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デカルトの密室
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デカルトの密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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「デカルトの密室」の解法をめぐって、作者が用意した解答は三つある。ひとつ目はヘーゲル的な世界精神の擬態。「……ぼくたちは永遠に第三の密室から脱出することはできない。だが第三の密室と一体化することはできる。(中略)いつか他の宇宙さえ理解できるようになるかもしれない。……」(p410)ふたつ目はメルロ=ポンティの両義性の哲学を信頼する態度。「……身体を通り抜けた瞬間、“物語”というひとつの塊に収束してしまう(p430)」自意識の持つ「私」は、「……その確かな手触りと臨場感を経験したことがあるからこそ、世界を信じて(p465)」いる。これを否定すると、ひとつ目の轍に嵌まることになる(p431以下)。みっつ目はルーマンの社会システム論をモラルの実践として捉える姿勢。「……ルールを守ることが大切なんじゃない、ルールを守り続けること(中略)それがいちばん大事なんだ。(中略)昔からずっと決まっていた。だからそれはルールなんだ。……」「ぼくは自分で選ぶんだ!」(p445)これには絶えず「きみはそれを信ずるのか」との囁きが「私」になされるだろう。 デカルトから端を発するコギト神話は、それが普遍的=抽象的なロゴス操作の自家中毒に陥るかぎり、巧妙に自己を欺きながら、世界を統べる欲望へと転化するだろう。「自意識」を似非コギト神話の濡れた手からいかに庇うか。――作者は、人間にはメルポンの心身相互浸透論を、そして、「ロボット」にはルーマンの機能主義的システム論を、それぞれ武器として手渡したわけだ。とりわけ文学シーンにおいてシステム論をモラルとして「鮮やか」に提示したのは、作者の功績である。新鮮であるし感動する。まさに「人間」と「ロボット」の、現在における優れた教養小説といって差し支えない。 | ||||
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どうも・・・頭のいい人間が・・・頭だけで組み立てだけの物語という感じで・・・地に足がついていない印象を受けます・・・。もう少し・・・人間を知るべきだというのが・・・アドバイスですね・・・。小説というものは学術論議の場ではないはずです・・・?!衒学趣味ばかりが鼻につく著作は駄作と言わざるを得ない。 | ||||
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この著者の5年ぶりの長篇と聞いて思わず買ったものの、分厚くて1、2日はそのままにしておいた。が、読み出したら止まらなくなり、あっという間に読んでしまった。だが、あえて言うと、最近流行の軟弱な小説をあっという間に読んでしまうのとは種類が違う。思わず前のページに戻ったり、同じ箇所何回か読み直したり、高度なパズルやゲームを解いている感じと言えばいいのだろうか? でもパズルやゲームや推理小説は、レベルが高度だからこそ楽しいのであって、そこが醍醐味。難しいから面白いを、まさに実現してくれた。そういう意味だけでも星5つ! さらに悪役たちにも魅力があって、、、これシリーズ化されるらしいけど、いつ出るんだろう。早く続きが読みたい。 | ||||
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