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(短編集)
最後の息子
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最後の息子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21~40 2/3ページ
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著者の作品を色々読みながら、エッセンスの凝縮の仕方やキャラクター設定など他の作品よりも感度が高く、今尚この作品は秀逸だと思う。 | ||||
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後輩に勧められて最初に読んだ吉田修一の本です。 これではまって吉田さんの本は10冊くらい読みました。 いろんな話題 登場人物 ストーリーがあるけど おかまちゃん 少年時代のホモセクシャルは彼の共通する テーマですね。でもほんと知らず知らずに引き込まれる文章はとても魅力あります。 | ||||
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新人らしい実に新鮮さが伝わる作品。 「最後の息子」はおかまと同棲する青年の日常を「ビデオ」で振り返る回顧録。これまでにない構成でちょっと驚いた。 あまり馴染みのないおかまの心情や苦悩。そのおかまに食べさせてもらっている青年の気遣い。青年のまっすぐな気持ちとおかまの掛け合いは、妙に心地よく時に心理を付いてどきっとする。結末が少し寂しかったけど、この物語を終わらすとすればこんな終わり方でいいのかなと納得した。 「破片」は九州の父親と3人の男兄弟の生活を、何の飾りも付けずに見事に描いている。男達のぶつかり合う汗、少しの涙。なつかしい、まさに昭和の風を感じさせてくれる。 「Water」は高校の水泳部員の青春物語。個人的には一番良かった。題材的にはありきたりかもしれないが、高校生の生活にはあまり馴染みのないタブー視されてきた大人の問題を織り込ませながら単純な青春ものにしていない。それにも係わらず読み終えた後の爽快感は感嘆。 3編それぞれに個性があり、短くはあるものの今後の活躍が期待される1冊と言える。 | ||||
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表題作「最後の息子」について 新宿でオカマの閻魔ちゃんと暮す若い男(主人公)のモラトリアムな日々。 物語は主人公が撮りためたビデオの映像を軸に進む。 映像に残された怠惰な暮らしの中には…。 現実にオカマと同棲経験のある人は多くないと思うけれど 一見、非日常的で同調しようもないと思えるこの話、 読み終えてみると思いの外に普遍的。 結局そこにあるのは、愛したい、愛されたいという人間の本質的な部分そのもので そこに薄っすらとつきまとう物悲しさ、 またその物悲しさを皮肉に笑うことしか出来ない無力感、 それらは何ら特別なものではないからだ。 「何もしない時間を貢いでもらっている」主人公の それ故の不自由さ、閉塞感のようなものが 部屋で過去のビデオを延々見直すという行為によって効果的に表現される。 最終場面で主人公が日記を開いてやったこと。 全てを一から受け入れようとしているようで清々しい。 必ずしも万人がキュートだと感じるかは疑問だけど 個人的にはお奨めの1冊。 | ||||
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爽快感200%、とってもキュートな青春小説!!という触れ込みですが・・・。 どこが?と聞きたくなるくらい爽快感はありません。 キュートでもありません。 割と重いです。 最後の息子 破片 Water の3作品が収められてます。 最後の息子と破片は芥川賞候補らしいですが、 やはり芥川賞候補になるだけあって・・・・ もちろん主人公の微妙な心理の描き方はものすごく 上手いなぁ〜と認めざるをえないんだけど、 そこに爽快感はないし、正直読後感は・・・疲れた、の一言です。 唯一「Water」には高校生最後の夏、部活に燃える高校生の爽快感が 感じ取れるんだけど。 ただ、内容よりも細かい部分で???が多かったです。 水泳部を舞台にしてるんだけど、 水泳部の3年生の最後の大会は高校総体。 高校総体は全国でも8月には終わっちゃうし、 県大会なんて5〜6月には終わってしまう。 なのに、今作品では9月に県大会が開かれてます・・・。 何だか、取材が上手くできてないなぁ〜、と思いました。 ただ、 「苦しみにも2通りあって、それは、認めてもらえない者と、 認めなければならない者とが、それぞれ1つずつ持っているのだろうと思う」 という表現にはそうだよなぁ〜、と妙に納得してしまいました。 | ||||
