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仏果を得ず
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仏果を得ずの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 81~84 5/5ページ
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本書の書名にある「仏果」とは、仏教用語で、修業を積むことによって得られる悟りのことを意味します。本書は、主人公として描かれる健が、文楽の修行を通じて悩みながらも、成長していく物語です。とても人間くさい登場人物の性格が、うまく生き生きと表現されています。ちなみに文楽とは、義太夫節・三味線と人形劇から成る人形浄瑠璃のことです。伝統芸能の世界には馴染みがありませんので、その世界で繰り広げられる様々な事件の中で、登場人物が悩んだり恋をしたり人間関係で衝突したり・・・という内容になっています。章ごとに読みきりの独立した内容になっていますので、文楽の名作を毎回うまく紹介してくれながら、人間ドラマを描く本書の内容は、久しぶりに読みごたえのある小説に出会う興奮をもたらしてくれました。 | ||||
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改めて言うことではないし、皆様ご存知の通りかもしれないが、三浦しをんは文章を書く能力が非常に高い。具体的にいうと、読者を物語の中に引きずり込んで、あっという間に読まさせてしまう力がすごくある。文章の構成が良いのか、リズムが良いのか、語句のチョイスが良いのか、多分全部兼ね備えているからこんなにも夢中にさせてしまうのだと思う。そのことを今回の作品を読んでまざまざと再認識させられた。文楽という自分にとっては全く興味のない分野で、知りたいとも思わない題材だったのだが、読んで行く内にどんどんと惹き付けられて、一気に読んでしまった。本当に読者に読ませるのが上手い作家だなとしみじみと思ってしまった。やっぱり三浦しをんの作品は面白い。表紙のイラストも良い感じで、本の装丁も特徴的で面白いです。 | ||||
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三浦しをんさんの新作。「文楽」がテーマということで知識が全くない私でも楽しめるのかとちょっと不安でしたが、これ面白かったです。 所謂、青春小説の部類です。 大夫の世界に身を置く健が一人前に成長して行く姿。そして、亡き大夫の相方を忘れることが出来ない三味線弾きの相方。そこに恋の問題ともりだくさんです。 「文楽」という世界に身を置き一途に芸を磨く主人公が、時にはつまずきそして更なる精進を遂げる姿がすがすがしく好感が持てます。しをんさんならではの世界です。 | ||||
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青春小説といって一般に思い浮かべられるものといえば、 スポーツか、バンドか、それともひたすら恋愛、とか そのへんだと思うのですが、今回、三浦しをんが描いたのは 文楽(人形浄瑠璃)にかける青春だ。 主人公の健は、30才ちょっと、青春モノの主人公にしては トウが立っている気もするけれど伝統芸能の世界ではまだまだ これからの若手。三味線と人形の動きにあわせて物語を語り、 演じる太夫という役割を舞台ではになう。大先輩のもとでの 修行と公演の日々を送る健。頑固な三味線奏者と組むように 師匠に言われて困惑しつつも、自分なりの役作りや作品の 理解につとめ(心中だの仇討ちだのという古典的な文楽の テーマやキャラクターを、現代の日常生活におけるトラブルや 自分の恋愛から学ぶ、というパターンがユニークである。 文楽の有名な演目のストーリーにも興味を持てるし)、 精進する健のすがすがしさ、未来への不安など、誰もが 通る青春という季節の危うさ、力強さを感じられて、 大抵の人には遠いはずの文楽の世界に生きる彼がすごく 身近に思えてしまう。三浦しをんが大の文楽愛好家で、更に すばらしい文章力と描写力を持つ作家だからなしえた 奇跡の様なすばらしい小説である。 最初の章は、文楽についての概要をある程度説明する描写が 多いので、少しテンポがゆったりめ?と思うかもしれないけれど すぐに入り込めるのでご安心あれ。 | ||||
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