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喜嶋先生の静かな世界
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喜嶋先生の静かな世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 81~81 5/5ページ
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今までの圧倒的な作品群の末にたどり着いたひとつの到達点が今作だろうか。 これはミステリでもなければ、私小説、エッセイでもない。 自伝的という曖昧な言葉が帯に記載されているが、著者とおぼしき主人公の苗字は「橋場」であるし、 喜嶋先生にいたっては、まったくのフィクションであることも考えられる。 はっきりいえばジャンル分け不能な作品である。 そしてその一点においてのみ小説の可能性は宿る。 プルーストやカフカの小説は自伝的であって自伝ではない。 内容に関しては学問や研究の素晴らしさが主題ではない。 あくまで主に語られることは、乱暴な言葉でいえば登場人物達の「俗っぽい」生活である。 そして過ぎ去ってしまった「幸福な時間」の郷愁、それを続けた先に待つ残酷な未来であろうか。 それは映画やドラマ、メディアにあらわれる研究者とは対照的なものであることはいうまでもない。 静かな世界とはすなわち幸福な生活である。 私はこの作品を呼んで川端康成の「一芸に執して、現実の多くを失った」という言葉を思い浮かべた。 | ||||
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