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アースクエイクバード



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アースクエイクバードの評価: 3.85/5点 レビュー 13件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.85pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(5pt)

ミステリというより、純文学系かな

殺人事件が出てきますが、犯人当てのミステリというよりも、主人公の心象風景を丁寧に描いた、(私の読んだ限りでは30~40年前の)群像新人文学賞やすばる文学賞の受賞作に似た感覚を覚える作品でした。
とはいえ、殺人事件をモチーフに破局を迎えるゼロ時間に向かっていくという、はっきりとしたストーリーラインを持った作品ですし、分量も短いので、普段読書をしない人も年末年始のお休みのお供に読んでも楽しめるであろう、読みやすい物語だと思います。
アースクエイクバード (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:アースクエイクバード (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151839011
No.7:
(4pt)

(2018年―第70冊)これは英国Picador社版のペーパーバックのレビューです。

英国ヨークシャー出身で日本語を学んだLucy Fryは東京で翻訳会社に勤めている。ある日、東京の警察に連行されて尋問を受ける。Lucyは同じくヨークシャー出身の女性Lilyの遺体が発見され、Lucyが第一容疑者にされているのだ。取調室の中でLucyは自らが東京へやってきた事情、東京で知り合ったTeijiという日本人の恋人のこと、そしてLucyとの出会いのいきさつをひとり回想し始める…。

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 私がこの20年近くも昔の小説を手にしたのは、実はこれが近々映画化されるというニュースを耳にしたからです。Netflixオリジナル作品として配信されると知り、いち早く活字で楽しんでみようと思ったのです。

 2001年に英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞した作品とのことです。作者のSusanna Jonesも日本で暮らした経験があり、Lucyの東京生活の描写は執拗なまでに細かくかつ正確です。日本人であれば見落とすようなこと、気にせず見過ごしてしまうこと、当たり前すぎてそんなことにこだわるなんて病的だと考えてしまうことを、これでもかと執拗に描くのです。外国人視点の妙をそこに味わうことはできました。

 Lucyは1965年生まれで、小説の時代設定は21世紀に入ったばかり。携帯電話やインターネット、電子メールの類は登場しません。アナログ機器しかない時代だからこそ、異国の情報も手軽には手に入らず、現代的通信機器があれば起こらないような男女のすれ違いや思い違いがあって、それがミステリアスな事件を生んでいくことになります。

 そうした時代設定もさることながら、Lucyが極東の異郷の地に身を置くからこそ、外国人である彼女の日々はどこか浮世離れして非現実的・幻想的な雰囲気に包まれています。そして殺人容疑をかけられたことによってその度合いがいや増していくのです。時にLucyが一人称と三人称を自在に切り替えて自身を語る点も読者を幻惑させます。
 ただ、私自身が東京の一生活人であるせいか、Lucyの目に映る東京は私の目に映る東京と大きく趣を異にします。そのことを、異国小説を読む愉悦にひたる一助と感じるか、どこか現実味の薄い東京譚として冷めた目で見るかはわかれるところでしょう。私は限りなく後者に心が傾きながら頁を繰りました。おそらく私たちがインドやモロッコを舞台にした小説を楽しむように、外国人はこの東京譚を楽しめるのでしょうが。
 さらにいえば、終幕、通常の推理小説のようなすっきりとした真相解明にはたどり着けないもどかしさも残ります。

 英語はペーパーバック初心者にはまったくと言ってよいほど抵抗なく読める、簡明平易なものです。「押し入れ」はfuton cupboardだとか、「枝豆」はsalty green soy beansだとか、英語学習効果も多少あるでしょう。

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アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840
No.6:
(4pt)

Excellent gaijin view

I had really wanted to give this book a 5-star rating. Any foreign person who has lived and worked in Japan, rather than being just a short-term tourist, will feel the depth and honesty of the depiction of life in Tokyo. I doubt that I've read a better description of life in Japan as a "gaijin". This is a love triangle murder story, which builds up to the finish over the course of the story. However, it just totally fell apart in the final pages, as if the author hit a deadline to be published so rushed off the final few pages. That really disappointed me as the rest of the book had been so well laid out and written. Regardless, it was a very good book and I'm glad I read it. But, might I suggest a different cover as the Japanese woman dressed in a yukata or kimono has nothing at all to do with the story and just reinforces the exotic Japan image!
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840
No.5:
(4pt)

面白かった

日本で暮らすイギリス人の目を通して語られる事件
些か、病的な傾向はあるにせよ、ストーリーの展開、文章の面白さは秀逸でした
その割に結末はあっさりだったのかな?
どう解釈するかは、読み手次第です

他の作品も読んでみたくなりました
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840
No.4:
(5pt)

ぜひ英語で読んで欲しい本です。

ミステリーという中枢を外さないまま、異国での生活、恋愛関係が織り交ぜられ
ミステリー、旅行記・エッセイ、恋愛ストーリーの3本立てのような本です。
海外生活を少しでも経験したことのある人なら、懐かしく思えることでしょう。
日本で英語教師をされていた著者ならではの配慮か、英語はとてもシンプルで読みやすいです。長さも5万語超で、PBの約半分程度です。
これを翻訳してしまったら、どんなに名訳でもニュアンスは伝わらないだろうなと思います。
自分が海外に旅立ったつもりで、ぜひ英語で読んでみて欲しい本です。
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840
No.3:
(5pt)

The Earthquake Bird

読み進むうちにどんどん深みにはまっていくという感じがした。これは今までの本とは違う。著者の最初の作品ということに驚いてしまうくらいすばらしい推理小説だ。それに英語も平易で読みやすい。結末は尋常でなく、十分な余韻を持たせるほど実にうまい。この書き方はどこかで読んだことがある、と考えたら、思い出した・・・Colin Dexter。東京を舞台にした本格派推理小説の登場だ。次の作品が待ちどうしい。
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840
No.2:
(4pt)

静かな雨が降り続く、東京の夜が見えてくる

英国推理作家協会賞 最優秀新人賞受賞作品ということだが、同賞の前年受賞作品は
ボストン・テランの「神は銃弾」。作風は全く違うが、どちらも文学的な色合いが強い作品
と言う意味では共通しているかもしれない。
主人公であるイギリス人のルーシーが見る東京は、外国人から見た日本としてよく表現される
「エキゾチックな街」ではなく、「干渉されない」ことに対する安心と、その代価としてつきまとう
「孤独」を抱えて大都会にひとりで暮らす人間の目に写るリアルな東京であり、
非常に切ない気持ちにさせられる。
最終的に物語としてはある種の決着が着く。しかしルーシーの心の闇は続いて行く。
そんなラストに背筋が寒くなったのは私だけだろうか・・。
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840
No.1:
(4pt)

心理サスペンス

独特の心理描写にぐいぐい引き込まれる。
ミステリー・ファンでなくてもオススメ。
過去を切り捨て、異国で暮らすということがせつなく描かれている。
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083840

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