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楽園の蝶
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楽園の蝶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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満州国首都新京で設立された満州映画協会が舞台設定というのが、いかにも作者らしく、また甘粕理事長や石井将校の登場人物もスパイ物の小説を彷彿させ、他作品同様スリリングな展開を期待させます。 ただ、物語の起伏には乏しく地味で、ヒリヒリとした緊張感も長続きしません。主人公ののんびりとした性格の影響もありますが。 本作の読みどころが、桐谷監督や陳雲らの映画製作への情熱なのか、それとも満州国下の日本軍と軍から追放された甘粕理事長の凌ぎあいなのかが、今一視点が定まらなかったです。 しかし満州国での特殊な時代背景と、娯楽である映画(製作)という全く結びつかないような事象が、上手く繋ぎ合わされているなと感じました。 | ||||
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まず最初に、この作者に戦前戦中の所謂昏(くら)い時代を書かせるとやはり 『さすが』と唸らせるものがあります。 しかしこの小説は「ジョーカーゲーム」のシリーズと比べて、どうしても感情 移入するべき物語としてのヤマが低いように思います。 あちらは短編でこちらは長編。普通に考えれば今作のほうが、読者を引き込め る筈なんですが、いかんせん退屈でした。やはり映画を題材にしたした以上、 あまり奇抜なサスペンスというのは違和感があるのでしょうか。 ただこの作者が上梓する作品はいつも注目していますので、次作に期待です。 | ||||
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本書は、「ジョーカー・ゲーム」シリーズで知られる著者の、戦時下の満州を舞台に、サスペンスとミステリーを混ぜ合わせたような一作。 著者のレビューで目立つ「ジョーカー・ゲーム」と違うというご意見は、本書にも共通するものだろう。 ミステリーとしての要素は希薄であるし(例えば、映画監督の名前が分かった時点で、!と分かってしまう)甘粕や石井に懇切丁寧な解説をつけているあたりもコアな読者にはヤレヤレだろう。「ジョーカー・ゲーム」と違うものを作ろうとする著者のアプローチは、もっとニュートラルに考えるべきところだろう。 とはいえ、では何を描きたかったのか?というところは大いに疑問が残る。 甘粕や石井あるいは満映という大きなギミックを用いた効果はあまり感じられなかったし、登場人物の通り一遍感も否めない。 流れるように美しいという、なんか出来のいいトーキー映画を見たような気持ちしか残らなかった。 ただし、そもそも、戦時下の満州や甘粕を描いたら、何か歴史とか戦争認識なんてもんをテーマにしろというルールがあるわけではないし、おそらく著者の狙いもそんなところにはないのだろう。 ただ、では、その狙いは何なのか?それが全く伝わっていない以上は、そうした点を完全に排除してスパイ・ミステリーに特化した「ジョーカー・ゲーム」的なものの方が分かりやすく面白いという意見はアリと思えるのが、残念でならない。 なお、1942年の新京での石井の暗躍、満州での甘粕のステータス、”甘粕”野枝という表記など、史実からみると違和感を受ける部分もある。あくまで、主人公が見聞した情報の中で組み立てられた内容と考えるべきと思う。(個々のエピソードは史実を題材としている) | ||||
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