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ケンブリッジ・シックス
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ケンブリッジ・シックスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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評者は、かって何度か目にしたチャールズ・カミングの本を読んだことがないので本書『ケンブリッジ・シックス』(原題:The Trinity Six)を手にした。 この作品は、2011年に刊行されたものだから、時代背景もその頃のこととして設定されているのだろう。 ジョン・ル・カレの作品にもよく出てくるイギリス諜報部最大のスキャンダルだった「ケンブリッジ・ファイヴ」から本書のタイトルを引用している。 トリニティ・カレッジは、ケンブリッジ大学を構成するカレッジの一つだから、そこで1930年代にソ連諜報部にリクルートされた5人のスパイを「ケンブリッジ・ファイヴ」という名称で呼ぶ。 「ケンブリッジ・ファイヴ」の一人でその中心人物キム・フィルビーがもっとも名を知られている。 このキム・フィルビーは、MI6の長官候補にも擬せられたが、二重スパイであることが1962年に発覚しソ連に亡命した(なんと30年も二重スパイとして活躍していたのである)。 ロシア革命、第一次世界大戦、大恐慌、など経た1930年代のケンブリッジなどの学生には社会主義思想を受け入れる時代背景があった。 本書のタイトルで、「シックス」としていることから「六人目」のスパイがいたことを暗示している。 実在の人物を登場させながらフィクションとしてUCL(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)の歴史学教授のサム・ギャディス主人公にすることが、著者のユニークさでである。 この物語に登場するロシア大統領セルゲイ・プラトフを、KGB赤旗大学で学んだあと東ドイツのドレスデンで1990年まで諜報活動していたウラジーミル・プーチンの経歴と似ているから面白い(暗殺など平気でするところなどはリアリティがある)。 ジョン・ル・カレのスパイ小説のように期待して読むと物足りないかもしれないが、まあヒッチコックの映画でも観るような楽しさは味わうことができた。 500ページを飽きさせず読ませる著者チャールズ・カミングのストリーテラーとしての才能は認めないわけにいかないだろう。 | ||||
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派手さは無いが、確実な面白さ。著者の自作が出たら買いと思う。 | ||||
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スマイリー三部作の新訳を読んでいる時に見つけて読みました。「ケンブリッジ・ファイブ」の話は、スマイリー三部作はもちろん、ピーター・ライトの「スパイ・キャッチャー」(本書の中でも言及されています)などいろいろな本で取り扱われている、冷戦期イギリスのトラウマともいえる大事件です。ただ、だんだん話は、「ケンブリッジ・シックス」よりも現代の話に移っていくのですが。ただ、残念ながら気になるのは翻訳。全体として悪くないのですが、やはり気になるところが。「全面に出てくる」は変換ミスなのでしょうが、Public Serviceを「公共サービス」と訳すのは、字面は合っているけど間違い。そしてなんといっても、ケンブリッジ大学にある川が「カム川」とは!これでは、そもそも本著の日本語タイトルが「カンブリッジ・シックス」になってしまいます。小さなことですが、そんなところが残念でした。 | ||||
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さすがにスマイリー3部作や「寒い国から帰ってきたスパイ」より、構成の緻密さでは一歩ゆずりますが、どんでん返しが楽しめる作品です。 どんでん返しで読ませる作品は、ともすると驚く要素を仕込むために作り物めいた印象を与える場合がありますが、この作品はよく背景、記述の順序、人物の配置などの構成をよく考えているようで、違和感があまりなく、どんでん返しを楽しむことができました。 惜しむらくは、物語の背景となるキム・フィルビーなどのスパイ事件が日本の読者に分かりにくいという点ですが、冒頭に数ページでまとめて記述されているので、物語を楽しむための最低限の知識はこれで足りると思います。 | ||||
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これはもう、読むべしです。本当に面白かった。読んでいるとき、合間をおくと、登場人物のキャラとプロフが記憶と印象から薄れますが、そうなったら、ページをさかのぼって読み直すべき!クライマックスに向かって、やはり登場人物のキャラを抑えておくというのが、この小説を楽しむ必勝法です。かつての壮大な謀略。。。ワールドワイドなシチュエーション、そして、スパイストーリーには必須の「敵か味方か」的な展開。。。 さらに、終盤、本当に粋な結末が準備されています。 こんな面白い話が文庫本で読めるなんて、本当に幸せです! | ||||
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テーマは 原題 「トリニティー シックス」からも解るように 英国海外情報部 SIS の歴史上 最も有名で恥辱に満ちた裏切 「キム・フルビー」事件 ケンブリッジ大学 トリニティー校卒業の 5人の他に もう一人 仲間が居たのでは という 手垢に満ちた伝説に 一味加えた 出色のスパイ小説 ロンドン大学で歴史学を教えるギャディス教授は 別れた妻と娘の養育費の為に ソヴィエト諜報機関KGBが当時SISに植え付けた6人目のスパイについて共同執筆する事に 所が パートナーが 急死し 死因には疑問が残り 残された手がかりを追ううちに 現ロシア大統領の過去に絡む 重大な事件が見えてくる 「プーチン大統領は 実はSISのスパイだった」彼をリクルートしたのは フィルビー事件の裏に隠れていた 第6番目の男 果たして この男は 裏切り者か ハタマタ 隠れたる愛国者の 2重スパイなのか 男の過去を 調べるうちに 次々に関係者が殺される ついには 愛娘にまで 魔の手が と面白可笑しく 書き上げた スパイ小説 | ||||
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原題は「THE TRINITY SIX」。トリニティ・カレッジ (Trinity College) は、ケンブリッジ大学を構成するカレッジの一つで1546年に創設された。多くのノーベル賞受賞者や、フィールズ賞受賞者、アイザック・ニュートンなど数多くの著名人を輩出している主に理系のカレッジである。邦訳を「ケンブリッジ・シックス」としたのは妥当でしょう。約50年ほど前に世界を驚愕させたスパイ事件が英国で起こった。英国政府の外務省や情報機関などの中枢にいた5人の人物が、ソ連のスパイであったことが発覚した。彼らは全てケンブリッジ大学の卒業生であった。チャールズ・カミングによる本書では、彼ら5人のほかにもう1人,その後も長らく暗躍していたスパイがいたという設定から始まる。物語の発端は歴史学者の主人公が、友人のジャーナリストからその話を聞き、共同執筆を持ちかけられたことであった。ところが、友人は急死してしまい、彼は1人で調査するはめになるが・・・これが、途方もない秘密の迷路の入り口へと彼が導かれていくとは、だれも予想だにできないことであった。スパイ活動の基本は、騙しあいである。いかに嘘を本当に、本当を嘘に見せるかの勝負である。そんな虚実の中心には”秘密”が存在するのである。 本書における“秘密”とは・・・これは現実にも繋がるプロットでもあり、その衝撃度は読者には抜群であろう。 | ||||
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