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聖域
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聖域の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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印象に残ったフレーズが 、恋をしたことのない者に本当の恋物語は書けない、人の本当の悲しみを知らない者に胸を打つ作品は書けない、姿無き者への本当の恐怖を知らない者にホラー小説は書けない、虚構でありながら、小説は書き手の真の心の有り様を映し出す、また精神とか魂とかいうものも、肉体というハードウェアを無くしては存在しない、宿命も他界もない、あなたにあるのは、人の心に入り込む技術、記憶を探り、それを意識上に浮かび上がらせてみせる技術だけだ、でしたが、この小説が青森が舞台になっていますが、青森に偽史東日流外三郡誌があり、平内のホタテの貝殻の再利用方法の苦心や六ヵ所に核燃料リサイクル施設があり、貯蔵施設ですが、また明治期に遁走した榎本武揚が函館に建てたのが蝦夷共和国らしく、全国紙も全国紙に掲載もなかったと、宮沢賢治の雨にも負けずの詩に東に病気の子供あれば看病してやり、西に疲れた母あれば、行ってその稲の束を負い、南に死にそうな人あれば、行って怖がらなくてもいいと言い、北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろと言い、がありますが、皆、公平に1日に24時間しかなく、その宮沢賢治自身の西に東にの実経験と思うが、あまりに大したことはしていないですが、 | ||||
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読み終わるとちょっと不満が残りました。むしろ、作中作品である「聖域」の方を、入れ子構造にせず頭から尻尾まで読みたかったという不満です。何せ、地の文より作中作品の方が迫力があるし、主人公とプラトニックな関係にすらない女性が何回も霊として登場する地の文より、蝦夷の中で魑魅魍魎と遭遇する修行僧の物語の方が遙かに面白い。 | ||||
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イタコとはどのような人達なのかがよく分かります。 誤解していた部分もあり、勉強になりました。 初めて篠田節子さんの本を読みました。 スピリチュアルに興味のある方にはお薦めです。 | ||||
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読んだ時間を、価値ある時間だったと感じさせる、数少ない本の1冊。 | ||||
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もともとこの著者のファンです。“聖域”は以前一度20年程昔に読み、印象に残っていました。 昔の読後感とは異なる印象をもちつつ、あらためて読み返し始めております。面白いです。 ちなみに今コロナで話題の同氏著作「夏の災厄」も、一気読み不可避です。 | ||||
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近頃の垂れ流し的な作品と違って、著者が作品とまじめに対峙している感じがします。一見奇想天外な能力を信じさせてしまう力は著者の落ち着いた文章としっかりした構成力の賜物でしょう。 | ||||
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篠田節子を初めて読んだが、予想を遥かに超えて凄い小説だった。 小説というものの存在意義とか喪失した存在への執着とか、冷徹な文体で紡がれていく。 この小説のすべてを自分が理解できているのかはわからない。 でも凄いものに出会ったという実感はある。 まだまだ世の中に自分が知らない凄いものがあるのだな、ということに気付けたのもうれしい。 | ||||
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篠田節子が、宗教そして、死後の世界を、 テーマとして、取り上げている。 なんのために、生きるのか? 死んでどうなるのか? 本州の北のはずれ、岬に飛び出ている 小さな小高い山、雪花里山(つがり) 「場所ふさぎ」に捨てられた。 そこで、自分の中に、入りこんできた、「魂」。 魂の存在を、受け入れていく。 時代は、8世紀の終わりにさかのぼり、 蝦夷地征服の完成期にあたる時期に 起こった出来事を描く。 仏教の普及が、その地の神たちとの戦いを通じて、広がっていく。 仏教のもつ魂の救済というテーマ 霊燈園という新興宗教、システム化された宗教。 この後「ゴサイイタン」に続く、新興宗教のあり方。 そして、逃げだし、小さなホテルで、出張「イタコ」をやる。 降神術をみせる。 それは、体験が再現されるだけだった。 | ||||
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異動先の編集部で、偶然目にした未発表の原稿『聖域』。なぜ途中で終わっているのか。なぜこんなに力のある作家が世に出ていないのか。過去を辿っていくと、この原稿に関わったものは、みな破滅の道へと進んでいる。口々に警告されるが、でも続きを読みたい、結末を知りたい。憑かれたように実藤は、失踪した作家、水名川泉を追い求め東北の地へ。そこで彼が触れたものは。長編サスペンスの傑作。 | ||||
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水無川泉が霊燈園で荒行という名目で殺されかけた話は中山みきがそうだったって言いいたいのかな、お隠れの真相がそうだと。まぁ中山みきは高齢だったからそれはないか。蝦夷=アイヌが白人ていう認識がどうかと思ったけど。アイヌはミクロネシアとかポリネシアの古モンゴロイドだろ、アボリジニー系の。あと押井守のアニメが出てきたのには面食らった。そういうの好きなんだ、篠田女史。何て言うか、最後まで読めば、篠田節子が言いたかったことはわかるんだけども、そこまでの過程がごった煮過ぎるんじゃないかと。いろいろ詰め込みたかったし言いたかったんだろうけどね。幻想的にするための技法なのかな、それなら成功だ。 | ||||
