■スポンサードリンク
図書館の魔女
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
図書館の魔女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全113件 81~100 5/6ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ドストエフスキーやトルストイの著作に触れたことがあるなら、描写の多さは苦痛ではなく、物語の骨格を理解するのに必要十分だと思えると考えるのではないでしょうか。無駄な描写はなく、後の伏線となる言葉が詰まっています。 ファンタジー小説と軽い気持ちで手に取ると、嫌な本になるのは請け合いです。 難解な字や熟語が多く、久しぶりに辞書を手元に置きながらの読書となりましたが、それさえも楽しく一気に読める、それでいてまだまだ続きを読んでいたいと読後に思える一冊です。 実際、四巻すべて読んだ直後に再度読み直しを始めました。 第一巻目は、消化不良。 キリヒトはマツリカの『声』でいることに満足ができるのか。 こんな傲慢な少女が果たして、それほどまでの自己犠牲に値するのかと疑問のまま終わります。 伏線を撒きながら。 登場する地域や人々は多くはカタカナ表記です。 それでいて、主要登場人物には漢字を当て嵌めることができます。どんな漢字を当て嵌めるのがいいのか。 それを考えるだけでも楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
言葉、文字、伝えることについての深い洞察がここにあります。タイトルから軽い読み物を期待すると辛いかも。 誰でもすぐに文字にして世界に発信できる世の中で、"万人の批判に耐える覚悟"をもって残された言葉がどれだけあるのだろうか、と思うとともに、読む側の責任も大きくなっているのだと考えさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
4巻まで一気に読みました。 冒頭の数ページで炭の反りを合わせないと荷が解けてしまうと描かれたあたりからずっと、この本の言葉使いと描写力に心を掴まれたのですが、 1巻を読み始めた時はまさかこんなに読み終わるのがもったいなく、終わってしまうのが寂しい本になるとは思ってもいませんでした。 1巻は主人公が生まれ育った山間の村を出て図書館に仕え、 そこで魔女と出会い、彼女と彼にしか伝わらない指話で距離を縮めていくまでのストーリーです。 ここで2人で編み出した指話が、物語を動かすきっかけになり、ラストまで引っ張る大事な要素になっていきますが、それは後のお楽しみ。 前半は世界の説明が続くプロローグで、 後半は敵国の宰相との謁見や、キリヒトとマツリカが秘密の手話を編み出したりと、物語が動き出します。 登場人物が少ないぶん描写が尋常じゃなく仔細に書かれており、難解な言い回しが多いわりに展開が遅いので、ここを超えたら素晴らしい展開が待っているとはいえ、1巻を読み終わるのは他の巻より時間がかかるかもしれません。私もそうでした。 ですがこの文章、難解な単語はあっても的外れな描写はなく、登場人物の機微ひとつまで丁寧に追っているから長くなっているだけの印象です。 国の高官達がイニシアチブを取ろうと腹の探り合いをしているシーンなどでは、むしろ細かい描写がとても助かりました。さらっと書かれただけでは私の頭では付いていけなかったかも。 何気なく読んでいた場面に伏線がちりばめられていて、 後になって「あれは伏線だったのか」と気付くことが多い本でもあります。 短いものは数ページで回収されますが、長いものだと数巻に渡ります。 4巻まで読み終わった私には1巻のどこに伏線があったのかわかるので読み返してニヤニヤしています。 キャラクターも魅力で、 キリヒトの並外れた観察力は気持ちが良くて、そんな彼と魔女のキャッキャウフフはこの本の清涼剤。(笑) 重厚な文章の中に爽やかなボーイミーツガール。 稀代の明晰な頭脳を持ち、普段は愛想のかけらもないのに信頼した人には幼さを見せるマツリカと、 平凡な少年かと思いきや、時折ものすごい目端の良さをみせるキリヒトが、 2人だけに通じる会話(指話)を通じて仲良くなっていく過程が微笑ましくてしょうがなかったです。 手話の特性上、今まで詩を歌いたくても歌えなかったマツリカが、同時通訳をしてくれるキリヒトと出会ったことで、思う存分歌ってノリノリになっている場面など可愛いのなんの。 最初は会話のため仕方なく繋いだ手が物語を紡ぎ出し、 2人が精神的にもっと深いところで繋がっていることに気付く次巻以降・・。 