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象牙の塔の殺人
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象牙の塔の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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さすがの医学化学知識と、恐らく経験からの学内の人間模様を基盤に展開するミステリー。ただしアシモフのSFミステリーや黒後家シリーズのレベルを期待してはダメ。普通なミステリーとして楽しむ習作。 | ||||
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博士課程の大学院生が、実験中に死亡。 10本の三角フラスコに試薬を用意して、一日一本ずつ溶液に加えてその反応を記録する。 学生が死亡したあと残った六本のフラスコには、酢酸ナトリウム、学生が死んだとき使っていたフラスコには、シアン化ナトリウムが入っていた。 ……酢酸ナトリウムを使った実験であり、シアン化ナトリウムを使うはずはない。 ……また、酢酸ナトリウムとシアン化ナトリウムは、性質がはっきり違うから、間違えるはずがない。 ……いろんなことを考え合わせて、これは殺人事件だと判断し、学生の指導教官だったブレイドが、犯人探しに乗り出す。 ……地位や名声の為に、少しでも他人を出し抜いて、優れた研究成果をあげようと、しのぎを削る教授と学生。 ……“象牙の塔“の内情が描かれています。 ……後半3分の一くらいから、ドヒーニという刑事が、ブレイドにつきまとう。 ……それが、まるでブレイドを犯人だと疑っているような口調で、読者の方も、え、そんな話……?と思うような展開。 ……さあ真相はどうでしょうか? ……このドヒーニという刑事が、巻末で解説の中で指摘されている通り、しつこいところや、人を油断させておいて、鋭い質問で斬り込んでくるところが、ドラマの"刑事コロンボ“のコロンボを彷彿とさせる。 ……解説にも書かれている通り、この話が書かれた時期から言って、"コロンボ“の作者が、この話を読んで、インスパイアされて、コロンボ刑事の人物像を作り上げたと考えられる。 ……その面白さだけでも、読む価値があります。 ……文句なしの星五つ。 ……アシモフ氏が、化学の研究より、推理小説をもっと書いてくれたら良かったと思います。 ……それだけ面白いってことです。 | ||||
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アシモフ先生の作品は読んだことがなかったので、どれ試しにと手にしてみるも・・・ 120ページくらいまでは何かいまいち面白くなくて、全然話が入ってきませんでした。 これ犯人分かっても面白くないかも?などとも思ったりして。 主人公の女房も、何かと否定ばかりで相互理解ないみたい。 会話シーンがツライ。 ところが、主人公が開き直って毒舌が冴え渡ってくると、何故か面白くなり 後は最後まで一気でした。 そこそこ意外な犯人だし、ページ数もほどほどで良い感じです。 他の作品も読んでみたくなりました。 | ||||
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化学実験室で大学院生が死んだ。死因は青酸ガスの吸引。事故とは思えない。殺人とすれば、最も疑われやすいのは自分だ。 指導教官のブレインは独自の捜査を始める。 作者が熟知している化学研究畑の内幕がねっちりと書き込まれていて、読みごたえがある。 人間の集団が善意だけに溢れているということは有りえないが、想像を絶する陰湿さである。こういう負の人間ドラマは、けっこう好きだ。 過去の業績にすがる老博士、保身しか考えない学部長、お世辞と社交術で出世したかつての同僚。ううむ、専門家も大変だな。 被害者の学生は依怙地で偏屈な嫌われ者だった。 「大戦前にオーストリアから家族と一緒に逃げてきた」「虐待されすぎて、人間不信になっている」と説明される。はっきり書いてないが、ユダヤ人だろう。 この時期のユダヤ人は同情を集める善玉として描かれることが多いが、この学生のようなケースも当然あったろう。 そういえばアシモフ自身も父の代にソ連から亡命してきたユダヤ系だ。 殺人の手口は最初からわかっているし、チャンスは誰にでもあった。焦点は誰が?何のために?ということに絞られる。 解決がちょっと呆気ない気もするが、論理的で納得はできる。中年刑事のキャラもよく出来ている。 | ||||
