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ロスト・ケア
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ロスト・ケアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全110件 101~110 6/6ページ
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ミステリーという形式はとっているが、 殺人の動機にフォーカスするには最良の方法だと思う。 犯人の動機は我々が作り出している。 「彼」を論破することができるひとはいるのか。 その問いが読者に残り続けることこそ、作品の目的なんだろう。 | ||||
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平易な文体でサクサク読める。が、内容は非常に重い。 作品のテーマは、少子高齢化と介護、今まさに、我々日本人が直面しようとしている深刻な問題だ。 複数の登場人物の視点による重層的な語りで、読み進めるうちに、人間の尊厳とは?家族の絆とは?善とは?悪とは? と、様々なことを考えさせられる。 骨太な社会派作品でありながら、エンタメ性も高く、終盤にはミステリらしい仕掛けも施されており、とても読み応えがあった。 | ||||
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期待通り良かった。ネタバレになるから詳しくは書けないですが、買って損しないと思います。 | ||||
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新品と変わりなし!一気に読んでしまいました。問題意識を刺激される一書でした。 | ||||
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決して新しい小説ではない。 セオリー通り、ドンデン返しもあり、だまされてしまう。 最後の「犯人の真の狙い」も想像がついてしまう。 けれど、ストーリーに引き込まれてしまう。 恐らく、皆が思ってはいるけれど、なかなか言えない本音が、ズバズバと出てくる辺りが、読者を引き込んでいるのだと思う。 内容は単純でも、文章で読ませる小説です。読まないと、その良さが分からない小説です。 | ||||
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究極の介護「ロスト・ケア」。 それは家族介護の闇に陥ってしまった介護者と被介護者の「救い」。 「ロスト・ケア」の名のもとに確信を持って行われる前代未聞の連続殺人。 検事の大友、エリートの佐久間、そして「彼」。 3人の主要人物の人となりが明確なイメージで浮かびます。 作者の意図的な「記号」によって撹乱される犯人像。 誘導された犯人が犯人でないとわかった時、頭が混乱して、ページを目繰り返してしまいました。 思い込みの中で見過ごされてきた「殺人」をデータ解析で迫っていくところも目が離せませんでした。 追いつかない「介護保険」。 溢れる要介護者。 こうなることは前もってわかっていたはずなのに。 愛するものの「死」を持ってしか救われない。 そんな究極の選択をせざるを得ない状況をつくり出しているのは誰なのか? 作者の強烈なメッセージを感じました。 ただ・・・・ 注意を引きたい言葉に振られた「点々」をうるさく感じました。 | ||||
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「彼」とは誰なのか? そこに向かう過程が面白く書かれていて一気読み。 そして興味深かったのは「介護」の実態と問題が分かりやすく書かれていたこと。 介護保険制度の問題点など知らないことばかりだった。 高齢化社会となり多くの人が直面する現実にきっちりと向き合う姿勢がよい。 「介護」という問題を真正面から見据えた、とても楽しめるエンタメ作品。 | ||||
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現在の介護問題を、多角的な面から捉え、また、犯人に至るのに、机上の数学。統計学的理論から導きだしたりと、 その過程も面白かった。最後まで読んで、もう一度読み返せて、二度楽しめました。 | ||||
