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(短編集)
戻り川心中
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戻り川心中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 1~20 1/3ページ
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短篇集『戻り川心中』(連城三紀彦著、光文社文庫)に収められている『戻り川心中』は、大正時代の心中を巡る推理小説だが、推理小説の域を超えて、芸術に対する人間の業というものについて考えさせられる、奥行きの深い作品です。 「桂川心中」、「菖蒲心中」という2つの心中未遂事件で2人の女性を死に追いやり、自分は死に切れず、その事件を短歌に詠み上げ、2度目の心中未遂事件直後に34歳で自害して果てた大正期の天才歌人・苑田岳葉。 30年前、苑田の生涯を描いた小説『残燈』を桂川心中まで書き継いだものの完結せずに終わらせた「私」は、桂川心中の第2幕ともいうべき、謎の多い菖蒲心中の真相解明に乗り出します。 そして、遂に、岳葉の菖蒲心中後の56首の歌の裏には、誰も知らない――知られてはならない意外な事実が隠されていたことを突き止めます。 どんでん返し、さらに、どんでん返しが続くので、読み手は息つく遑もありません。これだけでも推理小説としては十分成功しているのだが、連城三紀彦の凄さは、このさらなるどんでん返しが平面的などんでん返しではなく、読み手の先入観を根底から覆す、いわば立体的などんでん返しであることです。 | ||||
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言わずと知れた名作。凄まじい小説力。 | ||||
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全5編のいずれもが叙情的かつ繊細に、そして美しく儚く描かれ、無駄な描写が一切ありません。細やかな伏線が張り巡らされ、あっと驚く意外な真相が待っているという本格ミステリでありながら、物語全体は純文学としても成り立っていると言えます。謎が謎を呼ぶ展開に読者をどんどん引き込んでいくのは、著者の類稀なる力量と言えると思います。善悪に関わらず、どの物語の登場人物も非常に魅力的です。 | ||||
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映画のほうが、良かった。 しかし、この作者の短編はいい。 | ||||
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非常に名高い短編集なので手に取った。果たして読んでみて、どの作品もしっかりオチがついているし短編として素直に面白いと思った。特に表題となった「戻り川心中」では架空の歌人の歌がふんだんに登場し、その心理描写が精緻を極めるが、作者の文学的才能をこれでもかと見せつけられる気がする。 作者特有の細かい情景描写、心理描写は長編で読むと、私は少し疲れてしまうので、短編で読むほうが「おなか一杯」にならなくていいのかもしれないと思った。 | ||||
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一遍ずつで、飽きない。 描写や、比喩、やはり、凄いなと! 人間の根っこを見た感じです。 | ||||
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短編ミステリーの一つの到達点のように感じる。まるで現実に存在したかのように、架空の歌人を描き出すわけだが、そこで紡がれる歌のクオリティにそもそも驚かされる。歌の良し悪しを知るリテラシーがあるわけではないのだが…。 | ||||
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美しい文章、目に浮かぶ情景。 もっと早くに出会いたかった。 | ||||
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集録されている5編がすべて一定のクオリティを保っており、しかも展開がそれぞれ異なるため、まったく飽きない。時代設定も大正期と個人的に好みの時代で美味しかった。 美文のオンパレードでよくもまあそんなに思いつくなあ、と日本語の拡がりも感じさせてくれる。 250頁弱と厚くはないが、中身が濃いのでじっくり美文と機微を味わって読めた。 文体が気になる方はサンプルをお試しあれ。 | ||||
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きれいでした。 | ||||
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大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは?女たちを死なせてまで彼が求めたものとは?歌に秘められた男の野望と道連れにされる女の哀れを描く。 | ||||
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「本格ミステリーは直木賞は獲れない」 とはよく言われたもので……本格ミステリーに必要なのは美文ではなく客観的な文章であり、登場人物はトリックを成立させるための駒でしかない。文学ではなく数式やパズル。 そんな中、稀代の本格ミステリ作家でありながら、直木賞を獲り、あらゆるジャンルで傑作を書いたのが連城三紀彦である。 そんな連城三紀彦に対して、「極めて優れた純文学作家に、たまたま優れたトリックを思いつく能力が備わっていた」と評する人もいるが、それはむしろ逆だと思う。 連城三紀彦のトリックといえば、とにかく人工的。悪く言えば、不自然。切なすぎる人間ドラマや、美しすぎる文章、耽美的な時代・舞台設定は、それを違和感なく成立させるために要素でしかない。むしろ根っからの本格ミステリー作家だと言える。文学的なテーマや美文は、ミステリのための駒でしかない……と思うのだが。 そんな人工的トリックと、そのための文学性と美文が最も端的に現れているのが、「戻り川心中」だろう。 なにしろトリックが人工的とかではなくて、「文字通り人工的」なのだから。ある種のどんでん返し。 でもミステリ要素を抜きにしても、文学は文章のみで評価できないというテーマはこれだけで一本長編が書けるくらいだし、なにより作中歌のクオリティが高すぎて、実在するんじゃないかと勘違うレベル。 | ||||
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Very nice | ||||
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ミステリーであるから用意周到な仕掛けが施されています。物語の展開と驚きの結末に、そうだったのかと納得。なにより、流麗な文体がストーリーとマッチしており秀逸な作品となっています。 | ||||
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最初はとっつきにくい気がしましたが、読んでいくうちにその世界観に引き込まれました。独特の情感が良かったです。ミステリとしては、事件の全体像とその背景を説明して、それからその事件を解釈し直して、気付かなかった真相をあぶり出すというものが多かったと思う。この短編集の情感は好きですが、なんだかもの凄く暗いです。 | ||||
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時代背景が大正だからか、文体がやや地味な印象を受けるが静謐できれい。 ミステリーならではの謎のけん引力でぐいぐいと読ませるといった類のものはないが、読み心地が良く芸術性を感じさせる。 人情とミステリーを絡めた快作。 最後の戻り川心中の天才歌人の歌った歌とか、その道のプロが評価するとどうなるか気になってしまう。 想像もつかないくらい練りに練って書かれたのでしょうね。 | ||||
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五編の短編集。どれも美しい物語です。 美しいのだけれど、心にささったトゲのように、悲しみが残ります。 悲しいのだけれど、美しいのです。 | ||||
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抒情的で洗練された文体、時代設定、悲恋、ミステリ・・・完璧ですね。 初めて読みましたが作者は既にお亡くなりになっているのですね。残念です。 でも多くの作品を遺されているようですので順次読んでいこうと思います。 | ||||
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ミステリーファンではないし、読みながら謎解きに前のめりになるタイプでもないという人に全力でお勧めする。 美文を味わい、人の哀しさが心にしみる物語に浸れる。 大人になって再読して、良さが一層にじみ出てきた。 派手派手しいトリックが主ではないので、何度でも反芻して楽しめて、実はとてもお得な本なのかもしれない。 | ||||
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これほどまでの美しいミステリー小説は読んだことがありません。 私が特に好きなのは「桔梗の宿」です。 悲しく、切なくて、でも、どこか艶めかしい物語で、読み始めると止めることができないくらいはまってしまいます。 ぜひ、読んでみてください! | ||||
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