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夜の来訪者
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夜の来訪者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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言い回しが古臭いのは仕方ないか。 「どんでん返し」は言われるほどどんでん返しには感じない、のは、あらすじやレビューを読んで、期待をし過ぎていたからかもしれない。 ミステリー要素と生き方立ち振る舞いの模様が半々の感じ。 自分のしてしまったことに対する振り返り方の違い、反省し変化した者、自分を変えようとせずに自分を正当化しようとする者、婚約者ジェラルドの反応が自分にとっては意外だった。 | ||||
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戯曲なので読みやすく、短いので手軽に読めてしまう。 しかし、分量に違わず非常に面白い。 古典ともいうべき作品だが、現代においても全く遜色ない。 キレが違います。 またラストが想像を駆り立てます。 | ||||
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1912年の春宵、イギリスはミッドランド北部(=イングランド中北部)のある裕福な実業家一家が、娘の婚約を祝って内輪に開いていたディナーの最中、地元警察の警部と名乗る男が邸を突然訪ねてくる。 警部は、ある若い女性が悲惨な自死を遂げたことを告げ、一人一人に対し、冷徹な態度で仮借のない尋問を開始するが、尋問が進むにつれ、家族全員がその死に何らかの関係があることが、次第に明らかになってくる……。 3幕物の戯曲であるが、全ては実業家一家の邸内で進行し、舞台の転換はない。また、時間的にも各幕は連続しており、話の展開上の区切りとして幕が用いられている。 一見幸福そうで順調な家族の真の姿が、警部の尋問によって次第に露見していき、家族の結合(と思われたもの)が見事なまでに崩壊していく様は、極めてスリリングで緊迫感に満ちている。 尋問を通じて徐々に真実が明らかになる一方で、警部の正体が一層謎めいてくるプロットや、ラストのどんでん返し?などは、確かにミステリーとしても一級であるとともに、心理小説(戯曲)としても面白い。 また、「イングランド紀行」を読んだときも感じたことだが、著書の思想的背景は、社会改良主義であり、産業革命後のイギリス社会の矛盾や不公正などを背景にしつつ、いわゆる社会的弱者の視点に立った啓蒙的な作品ともなっている。 プリーストリーは、当時ディケンズにの再来とも言われたほどの人気作家で、多くの著作を残しているのだが、現在は、あまり(少なくとも日本では)知られていない(と思う)。しかし、今まで読んだ彼の著作では、当時のイギリスの姿や問題が浮き彫りにされており、そういう意味でも興味深い。 | ||||
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裕福な実業家一家の娘の婚約を祝う席に、突如現れた警部。 ある貧しい若い娘が自殺をしたという… 自殺をした女性と実業家一家のかかわりは。それぞれの反応は・・ 満ち足りた家庭の祝いの席、そこであらわになっていく各人各様の本性。 緊張感があり、引き込まれます。 | ||||
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舞台を見てから、原作を探していました。 かなり古いものなので、もう入手できないかと思っていましたが、入手できてとても嬉しいです。 | ||||
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今から50数年前に高校生として演劇で使った脚本。古いもので、高価な本でもないので発見不可能かと思ってましたが、発見でき感激しました。 | ||||
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もう、50年以上前に内村直哉訳で読んでいて、懐かしくなって購入した。 舞台はイギリスの地方都市、成り上がりの工場主の家庭。プチブルを絵にかいたような登場者たちが繰り広げるミステリーで、行い澄まして一見上流階級ではあるが、一皮むけばぼろが出てくる。警部と称する謎の人物がパーティーの席で次々と登場人物の醜い行動を暴いていく。 時代は、産業革命も達成され、資本主義が爛熟期を迎え、その矛盾があらわになりつつある20世紀初頭。不沈と言われたタイタニックがまだ完成されていない時で、象徴的に会話の中に取り入れられ全体の進行を暗示し、第一次世界大戦も起こるはずはないと、オプテイミスティックに信じられている。 ミステリーとして登場人物の旧悪が暴かれるスリルもあるが、一見、安定して見えるエスタブリッシュメントが実は脆い基盤に過ぎないことを暗示していて、面白い。 戯曲として書かれたので、読み物としての量は多くはなく、簡単に読めるが、考えさせられる。 | ||||
