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聖域
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聖域の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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宗教色の作品で確かに面白く推理調で読みやすい作品。文系思考の方にはよろしく、私のような理系思考の人にはご都合主義を否めない作品。よく調べて書かれてはおりますが、深みがなく、思い込みで書かれ,整合性が欠けていてこの世界に精通している方にはイマイチだと思います。(松本清張氏のこの世界を描いた作品を読んだ方ならご理解できると思います)ただ、娯楽ものとしてはお奨めです。 | ||||
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小さな出版社に勤める実藤は異動先の職場で前任者から引き継いだ書類の中から埋もれていた原稿を発見する。 読んでいる内に引き込まれるが作品は途中で終わっている。 何とか作者を探すが中々つかめない。 やがて作者本人を探し出すのだがそこには隠された著者の忌まわしい過去の体験があった。 作品の興味度はそれほどでもなかったが、興味ある人が読めば面白かったに違いないと思われる。 一般文学通算933作品目の感想。2014/11/25 11:15 | ||||
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読みやすい文体なのに内容が深い。☆4つか5つかで迷いました。結局5つ。 主人公の恋?に対する感情移入がいまいち出来なかったから。 それでも、この中に出てくる小説もかなりおもしろいし、のめり込んで読みました。 | ||||
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作中作。小説の中に、題材として小説の「本文」が入っている。 作中作に、終わりがないのは、そんなもんだろうという気がした。 巫女(いたこ)に対する記述が豊富で、口減らしのための方策については考えさせられた。 蝦夷に対する記述は尻すぼみで、何が書きたかったのかが分からなかった。 山で亡くなった女性に対する描写が中途半端なのは仕方が無いとして、だからどうだという決意みたいなものがあると嬉しかった。 もう一回手を入れて貰えると嬉しいかも。 | ||||
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信仰とはなにか、死んだらその先はどうなるのか、死者と残されたものはどうつきあっていけばいいのか。特殊な能力を持っていたらしき作家、泉の行方を捜す編集者とともに旅をしている気分で、グイグイと引っ張られるようにして読んだ。作中作の泉の作品同様、凄い迫力。ただ、最後の最後で、なぜ小説を書いてもらわなければならないのか、わからなくなってしまった。オーラスで置いてきぼりになってしまった自分の理解力のなさが悲しい。 | ||||
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文庫になって手にとりました。近年の書籍の中古市場をみわたせば、 三年前に出版された文庫がまだこの価値!それだけでも面白さを証明してますね。 本書は東北文化を描い謎の原稿を追う編集者が、失踪した作者と作者に関わった 人々の転落を知るうちに、という一見ホラーチックな話で始まりますが、 『リング』を知ってる読者を裏切るかたちで展開していきます。 篠田さんは文化人類の知識が豊富なので、スピードもよく本当に読者を楽しませて くれますね。子どもをほったらかしにして読みふけってしまう筆力に五つ星です! | ||||
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8世紀終わりごろの東北を舞台に、ある僧侶の多くの苦難の物語を、文芸誌の編集者が発見。それは未完成であり「聖域」という題であった。いよいよと思わせたところで途切れ、その先は見つからず、原稿、さては作者探しの旅となる。新興宗教の教祖となった作者を東北で発見、続きを書かせようと苦心する。 文庫本解説の熊谷達也が、作中の東北人や、古代人たる蝦夷に対する見方が的確であり、この作品は1944年4月刊行されたが、7月には青森の三内丸山遺跡での発見により、蝦夷が見直される切っ掛けになったので驚いている。 新興宗教の胡散臭さも描かれるが、オウムの地下鉄サリン事件はこの翌年起こっており 「夏の災厄」といい、予言的な時代の先取りは、その洞察力は無論、女性の勘のようなものが閃くのではないか。この作者のものを読んでいると、単なるサスペンス、ホラーに留まらないものがあり、ストーリーの面白さもさることながら、他のものも読んでみようという気を起こさせる。 | ||||
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篠田節子の「聖域」です。東北地方を舞台にしているからこそ、物語の奥行きが広がります。舞台が東北だからこそ、現実感がでるのだと思います。人の死を通して感じること、そしてその死が現実と繋がったときの人間の感情を描いている作品です。その舞台は東北でなければいけません。東北の風土でなければいけません。そして東北の風土の中で登場人物たちはもがき続けるのです。悩み続けるのです。 受け取り方は様々でしょうが、一気に読ませる物語です。 | ||||