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アシモフは私には”ロボット三原則”を表明したSF作家としての印象が強く、彼のミステリーは読みこぼしたモノも多い。 本作も、もっと早期に出会いたかったと後悔の念に堪えない。文体が少々クラッシックで、化学薬品の専門用語の羅列は知識の無いものには????なのだが、同じく化学無知なるドヒーニ刑事にわかりやすい解説をしてくれるのは万年助教授のブレイド。実験中に死亡したブレイド教室の学生は事故死か?自殺か?殺人か?殺人ならば、ブレイドは真っ先に疑われる立場にいた。真犯人は?動機は? ん~でも、化学の知識もあったらきっと又もっと面白いですよね、福山さん? | ||||
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SFがからまない純然たるミステリーです。 ケミカル・ミステリーといってもいいかな。 犯人は人によっては容易に割れてしまいますが それでも面白いですよ。 随所に事件の鍵となる 要素が含まれていたり 犯人呼ばわりされた語り手の葛藤が出てきたり。 犯行の露呈もわかりやすいです。 だって決定的なポカを 犯人は2回も犯してしまうからです。 そう、犯人しか知らないようなことを… ページ数も程よく 最後まで飽きませんでした。 | ||||
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9月18日公開の映画、「アイ,ロボット」の元ネタとなったSF小説「われはロボット」で知る人ぞ知るアシモフのミステリィ作品。 研究者達の公私にわたる悲喜こもごもが描かれているので、大学院生以上の人には身につまされる部分が多く(笑)、感情移入しやすいと思います。 ミステリィとしては、最後の解説で述べられていますが、「刑事コロンボ」シリーズが好きな方にお勧めでしょうか。登場する唯一の刑事は、解説で指摘されるまでもなく、コロンボを彷彿とすると思います。 化学の研究室が舞台なので、化学用語や知識が出てきますし、そういう知識が感情的に苦手な方には読むのにしんどい部分があるかもしれません。しかし推理は科学知識がなくてもできます。それに、半分以上は人と人のドラマなので、科学知識が出てくることに対して、それほど身構えなくてもよいのではないでしょうか。 SF作品でも随所にミステリィ的な要素をちりばめているアシモフらしく、初めての長編推理小説とは思えない、他のアシモフ作品に遜色のない作品だと思います。「ABAの殺人」ほどではないですが、(研究)業界に対するアシモフ得意の皮肉もちらほらとあり、うなずけます。 心理学に関心の高いアメリカらしく、心理学っぽい言葉や考え方が(他の西洋ミステリにもよくありますね)随所に出てきますが、その知識が古いことが少し気になりましたが、時代設定も含めて古典作品だと思えばさほど気にならず、むしろ味わいがあると言えるのではないでしょうか。 タイトルと中表紙の作品紹介が、核心こそついていませんが若干ネタバレ気味で、推理の幅を最初から狭めているのが残念。それで★を1つ減らしました。 | ||||
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2004年夏の復刊フェアで入手。 冒頭で化学実験中の学生が死ぬ。発見者は指導教官のブレイドだが、状況から見て殺人者は専門的な化学知識を有しているに違いなく、最有力の容疑者は自分だ。 いきなりの盛り上がりはさながらミステリの王道を行くかのようだし、主人公のブレイドが家庭問題を抱えて悩んでいるのも(そのこともまた謎解きに関わってくる)興味を引かれるところ。化学知識を駆使した殺人ということで、門外漢にはわかりにくいのかと心配だがそれは方法論だけのことで、動機と機会からの追求こそがミステリの醍醐味だろうから、お楽しみの邪魔にはならない。 登場する刑事の雰囲気が「刑事コロンボ」に似ている(本書の方が早い)という解説での指摘も首肯できるところ。 | ||||
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