■スポンサードリンク
(短編集)
さみしさの周波数
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
さみしさの周波数の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 41~44 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私はたまたま、「いとしのレイラ」や「ティアーズ・イン・ヘヴン」を繰り返し聴きながら、この本を読んだ。驚嘆させられたのは、まだ二十歳を超えたばかりの若者の書いた作品が、あの渋くて痛切で、それでいて深い滋味をたたえたエリック・クラプトンの世界と互角にわたりあって、人生の曲折を濾過して滴った純粋な「せつなさ」や「こわさ」や「さみしさ」が、四つの短編のうちに見事に結晶していたことだった。たとえば、水の変容(雨、雹、雪)とともに、未来の記憶の物語をリリカルに綴った「未来予報 あした、晴れればいい。」は、「ただ透明な川が二人の間を隔てて流れているような、あるような、ないような距離」を保った、言葉にはできない少年と少女の「関係」をあますところなく描ききった絶!品。この味は、太宰治や椎名誠や村上春樹の系譜に連なるものだと、私は思う。真似できそうで真似できない、熟して滴る玉のような本物のオリジナリティをもった語り手だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乙一氏の書く作品はなぜだろう、いつも心に染み込んでくるような感じがする。教訓みたいな、そんな偉いものでは決してなくって、ただただ純粋に染み込んでくるのである。乙一氏の作品を読むたびに、同じ作品を何度読んだとしても、いつも新鮮な空気のように心に入り込んでくるのである。言葉では上手く言い表せない、乙一氏についてはとにかくご一読あれ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乙一さんの作品は読んでみたい、でもホラーは怖くて読めない・・・という私が初めて読んだ、乙一さんの短編集。なかなか面白かった。短編集というのは、なんとなく物足りなかったり、ストーリーに無理があったり、と、なかなか当りに出会うことは難しいのだが、これは当り。さりげないストーリーだけど、じんとココロに残る。登場人物の心理描写もうまいし、伏線のはりかたもうまくて無駄がない。ところどころ、表現に作者のセンスも感じさせられる。収録された4編のうち、一番好きなのは、「失はれた物語」だ。作者が書きたくて書いた書下ろし作品だけあって、非日常的なストーリー設定なのに、無理がなく、しかもラストでは泣いてしまった・・・でも一番面白かったのは、最後の作者自身によるあとがきかも。気負いがなく自然体で、なかなかいい味出してます | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
移ろう時の断片から短命に終わった少女を浮き彫りにする”未来予報”、最後の数行を読み終わった時に心暖まる”手を握る泥棒の物語”、何十年も昔の日本人が持っていた何かを感じさせてくれる”フィルムの中の少女”、救いの無い境遇の中で安らぎを見出すことのできた男の”失われた物語”、この著者<乙一>を更に好きになりました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!