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テレビの文芸書紹介番組でミステリー部門で受賞したと聞いて、本作品電子版を早速購入し読んでみた。ミステリー仕立ての物語で作者の主張は、より強烈に伝わった。 実在の介護会社コムスンが下着きに成っている。とても鮮明にコムスンの事を覚えている。自分の父がコムスンの世話に成っていた。その父がガンで七年前に他界した。 ひょんな事でコムスンの株式を保有していた。年末に読売新聞東京版で不正の第一報が報道されて、正月早々にコムスンの株式を売却した。その後、コムスンは、本作品が描く様な末路を辿った。 二年前に自分の母親の認知症が悪化し、グループホームに入る様に成った。以来、介護にまつわる問題点を考える事が多く成って、本作品のテーマとかぶさることに出くわした。介護にまつわる問題点を鋭く描き出した著者にエールを送りたい。 | ||||
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子供の頃にアガサや子供版乱歩は読んだけど、現代のミステリーには縁の無い、現役ケアワーカーとしての感想文です。 まず率直に、ミステリー小説としての出来はよく分かりません。社会批評が色濃いミステリーといえば宮部みゆきや高村薫の小説が浮かびます。ああいう小説を読んできた人が適切な評価をしてくれるでしょう。個人的には大学で数学の研究をしていた検察事務官が統計から事件を“発見”するところなんて、純粋に「すげえ」「新しい」と思いましたが、業界水準で新しいのかどうかは分かりません。 2ちゃんのニュー速板なんかにどっぷり浸かり、ブログのロスジェネ論壇に親しんできた私なんかには、登場人物が皆いかにも類型的で、小説内の道具立てとして書き割りを配置しているように感じたのは否定しません。が、長い電車通勤タイムに小説を読む事で社会のトレンド“情報”“蘊蓄”を吸収するリア充サラリーマンの人達には案外と目新しい人物造型なのかなとも思いました。いや、類型的な人物とエピソードを一見して無関係に配置しながら、終盤へ進むに従って一つの事件へとカチッとはまって収斂されていくその構成力の確かさ、手際の良さこそが新人賞選考委員絶賛のポイントだったのかもしれません。確かにエンタメとして面白い!(故にエンタメ以上のものを期待すると拍子抜けするかも。これを読んで今頃「介護の問題に気付いた!」とか言っている奴は意識が低すぎじゃね?と) 社会批評として舞台を2006〜2007年にしたのは慧眼だったと思います。コムスンショックという事実を下敷きにしているので当然の事かもしれませんが、日本の高齢者福祉行政の見直しを社会全体で議論するとしたら、あのタイミングが最後だったでしょう。残念ながら問題はコムスン経営者のパーソナリティに矮小化され、議論はほとんど起こらず、結果として介護保険制度も高齢者福祉行政も後は崩壊を待つだけとなってしまいましたが。驚く事に、アマゾンで検索してもコムスンショックをちゃんと取材したジャーナリスティックな本は出てこないですよ。当時リアルタイムで論じられた事は(恐らく著者も参考にしたであろう)finalvent氏やYosyan氏のブログに跡が残っていますが、事件後半年から1年程経過したタイミングで、最初にコムスンを告発した東京都の担当者にちゃんと取材したり、当時の大手マスメディアの論調を検証した本がない。著者が巻末の参考文献に上げているNHKスペシャル取材班のものくらい。業界最大手の企業が市場から退場させられたというのに! それが当時の社会の態度でした。 ひとつ小説内の設定について疑問を書くと、〈彼〉の行動によって社会に波風が立ち、議論が巻き起こっただろうかといえば、恐らくそんな事はないだろうと。病気腎移植や積極的安楽死で医師が逮捕されてもワイドショーが3日騒いだら風のように忘れられる社会ですから。実際もし〈彼〉の訴えが世間に届き、社会保障システムの見直しが図られ、ひいてはそこから日本の硬直したシステムも変革され始めたとしたら、小説内世界では3.11の際に原発事故が起こらなかった事だって想像出来るわけです。でも、そうはならなかった! 余談ですが、今月97年型ライフを車検代等込みの総額11万6000円で購入した38歳底辺ケアワーカーとしては、斯波君に共感しまくりなわけです(同時にロスジェネ世代の価値観を持った30代男に認知症の高齢父親がいるという設定は結構苦しいなとも思ったわけですが)。でもね、この作品内に流れるロスジェネ的価値観あるいはゼロ年代的価値観に対して読みながら「あるある」と思うのは、本当に私の生活実感からなのか、それとも私がネットでロスジェネ論壇の文章を読み過ぎてその価値観を内面化しちゃっているのか。その境界がちょっと分からなくなってきています。 | ||||
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