是非読んで欲しい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段小説を読まない人には難しいでしょうが小説読む人なら一度は読むべき。 かなり練り上げられた物語で大まかに2分割し半分読み終わった時と全部読み終わった時に読み直すと文章の仕掛けに気づき、さらに深くはまっていきます。 神林長平氏や香月日輪氏の小説に出会った時の感動と幸せを感じたおススメの作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いです。ストーリーは申し分なく☆5。 自分が浅学なだけなのですが 難しい言葉や言い回しが結構あります。 雰囲気を作り出すためだと思いますが もう少し平易な言葉も入れてもらえると読みやすさが増すんですが。 例えば、私の人生で「繙く」という言葉、初めて出会いました。 まあ、読みにくいわけではないんです。 それと同じ内容が繰り返されるのも諄い。 あーもうわかったから早く進んで―と思うことも。 でもでも面白いのでお勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
壮大な世界観を持つこの物語の虜になりました。言葉とは何か、言葉の果たす役割を考えさせられる本です。登場人物もとても魅力的で、キリヒトとマツリカが巻を重ねるにつれて、心の交流を深めていきます。冒頭は静かな日常情景から始まるので、物語の展開を急ぎたい方には間怠いかもしれません。また非常にボリュームのある物語のため、最後まで読み切れないという意見もあり、評価は極端に分かれるようです。でも、物語好きな方へは、敢えてお薦めさせていただきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長編です。長いのですが、飽きません!引き込まれるストーリーに、魅力的な登場人物たち。衣装や所作に表情まで、目に浮かぶようです。読みながら、まるで映画を観ているかのように、その場面のイメージが膨らみます。それでいて、この作品は絶対に映像化できない代物なのです。(もし映像化したら、ヒロインの魅力が半減したとても残念なものになるでしょう) 言葉や言語学の講釈だったり、ミステリーっぽく謎を追ってみたり、政治的な駆け引き、アクション、それから恋…のようなもの。ファンタジーらしい魔法は出てきませんが、誰にでも使え得る“言葉”という魔法の力に飲み込まれるのが心地よい…。そんな作品です。 あ。飽きないと書きましたが、とある装置の説明が出てくるのですが、その部分だけは少し飽きます。多分、科学や物理好きの人には面白いネタなのだろうと思いますが。ちなみに、装置の仕組みがきっちり理解できなくても、話の流れ的には問題ないと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
知識と言葉の力だけで国を牛耳り「魔女」と呼ばれる少女の物語。主人公2人のキャラ設定や舞台設定自体は大好物です。 長い小説ですが、後半になるほど面白くなるという触れ込みもあったので、期待しつつ最後まで読みました。が、この本の売りと思っていた「人智を越えた頭脳戦・言葉の力」的な部分では、魅力はそこまでは感じませんでした(ジャンル違いですが「デスノート」みたいなの期待してたので)。 綺麗な伏線の張られたどんでん返しは幾つかありますが、どちらかというと意外性なく淡々と進む部分がやたら長い事の方が気になります。このテーマでこんだけの長編にしては物語の畳み方も中途半端すぎます。 冗長なバトルは省いて頭脳戦に徹してクオリティを高めてくれたら良かったのにと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
から続く海峡を挟んだ三国会議は,脚本をはじめ,監督,演出,その他もろもろ, 全てが魔女の筋書き通りに事が運ばれ,ちょっとした窮地もアドリブで切り抜けるなど, アクの強い役者が揃う中,名女優ぶりまで発揮と,その才覚には改めて唸らされるばかり. また,ほんの小さな変化や違和感すら見逃さず,よじれた紐を手繰るように情報を整理, 核心に迫る『名推理』がここでも冴え,世界を変える真実を導いていく姿がたまりません. 一方,自身を縛ることになった魔術師との対決は,後ほど語られる複雑な事情も絡み合い, 『お出迎え』や『先客』たちを交えての,追いつ追われつとなる緊張感も息をつかせぬほど. そして,魔女の少女と彼女と守るべき少年,二人の物語も長い旅とともに終わりを迎え, 二人だけの直接的なやり取りは,第一,二巻の頃から比べるとやや少なめではありますが, 旅や戦いの中で生まれた繋がり,無言で身を寄せ合う様子には言葉以上のものを感じました. 