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「夜の来訪者」というタイトルはよく見かけますので、多分これがオリジナルなのだろうと推測して読み始めました。 ところで、これは抜群に面白い作品です。 ミステリー、スリラー、サスペンス等と言えるでしょうけれども、作品の底に流れているのはヒューマニズムです。 3幕芝居になっているのですが、場面はまったく変わりません。出演者も変わりません。 成功した資本家の一家4人と娘の婚約者。その婚約祝いをしている時に、警部がやってきます。 警部は一人の女性が自殺したことを告げます。 その名前を聞いても誰も知らず、この警部が何をしに着たのかわかりません。 そこからドラマは始まります。凄いですよ。 終わったと思ったら、どんでん返し。人間の想像力を非常に上手く利用した驚くべき展開で切れ味が凄いです。 これを読んだら、こういう作品を作ってみたいとどなたも思うことでしょう。 | ||||
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堅い書目の多い岩波文庫群だが、ハヤカワ或いは創元から出てもおかしくはないこの一冊は洒脱で面白く一気に読める。引き続きこのような路線本を大いに期待。 | ||||
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我輩は今年で45歳になるが、小学生の頃NHKでドラマ化されたのを観たのをいまだに忘れることなく覚えているぞ。ラストシーンは警部が雨の中を一堂が集まっている屋敷に向かって歩いて行くという脚色がされていたが、その衝撃は鮮明に我輩の脳裏に焼き付いていますぞ!あの警部は人間が抱く良心の呵責を象徴したのではないだろうか?罪悪感といったものはいくら心から拭い去っても、去らないものだということを作者は訴えたかったのではなかろうか?勿論、小学生の頃は我輩はそんな感想が抱けるほどの人生経験は無かったのだが・・・ | ||||
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一応、ミステリーにカテゴライズされていますが、謎解きを目的としてみるとあてが外れるでしょう。 ある女性の死を前に、幸福そのものだった家族の欺瞞が剥ぎ取られていく姿がサスペンスフルに描かれています。 また、この作品のミソは、家族の秘密が明らかにされた後、描かれる人間の醜さ、合理的な解釈に基づく疑問とどんでん返しが、二重三重に張り巡らされています。 一方、垣間見える作者の政治的な姿勢を嫌う人がいるかもしれません。そのような人は、残念ながらこの作品で描かれる人間像に共感できないでしょうし、私の趣味とも合わないでしょう。 | ||||
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岩波文庫でミステリですか、とい意外性で購入。書店のPOPもイカしていましたので、中身も確認せず、購入しました。戯曲なんて知らなかったです。いままで戯曲なんて読んだことありませんでしたが、本書は数ページ読んだところから、作品の世界に引きずりこまれました。凄い作品です。頭の中にバーリング家の食卓の映像が浮かび上がってくる。そこで登場人物達が自分の「罪」を警部に暴かれていく。そしてその暴かれた「罪」はその個人の本質を表に晒すのである。普通の生活であれば決して表に出ない、その個人の本質。他人の本質を知ることで自分の「罪」を自覚するもの。また決して自分の「本質」を認めないもの。人間を冷静な目で観察しなければ描けない世界です。ミステリですが、もっともっと深い世界を表現しています。 本作を読むことで、いままで知っていながら見ることのなかった世界を見ることが出来るかもしれません。 | ||||
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端的にいえば、固定された舞台と登場人物の密室心理劇。ミステリといえばミステリだが、12人の怒れる男の雰囲気に近いか。 ミステリお決まりの二重底ラスト(にしては凝り様がすごい)、道具建てが本書の書かれた時代背景からか、ややステレオタイプのにおいがするが、兎に角登場人物が段々カラマーゾフ一族化していく様子は本当にハラハラドキドキワクワク。岩波で波瀾万丈ドキドキワクワクといえば、あとモンテクリスト伯と、他に何があるだろ? 構成や作劇手法が巧みな本書、私は1時間で一気に読み切ってしまいました。 少し時間が空いたときにでもどうぞ。 | ||||
