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喜嶋先生の静かな世界
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喜嶋先生の静かな世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 1~20 1/4ページ
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理系の学生ですが,大学を卒業する前に出会えてよかったと強く感じる本です. 卒業研究を通して身についたことや思ったことを振り返ってみたり,その頃と比べて今はより高い位置に登れているか,見通しが利くようになったか考えさせられました. 読んでいる間は緩やかに時間が過ぎていくように感じます.秋の夜長にぴったりな1冊です. | ||||
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森博嗣著の中でもっとも好きな作品です。 今まで言語化できなかった考えをこの作品が言葉にしてくれました。 何度も読みます。 | ||||
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何だろう、この爽やかな読後感は。理系男子の成長物語、自伝的小説とされているけれど、どのくらいリアルなんだろう。大学での出来事、研究の進め方などはかなりリアルなんではないかと。とにかく面白い。研究の話が、結局は人生そのものにも感じられてなかなか深い。素敵な小説をありがとうございました。 | ||||
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研究者の生き方は、美しい。 | ||||
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根っからの理系で研究に没頭する主人公のハードボイルドな視点が私には新鮮で面白い。ただ、どうしても滲み出てしまうという具合で人間味が感じられるのもまたいい。 そして、静かな水面のような研究と、複雑な人間社会というものが交差する時の展開に息を飲むものがある。 | ||||
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解説で養老先生が書かれているように、森先生の文章は読みやすく頭にスラスラと入ってきます。ゆえに主人公と喜嶋先生のやり取りなど、ストーリーに没頭しました。 最後にあった、喜嶋先生の奥様の死ですが、あまりにも唐突のように見えて、それは必然的のようにも感じました。それでも衝撃です。養老先生は蛇足とおっしゃっていますが、最後まで読んだら味わえる面白さかもしれません。 | ||||
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レベルも分野も異なりますが、寝る間も惜しんで、外界との接点も殆ど閉ざした状態で実験に明け暮れていた時代(約30〜40年前)を思い出しました。 | ||||
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森 博嗣がデビューして初めて書いた作品が、短編集「まどろみ消去」(「森には森の風が吹く」2021年11月 所収「『まどろみ消去』もう一つのあとがき」から。S&Mシリーズの最初の5作はデビュー作出版時には完成していた)。その中に収められた「キシマ先生の静かな生活」を再度構成し、長編としたものが本作。この作品にはモデルがある由(前掲「森には森の風が吹く」所収「喜嶋先生の静かな生活」から)。 短編の方は、1997年7月刊(初出)であり、この長編は2010年10月刊。森氏は、1996年、名古屋大学工学部の助教授をしている時期に、アルバイトとして小説を書き始めた。が、2007年までには助教授も辞め、その後、講師として教職にいた期間があったものの、それも1年館程度であったらしい。従って、2010年には、既に教職にもいなかったし、2008年末までには小説などの依頼を受ける事を抑制するに至っている(世間には「引退宣言」として捉えられた)。この短編と長編は、そうした時系列の中にあり、書き直されたもの。本作は、理系のある領域の研究者の心の履歴を叙述する。著者の研究者としての在り方を反映したものと考えるのは、普通の読者にとって、当たり前に思える。 私は、その在り様に、素直に感動した。私は所謂「理系」でも、研究者でもない。が、研究者の心のあり様を叙述しているものと感じた。 短編と長編の間には、細部に若干の不整合がある(独立した創作作品だから、別に不整合があろうと構わない)が、大きな構造は何ら違いが無い。