キドリントンから消えた娘
評判
キドリントンから消えた娘の評価:
3.72/5点 レビュー 25件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全60件 41〜60 3/3ページ
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キドリントンから消えた娘の評価:
3.72/5点 レビュー 25件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
仮説検証を繰り返すいわゆるロジックパズラーで、江戸川乱歩さんが生きていたらどういう評価をしたか想像したくなります。
2年前に失踪したバレリーという少女に関する捜査がテーマになっています。
(小説の中盤まで殺人事件は発生しません。)
当然2つの可能性しかありません。
1.バレリーは生きていてどこかに身を隠している。
2.バレリーはすでに死んでいる。
この事件を任された主任警部モースは、2の仮説からスタートします。根拠がないわけではありません。失踪期間の長さ、前任者の事故死・・・。
しかし、モースの思考は、結局、仮説1と2の間を往復し、最後には迷路にはまって悶絶してしまいます。(こっちは、くすくす笑いが止まらず悶絶・・・)
「ありえないものを除いていけば、最後に残されたものが真理だ。」というのがシャーロックホームズの名言ですが、これは「すべての可能性を把握している(100%確実にこのなかに真理がある)」ことが前提で、そこが、一番難しいところなので、あまりいいアドバイスにはなっていない。
すべての可能性を把握しているわけではないモースは、おおまかな2つの仮説からスタートして、やがて迷路のなかをさまよいはじめます。
一口にバレリーは生きている、と言っても→キドリントンの内でか外でか、自分の意思で隠れているのか、誰かに誘拐されているのか・・・さまざまな可能性があります。同じくバレリーは死んでいる場合も、→街を出る前に殺された、街を出てから殺された、恨みを持つものに殺された、不慮の事件に巻き込まれた・・・・と様々なわけです。
(ここは小説の筋の展開には直接関係のない個人的まとめです。なにしろ推理小説なのでネタバレ禁止・・・)
しかも、仮説はしょせん仮説でしかない。
相反する事実がひとつでも出てくれば、どんなに緻密に考えた仮説でもそれでおしまいです。
まるで迷路のようなモースの思考とそこから繰り出される様々な仮説、そしてそれが崩れてしまうときのあまりのあっけなさ、その対照の鮮やかさ! そして、そのときモースが見せる”あまりに人間的な”うろたえ方!
こうしてモースの思考は二つの仮説をブレイクダウンして行ったり来たりしながら螺旋を描いて真相に近づいていくので、読者の目から見ると、話が進行するにつれ事件の様相が二転三転する。その面白さがこの小説の肝です。通常の推理小説のように事件に奇抜なトリックが隠されているわけではない。実は、この迷路に嵌った最大の原因はモースを含めてすべての登場人物がバレリーという女の子の実像をとらえ損ねていることにあるのですが・・・・それは読んでのお楽しみですね。
読後、ルイス刑事部長がときどき言うように、モースがなかなか頭のいい男だということがわかります。(読んでいる間は、モースの思考の迷路に巻き込まれるので、なかなか気が付かない。しかし読み終わって振り返ってみると意外に最短距離で真相に辿り着いています。)
再読すると魅力の増す稀な推理小説です。一読してしらけても捨てないように(笑)
ただ、デクスター入門は、「ウッドストック行最終バス」でしょう。この本を読んで面白さが分からなければ、「キドリントン・・・」は、まー無理でしょう。なお、「ウッドストック行最終バス」も再読によって魅力を失わない推理小説です。
デクスターの「主任警部モースシリーズ」は、その透明感のある文体に関わらず仮説検証のプロセスをギャグにしたコメディだと思います。
この名作が絶版とは、もったいなさすぎる。