死神の追跡者
- 死神 (120)
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対象年齢は小学校中学年程度と思われます。 同著者の「怖い話」シリーズよりも対象年齢が低めに感じられました。 話の展開が非常に早く、分かりやすいので、子供でも抵抗なく読めると思います。 少年と博士が殺人事件の犯人を探す、という内容ですが、 次々手掛かりが出てきて犯人まで一直線のような感じです。 最後まで読んで思ったのは、良くも悪くも子供向けだな、ということです。 そこを「子供が読後感が悪くなくていい」と思うか、「ご都合主義で甘い」と思うかは、 人それぞれだと思いますが。 私は、自分が子供の時に読んだらもっと楽しめたと思いますが、 大人が読むには少々きついかなと思いました。 しかし元々子供向けに書かれているので、それが本書の欠点というわけではありません。 ストーリーは面白いですし、歴史がかった物語が好きな人にはお勧めです。 ただ、訳がイマイチで、読んでいて何度も溜息をつきたくなりました。 例えば、18世紀初頭を舞台にした物語なのに、 「ものすごく」「しょぼい」のような現代的でくだけた表現が多数出てきます。 「非常に」「安物の」で良いと思うのですが。 また「ペイントを施した」のようなカタカナ表現がやけに目に付きます。 現代を舞台にした小説なら構わないのですが、時代に合っていないように思われました。 さらに、ミスター誰々、ミセス誰々、ドクター誰々という表現には閉口するしかありませんでした。 特に呼びかけに「ミスター誰々」なんて表現を使うとは。 誰々さん、誰々夫人、誰々先生または医師、で充分です。 訳者はやたらカタカナ表現が好きなようですが、訳が作品から浮いています。 | ||||
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理論社刊行の「怖い話」シリーズ3冊で多くのファンを獲得したYA怪奇短編の名手プリーストリーの期待の長編初紹介作です。著者の「怖い話」シリーズは一応は長編ですが、たくさんの短編を間に挿んだ連作形式になっていましたので、本書を見つけて著者は普通の長編も書いていたのだなと意外に思いました。また、ゆっくりと話を進めるタイプだと思っていたのが、本書を読むと展開が早い非常に動的な物語なのと派手なアクション・シーンが多いのに驚きまして、著者の今までにない意外な一面と新たな魅力を感じました。 18世紀イギリスの大都会ロンドンで不気味な殺人事件が起きる。矢で射抜かれた死体に残された奇妙な「死神の矢」のカードは何を意味するのか?しかも被害者は昔アメリカで兵士として戦った時に殺されていたという。フリート街の印刷工房で父を手伝って働く15歳の冒険好きな少年トム・マーロウは、父ミスター・マーロウの客の一人で親しい間柄の聡明なハーカー博士と共に事件の謎を調べ始める。 本書の読み所には、18世紀当時のイギリスの現代には見られない珍しい風俗が生き生きと描かれている所、すりを商売にする小悪党だけど不思議と憎めない少年ウィルと主人公トムとの友情の物語、少年トムが悪党どもから命を狙われて必死で逃げ回るスリル満点の追跡劇、等々があります。ミステリーとしては、一見不可能犯罪に見える犯行トリック自体はたいした事がありませんが、物語の構成に善悪の問題を内包した大胆な企みが仕掛けられているのがとても素晴らしいです。児童に向けて書かれた読み物なのに単純な善悪の構図の物語にしないで、何が善で何が悪なのか?と言う事を深く考えさせ、法に従う事だけが正しいのか?という非常に難しい非道徳的な部分にまで踏み込んでいる所には思わず感心させられました。そして著者は悲しいけれども致し方ない結末だと思わせておいて、最後に大どんでん返しの奇跡を用意しており、読者をあっと驚かせ幸せな気持ちにしてくれます。著者は既訳の3冊でも見せてくれた様に、今回もラストを締め括る大技はまさに天晴れ!その物で見事な名人芸と言うしかない最高の切れ味だと思います。 このシリーズは3部作だとの事で、残酷さや厳しさもありますが優しい人情味に溢れた魅力も感じさせる「トム・マーロウ少年の奇妙な事件簿」の続巻の紹介を楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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