ベンスン殺人事件

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評判

ベンスン殺人事件の評価:

4.03/5点 レビュー 33件。 D ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 21〜40 2/3ページ
No.23
(4pt)

嫌いな人間を殺す機会なら毎日いくらでもある

ヴァン・ダインは本名をWillard Huntinghton Wrightといい、アメリカのヴァージニア州生れ。美術評論家として名をなした後、ノイローゼにかかり、療養中にミステリの古典を読みふけったのがきっかけで、高級な読者を対象とした探偵小説を書いてみようと思い立つ。本書はヴァン・ダインの筆名で書かれた最初の長編ミステリ『The Benson Murder Case』(1926) 。日本では昭和25年に延原謙が初めて翻訳している。

本書はエラリー・クインのベスト10(1948年)、レックス・スタウトのベスト10(1956年)にあげられ、本格ミステリの古典といえる。探偵役のフィロ・ヴァンスは裕福な資産家で地方検事の友人という資格で、事件の解決を手伝う。小説の語り手は作者の分身でヴァンスの顧問弁護士でもある。ヴァンスの方法は、ホームズやブラウン神父とはひと味ちがう。物的証拠や状況証拠(動機)に重きをおかず、犯人の心理や個性を推測し真相に迫るという、美術作品を鑑賞するのに似た方法を用いる。地方検事と警官が誰かを容疑者として逮捕しようとすると、ヴァンスがその推理に物言いをつける、といった悠長な感じで捜査は進んでいく。

謎やトリックにはもはや新味はないが、ヴァンスがその教養をひけらかすおしゃべりを読んでいると当時ニューヨークで何が流行していたか、話題になっていたか、どんな犯罪理論がふまえられているか、がわかって面白かった。それぞれの章に付けられた原注は超然としていて人を食っている。訳注のなかには「不明」とされていたり、古くなった情報がまじっていたりするが、自分で調べ直すのも案外楽しい。
ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASRT2
No.22
(4pt)

実在の未解決事件がモデル

ファイロヴィンスものが気に入り第一作を、かつ実在のエルウェル事件がモデルとのことで期待して読みました。 あっさりしすきて物足りなさもありますが、個人的にはカナリア殺人事件より好きです。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.21
(5pt)

推理小説の歴史には非常に重要な作品

アメリカで証券会社の社長が殺され・・・というお話。
ファイロ・ヴァンスが初登場する記念すべき第一作ですが、恥ずかしながら、今まで読んでいませんでした。今回は新訳ということで前よりは字組み等を含めて読み易くなっていると期待して読みましたが、やはり読み易くて良かったです。
内容の方はオーソドックスな推理小説で、今の視点で読むと物足りない部分があるのは否めませんが、この時代に書かれた物としては出色の出来だったであろうと思います。
江戸川乱歩と小林秀雄の対談によると、乱歩はこのヴァン・ダインに関して推理小説に心理的な物を取り入れようとしたけれど、裁判では証拠として使えないので失敗したと述べておりますが、本書を読むと確かにそういう感じがしないでもないと思いました(因みに小林秀雄はポーやドイルが一流とすればヴァン・ダインは五流と述べております)。
それと、著者のヴァン・ダインは本職は美術の評論家だったそうで、作中に高名な絵画や美術品に関する言及や、ファイロ・ヴァンスの推理の仕方が評論家風なのが、そのせいなのかと思いました。
個人的にはヴァン・ダインの功績は解説でも指摘されている通り、後続の作家特にエラリー・クィーンに影響を与えたところにあると思いますが、どうでしょうか。
という訳で作品自体は☆4つですが、歴史的意義を鑑み☆1つおまけにしておきました。ちょっと甘いかも。
推理小説の歴史的には非常に重要な作品。是非ご一読を。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.20
(3pt)

