぁ〜!!ラスト直前、作者に何があった? めんどくさくなったの?飽きちゃったの? 最後のほんの数十ページの尻すぼみ、もったいなさすぎる!! 夜市の雰囲気そのまま持続した作者の次回作が気になるところだ。 | ||||
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ファンタジーなのですが、異空間に存在する街『穏』の慣習や風景を丹念に描写して、本当にこの街があるような気分にさせられました。 この作家さんの優れたところはひとえに描写力があることだと思います。ファンタジーだからこそ細部にこだわりリアリティを醸し出し、絵空事に思わせない説得力。まさに恒川光太郎氏は稀代の伝奇小説家です。 | ||||
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「夜市」、「風の古道」に続く、私たちの住む空間から少しずれた空間(私たちからは決して見えない)に暮らす人々の物語。著者の描く空間は、もちろん創作上のものだが、実は今でも日本のどこかにあるのではないか、とそんな気にさせてくれ、気がつけば著者の描く世界の住人の一人になっている自分を発見する。 今回も、穏、雷季、風わいわい、墓町、闇番、鬼衆、と魅力的な設定、登場人物により飽きさせない。プロットも主人公の物語に、姉の失踪の話、鬼衆の話が、時間、空間をこえて進み、前二作より複雑な構造になっている。主人公が「穏」を出るまでの前半は、「夜市」にもあった幻想的な妖しさをもつ、イメージの世界を十分堪能できる。しかし、主人公が「風わいわい」と一緒に「穏」から逃走する後半は、現代社会が投影されすぎている感じがして、前二作ほど「異空間で遊ぶ」ことはできなかった。 ただ、次作も是非読んでみたいと思わせる作品にはかわりはない。 | ||||
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ミステリーの構造を借りた、異世界伝奇小説である。ストーリーの整合性が高く、ストンと腑に落ちる。「風の古道」の世界観を、精密に練り上げた感じである。この世とは違う条理で、幸せとか因習とか地縁などをひもといているように思える。 「穂高」や「遼雲」などの人名や、「風わいわい」「獅子野」「鬼衆」など、一風変わった名詞群が『穏』の世界を形作っている。隠れ里『穏』の素朴さが、不思議と懐かしい。 | ||||
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デビュー作『夜市』の幻想的な美しさから、書き下ろしの第2作は骨子がしっかりした作品になった。 地図に載らない穏を舞台に、ラストに向けて複線となる前半は、ケンヤを中心にゆっくりと進む。 後半あかねが出てきてからは、ケンヤと交互に絡ませながら、歪んでゆく空間にも重なりながら、 物語の全体像を浮き掘りにしてゆく。 その仕掛けにラストは一気に読める。 今回はその骨子をしっかり練った為か、『夜市』にあった叙情的な美しさは無い。 そこが『夜市』に魅せられていただけに残念だった。 | ||||
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作者が今、沖縄に住まれてると書いてあり、イメージがぱぁーっと広がりました。石垣の感じとか、うんうんわかるかも。風わいわいと言う生きもの、闇番という職業、ホント、魅力的な作品です。夜市がおもしろかったから、手に取った作品なんですが、期待を裏切りません。もっと読みたい、次作も必ず読みます。 | ||||
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前作を高く評価しましたが、飽くまでも作品をであって、作者を気に入ったからの評価ではなかったつもりだった。 今作が店頭に並んだ時に思わず手が延びたのは、やっぱり作者の作風が凄く気に入ったからなんだと今にしては思う。 さて、作品については触れないが、本当に実力が無くては、受賞後第一作で、ここまでの完成度は、無理だと思える世界観を見事に作り上げている。とだけは言いたい。 後半がはしょっている感じがしないでもないが、長編として上手く纏めている。既に数百の作品を書いた事があるかのような、こなれた感が漂っている筆致には感心するばかり。 基本的に文庫しか購入しない私だが、この作品も前作と同じ単行本で、本棚に並んでいる。 単行本の値段が高いと感じたら、文庫になるまで待って良いのではないだろうか。 とは言え、是非読んで貰いたい、お勧めの作品である。 | ||||