が、他分野の者には、長編の方をお奨めしたい。短編を引き延ばしたものではなく、環境や周囲の状況を濃密に描き込んでいて、より共感し易いから。「理系のある領域の研究者の心の履歴」は、長編の方により詳しい。短編で大きな割合を占める様にも感じられる、喜嶋先生の恋の行方と、結婚、そして、その奥様の自殺は、長編でも、そう詳しく展開される訳ではない。 色んな分野があり、色んな研究者がいるだろう。これが一般的な姿ではないにしろ、一つの典型例を見た思いがした。一途な思いで打ち込んだ、違った分野での青春を書いたもとのして、黒田 龍之助・著「ロシア語だけの青春―ミールに通った日々」2018年3月刊 がある(黒田氏から見た学生の観察記録としては、「ぼくたちの外国語学部」2013年3月刊 と云う著作もある)。どちらも私は感動したのだが、もしかして、他領域の人である事と、一途さに感動しただけだろうか? 読者としての私の心の在り様については、追って検討してみたいものだとは思う。また、森氏のこの著作と、黒田氏の著作が、そうした領域に進もうとする者に、お奨めしてよい作品なのか、どうか、も私は迷っている。 けれど、素直に自らの青春時代を振り返って書いてくれた事に、私は感謝したい。 なお、森氏の実体験を反映した作品としては、他に「相田家のグッドバイ Running in the Blood」2012年2月刊 がある。 | ||||
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研究者になりたい。そう思える一冊です。 | ||||
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主人公の理系学生が、指導教官の喜嶋先生の薫陶を受けながら成長していく、という青春物語。先に発表された短編の「キシマ先生の静かな生活」と骨子となるストーリーは同じです。時間のない人はそちらでもいいでしょう。 喜嶋先生は、一般人的視点から評価すればかなりの変人で作中の言葉を借りれば「エキセントリック」な人物。しかし、主人公視点では尊敬すべき人物で「王道」の研究者という、この評価の逆転が物語の面白さでありメインテーマですね。舞台は大学の理系学部で、研究生活や就活事情などの描写はかなりリアリスティック。これも他の小説にはあまりない本作の魅力。 人物や舞台設定は特徴的で「エキセントリック」なものですが、物語の骨子は、才能ある若者が苦悩しながらも指導者に導かれ成長する、という「王道」路線です。シンプルなストーリーは、読者が一般のいわゆる文系であっても楽しめると思いますが、理系研究者を志す若者なら、より多く感じるものがあるでしょう。 喜嶋先生は理系学生なら一度はあこがれそうな「理想の研究者」として描かれますが、その「エキセントリック」さゆえに理解者はごく一部で、社会的な成功とも縁遠い。それでもあなたは「理想の研究者」を目指しますか? 昔話になりますが、名古屋大学で文化祭があった時、筆者の森博嗣の講演会が企画されました。三角関数の微分積分の話とか、なぜ飛行機のエンジンが前部に搭載されることが多いのかといった話題が語られたように記憶しています。後半の質疑応答で、喜嶋先生にモデルはいるのか? という質問がありました(当時は短編の「~静かな生活」しか発表されていませんでしたが)。それに対する回答は、あの小説をモデルなしに書けたら天才、時々自分は天才じゃないかと思うときがある、というようなものでした。 いかにも森博嗣らしい回答ですが、質問した学生も本作の主人公のように、研究者としての生き方について思い悩んでいたのでしょうか。 そうそう「王道」のストーリーと書きましたが、最後はやはり森博嗣らしく一癖ある終わり方で、それが物語に深みを与えているといえるでしょう。若い理系学生におススメです。 | ||||
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研究に没頭することの幸せ、それを解りあえる同志がいることの喜び。 爽やかな風を感じて幸せな気分でした。。。 が、、 いやあ、まじで?? いくら「刃物沙汰の理由のような抽象化できないことは理解できないから興味ないんだ」とはいえ、あの人のあの話をそんなさらっとだけ触れて終わる??あの人だよ? 俗人とあまりにかけ離れた研究者の客観性・観察性の狂気を感じた。 研究者の幸せと、一般の幸せとは相容れないのか。研究者としての純度が高い人(先生)が無理に一般に近づこうとすると耐えられなくなり破綻する。 「僕」がそうならないことを願う。いや、それは研究者としての真の幸せではないから、むしろ、、、。 | ||||