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ミステリーとして十分な面白さを持ちながら、同時に人生とか死についての深い洞察を含んだ作品である。単なる謎解きとして読んでも優れた作品であるが、著者の一番の持ち味は、この世とあの世のグレーな境界を描く筆力である。この世の中には、このグレーな領域に入って初めて描くことができるものがあるようだ。しかしこの境界は微妙なもので、あの世に近づき過ぎると現実感はなくなってしまう。この作品はそのバランスをうまくとった名作だと思う。 私自身は宗教に関心を持ち、禅寺で教えを受けたり、行のように山の中を走ったりし、読書ではドストエフスキー、S.ヴェイユ、ヴィトゲンシュタイン、V.フランクル、西田幾多郎などを読んできた。しかしながら、篠田節子の描く世界はそれらの大家の世界と比較し得るようなものである。著者の作品は殆ど読んでいるが、極めて稀な宗教的な感性を持っているように見える。しかしエッセイなどを読むと、本人もそのことを自覚していないのではないかと思う。小説を書いているときに、著者自身が自覚しないままに、非常に深い宗教性を発揮するように思える。その意味で不思議な作家である。 | ||||
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篠田節子氏は、頭よさそうだし、鋭い社会認識をもっていそうだし、文章もしっかりしているし、申し分ない書き手なのに、私には何故かつまらない。 もしかして著者は、どんなテーマを扱っても、常にものすごい常識人なのかも。 聖域を読んでも、やはり認識は変わりませんでした。 | ||||
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女たちのジハードで語られたような、シンプルで無駄のない地の文体に、文中小説(とはいっても引用と概要ではあるが)が挟まる、最初の展開。 その文中小説が秀逸。 文章も練られていて、それだけで十分に読みごたえを感じるような素晴らしいプロット。もったいない! このままできればきちんと読みたい、そう思わされるほどの出来栄え。 しかし作者の展開するストーリーの肝は、そこにはない。 その作者の数奇な運命?才能?能力を軸に、担当者、同じ賞をとった老作家、そして主人公と3人の人生が絡まりあいほつれていく。 最後の結末は・・・ 人は失われたものを求めずにはいられない。 なくしたものの輝きを美化し、そこに逃げ込み、 自分が欲しかった答えをひたすらカクニンしようとする男たちの姿は、 愕然とするほどに脆く、そうして胸に痛い。 失われたから、そこにないから輝いている。 それに目を奪われるのあまりにすぐ手の届く手垢のついた現実を、貶めた瞬間にそこは、闇。 | ||||
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この作品は何年も前に一度読んだのだけれど その時はサスペンス調の展開の面白さにとらわれて おそらく表面的にしか読んでいなかったのだと思います。 時を経てふたたびこの作品を読んだのですが 篠田節子さんの世界観に感銘を受けました。 これは枠組みはともかく、どちらかというと哲学的な内容なので そう思って読むと楽しめるかと思います。 身も蓋もないように見える現実を受け止めて そこから考えを進めていくことが大切だと思っているので 篠田節子さんの小説はどれもとても好きです。 | ||||
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相変わらずスゴイ筆力、また一気読みしてしまった。もう読むまいと決めてたのにね。一気に読まされて、ケチつけるのも何だが、「日本教=汎神論」みたいな「公式」を丸まま飲み込んで、それを勢いで小説化しようとしたんかね?最後の方は・・・そりゃムリだぜ。作品が作家を超えて自己増殖(?)するとでも言いたいんだろうが、これは違うね。意図が見え透いているし、説得力はない。しかし面白かった。またこの作家の小説読んじゃいそうだ。 | ||||
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思わず夢中でページを捲りました。こんな骨太の小説に出会ったのは久しぶりです。前半の謎の小説の謎解きまでは完全に小説の中の小説に取り憑かれました。後半は少しダレタ部分もありましたが、想いを寄せた女性を効果的に登場させ、飽きさせませんでした。結末が凡庸だったのが残念ですが、これからこの作家の小説を読んでみたくなりました。 | ||||
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10年以上前、講談社から単行本、文庫本がそれぞれ出版されたが、現在では古本でしか入手できない状態のため、集英社から再発売された作品です。 日本の小説は、いわゆるキャラ萌えで読ませる作品が多いのですが、篠田節子の小説は非常に珍しいことに、キャラクターには頼らない傾向があります。 主人公がはっきりしない(物語の流れ、あるいは町などが主人公となり、あえて人間の主人公は置かない手法をとっている)作品や、登場する人間ことごとく個人的にはおつきあいしたくない魅力のない人物ばかりといった作品も珍しくありません。 しかし本作では、物語の冒頭いきなり死んでしまう女性ライターが、実に魅力的に描かれています。 それゆえ彼女を思う編集者の気持ちが誰にでも切なく辛く共感でき、だからこそ女性作家の能力の恐ろしさ、やるせなさが実感できるという構造になっているのです。 いつも通りの迫力ある描写に、共感できる登場人物を得て、これは篠田節子の最高傑作と言っても過言ではないと思うのです。 | ||||