何より,この広い世界を変えていくこと,さらには少年が変わるための前向きな結末は, 彼の旅立ちで始まったこの壮大な物語が,また彼の旅立ちで閉じられていくのが印象的で, 高い塔とその主は,時に彼の進む先を照らし,帰る場所としてそこに在り続けるのでしょう. 全四巻,難しい言葉や言い回しも多く,決して読みやすい作品ではありませんでしたが, 言葉や書物への強いこだわりは,その理解度はともかく,存分に味わわせてもらいました. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一の谷、ニザマ、アルデシュの三国はマツリカ達の活躍により、同盟を結ぶ事に。 その後、ニザマの資格・双子座に奪われたマツリカの左手の自由を取り戻すために、双子座の根城に向かいます。謎の化物に双子座が仕掛けた罠をくぐり抜け、無事に左手を取り戻せるのか?! 4巻の見所は、マツリカとキリヒトの絆はもちろん、一の谷とアルデシュの交流かな。 共に困難を乗り越えた物同士、言葉が通じなくとも分かり合う様が丁寧に書かれています。 図書館の魔女を読むと言葉とは何なんだろう?と深く考えさせられます。 世界は不安定ですが、希望を感じさせるラストになっています。 次巻は「図書館の魔女 烏の伝言」です。 こちらは番外編となり、ニザマが治めていた都市が舞台になります。 マツリカら図書館一行は殆ど登場しませんが、重厚なストーリーになっていますので、ぜひぜひ読んでみてください!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第二部の始まりとなりますが,の終盤から続く楽しげな序盤があったかと思えば, 国内外での陰謀に対して,何気ない一言から見事な道筋で黒幕を暴くミステリ的な中盤, 予想外のバトルをきっかけに少年の背景も明かされ,緊張と興奮が加速していく終盤など, 一冊の中でさまざまな表情を見せる物語は,良くも悪くもまだまだ掴み所を図りかねる印象. とはいえ,木訥で素直に映っていた少年が,ガラリと雰囲気を変えて自身を語る様子は, 却って薄気味悪くもあり,反面,ふと見せた悲しげな仕草は切なさと哀しみを抱かせます. 一方で,彼に心を開きつつあった少女が,恐怖や怒り,戸惑いから見つけたのは慈悲であり, 自身にも重ねた彼女が,その『答え』へとたどり着いたのは自明の理だったのかもしれません. また,『告白』の少し後,暗闇の中での再会とそこで交わされる二人のやり取りが美しく, 彼女のために悲壮な決意を固めた彼の手を,静かな泣き声とともに包み込んだ彼女の思いは, どんなに大きな声よりもハッキリ,強い言葉よりも優しく,少年の内へと確かに語り掛けます. しかしながら,彼らだけではなく,周囲の人物や国の動きも次第に活発になってきており, 少女の采配と付き従う者たちの意思,相手の出方と,そちらの行く末も気になるところです. ただ,先を窺わせる演出の多さや『読者』といった呼び掛けには,やや違和感も覚えました. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第45回『メフィスト賞』受賞作の文庫化で,単行本の上下巻を四分冊した第一巻です. 図書館という閉じられた世界での物語かと思いきや,巻頭には大陸地図が用意され, 実際に国同士の関係や歴史も語られるなど,思いの外に舞台は大きい印象を受けます. また,魔女も書物だけを相手にしているわけではなく,国の内外へ思惑を巡らせており, 政治的な動きもチラリとでしたが窺わせ,こちらもさまざまなやり取りが見られそうです. このほか,流れる景色や何気ない所作,感情が浮かんでくる落ち着いた文章が心地よく, 時代設定はわかりませんが,東洋と西洋を混ぜ合わせたような雰囲気も魅力的に映ります. 反面,ひらがなのみで綴られている各章題は,ほとんどその役割を果たしておらず, 終盤の冒険(?)パートも,それまでの流れから急に逸れたようでピンとは来ません. ただ,一方では何かが起きそうな予感もあり,始まったばかりだけに楽しみの方が先に. 何より,文字や言葉などに対し,時に目がくらむほどに力強い描写が挟まれており, 簡単ではなく,禅問答的でもありながら,スルリと入ってくる感覚はまさに『魔術』. 気がつけば,当たり前のように使い,触れているそれらに畏怖と関心を抱かせられます. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに読み応えのある本に出会えました。。