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作者の出身地である長崎が登場する中篇3作品を収録したもの。基本的には3作品 とも長崎或いは東京で、若干のイレギュラーが混ざった日常生活を描いたもの なのだが、『最後の息子』は、首都圏に長いこと住んでいてもそうそう「動いて いるオカマさん」に遭遇することも無いので、「オカマのヒモ」がどんな感じなのか は良く分からず、それなりに面白く読み進める事は出来はしたが、残念ながら あまり自分の中では残っていない。 『破片』については、倉庫を改造し、ガラスを埋め込んだ通路が全国ネットで 紹介されるように、基本的には何かに熱中するのは良い事なのだが、相手に 若干迷惑がられながらも「自分がいなければあの人はダメなんだ。」と思い込んで 自分より年上のスナックの女性に入れあげるさまは、誰かのことを好きになると いうことの危うさについて色々考えさせられた。 『Water』に関しては、主人公の、水泳部の仲間との友情・切磋琢磨・麻雀等を 通じ、薄いながらも思いもがけずエロい感情を抱いてしまった時に、何かが 壊れてしまうような気がして「自制している自分」を演じている『童貞紳士』 ぶりが、同じ世代だった頃の自分自身と重なってくる感覚が良い。それに、 作者自らが監督をしながら映画化されていたことには気付きませんでした。 映画に関するレビューはDVDが出てから書きたいと思います。 | ||||
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本書には最後の息子、破片、Waterの3編の短編が収められています。特に私は「Water」が気に入りました。吉田氏の小説はどこと無く無気力な男が主人公であることが多く、それが現代っぽくって多くの人から支持されているのでしょうが、Waterに出てくる主人公は現代っぽさの中に非常に熱い情熱を感じる青年で、久しぶりにスッキリする青春小説でした。 他の2編についても吉田氏らしい描写の上手さや、過去と現在が場面場面で交差する独特のタッチで描かれています。吉田氏の小説の特徴を一言で言うなら「テレビドラマ小説」だと思います。テレビドラマはいきなり場面が変わり、出演者も変わるのにひとつのストーリーとして流れていきます。それと同じように吉田氏の小説もいきなり過去に飛んだり、主体が変わったりしますが、読んでいる方はまるでテレビを見ているように、その場面場面に引き込まれていきます。本書で吉田ワールドを堪能してみてください。 | ||||
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吉田修一氏初期の作品。 「最後の息子」「破片」「Water」という三篇が収められており、 前2編は芥川賞候補作品。 個人的にはそのニ編より「Water」を読んで驚いた。 吉田修一というと繊細な叙景と心理描写に特徴があり、 洗練された文体の書き手というイメージがあるのだが、 Waterは直球勝負の爽快な青春小説。 巧妙な比喩や伏線を読み解く楽しみはないものの、 その分ニュートラルな気持ちで一気に読みきれ、 疾走感と爽やかな読後感があった。 こういう初期の吉田修一も、新鮮で印象に残った。 「最後の息子」「破片」は読み手によって印象の変わる作品と感じる。 人によっては、読み終わったあとも”何もない”と感じてしまうかも知れない。 個人的には微妙な心の隙間が行間からうまく伝わって来て、 押し付けがましくない読後感を心地良く感じた。 自分にとっては3編とも面白く読めた良作でした。 | ||||
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表題作の「最後の息子」が大好きです。 通勤中に読んだのですがラストではしっかり電車内で涙を流しました。 吉田修一さんの描く完璧さからはほど遠い登場人物のおしつけることのないやさしさ、思いやりにいつも、心が打たれます。 一生懸命か、そうでないか、様々あったとしても社会を構成する人間として生きている人のさりげない誠実さにはやはりうれしくなります。 | ||||