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講談社の文庫情報誌『IN・POCKET』11月号の特集、「2007年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で、「作家が選んだ」第1位、「総合」第3位に堂々ランクインした作品。 実際は’46年に書かれた、古典ともいうべき戯曲である。 時は1912年のある春の宵。舞台は英国の裕福な実業家の家庭で、娘の婚約を祝うディナーが一段落した食堂。突然、警部と名乗る男が訪れ、ある若い貧しい女性が消毒剤を飲んで自殺したことを告げる。彼は、一家4人と娘の婚約者がこの事件に深く関わっていることを次々に暴いてゆく。そして彼らこそが彼女を自殺に追い込んだのだと鋭く追求する。 本書は、ミステリーとして読んでも傑作であるが、上流階級一家のひとりひとりの秘密を暴き、彼らの傲慢さを痛烈に風刺しているのだ。 緻密な構成といい、畳み掛けるような快調なテンポといい、そして最後数行の大どんでん返し。思わず一気読みの文庫161ページだった。 | ||||
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このamazonである方のレビューを見て、興味を持ち読みました。 想像していたスタイルとはちょっと違いましたが、息を付く間も 無い展開に引き込まれて一気に読みきりました。 些細に思った自分の横柄な振る舞いや、はずみの行動などが 他者の人生を狂わせてしまった重責に苦しみ続けるであろう姉弟に 少しばかりの同情と、謎の余韻を残し、本を閉じました。 社会的地位や周囲からの扱いで自分を見失ってしまう人間のおろかさや 人間の真価とはやはり、地位や職業、なんかではないことを改めて 考えさせられた一冊となりました。 | ||||
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どこかで、何度か、映画化されたり、テレビ・ドラマ化されたりしているので、大人なら誰もが一度は観たことのあるような作品。TVドラマなんかだと、それが今風にデフォルメされていたりしていますよね。「振り込め」詐欺の被害にあいやすい人間とそうでない人間がいるように、この「警部」のような人物に旨くだまされる人間とそうでない人間がいるはずなのに、ここでは、みんな、旨く丸め込められていますね。出演者は、皆さん、関東系の人達なのでしょうか? 最後のクライマックスのあと、このドラマはどのようになるのか、その続編を早く読みたいですね。 | ||||
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戯曲と知らずに購入し、期待せずに読み始めたのだが、瞬くうちに引き込まれてしまった。ぜひ舞台を見てみたいと思う。 | ||||
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娘の婚約の宴に集う父母、姉弟、婚約者の5人の楽しい一時で序盤は終始します。 その楽しい時間が、一人の来訪者によって一気に暗転してしまいます。彼は、一人の女性の自殺を告げます。そして次々に明かされる事実の数々は、この幸せ一杯の家族に暗い雰囲気が漂い、一家の結束もいつの間にか瓦解してしまいます。 この「夜の来訪者」登場以降の畳み掛けるような事実の積み重ねは、一人一人の何気ない行為や行動が、一人の少女を死に追いやってゆくという怖さを感じさせます。それと、若い二人がこの問題に真剣に対処しようとするのに対し、年長者たちは、表面上の取り繕いに終始します。このあたりが、私たち自身も注意しなければいけないことなのでしょう。 それにしても、実に面白い戯曲で、機会があれば舞台も見てみたいなと思わせる作品でした。 | ||||
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「夜の来訪者」 J・B・プリ−ストリ−著 このミステリ−は、戯曲作品として書かれている。 日本でも過去に俳優座で 上演され、広く知られることになった、犯人探しのミステリ−舞台劇である。 〈 幕が開くと、バ−リング家の家族四人とジェラルドが食卓に着いている。〉 事業に成功した裕福な家庭の主バ−リングは、恰幅が良く尊大な五十四,五歳 の名誉欲の強い男で、言葉に地方なまりがあり、出は夫人より少し身分が低い。 その妻は、ある程度身分の高い家の出で、気位が高く、冷たい感じの女である。 長女シ−ラは美人だが、裕福な家庭の子らしい我が儘さを、長男のエリックは はにかみ屋で我が強く、酒飲み、年齢20歳位の放蕩息子。 ジェラルドは この屋の長女シ−ラの婚約者で30歳位、育ちの良い魅力的な青年である。 その婚約披露の内輪のパ−ティ−の席に、グ−ルと名乗る警部が登場し、ここ から物語りは始まる。 ペ−ジ数百六十頁のこの中編は、一気に読み終える事 間違い無しの面白さだ。 登場人物のそれぞれが心に持つ秘密、暗部が、一つ の事件を発端に、警部によって登場人物全員が、公平に順番にあかされていく。 誰にも知られていない自分だけの秘密が白日の下に晒される事に、狼狽し、お 互いが非難し合い、いがみ合う人間模様が興味深い。 最後はお決まりのどんでん返し、舞台は1912年、イギリスの郊外にある実 業家の屋敷内にある、上等な家具が置かれた重々しく居心地良さそうな食堂で 幕が開く。 | ||||
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