読んだ後、他の物語が物足りなく思えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下巻合わせて1500ページ近くある上に、難しい言葉や漢字が多用されていて読みづらさがある・・・ 上巻で挫けそうになったけれど、こちらで「下巻に進めば面白くなる」というレビューを見て頑張りました。 そのレビューどおり、上巻の読みづらさはどこへやら?三国の論戦と駆け引き、刺客の館での戦いにハラハラして、一の谷に戻った後の図書館のメンバーと衛兵たち、アルデシュの様子に和んだり感動したりと、あっという間に読み終わってしまいました。 図書館の魔女では言葉の持つ力が如何無く発揮されていました。 言葉が武器で癒しのファンタジーです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
馴染みの無い言葉・漢字が沢山出てくるので、意味が分からなかったり読めなかったりでモヤモヤ・・・ なので☆-1です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近隣国との問題を武力(戦争)で解決するのはファンタジーの定番。 図書館の魔女では武力では無く、言葉の力(外交)で近隣国と渡り合います。 マツリカとキリヒト、図書館の面々の何気ない日常、本の分類についての講義などは面白く読めました。 ・・・が、専門書から抜き出したような延々と説明が続くページでは理解が追いつかずモヤモヤ。 特にサイフォンの構造説明は何がなにやら・・・ 斜め読みでも問題ないですが、ちょっと細かく書きすぎて冗長になっている感はありました。 文章での説明でなく、図で解説してくれたらよかったのですが・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語の世界観やストーリー、とても面白く受賞には納得できます。 しかし、作者の文章が私にはあまり会いませんでした。読者を信用していないというか。。。「ここ、伏線だからしっかり覚えとくよーに!」って言ってるような文章が幾つかあり、学校の先生の講義を聞いているみたいでガッカリでした。あげくは、上巻で「読者は」って出てきて、興ざめ。 なので、星を一つ減らしました。 ストーリー、プロットは最高です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本のエンタメ史上類を見ない作品。本屋大賞はノミネートさえせず(この本を推さずして何が書店員か!)、 このSFが読みたいでは1位とはいえ今やマイナージャンルのSFの更に特殊ジャンルのカテゴリーに押し込め(相変わらずSFリーグはワッカチャナイ)、このミスは一言も触れず(日本のミステリはぬるま湯の温度変化に気付いていない)。 面白本を広げることなく出版界に明日はあるのか! 鳥の伝言以降の続編含めて必読の書。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
装丁を見た段階で何とも言えないオーラを感じたのですが、 内容はそれに負けない重厚な設定のファンタジーでした。 とはいっても、ストーリーは重苦しくない由緒正しいボーイミーツガールで、 どんどん引き込まれていきます。 上下巻じゃなくてもっと分冊してもよかったかもしれませんが、 このボリュームにもページをめくる手が止まることはありませんでした。 ジャンルは違いますが、京極夏彦氏の作品に出合ったときのような衝撃でした。 私の中で文句なしの2013年のNo.1でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ミステリ好き」「図書館と深いかかわりを持つ過去のある」「言語学に興味ある」「少年少女のせつないお話大好き」の私にとって、偶然がもたらした思いもよらない貴重な出会いでした。死ぬ前にこの本に巡り合ってラッキーだったと思えるくらい。何度も何度も繰り返して読みました。著者の蘊蓄を披歴しているのかと思われる個所もあり、それも面白かったのですが、終わってみると大筋に必要なことばかりで、何一つ無駄なところがない。お見事です。 ただ不満は1最初に迎えにきた王宮高官のロワンが「キリヒト様」と言っているので、実はとんでもない高貴な血筋の少年かと思って胸躍らせていたのに肩透かしにあったこと、2「キリヒトの先生が父親にしては年齢が違いすぎる」とか「十年前とは変わっているかもしれない」というキリヒトの言葉の意味が宙に浮いてしまったこと、3「二人で川遊びに行くのに数年待たされた」という話がその後出てこないことに不満が残ります。 私の存命中に是非是非続編にお目にかかりたいものです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!