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吉田修一の書く作品の、結局結末がないような この浮遊した感じが何とも言えず好きなので、面白かった。 「最後の息子」は、キュートな小説だなあとは思わなかったけど、 閻魔ちゃんは可愛かったし、 録画したビデオテープを見て回想したり、面白い作品だなあと感じた。 「破片」「Water」も面白かったけど、 「Water」の終わり方は罪だなあと思った・・笑 最後のページあけてガックリした;笑 | ||||
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キュートな青春小説、というか紹介にあるが、そんなことはない。思えば、村上春樹の「ノルウェイの森」にも、純度100%の恋愛小説です、みたいな言葉があったけれど、そういうのではない。「純文学」と言った文句では売れないのはわかるが…。 このひとの作品は、好きだけれど、純文学めいていないというか、最初の二編もいいが、最後の「water」は明らかにエンタメなので、少しがっかり。特にラストの一行はかなりがっかりもの。エンタメをエンタメとして消化しきれていないよう。「パレード」などはそのへんもうまくできていて、傑作なのだが、まぁ、文章も「キュート」だし、純文学とエンタメの中間人物として、ある意味貴重な存在なのかもしれない。というか、いまでこそおしゃれな作家というイメージがあるけれど、方言をふんだんに使ったこんな小説を書いていたとは。 | ||||
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表題作は吉田修一のデビュー作。 陽気なオカマ「閻魔ちゃん」との生活を中心に物語の進む表題作は「キャラを演じる」とはどういうことかを教えてくれる。実家からの上京、オカマとの生活、「ぼく」の憧れ。様々な角度から様々な「距離」と「自己の在り処」を描き出していると思いました。 そして、そのテーマの描き方はこの後の作品にもたびたび出現します。 表題作の姉妹編と思われる「破片」も面白い。 | ||||
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人生は大きく分けると成長期、成熟期、終息期の3期に分かれる。年齢的なことは勿論であるが、自分の能力、周囲の環境次第でその時期は人それぞれ異なる。できることならば、自他共に認めている時期が自分の最高の時期=成熟期でありたい。 ではその時期はいつなのか?雄大の人生の最高記録は高校3年の水泳大会で新記録を出した瞬間だったのか?学生が地方の大会で優勝したことにどれだけの意味があるのか? 役に立つかどうかが重要なのではない。無意味なことに対してでも良い。どれだけ真剣に、それは生真面目にと言う意味ではなく、日常に正面から向き合えるかどうかに尽きるのだと思う。 最高記録というものは破るためにある。 向上心こそが生きる糧。 | ||||
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吉田修一といえば独特の浮遊感と、極端にいえば「で、何が言いたかったの?」というストーリーが特徴でしょ。それが…! 作者初期の作品「Water」は、甘酸っぱく、元気で明るくエロい、真っ直ぐ少年達の完璧青春小説なのです。キラキラも戸惑いも躍動感もあるし、当然!切なさと夏の終わりと大人の階段もある。ド直球!「ウォーターボーイズ」と「69」とドラマの「野ブタ。」足して割ったような最高のバカ男子モノ。グッとくるよ。そりゃこんな金字塔は、一生に一本しか書けないすよ。 | ||||
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三編すべてを読むと、とってもいい気持ちです。 特に最後のWaterがいちばん人には勧めやすいですね。 ドラマ化でも何でも出来そうです。 息子がいるので、母親の状態に何ともツライ気持ちになってしまうけれど。 | ||||
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吉田修一の初期作品集。本書に納められている3作とも、芥川賞受賞作よりも優れていると思う。特筆すべきは「water」である。青春小説の金字塔といっても過言ではない。青春時代のすべての要素が入っている。運動部経験者であれば理解できるであろう、あの高校最後の夏の雰囲気がまるで目の前に映像として提示されているようだ。あの太陽の暑さも感じることができる。この「water」を読むだけでも本書を手に取る価値がある。 | ||||