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ラストがどうしてもわからない。どうしてそういう結末になるのか?そういう結末にしなければいけない理由は何なのか?帯に心を整えてくれる小説と書いてあったが、こんな結末なら心が乱れまくりが普通。帯書いた人の神経が知りたい。人が死んでいるのに心を整えるって何⁉︎でも、今の自分では理解できない何らかの意味がある事を期待してます。 | ||||
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理科系の学生が、修士、博士課程へと進み、指導教官の喜嶋先生の指導のもとに、成長していくという自伝的な小説だ。帯には、「気持ち疲れているときに、心を整えてくれる小説」となっている。 確かに、小説の中で静かな時間が流れているので、読んでいて心が落ち着く。 あと、大学の同級生の清水スピカ、大学院で同期となる櫻居さん、計算機センターのマドンナ「沢村さん」など、登場する女性が、みんなとっても魅力的な点も本書の魅力だろう。 清水スピカが、玉砕覚悟で告白にくるシーンがとても好きだ。 もっと話題になって、広く読まれてもよい1冊だと思う。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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喜嶋先生はとにかく自分の持ってる世界に対してピュア。多くの人には理解し難い生活、考えを持っているけれども、その変わり様や純粋さは羨ましく思う。多くのことを楽しめるこの時代で、ただ一つの関心に没頭できるのは最早才能と感じた。周りが生きにくそうと言おうとも、自身の欲望に素直に従い、生きていく姿は私自身も学び、考えのエッセンスを取り入れたいと思った。 | ||||
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森博嗣の短編の中で「キシマ先生の静かな生活」が一番好きだ。長編にして余計な部分が増えないか不安だったが、良かったと思う。キシマ先生と「僕」の会話が多くなったのは嬉しいし、「僕」の変化が微笑ましくもある。「学問には王道しかない」この言葉は自分の学問へのスタンスになった。喜嶋先生は森博嗣作品の中で最も尊敬してる(自分はあのようになれず、挫折して運よく?就職したが)。だからラストは衝撃だ。喜嶋先生は何を考えただろうか。先生は決して非人間的ではなく、むしろ逆に最も人間的であろうとしたのだ。それを思うと切ない | ||||
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という味が感じられます | ||||
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私は今年の3月に大学院を修了しました。主人公と同じく、理系の博士課程です。 森博嗣先生の描く大学院生活は本当にリアルで、自分のものを振り返るかのように読むことができました。 研究分野や時代背景など異なる点も多いです。自分の場合は研究が順調に進んだわけでもなく、ドロドロとした気持ちで過ごす時間も長かったです。主人公のようにクリアな気持ちのまま大学院生活を終えられたわけではありません。 それでも、作中に出てくる心情や出来事(配属された時の気持ち、先輩からの指導、研究に感触を得られた瞬間、院生同士の会話、学年と共に変化する指導教員との関係など)は、自分が経験してきたものを文字起こししてくれたかのようで、懐かしかったです。 これから何年経っても、この本を読めば当時の気持ちが蘇るような1冊です。 | ||||
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短編集「まどろみ消去」に収録されている短編「キシマ先生の静かな生活」の拡張し、長編化したもの。 パラレルワールド的なものではなく、短編のストーリィを骨子に肉付けを行っているもので、短編からのテキストの流用も多く見られた。 元々短編の「キシマ先生の静かな生活」が好きで購入したのだが、長編化しなくても良かったのでは、というのが率直な感想である。 短編でその作品の素晴らしさは必要十分に伝わっていて、むしろ余計なものが無くて美しかったように思える。 数学の公式みたいに。 | ||||
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研究室の描写は自分の学生の頃と違ったところもあるが、夢中になって研究にのめり込む感覚はまさにその通りでとても懐かしく思った。すばらしい。一方まさかの結末にはなんとも言えない読後感が残った。何れにせよ自分の体験と交えて長く記憶に残ると思う。 | ||||
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