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絹の家 シャーロック・ホームズ
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絹の家 シャーロック・ホームズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 41~47 3/3ページ
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懐かしの名探偵シャーロック・ホームズ。最近ベネディクト・カンバーバッチ主演で ふたたびドラマ化されるなど根強い人気を誇っています。 アンソニー・ホロヴィッツの本書は『絹の家』の秘密に迫る過程で ホームズとワトソンがさまざまな試練に襲われながらも、 持ち前のチームワークと名推理で見事に事件を解決するまでが 19世紀ロンドンを舞台にスリリングに描かれています。 読み終えて思ったのは、 1、19世紀ロンドンの闇の部分、つまりドイルの 「聖典」にはあまり登場しない貧困や道徳的退廃といった社会背景が丹念に描かれている。 2.ストーリーは波乱万丈で読みごたえがあり「ハンチング帽の男」の謎と「絹の家」の 謎が複雑に絡み合っている。 3、本家ドイルの作品に漂うそこはかとないユーモアはあまり感じられない。 4、メアリー・モースタン(ワトソン夫人)、レストレード警部、兄マイクロフト、 そしてホームズの宿敵である「教授」といった おなじみの人びとの登場が嬉しい、といったところでしょうか。 『絹の家』の詳細を語ることは避けますが、急激に発展した世紀末ロンドンには こういった闇の部分が存在したのでは、という印象を持ちました。 過去にホームズが手がけた事件と比べてダークな内容ですので ホームズ・ファンにはちょっとショックかもしれません。 でも中盤以降のホームズの大活躍とワトソン博士の友情が嬉しく、 随所に挿入された「ホームズ的要素」を楽しみながら読了しました。 本格ミステリーファンにもホームズファンにもお勧めできる佳品だと思います。 | ||||
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間違いなく、ワトソン先生による聖典といっても過言ではありません。 でもなぜ、120年もたってから、ようやく公開されたか。 事件にかかわった人々が過去帳に記載されて初めて。 本当に「絹の家」と「ハンチング帽の男」の事件はこの解決で終わりなのでしょうか? 私には「もう一つの真実」があるように思えてなりません。 もっと暗く深い、英国王室が続く限り公開できない大きな真実があるように思えてならないのです。 そうでなれば、「教授」や「マイクロフト」があれほどまでに・・・・ いや、きっとこれでいいのでしょう。 | ||||
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新しく読めるホームズ作品としては、これ以上は望めないと思えるほど、ツボを押さえたバランスの良い完成度だと思いました。 またホームズファンの方なら、旧来の作品の活躍を思い出しながら、「そんな事件もあったのか!・・・」と感慨にふける事は確実な気がします。 やや大人向けのテイストではありますが、そこが往年のファンには丁度良く響き、これなら映画化されてもいい!いや、されるだろう!と思える今作は読んでおく価値アリです。 買って損なし。 | ||||
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複雑過ぎないストーリー、意外な真相、 そしてお約束の ホームズの洞察力に舌を巻くワトスン! 楽しく読ませてもらいました。 変わらないホームズとワトスンの友情… ジンときました! | ||||
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コナン・ドイル財団の初の公式認定の約80年ぶりとなるシャーロック・ホームズ最新作らしいです。 実はあまりホームズは読んだ事が無く、他の作品と比べて感想は言えませんが、本作は傑作でした。 とにかく、お馴染みと思われる冒頭のシーンから、次々と起こる出来事に引き込まれ、読むことを止めることが出来ません。 ただ、絹の家の真相は気持ちの良いものではなく、やや行き過ぎ(いくらなんでもそこまで影響力はないだろう)感はありましたが。 色々な事が繋がって、最後にホームズが真相を語るシーンはなかなか読み応えがあり、その光景が思い浮かぶようでした。 | ||||
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BBCのドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』(2010〜)が当たったためだろう、このところ静かなシャーロック・ホームズ・ブームが続いている。そんな順風ムードの中で書かれたのが、長篇小説『絹の家』(11)だ。作者はアンソニー・ホロヴィッツというイギリスの作家だが、帯に「80年ぶりのホームズ新作」「ホームズ61番目の事件」などと惹句が躍っていて、ナニナニ? と思わず前のめりになる。よく読むと「コナン・ドイル財団が初めて公式認定した」とのことで、なるほどと納得するのだが、あらためてこれはすごいことだぞ! とページを開く前から期待値が上がった。 物語は、ある人物がベーカー街221Bに事件を持ち込む、というお馴染みのパターンから幕を開ける。それに先行してホームズが、ワトスンが頭の中で考えていたことを次々と当ててみせる、というお決まりの導入もある。この開巻からすでに予想できるように、本書は全体的にオーソドックスな作りだ。作者のホロヴィッツは、自らに十箇条のルールを課して執筆に当たったという。「度が過ぎたアクション・シーンはいらない」「有名な実在の人物を登場させてはならない。ホームズの依頼人は架空の人物であるべき」「殺人の数は多すぎてはならない」などなど、その姿勢はストイックですらある。 