シンプルな魅力

シンプルに犯人捜しを楽しむことができます。
連続殺人ではないため構成もシンプルです。
もし、ファイロ・ヴァンスの薀蓄と焦らし?がなかったら、
もっとあっさり解決してしまっているでしょう。
そのヴァンスの態度を楽しめるかどうかで評価も違ってくると思います。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.19
(4pt)

ヴァン・ダイン賛歌

作者ヴァン・ダインが研究したニイチェの「超人」を具現化したような名探偵ファイロ・ヴァンス。第1作「ベンスン殺人事件」は、この稀代のスーパーマン探偵の小手調べとして、短編ネタで長編を書いたと言えるシロモノです。「物語」を作ろうとしていないのがいい。全編が尋問、推理合戦。
でも、心理分析を用いずとも、鬘が出てきた瞬間に下手人がわかりました。
さて、ヴァン・ダインの功績と私が考えるものを以下に列記します。調査不足による間違いがなければいいですが・・・

 ①パズラーの舞台を(私が知る限り)初めて大都会に持ってきた。よって、近代警察の組織的捜査を描くことができるようになった。
 ②プロファイリングの原型を試みた。
 ③見立て殺人を発明した。
 ④異様な雰囲気の大屋敷での連続殺人という形式を発明した。
 ⑤各作品に流行テーマ(エジプト学、中国美術、競馬、宝石、ドラゴン伝説)を盛り込む作法を発明した。
 ⑥推理小説20則を作った。(『筋に無関係の恋愛は持ち込むべきでない』は個人的に大賛成)
 ⑦「アクロイド殺害事件」のトリックをペテンと断じた。(完全に賛同ではないが、意味をなさないトリックであるとは思う)
 ⑧博識で毒舌で皮肉屋でかっこいい名探偵を発明した。名探偵は変人でなくちゃ。
 ⑨面白おかしい捏造履歴を発明した。(息子の似顔絵に一喜一憂する母のくだりは傑作)
 ⑩12作という素晴らしくきりのよい数でシリーズをまとめた。
ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASRT2
No.18
(4pt)

ヴァン・ダイン賛歌

作者ヴァン・ダインが研究したニイチェの「超人」を具現化したような名探偵ファイロ・ヴァンス。第1作「ベンスン殺人事件」は、この稀代のスーパーマン探偵の小手調べとして、短編ネタで長編を書いたと言えるシロモノです。「物語」を作ろうとしていないのがいい。全編が尋問、推理合戦。
でも、心理分析を用いずとも、鬘が出てきた瞬間に下手人がわかりました。
さて、ヴァン・ダインの功績と私が考えるものを以下に列記します。調査不足による間違いがなければいいですが・・・

 1パズラーの舞台を(私が知る限り)初めて大都会に持ってきた。よって、近代警察の組織的捜査を描くことができるようになった。
 2プロファイリングの原型を試みた。
 3見立て殺人を発明した。
 4異様な雰囲気の大屋敷での連続殺人という形式を発明した。
 5各作品に流行テーマ(エジプト学、中国美術、競馬、宝石、ドラゴン伝説)を盛り込む作法を発明した。
 6推理小説20則を作った。(『筋に無関係の恋愛は持ち込むべきでない』は個人的に大賛成)
 7「アクロイド殺害事件」のトリックをペテンと断じた。(完全に賛同ではないが、意味をなさないトリックであるとは思う)
 8博識で毒舌で皮肉屋でかっこいい名探偵を発明した。名探偵は変人でなくちゃ。
 9面白おかしい捏造履歴を発明した。(息子の似顔絵に一喜一憂する母のくだりは傑作)
 1012作という素晴らしくきりのよい数でシリーズをまとめた。
ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1)より
4488103014
No.17
(5pt)

面白いですよ

感想を書くとどうしてもネタバレになってしまうので多くは語れませんが昔のミステリーはその頃の雰囲気があって好きです。
ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1)より
4488103014
No.16
(5pt)