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初めて読んだ吉田修一の本。表題作の「最後の息子」はオカマの「閻魔ちゃん」とヒモの「ぼく」との話。斜に構え、計算高く自虐的な「ぼく」は、オカマを見たいという上京した母親に閻魔ちゃんを会わせて見世物にしようと企むのだが、閻魔ちゃんは彼の親に紹介されるということを…。閻魔ちゃんがとにかくかわいい!ラストがいいですよ。純粋な気持ちが相手をうつことをストレートに表現しないところがニクイです。 他にも、水泳部の青春ど真ん中を描いた「Water」などの作品が収められています。「Water」は青春経験者及び長崎出身者必読!まぶしいです!水の青、空の青、太陽。すべてがきらきらとしていたあの頃に一瞬で戻れます。元気が出ますよ。 | ||||
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ビデオを見ながら、そこに映る死んだ友人の記憶をたぐりよせて、なくなった彼の映像を通じて自分と同居するニューハーフの関係を思い巡らす主人公。 同性愛は最近認識が変わってきたものの、まだまだ差別が根強く特に、女性の心をもった方がどうしても立場が弱くなりがちである。そんなパートナーとの関係や相手への思いを自分自身でもはっきりできない主人公の曖昧な思いがよく書けているのではないだろうか。 どんなに近くにいても、愛していればこそより不安になるのだということを思う。 | ||||
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「Water」のみずみずしい青春小説ぶりにビックリ。吉田修一は、こんな小説も書いていたのですか。高校水泳大会ハイライトでの鮮やかなラストシーン。定番かもしれないけど感動しました。刹那にこそ、価値があるんですよね! 「破片」「最後の息子」は、その後上京する者、上京しない者の、変容した日常を描いています。 おそらく多くの地方出身者がそうであるように、幼年期は家庭が世界の全てでしょう。実はそれぞれの家庭で全く違う文化や習慣を持つのですが…。高校生までは、故郷の市や県が世界の限界でした。そして、進学なり就職なりで大都市へ出、しばらく暮らし始めます。そこでは、今まで絶対だと信じて疑わなかったものが、実は相対的にとるに足らないものだということを知らされたりします。そして私たちは普遍化された都市生活者に変容していくのです。 この本には吉田修一のしっぽがのぞいているようで、読み終わって楽しかったです。 | ||||
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文章でビデオ日記を表現するのはめずらしく、とてもおもしろい試みで、それができる力量を持ち合わせる著者もすばらしいと思う。 しかし、その内容が本の紹介文で謳われているように「爽快でキュート」なのかと言えばそうとは思えない。映像と映像との間に心の内実を織り交ぜるも、大概のそれは彼らの日常を俯瞰視する「記録」そのものである。 なので、読み手としてはホームビデオをみせられている感じで、主人公の野放図な生活を客観的に見守るので良いのだろう。 この「最後の息子」と「破片」は、全体に退廃的で疲労感を感じる。それが読み手の経験からフィードバックされれば『吉』、そうでなければ『凶』と出るアンニュイな作品であるか。。それでもお勧めしたいのは、3作目の「water」である。高校水泳部のひと夏を描いた青春小説なのだが、高校生たちが活気にあふれ、いきいきと躍動する姿に懐かしさと爽やかさを感じる。 ミドルティーンズが持つ、物事にがむしゃらに打ち込むひた向きさと手探りで悩みながら繋ぐ人間関係、それらが飾られることなく表現されていて好感が持てる。 また、彼らが使う『長崎弁』は、素朴な人柄と強い想いを読み手に伝える。。なぜなら、方言にはその地方で独自に発達した、言霊を宿しているからだ。「破片」と「water」は、著者の故郷である長崎を舞台にした物語であるので、これらの作品は小説家の初期に見られるパーソナルな物語なのかもしれない。 表題作「最後の息子」は、文芸春秋社主宰の文学界新人賞を受賞している。 | ||||
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