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ファンタジーだわな。世界観というよりも絵画的な世界だと思う。ストーリーも重要ではあるが、それよりは絵画あるいは映像的な想像力をかきたてられることが、この作品の根幹であり、読み応えだ。 | ||||
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圧倒的な世界観。 手にとってから4時間ほどで、一気に読み終えてしまった。 私たちの住む世界とは異なる世界「穏」に暮らす少年。 雷の季節、彼は唯一の肉親である姉を失う。 それと同時に、彼には得体の知れない何かが憑依していた。 異界「穏」にひそむ秘密を知るにつれ、 彼は運命の波によって、彼の在るべき世界へといざなわれてゆく。 読み始めには、恒川光太郎の語感や表現に胡散臭さを感じていたのだが、 物語が展開するにつれ、そういった些細なことは、どうでもよくなってしまった。 まるで、本という名のブラックホールに吸い込まれたかのように、私は見知らぬ世界「穏」へと吸い込まれていたのだ。 異界を描いたファンタジーは多く存在するが、「雷の季節の終わりに」が描く世界観は、あの「指輪物語」や「ハリーポッター」の世界観にさえ、負けない魅力を持っていると思う。 | ||||
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不思議な作品です。 ファンタジー、ミステリー、ホラー、歴史小説、青春もの、冒険もの、民話?? いろいろな分野が混じり合っていて、 実に魅力的な作品になっています。 おどろおどろしいシーンが多いのですが、 それがさらっと描かれいるのでうまく話のアクセントになって、 先へ先へ物語を読み進めてくれます。 登場人物のひとりひとりがいきいきと表現されていて、魅力的です。 非現実的な内容なのですが、 もしかしたらこれは現実かも・・と思わせるうまさがあります。 その中で少しケチを付けるとすると、「トバムネキ」のその後の様子です。 何となく付け足しのような気がしました。 いきなり主人公と対峙しても物語は成立したのではないでしょうか。 読み手としては、少しなかだるみを感じてしまいました。 | ||||
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中盤まで良い作品だったと思います。風わいわいと語る主人公の話が安心できて心地よかった。しかし、中盤以降話が詰まりすぎるというか後半は個人的にはもうひとひねり欲しいところでした。惜しい作品でした。 | ||||
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多作とポップさを極めるもう一人の「こうたろう」(伊坂)に対して、こちらの「こうたろう」 (恒川)はミステリー大賞を受賞してからもいささか寡作にしてゴシックだ 受賞からやっと第一作目。何とも地味。いや、滋味である。受賞作と同じ所謂、「結界」もの であるが、本作では「道」の結界から「世界」の結界へと舞台が広がっている。かつてこうした 物語は少なくなかったが、久方ぶりに真打の登場。ジャパニーズ・ゴシックというとドロドロ したものだが、恒川作品は「濁点」をとってトロトロとした質感。あらわれる物の怪 たちもジットリではなくシットリと味わい深い(この点では傑作コミック「蟲師」に近い) 濁点なきゴシックはおそらく単に日本の神話、怪奇物語だけでなく原題の都市伝説に影響を 受けた結果と思う。日本刀ではなく、カッターナイフのようにスっと切れる この切れ味、映像化は困難と見た。伊坂ものが次々に映画化される中、恒川ものはひっそりと 読み継がれてもらいたい | ||||
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読みやすくて、情景が浮かびやすく、独特の世界観にどっぷりとはまりました。 前作よりも残酷なシーンがありますが、作者独特の幻想的で美しい文章のおかげで、 よい読後感を満喫しました。 最後の展開まで目が離せなかったです。 | ||||
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プロローグの最初の一文から、作者が得意とする幻想的な世界が広がる。 前作同様、設定も上手くすんなりと物語の世界へ入っていける。 ただ、初の長編ということもあってか、若干話を詰め込みすぎた感じが しないでもない。作品中における語り手の変更が、時間軸をも異にして いる為、ストーリーの勢いを削いだ感じは否めない。 しかしながらそういったマイナス点を差し引いても、読み終わってみれば 深い満足感が得られる傑作である。 | ||||
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