運命的な出会い

ヴァン・ダイン、懐かしい名前です。40年ぶりに目にする内容は、当時にタイムスリップしたような感覚で、
〜殺人事件と12作品全部が統一されたタイトルに惹かれて読んだのが、この「ベンスン殺人事件」でした。
驚いた事に、この探偵、最初は何を言っているのか理解できず、やたら目につく(注)の部分を読むのに忙しく、
ストーリーが混乱して来るのをこらえて読んでいくうち、これは面白いと感じ始め。あとは夢中になりました。
解説において、聞き慣れない「ペダンチックな探偵」とあり、調べた結果、衒学的な、学者ぶったの意で、
むやみに難解な表現や生半可な知識を振り回し、自分の学識をひけらかす態度を言う。
なるほど、その通りと思いつつも、この皮肉たっぷりな探偵が気にいり始めていた。
心理分析の妙、これが事件解決に導いた。
ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASRT2
No.15
(5pt)

運命的な出会い

ヴァン・ダイン、懐かしい名前です。40年ぶりに目にする内容は、当時にタイムスリップしたような感覚で、
〜殺人事件と12作品全部が統一されたタイトルに惹かれて読んだのが、この「ベンスン殺人事件」でした。
驚いた事に、この探偵、最初は何を言っているのか理解できず、やたら目につく(注)の部分を読むのに忙しく、
ストーリーが混乱して来るのをこらえて読んでいくうち、これは面白いと感じ始め。あとは夢中になりました。
解説において、聞き慣れない「ペダンチックな探偵」とあり、調べた結果、衒学的な、学者ぶったの意で、
むやみに難解な表現や生半可な知識を振り回し、自分の学識をひけらかす態度を言う。
なるほど、その通りと思いつつも、この皮肉たっぷりな探偵が気にいり始めていた。
心理分析の妙、これが事件解決に導いた。
ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1)より
4488103014
No.14
(4pt)

『名探偵』ヴァンスの最初で最後の事件

最近の古典ミステリーの新訳ラッシュに乗っかって、30数年ぶりに読了しました。
本作はヴァン・ダインの処女作であり、クイーンの登場とともに、始祖ポー以来のミステリーの主流を、英国から米国へと取り戻したとされる歴史的な作品です。
ミステリーとしては、心理学的な推理手法に面白さを感じますが、地味な印象は拭えません。
事件現場を見てすぐ犯人が解ったと豪語する名探偵ファイロ・ヴァンス。事件現場に残された犯人の心理的な特徴に着目し、これに状況証拠を突き合わせるといった手法で事件にあたりますが、最後には令状もとらず家宅侵入して証拠を得るなど、すでに危うさを感じさせます。そして次作では有名な心理試験で犯人を断定するものの、犯人のトリックが解らず途方に暮れ、その後の作品では連続殺人の傍観者に成り果て・・・・と、名探偵ならぬ『迷探偵』ぶりを発揮していくことになります。
とは言っても、作者による周到な舞台づくりは見逃せません。思わせぶりな「出版社より」と書き出される一文や序文、そして各章に日時を記したり、事件現場等の見取り図を配したり、あるいは警察や検察組織を詳細に描写したりといった工夫によりリアリティを高め、探偵のペダントリー(衒学趣味)により高尚な雰囲気を漂わせたりといった工夫が窺えます。そして何よりも登場人物たちの言動ややり取りを克明に記述し、読者の興味を引っ張っていこうとする姿勢に好感が持てます。
この作品には、当時の新しいミステリーを作ろうとする意図が強く感じられ、そしてオリジナルが持つ魅力というものが、確かに存在していると思いました。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.13
(4pt)

