■スポンサードリンク
夜の来訪者
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夜の来訪者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
素晴らしい。 短い作品なので、休日の午後などに読み切るのにふさわしいかも知れない。 しかし、内容は濃厚。父、母、長女、その婚約者、長男。 恵まれた家庭の晩餐の後のくつろぎの時間が、 一人の来訪者によって、みるみる恐怖の時間となってゆく。 第2次世界大戦終結直後の作品だが、舞台設定は1912年。 すなわち、第1次世界大戦勃発直前の不安、というものも垣間見えている。 「来訪者」の最後の台詞のメッセージ性も、たとえ時代と国が変わっても、 社会の歪みを考えれば、今日なお、鋭い意味を持ってくる。 とにかく見事に濃縮された戯曲で、解説によれば、 かつては随分と日本でも上演されたらしいが、 今でも充分通用すると思うので、 この新訳登場を機会に、是非どこかで実演して欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
裕福な実業家の家族が、自殺を遂げた若い女性の人生にどう関わっていたのか、彼女はなぜ自殺に追い込まれたのか。謎解きの面白さに引き込まれて一気に読んでしまいました。原書のタイトルは「警部の来訪」ですが、訳者の解説によると日本では1951年の内村直也氏の翻訳以来「夜の来訪者」が踏襲されているとのこと。読了して初めて、この日本のタイトルがいかに優れた翻訳であるか実感できます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
すっごくおもしろかった。舞台はイギリス郊外の大きな家の食堂。主のバーリングは工場主としてかなりの成功をおさめ、二年前には市長にも就任していたし、現治安判事でもある。ようするに、いっぱしの人物なわけだ。食堂に会しているのは彼の妻シビルと婚約したばかりの娘シーラ、そしてその弟エリックと婚約者のジェラルドの五人。家族は今夜シーラの婚約祝いのパーティを開いていた。幸せで和気藹々とした雰囲気に包まれてみんなその時間を心から楽しんでいた。だがそこに訪れる一人の男、グール警部。彼はつい先ほど消毒薬を飲んで自殺を図った若い女性が死亡したのを確認したと告げる。そして、ここにいるみんながその女性に深い関わりをもってることを次々と暴いていくのだが・・・。 各人がいったいどういう風にその女性と関わりあっていたのか?どうして、その女性は自殺するまで追いつめられたのか?驕り、虚栄、エゴ、疑心暗鬼、この動かぬ一部屋の舞台上で繰り広げられる警部と家族の駆引きはページを繰る手を止めさせない。読者は、あれよあれよという間にラストのどんでん返しへと導かれてしまう。う〜ん、まいった。160ページしかない本書はいわば短編ほどの分量しかない。しかし、その中にギュッと凝縮されているものはかなり濃厚だ。侮ってはいけない。こういうところにお宝は潜んでいる。戯曲を好まないぼくでも、これだけおもしろく読めたのだから本書はかなり良質な本ではないだろうか。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!