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市民ヴィンス



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【この小説が収録されている参考書籍】
市民ヴィンス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

市民ヴィンスの評価: 4.00/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

めちゃくちゃ面白い

「証人保護プログラム」で再生のチャンスをいただきながらもなかなか再生できなかった男が、その「証人保護プログラム」経由でやってきた殺し屋のおかげで一気に再生へと突き進むわけですが、ひとつ落とし前を着けていくたびにカットバックのように大統領選挙への考察が挿入されます。ここの選択が素晴らしい。登場人物一覧にカーターとレーガンが載ってるのが笑わせます。
市民ヴィンス (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:市民ヴィンス (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.6:
(4pt)

タイトルがポイント。

「グッドフェローズ」におけるヘンリーのその後というか、「ヒストリー・オブ・バイオレンス(健さんの『夜叉』?)」的な趣も湛えていながら、詐欺による証人保護プログラムを受けつつも、マフィアや粗暴犯の様な、王道の筋者というわけではなく、結局、元知能犯なりに、己が立場を脅かされ出し抜かれた結果には、己の流儀で落とし前をつける様は痛快。漏れ出る犯罪者テイストをミュートしようと奮闘する様子が笑える。
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No.5:
(5pt)

魅力的な小悪党の更生物語

いちばん好きな本です。主人公のヴィンスがとにかく魅力的でリアリティがあります。「更生する」ということ、だれかと一緒に生きてゆくということがどういうことであるのかを、ある意味ユニークな方法で描いた傑作です。ミステリーというよりは文学に近いと思いますが、物語好きは必読でしょう。
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No.4:
(4pt)

小悪党の再生

証人保護プログラムで過去も名前も消し別人として過ごしている小悪党が、結局は同じようなカード偽造などの罪を犯しながら暮らしている。
そこに過去の世界からの殺し屋がやってきて・・・
出てくる人間はほぼ全員大なり小なりの犯罪者や悪徳刑事やらで「悪い奴」ばかりなのだけど、主人公のヴィンスは根はいい奴で、多分生まれや育ちが違っていたらこんな人生は送っていなかっただろうと思わせる。頭もいいし、人間的に憎めない。最後、切羽つまった状況の中でヴィンスはあることをしようとする。命がかかっているのになんで?とある意味滑稽なシーンだけど、まっとうになろうとするヴィンスの思いが伝わって切ない。
悪党ばっかり出てくる割に、読後感はさわやか。
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No.3:
(3pt)

アメリカ人の良心の物語

別の方が指摘されているとおりクライムノベルとして読み進めましたが、
肩すかしを食いました。

アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞作をすべて読破しようとし
た中の1冊でした。

アメリカ人の良心の物語であることは間違いありません。
アメリカンドリームの対極にある、主人公曰く“ずる”の遺伝子を持つ
小悪党が証人保護プログラムで別人になりつつも自分探しを迫られる
1週間余りの物語。市民としての自覚のめざめが大統領選挙の「有権者
登録カード」とは面白い。

それにしても、この作品がアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞を授
与されていることからして、その間口の広さを感じさせます。
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No.2:
(4pt)

ある犯罪者のおとしまえのつけ方

犯罪者としての過去を「証人保護プログラム」というシステムで清算しながら、スポーケンという街でまたしても犯罪者として生きているヴィンスは、過去からの追跡の影に怯えながら少しずつ気持ちを立て直します。殺し屋レイの登場で脅威が明確になると「おとしまえ」をつけるために過去の街ニューヨークを訪ねます。彼を追うもう一方の追っ手であるデュプリー刑事と彼に絡みつく悪徳警官、ヴィンスの過去の中核を握るマフィアのボス、ヴィンスのかつての恋人など複層的に構成されていますが、ヴィンスが本当に求めるものが後半徐々に分かってくる中で、象徴的なのがアメリカ大統領選挙です。終盤のレイとヴィンスの会話、マフィアの構成員とヴィンスの別れのシーン、そして最後にヴィンスが訪れる場所。 これは、ハードボイルドやクライムノヴェルではなく、ヴィンスという男の過去との決着のつけ方と探していたものを掴もうとする姿の物語です。ですからミステリーとしてのカタルシスを求めると肩透かしを食います。
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No.1:
(3pt)

「証人保護プログラム」で生まれ変わった男の、アイデンティティー探し

本書は、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’06年度最優秀長編賞受賞作である。

アメリカ西海岸最北のワシントン州、その内陸部の地方都市スポーケンに住むしがないドーナツ屋の雇われ店長、ヴィンス・キャムデン、36才。物語は彼の1980年10月28日から11月4日までの8日間を追っている。

実は彼は、「証人保護プログラム」システムで、マフィアに不利な証言をした見返りに、4年前に過去と決別し、全くの別人となってこの街にやって来たのだ。彼は真っ当な暮らしを望みながらも、裏稼業のカード偽造と麻薬の密売をやめられずにいた。それらで稼いだ金でいつか自分の店を持ちたいと思っている。そんなある日、殺し屋が現れ、ヴィンスの裏稼業の協力者を殺し、さらにヴィンスにまでその魔手を伸ばし始めたのだ。ヴィンスは、自分の忌まわしい過去との関係を疑い、戻るつもりが無かったニューヨークへ赴き、4年前に起こしたことを清算しようとする。

本書は、ヴィンス・キャムデンがマーティ・ヘイガンから生まれ変わろうともがき、ヴィンス・キャムデンとしてのアイデンティティーを得ようとする物語である。その象徴が、初めて手にしたヴィンス・キャムデン名義の「有権者登録カード」によって大統領選挙に1票を投じることとして描かれている。

全編にわたり、特徴のある魅力的なキャラクターたちが登場し、文章はすべて三人称・現在形の切り詰めたセンテンスで書かれており、スピーディーかつストレートに胸に染み入る物語である。
市民ヴィンス (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:市民ヴィンス (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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