’名探偵’ヴァンスの最初で最後の事件

最近の古典ミステリーの新訳ラッシュに乗っかって、30数年ぶりに読了しました。
本作はヴァン・ダインの処女作であり、クイーンの登場とともに、始祖ポー以来のミステリーの中心を、英国から米国へと取り戻したとされる歴史的な作品です。
ミステリーとしては、心理学的な推理手法に面白さを感じますが、地味な印象は拭えません。事件現場を見てすぐ犯人が解ったと豪語する名探偵ファイロ・ヴァンス。
事件現場に残された犯人の心理的な特徴に着目し、これに状況証拠を突き合わせるといった手法で事件にあたりますが、最後には令状もとらず家宅侵入して証拠を得るなど、すでに危うさを感じさせます。そして次作では有名な心理試験で犯人を断定するものの、犯人のトリックが解らず途方に暮れ、その後の作品では連続殺人の傍観者に成り果て・・・・と、名探偵ならぬ’迷探偵’ぶりを発揮していくことになります。
とは言っても、作者による周到な舞台づくりは見逃せません。思わせぶりな「出版社より」と書き出される一文や序文、そして各章に日時を記したり、事件現場等の見取り図を配したり、あるいは警察や検察組織を詳細に描写したりといった工夫によりリアリティを高め、探偵のペダントリー(衒学趣味)により高尚な雰囲気を漂わせたりといった工夫が窺えます。そして何よりも登場人物たちの言動ややり取りを克明に記述し、読者の興味を引っ張っていこうとする姿勢に好感が持てます。
この作品には、当時の新しいミステリーを作ろうとする意図が強く感じられ、そしてオリジナルが持つ魅力というものが、確かに存在していると思いました。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.12
(4pt)

色々な意味で特別な1冊。

ヴァン・ダインの長編第1作の新訳。既に出版されている4作目の『僧正ー』に続いて、2冊目。

『僧正ー』が2010年4月なので、約3年ぶり。最近はエラリー・クイーンの新訳が隔月で出ているので、それと比べると余りにゆっくりだが、そこまで期待はしていないけれど、新訳が出るのは嬉しい。

内容的には、新たに新訳となっただけあって、文章の不自然さみたいなものもなく、面白く感じるのだが、やはり『僧正ー』のときほどのすごさは感じない。どうしても、論理の不自然さというか強引さのようなものが見られてしまう。ただ、このあたりは処女作ゆえ、という面もあると思うので、(何年後になるか分からないが)次に期待したい。

また、今回、エラリー・クイーンの『ローマ帽子ー』、『フランス白粉ー』の後に読んでみると、いかにエラリー・クイーンがヴァン・ダインを意識していたのかが、よくわかった。もちろん、話としては知っていたが、改めて読んでみると、最初の設定の部分、当時の事件を友人が代わりに書く、あるいは当人の名が偽名である、あるいは、引退してイタリアに住んでいるなどなど。

また、今回あとがきの解説部分で、作者ヴァン・ダインについても触れられている。数年前に、ヴァン・ダイン/ライトについての評伝も出たこともあり、創元推理文庫の旧版にあった、作者についての色々な伝説についてもいくつか書かれている。400ページ超の評伝を読むのは,少々厳しいので簡単にまとまっているので結構ありがたい。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.11
(5pt)

古典中の古典。当時、知的で大人が読める高度な論理、軽妙なアメリカン・センスをもって登

古典中の古典。S・S・ヴァン・ダインのデビュー作”ベンスン殺人事件“は、井上勇訳で数十年前に読んだ記憶がある。ヴァン・ダインは1920年代に突然現れ、ミステリー・ファンに歓迎された巨匠である。本作は、日暮雅通の新訳で再版された。新訳では、ルビと本文中の訳注を工夫し、古典ミステリーのフレイバーを逃さぬように現代に再生しようとしている。原作が斬新であったのは、何と言っても、探偵ファイロ・ヴァンスのアカデミックな推理方法であり、知的で大人が読める高度な論理、軽妙なアメリカン・センスをもって登場したことであろう。有力な容疑者のいる証券仲買人殺人事件はニヒルでダンディーな探偵ファイロ・ヴァンスの登場により思わぬ展開に・・・。本書で、DEDUCTION(演繹)とINDUCTION(帰納)による思考過程の違いの描写も楽しめる。旧訳、新訳ともに読んで見るのもいいでしょう。楽しめます。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.10
(4pt)

