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(短編集)
萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ1(紅雲町ものがたり)(紅雲町のお草)
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萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ1(紅雲町ものがたり)(紅雲町のお草)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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話が面白いのはもちろんですが、主人公の草さんの言葉、一つ一つに重みがあります。 自分では元気なつもりでも、年老いると、世間からの扱いは変化していきます。 年老いることは辛く、寂しいことも多いと思います。 しかし、そんな草さんだからこそ、言葉に説得力があり、解決できることも多くあります。 “老い”は辛くて寂しい。 けれども、それだけではないと感じさせてくれます。 | ||||
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本書は紅雲町の珈琲屋に集う人々の物語を4編収録されています。店主である杉浦草の推理する展開なのですが、ハラハラドキドキしたり、ジーンとしたりとバラエティに富んだ内容となっています。何でもない日常でも様々なことが発生しているんだなと改めて感じることができました。続編が楽しみな本です。 | ||||
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ばたばたご都合主義の小説が氾濫している中で、じっくり読んで心に染みてくる。推理小説に終わらない作品。良質な本。主人公の店にコーヒーを飲みに行きたいです。 | ||||
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北村薫氏の「円紫さん」シリーズに引けを取らないからと薦めて下さった方がいらっしゃり、すぐに手に取ってみました・・・。期待が大きすぎました。作品自体は老いていく者の悲哀を織り込みながら手堅くまとまっている印象。読むには全く苦労しません。また、人生の折り返しを過ぎた読者としては、読後色々と胸に去来するものがあり、読んで損したとは全く思っていない。しかし、最初の期待があまりにも大き過ぎて適正な評価が下せたか心配です。とにかく、読む前には、おいしいコーヒーを用意してからページをめくって下さい。(それでないと、途中でコーヒーを淹れる羽目になります) | ||||
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読んでからしばらくは、重いものが心の中にあれこれたゆたって、感想がひとつに定まりませんでした。 大船観音に見下ろされる町の和風喫茶『小蔵屋』を営み、美味しい試供品の無料コーヒーも出してくれる、76歳の草おばあちゃん。 この手の翻訳ものだと、もっとユーモラスでしゃきしゃきして口がへらず、鼻っ柱が強く、まわりのみんなも頼るようなスーパーおばあさんが多いけれど、この草さんは日本のおばあちゃんで、凜と背筋はのびているけれど、ひかえめで優しく受容的。 ご近所さんのことが気になって、ようすを探ったりはしますが、それでも行動的な名物おばあさん、とはほど遠い。 扱われている事件も、家族内虐待とか、昔の幼なじみとの軽い確執とか、意地っぱりの青年の裏側とか、たいへんリアルで、日常的に起こりうることで、冗談にできないちょっと苦めのテイストです。 一般の小説なら、これらの事件をそのまま投げ出せば、「人生の裏側をなまなましく描いた」と言われるような素材ですが、作者はこれを「コージーミステリ」というフォーミュラにはめています。コージーミステリなら、事件は必ず解決、探偵は不死身(死んだらシリーズは終わるから)、ほっこり、ほんわか、ご町内の和、という「こわれない幸せな日常」がキープされるお約束です。 この物語では、そのコージーミステリの「幸福の約束」が必ずしも果たされてはいません。特に「老い」の哀しみのようなものがそれを妨げています。けれど、普通の小説では得られない、ミステリならではの「救い(の約束)」も感じられます。 コージーミステリとしては、コーヒーのように苦みがあるけれども、それを和らげるミルクやお砂糖があり、それこそ長い人生が草さんにもたらした癒しの目線でしょうか。 人生の悲哀という素材をすくいあげるのに、ひとつの物語形式を採用し、それが内容とお互い微妙な均衡を保ちつつ・・・大船の四季の自然の中に溶け込んで救われている、そのぎりぎりのバランスの感じが、美しいです。 ラストの表題作は、草さんの友だちの、決して楽ではなかった「女の一生」を描いていますが、草さんの目からは「これでよかった」とおちつく、そんなしっとりとした後味です。 人生の重さを、すっと軽くする。コージーミステリのそんな浮揚力に、改めて気づかされます。 そしてこのシリーズでは、それが白々しくなく、自然体で、いつのまにかなされている。 読み終えて、何日かあとになってから、しずかに気持ちよく、心の奥へほぐれていくのがわかります。 「小蔵屋」は心の中の安息の家の一軒になりそうです。 | ||||
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ちょっと時間が空き、何か軽い読み物はないか探していたら、ほのぼのした表紙と”コージーミステリー”という文字が目にとまり手にとりました。確かに、老いという重いテーマにも触れているのですが、どこかさらりとしていて暗さは感じられず、梅雨と珈琲が似合うな、と思いました。主人公の草さんは、紹介文にあるような(おばーちゃん探偵)とか(日本版ミスマープル)ともちょっと違うような気がします。もし、草さんがオーナーの珈琲ショップが実在するなら、間違いなく私は常連になりますね。読んでいるうちに、いい珈琲の香りがどこからともなく漂ってきて、そのお店に居るような心地良さを感じることができます。まもなく続編が文庫本で出るらしいので、これもできればスタバとかでゆらりと読んでみたいです。 | ||||
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「小蔵屋」という和食器とコーヒー豆の店を、年老いてもなお気丈に切り盛りしている 杉浦草。ある日草は、友人である大谷から、鈴子という女性についての頼まれごとを 引き受ける。その女性の息子と関わりを持ったことから、草はちょっとした事件に巻き 込まれていく・・・。表題作「萩を揺らす雨」を含む5編を収録。 「おばあさん探偵が日常の謎を解く」という設定だが、ミステリーの謎解きの面白さを 味わうというより、むしろ悲哀を感じる内容だった。怪しいと思われる家の周りを歩いて いると、痴呆の徘徊者だと思われてしまう。草はそういう年齢なのだ。どんなにがんばっ ても、世間の「草は高齢者」という考えを変えることはできない。悲しいけれど、残酷な 現実を突きつけられてしまう。けれど、草は前向きだ。草のように、年老いても生きがいを 持ち、毎日を過ごすことができたらどんなにいいだろう。こういうふうに年をとりたいものだ。 しっとりとした味わいを持つ作品だと思う。さまざまな問題も含んでいて、考えさせられる ことも多かった。 | ||||
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