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「女たちのジハード」、「仮想儀礼」と読み進んで本作品に来たが、「仮想儀礼」と同じ宗教系ではあるものの、「仮想儀礼」は社会現象となったニュービジネスとしての新興宗教をエグいほどに切り込んだ作品であるのに対し、本書はホラー小説といってもいいほどの不気味なトーンで、疾走した女流作家、水名川泉の足跡をたどる編集者、実藤の苦悩のストーリーを正面から真面目に取り組んだものとなっている。 生きているのか死んでいるのかもわからない女流作家は、同じ出版社の先輩編集者や、著名な作家に魂に食い込むほどの衝撃を与えたのだが、彼らは一様に口を閉ざし何が起きたかを語ろうとしない。東北に水名川泉の足跡をみつけた実藤は、激しい修行の後に死蝋化した巫女の村を訪ねたり、新興宗教の教祖に強引に取材で挑んだりしながらも、徐々に水名川泉へ近づいていくが、それは実藤の自分自身の精神の旅でもあった。 女流作家水名川泉が残した小説「聖域」自体がストーリーのなかのストーリーとなっているが、これがなかなか本当に面白く、実藤と同じく読者である我々もこの先がどうなったか知りたくてたまらなくなってくる。昭和の頃と違って、もはや「秘境」なるものが存在の危機にさらされている現実のなかで、それでも青森の奥地でひっそりと存在する水名川泉と実藤との闘いともいえるようなやりとりは重厚で深淵だ。 | ||||
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最後まで 一気に読めたので面白い本ではあると思います。途中は軽く字面を追って読み飛ばしてしまうような部分もありました。 本自体よりも「聖域」の内容が少し気になりますね。 | ||||
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期待通りでした。どんどん引き込まれて時間が経つのも忘れて読み進めてしまいました。 | ||||
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読みやすい文体なのに内容が深い。☆4つか5つかで迷いました。結局5つ。 主人公の恋?に対する感情移入がいまいち出来なかったから。 それでも、この中に出てくる小説もかなりおもしろいし、のめり込んで読みました。 | ||||
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作中作。小説の中に、題材として小説の「本文」が入っている。 作中作に、終わりがないのは、そんなもんだろうという気がした。 巫女(いたこ)に対する記述が豊富で、口減らしのための方策については考えさせられた。 蝦夷に対する記述は尻すぼみで、何が書きたかったのかが分からなかった。 山で亡くなった女性に対する描写が中途半端なのは仕方が無いとして、だからどうだという決意みたいなものがあると嬉しかった。 もう一回手を入れて貰えると嬉しいかも。 | ||||
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信仰とはなにか、死んだらその先はどうなるのか、死者と残されたものはどうつきあっていけばいいのか。特殊な能力を持っていたらしき作家、泉の行方を捜す編集者とともに旅をしている気分で、グイグイと引っ張られるようにして読んだ。作中作の泉の作品同様、凄い迫力。ただ、最後の最後で、なぜ小説を書いてもらわなければならないのか、わからなくなってしまった。オーラスで置いてきぼりになってしまった自分の理解力のなさが悲しい。 | ||||
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文庫になって手にとりました。近年の書籍の中古市場をみわたせば、 三年前に出版された文庫がまだこの価値!それだけでも面白さを証明してますね。 本書は東北文化を描い謎の原稿を追う編集者が、失踪した作者と作者に関わった 人々の転落を知るうちに、という一見ホラーチックな話で始まりますが、 『リング』を知ってる読者を裏切るかたちで展開していきます。 篠田さんは文化人類の知識が豊富なので、スピードもよく本当に読者を楽しませて くれますね。子どもをほったらかしにして読みふけってしまう筆力に五つ星です! | ||||
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8世紀終わりごろの東北を舞台に、ある僧侶の多くの苦難の物語を、文芸誌の編集者が発見。それは未完成であり「聖域」という題であった。いよいよと思わせたところで途切れ、その先は見つからず、原稿、さては作者探しの旅となる。新興宗教の教祖となった作者を東北で発見、続きを書かせようと苦心する。 文庫本解説の熊谷達也が、作中の東北人や、古代人たる蝦夷に対する見方が的確であり、この作品は1944年4月刊行されたが、7月には青森の三内丸山遺跡での発見により、蝦夷が見直される切っ掛けになったので驚いている。 新興宗教の胡散臭さも描かれるが、オウムの地下鉄サリン事件はこの翌年起こっており 「夏の災厄」といい、予言的な時代の先取りは、その洞察力は無論、女性の勘のようなものが閃くのではないか。この作者のものを読んでいると、単なるサスペンス、ホラーに留まらないものがあり、ストーリーの面白さもさることながら、他のものも読んでみようという気を起こさせる。 | ||||
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篠田節子の「聖域」です。東北地方を舞台にしているからこそ、物語の奥行きが広がります。舞台が東北だからこそ、現実感がでるのだと思います。人の死を通して感じること、そしてその死が現実と繋がったときの人間の感情を描いている作品です。その舞台は東北でなければいけません。東北の風土でなければいけません。そして東北の風土の中で登場人物たちはもがき続けるのです。悩み続けるのです。 受け取り方は様々でしょうが、一気に読ませる物語です。 | ||||
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ミステリーとして十分な面白さを持ちながら、同時に人生とか死についての深い洞察を含んだ作品である。単なる謎解きとして読んでも優れた作品であるが、著者の一番の持ち味は、この世とあの世のグレーな境界を描く筆力である。この世の中には、このグレーな領域に入って初めて描くことができるものがあるようだ。しかしこの境界は微妙なもので、あの世に近づき過ぎると現実感はなくなってしまう。この作品はそのバランスをうまくとった名作だと思う。 私自身は宗教に関心を持ち、禅寺で教えを受けたり、行のように山の中を走ったりし、読書ではドストエフスキー、S.ヴェイユ、ヴィトゲンシュタイン、V.フランクル、西田幾多郎などを読んできた。しかしながら、篠田節子の描く世界はそれらの大家の世界と比較し得るようなものである。著者の作品は殆ど読んでいるが、極めて稀な宗教的な感性を持っているように見える。しかしエッセイなどを読むと、本人もそのことを自覚していないのではないかと思う。小説を書いているときに、著者自身が自覚しないままに、非常に深い宗教性を発揮するように思える。その意味で不思議な作家である。 | ||||
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