黄金期の幕開け

1926年に発表されたヴァン・ダインのデビュー作であり、アメリカにおける長編本格ミステリ黄金期の幕開けを飾った作品
(因みに同年、英国ではクリスティが『アクロイド殺し』を上梓している)
後続のエラリー・クィーン、そして本邦の小栗虫太郎に至るまで多大な影響を与えた存在の大きさは再評価されてしかるべきだが、現在では代表作の『僧正殺人事件』『グリーン家殺人事件』を除くと広く読まれているとは言いがたいのが実情だろう。
しかし新訳を機に再読してみると、デビュー作ゆえかストーリーに捻りが少ない点は減点だが、現代のプロファイリングを先取りしたようなプロットは案外古びておらず、膨大な脚注に代表される、かつて冗長と非難された過剰なペダンティシズムもかえって魅力的。
そして衒学的でありながらモダーンで溌剌とした筆致と超人的な名探偵ヴァンスのキャラクターに当時の大衆がいかに熱狂したか良く判る。
戸川安宣氏の解説も読み応え充分。かつての自己粉飾されたヴァン・ダイン伝説を改め、その登場意義を再検討する力の入った内容でこれだけで☆4つの価値がある。
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.9
(3pt)

新訳??

新訳??
★評価は3。ご了承ください!!
宜しくお願い致します!!
ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集1) (創元推理文庫)より
4488103197
No.8
(5pt)

いいね!!

いいね!!と致しましたが未だに欲しい本がありません!!
★評価は、5。是非!!
ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASRT2
No.7
(5pt)

面白いんです!

こんなに面白い小説なのに、五つ星の評価が無いなんて悲しいです!
私は我ながら変な読者で、一連のヴァン・ダイン作品をミステリーだと思っていません。私はこれらを、「1930年頃のアメリカという暗い森の中を、ヴァンスとマーカムの二人が駆け抜ける冒険物語」だと思っています(ヒース部長も入れると三人ですが)。はっきり言えば、トリックの部分はどうでも良いです。もちろん、読んで行く目的のひとつではありますが、それ以外のところが面白過ぎるのです。昔からペダンチックと言われていますが、そのペダントリーも含めて、小説としてこれほど面白い読み物は滅多にあるものではありません。
その魅力はなんといっても、ユーモアとペーソス。社会批判精神。アメリカ社会をとことん軽蔑しながらも、その具現のようなマーカム検事を心から愛している、ヴァンスの人間臭さ。そんなヴァン・ダインの愛すべき作風に、私は若い頃夢中になりました。何か面白いものがないかと探していた若い私を、第二次大戦前の、なにかしら社会の空気が澱んでいるような時代のアメリカという別世界へ、手を引いて連れて行ってくれた小説、それがヴァン・ダインでした。
ヴァンスはひねくれ者で、毒舌だけれど、その言葉は胸のすくようなものばかり。性格は、実はちょっとシャイで、たまにマーカムに真心のこもったことを言われたりすると、すごく照れる。夢枕貘さんの『陰陽師』の、安倍晴明と源博雅の関係に少し似ているので、『陰陽師』ファンの方は楽しめるかも知れませんね。
私は評価の低い後半の作品まで全部好きですが、一番はやはりこの『ベンスン』で、次が『ケンネル』と『ガーデン』です(どなたからも賛同は得られないラインナップですね。笑)。
『ベンスン』は第一作なので、やはり作者の気合いの入り方が違います。まだの方は『グリーン』や『僧正』から読まないで、是非ともこちらから。面白いですよ!
(ちなみに、新訳が刊行され始めましたが、やはり私は井上勇先生の翻訳が好きです。)
ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JASRT2
No.6
(5pt)

面白いんです!