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生と死 様々な観方があるだろう 私達は死者に対して涙を流し、送り出し、お盆に受け入れ、時が経てば少しずつその人のいない世界に慣れていく・・ 感情の厚さは、愛する人、身近な人、遠い人、など・・その対象とその人自身の死生観、性格によって変わってくるのだろう 死後の世界、そこに極楽浄土(あるいは地獄)があると信じるもの、また生まれ変わりを信じるもの、無でしかないと考えるもの、様々である 死後の世界や生まれ変わりをより所として現世を生きていく人達もいる 本当に様々である 果たしてどうなのか?分かるはずもないが、人は考え続ける 他人の死に直面したとき、自分の死を考えた時、そしてふと空しさや悲しさを感じた時、死について想像する そんな私達に別の1つの観方を提案する小説である 私は以前、物理から迫った死生観を読んだことがある それはあらゆる物質は意識を持つというもの つまり死後も物質としての意識程度は持つ可能性があるということ それを読んで衝撃を受けた覚えがある そして「聖域」を読んで あの意識の捉え方は “泉”の言うところの死者は我を失っただけでその魂はすぐ側にいるということ “実藤”の理解したところの魂の集合体、自分と自分を含めた大地のあらゆるものが無数の魂の内にあるということ そこに重なった 「聖域」は「弥勒」と同様、一気に読んでしまう、はまる小説であった 深い問題が提起され考えさせられるのに、考える猶予を与えないほど本の世界に吸いこまれる | ||||
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結構難しい内容になっています。宗教とか神とか目に見えない力とかそういうことがテーマになっていますが、本の中で結論はでていないように思います。不思議な力とかそういうものを考えることが好きな人はいいと思いますが、はなっから信じていない人はおもしろくないかも。まあ、読み応えはありました。女たちのジハードとかにくらべると好き嫌いがでる内容。 | ||||
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著者は「絹の変容」で小説すばる新人賞を受賞。その後「ゴサインタン―神の座―」で山本周五郎賞を、「女たちのジハード」で直木賞を受賞した。本書は山本周五郎賞の候補作となった長編サスペンス。 内容は、週刊誌の編集から季刊の文芸誌に移動となった編集者の実藤が、退職者の荷物から未完の原稿を見つけ出す。なんとなくその作品に魅せられた実藤は、完成させようと行方不明になっている作者、水名川泉を探し出そうとする。だが、情報を集めようと過去に担当編集者だった篠原に話を聞くと、水名川泉には関わるなと言う。怪しむ実藤は、篠原以外に水名川泉を知る文壇の大御所である三木清敦や文芸部の生き字引と言われる神崎に情報を求めるが、揃って関わることをやめるように言われる。 一方、実藤は週刊誌時代に仕事をした女性フリーライターに想いを寄せる。しかしそのフーリ-ライターが取材先で行方不明になり遺体で発見される。水名川泉に関わってきた篠原は最愛の息子を、三木は戦争中に可愛がっていた少年を亡くしている。水名川泉の足跡を追ううちに、どうやら以前に三木も水名川泉を追っていたことがわかる。そして最愛の人を失った者と水名川泉の失踪にはどのような関係があるのか‥‥。 作品のテーマが「生と死」という重いものであり哲学的な文脈も多々あるが、引き付ける要素もまた多々ある。原稿の続きを読みたい気持ちや水名川泉の行方、あるいは正体とあらゆる角度から読者を惹き付けている。だが、読了感はいまいちで、何か物足りない気がするのは書評子だけだろうか。 | ||||
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ミステリーとして十分な面白さを持ちながら、同時に人生とか死についての深い洞察を含んだ作品である。単なる謎解きとして読んでも優れた作品であるが、著者の一番の持ち味は、この世とあの世のグレーな境界を描く筆力である。この世の中には、このグレーな領域に入って初めて描くことができるものがあるようだ。 しかしこの境界は微妙なもので、あの世に近づき過ぎると現実感はなくなってしまう。この作品はそのバランスをうまくとった名作だと思う。 著者の作品は殆ど読んでいるが、極めて稀な宗教的な感性を持っているように見える。しかしエッセイなどを読むと、本人もそのことを自覚していないのではないかと思う。 | ||||
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二年前妊娠中に出会い衝撃を受けた篠田節子。図書館を利用してどんどん読みましたが中でもこの「聖域」は引き込まれるようにして読みました。 「聖域」という作品の中にもう一つ小説が出てきます。 この小説に惹きつけられた主人公が作者を探す旅に出るお話ですが、その小説が面白く全て読みたくなってしまうような出来映え。いつも身体を削るようにして書いているだろう篠田節子のこれは、もっとも身体を削った作品では・・・。と当時思った作品。 | ||||
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