デカルトの密室
- 人工知能 (40)
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途中で読むのが面倒になった。初めはシンギュラリティを扱った作品かと思ったが、それは前提だった。むしろAIに心があるかどうかは外形的に判別できないというテーゼを通奏低音として、自我の解放と拡張という主題が奏でられる。AIに自我があってもよい、人間の自我がAIに置換してもよい、その自我がネットワークを通じて世界を包摂してもよいではないか。即ち、アートマンのブラフマンへの合一である。デカルトは言わばダシである。2008年当時としてはたいした作品だが、作者は自分が発狂しないために書いたのではないかと妄想した。 作中、殺人事件が発生するがミステリーではない。サスペンスの要素はあるが、読者サービスであって、本筋は思弁的なサイエンス・フィクションである(と自分は思った)。デカルトのコギトは近代の科学と哲学の出発点だし、心身二元論や機械論的生命観は重要な問題提起だが、なにより作者自身が自我の牢獄に囚われているように見える。ミトコンドリアの染色体を擬人化したデビュー作以来、久しぶりに読んだが、妄想を科学的と誤解させるほど強力で魅力的な筆力は健在である。 | ||||
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ああ、そういう事ね。 この本はMKウルトラの被害にあっている人に読ませたい一冊。 2005年の時点でこんな本があったとは。 | ||||
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難解だというレビューが多いようです。 確かに難解ですが、難解なわりに中に詰まっている知識はとても浅いです。 化学であったり薬学であったり、医学に係わるような分野が少なく、著者の専門で無いのは確かでしょうけれども 込み入った部分まで詳細に描く同著者の他作品に比べると、ひどく見劣りすると思います。 著者の持ち味が生かし切れていないばかりか なぜ登場させたのか不明な登場人物も多く、ストーリーの顛末も粗末なものだったと思います。 書かれている文章のほとんどに意味が無く、どんどん読み飛ばしても展開がわかる内容だというのは非常に残念です。 Kindleで読む最初の書籍にチョイスしただけに残念な気持ちが残りました。 価格にも見合わないと思います。これが半値ぐらいだったら、あきらめもついたかもしれませんが どうにも腑に落ちないのでレビューを書かせていただきました。 | ||||
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作家ではないので推測でしかない。 でも、この作家さんはもしかしたら、 まるで恩返しをした鶴のように、身を削って作品を仕上げているのではないか、 そしてその作品はあたかも、彼の作品世界への試金石なのではないかと思う。 正直、読みやすくはない。 科学の知識がてんこもり、さらにその文章が精緻で、 いわゆる抜けの部分が少ない。 しかも意図的に(のはずだ、多分)一人称の主語が誰を指すのかが曖昧で、 時にその時制までもが緩やか、章と章に起承転結が分かれて配置されている。 デカルトの密室というタイトルの趣旨は理解しつつも思わず、 デカルトの迷宮‥ と、間違って記憶してしまいそうだ。 いやいや、お菓子で言ったら月餅?クリスマスのフルーツケーキのように、 みっちりと重力を感じる、重たい作品。 文章に重力があるとしたら、きっとそれは作家さんの思いに違いない。 真っ向勝負で、受け止められるか? | ||||
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パラサイト・イブ及びブレイン・ヴァレーで壮大なSF長編をヒットさせた瀬名氏の、長編第3作です。 前2作が生物学的なロジックを組み上げた理屈っぽいSF作品だったのに対して、本作デカルトの密室はちょっと趣向を変えて、人間の意識・心をテーマにしたある種哲学的な作品となっています。 主人公の作ったロボットにかなり人間臭い?センチメンタルな言動をさせてみたりして、今までの作品に希薄だった心理的な機微や情念といったものを描くことにチャレンジしているのはわかるのですが、肝心の人間をうまく描き切れていないように感じてしまいます。 主人公や主人公の彼女(いずれも人間)については、状況に対してちょっと違和感を感じる言動が多かったり、心理的な内面の描写がぎこちなかったりと、要するにあまり感情移入できないのです。 人間とは何か?というテーマを描こうとチャレンジしているのですが、人間を人間的に描くことができていない、という気がするのです。 やはりこの辺りの筆力は、いわゆる本職の文系作家には遠く及ばないのかなあ、と感じてしまいます。 なおデカルト以降の近代西洋哲学の議論をベースに形而上学的な議論がけっこうなボリュームで展開される(しかも本筋に大きく関係してくる)ので、哲学論にあまり詳しくもなく興味もない人にとっては、読むのがちょっと大変かもしれません。 厳しいことを書いてしまいましたが、瀬名氏は個人的に大好きな作家なので、感動的なヒューマンストーリーを描くよりも、やはり理屈で押しまくる理系SFの方が向いているのではないか、と感じさせられた1冊でした。 | ||||
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