こんなに面白い小説なのに、五つ星の評価が無いなんて悲しいです! 私は我ながら変な読者で、一連のヴァン・ダイン作品をミステリーだと思っていません。私はこれらを、「1930年頃のアメリカという暗い森の中を、ヴァンスとマーカムの二人が駆け抜ける冒険物語」だと思っています(ヒース部長も入れると三人ですが)。はっきり言えば、トリックの部分はどうでも良いです。もちろん、読んで行く目的のひとつではありますが、それ以外のところが面白過ぎるのです。昔からペダンチックと言われていますが、そのペダントリーも含めて、文学としてこんなに面白い読み物は滅多にあるものではありません。ユーモアとペーソス。社会批判精神。アメリカ社会をとことん軽蔑しながらも、その具現のようなマーカム検事を心から愛している、ヴァンスの人間くささ。そんなヴァン・ダインの愛すべき作風に、私は若い頃夢中になりました。何か面白いものがないかと探していた若い私を、第二次大戦前の、なにかしら社会の空気が澱んでいるような時代のアメリカという別世界へ、手を引いて連れて行ってくれた小説、それがヴァン・ダインでした。ヴァンスはひねくれ者で、毒舌だけれど、その言葉は胸のすくようなものばかり。性格は、実はちょっとシャイで、たまにマーカムに真心のこもったことを言われたりすると、すごく照れる。夢枕貘さんの『陰陽師』の、安倍晴明と源博雅の関係に少し似ているので、『陰陽師』ファンの方は楽しめるかも知れませんね。私は評価の低い後半の作品まで全部好きですが、一番はやはりこの『ベンスン』で、次が『ケンネル』と『ガーデン』です(どなたからも賛同は得られないラインナップですね)。『ベンスン』は第一作なので、やはり作者の気合いの入り方が違います。まだの方は『グリーン』や『僧正』から読まないで、是非ともこちらから。面白いですよ!
ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1)より
4488103014
No.5
(4pt)

今読んでの読みどころ

探偵のウンチクがわずらわしいと思えるときもありますが、刊行から半世紀以上経過した
今になって読んでも、それなりに楽しめます。
物語の終盤に探偵はそれぞれの容疑者の不利な点を次々に明らかにする一方、犯人が
見つかったと喜ぶ警察を尻目にその片端から犯人であることを否定していきます。
ここで作者が示したかったことは、物的、状況証拠から提示される犯人がいかに
曖昧であるかという点と、翻弄される警察陣の対比としての神のごとき名探偵の姿かと
思います。
作者が意図したかは分かりませんが、これはテクスト(=証拠)の解釈について、
ミステリーが前提とする一義性を否定するもので、ミステリーについての根源的な
問いにつながるのではないでしょうか?
一方、訳文の漢字/ひらがなの使い方が、私の慣れた文章と大分異なるようで、読み
にくかったため星は一つマイナスとしました。
ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1)より
4488103014
No.4
(4pt)

現代長編ミステリの幕開け

ヴァン・ダインの記念すべき処女作。本作以前にも長編ミステリは存在したが、現代風の骨格を持った長編ミステリとしては嚆矢と言える。それまでのミステリでは当然のごとく"物的証拠"を重視していたが、本作と次作の「カナリア」では"心理的証拠"を前面に押し出しているのが特徴。
作中で、「ウサギが走っているのを見た10人の大人が白いと言い、1人の子供が黒いと言ったら、どちらを信じる」と聞かれたヴァンスが「僕は10人の眼の悪い大人も、眼の良い子供も信じない。信じるのは心理的証拠だけだ」と答えるのが真骨頂。
また、結末近くで、容疑者の所を次々と廻り、一見犯行不可能な人物が実際には物理的には犯行が可能だったことを示す。しかし、皆、"心理的"には犯人ではないと切って捨てる。そして、最後に訪れた人物(検事マーカムの友人でもある)に対しても、そのアリバイを崩し、"心理的"にも犯人である事を告げる。ヴァン・ダインから国外ミステリに入った読者には痺れる展開である。
心理的証拠を前面に出し、現代ミステリの骨格を創った記念碑的作品。
ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1) Amazon書評・レビュー: ベンスン殺人事件 (創元推理文庫 103-1)より
4488103014