コナン・ドイル財団からの公式認定は、それらが功を奏した栄誉といっていいだろう。「ホームズが実は○○だった」とか、「同時代の誰それと対決」とか、そういう奇をてらったことは一切していない。ひたすらシリアスでフィクショナルな話が展開する、正統な贋作なのである(あ、公式認定だから贋作ではなく新作か)。しかしシリアスといえば格好はいいが、誤解を恐れずにいうと本書は陰鬱な話だ。ミステリーとしての骨子はしっかりしているし(ヘトヘトになるくらい二転三転する)、サスペンスとしての推進力は申し分ないが、「気持ちのいい冒険譚を読んだ!」というような爽快感は薄い。 ご多分に漏れず「ある理由から公表できなかった事件」という定石を踏んでいるので、シリアス路線は妥当にしても、「ここまでヘヴィーなのはちょっと」というむきもあるだろう。確かにここに描かれる殺人事件にしてもおっと、その先はネタバレになってしまうので、本書をお読みいただきたい。他方で、「ちょっと大風呂敷を広げ過ぎたかな」と思わせるようなところがないでもない。例えばマイクロフトがシャーロックにある勧告をするのだがおっと、またまたネタバレになってしまうところだった。やはり、まずはお読みください。とにかく読ませることは間違いないし、「読んだな〜」というずっしりした手ごたえは得られるはずだ。 | ||||
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コナン・ドイルの子孫達が運営するコナン・ドイル財団により、コナン・ドイル自身の著書以外で初めて正式に認可された、シャーロック・ホームズの物語。 この原書自体、イギリスでつい一昨年(2011年)に出たばかりの、新しい作品でもあります。 もっとも、短編集であれば、実はコナン・ドイルの息子が、本格ミステリー界の“密室の王者”ことディクスン・カーと共にかつて非常に面白い短編集 『シャーロック・ホームズの功績』(原書出版は1954年。早川書房にて邦訳有り)を書いたのですが、どうもそちらは財団の認可はなされてはいない様です。 一方、アンソニー・ホロヴィッツの手によるこちらの『絹の家』は長編で、そもそもコナン・ドイル自身はホームズ物語の長編を生涯に僅か4冊しか書きませんでしたから、 “唯一の財団公認であり、長編のホームズ物”という二重の魅力を持っているこの作品を、私も大いに期待して読みましたが、実際に期待通りの面白さでした。 ところで、私自身はこれまで“本格ミステリー”のジャンルに限定してレビューを書いてきたため、ホームズ作品について感想を述べるのは少し畑違いな気もするのですが。 それと言いますのも、たしかにホームズは名探偵の代名詞ですが、しかし厳密に言う“本格ミステリー”とは、コナン・ドイルの影響を受けつつも、 1920年前後にとりわけイギリスのアガサ・クリスティーやクロフツ等といった作家達によって開拓されたジャンルを言うからです。簡潔に説明するならば、 読者が作者から与えられた“情報を基に謎を解く”ことに重きが置かれているものが、本格ミステリーと言えるでしょう。 一方、読者が謎を解ける様に“情報”を与えるという作風ではなく、事前に読者が知らない情報を基にホームズが推理を語ることが多いドイルの作品は、 本格ミステリーとは言わないのです。 そんな訳でこちらの作品も、本格ミステリーとして書かれているというよりは、やはり、徹底してコナン・ドイルのスタイルで書かれた作品であることに、 最たる特徴の一つがあると言えます。しかしそうは言いながらも、同時に、長年の本格ミステリー・ファンの私から見ても、王道的なミステリー小説らしい推理が 展開される秀作でした。 否、むしろ、最後まで読むと分かりますが、何気ないところまで意外と細かく気が配られており、しかも精読していれば事前に読者はそれに気付くといった趣向も 凝らされておりましたので、“本格ミステリー風”とも言える、秀逸な作品だなと思いましたね。 ですが、もちろん、この作品の魅力を本格ミステリー的な観点ばかりから考えることは間違いです。それと言いますのも、やはりドイルのホームズ作品と言えば 魅力溢れる冒険的色彩も濃いわけですが、こちらの作品もドイルばりの優れた冒険物語となっているからです。と言うよりも、この作品の最大の魅力は、 ドイルの書いた様々なホームズ作品の影響が至るところに詰まっている点で、「ここはあの話から影響を受けてるな」などと思うところが多々あり、 それがこの作品で展開されている冒険談に華を添えていて、コナン・ドイルへのオマージュを感じると共に、ドイルのホームズが本当に復活したかの様な印象を受け、 ファンに“安心感”を与える出来ともなっているのです。 そこでふと思うのが、こちらの作品の作者が、日本でも英国ミステリー・ドラマのファンにはお馴染みの脚本家であり、小説家でもある、アンソニー・ホロヴィッツ であることこそが、この作品の成功の秘訣かもしれないということです。 ホロヴィッツと言えばなんといっても、あのデビッド・スーシェ主演ドラマの『ポワロ』の脚本を成功させた功績がありますし、他にも、これまた日本でも 英国ミステリー・ファンには人気のドラマ『バーナビー警部』といった作品の脚本もやはり成功させています。それらに見られる様に、人気小説を題材に 非常に面白い脚本を書く彼は、“原作の良さを損なわずに自分なりのアレンジをし、優れた作品を新たに創る”ことの天才なのでありまして、その才能やこれまで培ったノウハウが 小説において遺憾なく発揮されたのが本作だと思えてならないのです。 以上、このようなわけで、全体的にレベルが高く秀逸な出来なので、もちろん星は5つにしました。 ちなみに、単行本なので二千円近く、少々値は張りますが、しかし実際に手に取ってみると、カバー・デザインのみならず、カバーを外したデザインも美しく、 私はこれほど見事な装丁のミステリー小説は他に持っていないため、お宝を手に入れた様な感もありまして、この小説が本当に気に入りました。 おすすめの一冊です。 | ||||
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