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(短編集)
1922
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1922の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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「1922年」の方ですが、妻を殺した主人公の独白であること、死体の処理がキーで、小さい不吉な動物が絡んで主人公を邪魔すること等々、ポー「黒猫」の本歌取りを意識したと思われる。途中まで、マジに読み出したらやめられない、もの凄いreadability。妻の殺害を隠して妻が相続した土地を得ようとする主人公に、次から次に危機を見舞わせ、なんとか凌いでいくが、共犯の息子の心理と隣家の少女との交際が暗雲を呼び、怪しく邪悪な「小動物」に追いつめられていく。。。という2/3までの展開は、キングのこれまでの小説テクを駆使した超傑作。しかし、後半の展開がなんとも疑問。ちょっと興醒め。息子が引き裂かれた恋人を取戻し銀行強盗をするに至るくだりの記述、全てを失った主人公が告白を記して死に至る記述等、死んだ妻の死体?に教えられたという(狂気の?)語りが混じってきて、なにやら、話の収束がつかなくなって「禁じ手」を使って収束させたような印象。残念。 | ||||
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息子を巻き込んで妻を殺した男の話だけどキングは恐怖や狂気のの中にもちょっとした希望や救いなどあるのだけれど この作品はそういうものがまったくない。 とにかく暗い作品。 犯罪を犯すことで幸せを手に入れる姉妹版とは正反対の物語。 でもやっぱりキングだから好きです。 | ||||
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新しくでたビッグ・ドライバー (文春文庫)の『素晴らしき結婚生活』(だったかな?)の劇的緊張がかなりよかったので、本書にも手をのばしてみた。タイトルがすべてで終わってしまいそうなのだけれど、どうも本書の二編には今一歩迫力というか、凄みにかける印象だ。 〜表題作の『1922』は途中まではなかなか緊張感があっておもしろい。妻殺しの罪がばれるか否かのハラハラ感はなかなか引き付けられるものがあったんだけれど、途中からその緊張感も失速し、息子が家を出てから後は、どうもストーリーの展開が都合がよすぎるというかなんというか・・・。『公正な取引』の方は全体としてテンポはいいんだけれど、どうも作品全体に魔との取引をした凄みというか緊張感に欠けるものがある。 全体として力作だけれども、どうも今一歩というのが正直な読後感だ。 | ||||
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「公正な取引」の中で主人公の息子が両親に車を贈るくだり、 ”サブ車”という言葉が出てきて、なんだこれは、どういう意味だと一瞬思ったが、 ”SUV”のことだとすぐに思いあたった。 それにしても翻訳者よ、いくらなんでもサブ車はないだろう、ひどすぎる。 SUVはSUVだろう。エスユーブイ。 あと、贈られた車は"パスファインダー”だったのだが、 なぜかスティーブン・キングはこれを”トヨタの…”としていた。 しかし、パスファインダーは”日産”の車だろう。 まあこれはキングの小説の中のことだからよしとしよう。 | ||||
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キングのストーリーには、悲惨な境遇の人が最後に自己に救いを見出すパターンが多いのだけど、その「救い」というやつがキングの場合厄介。「不眠症」みたいなストーリーは好きだけど、とか好みが別れる。どっちかと言うと「公正な取引」の方が「ニードフルシングス」を彷彿とさせる面白さがあった。これを面白いと思う人間が残酷だとキングは読者を笑っているのだね(笑) | ||||
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中編集『FULL DARK, NO STARS』より『1922』と『公正な取引』が収録されています。 『1922』は妻が相続した100エーカーの土地をめぐり対立する夫婦。夫が一人息子を巻き込んで妻殺しをすることから話がスタートします。展開はよめるもののそこはキング。恐怖要素を付加することで、一味違ったドラマに仕上がっています。本筋に触れてしまうので詳しくは書けませんが、もう少しネズミと妻が物語に関わってくれば、もっと後味悪い不気味な物語になったのでは…方向性がはっきりしていないせいか、少々物足りなさを感じます。ただし、視覚的な描写はかなりインパクトあるので、想像力豊かな方は気を付けてください。 『公正な取引』はいまいち日本語のタイトルからは興味がそそられませんが、CreepshowとかTales from the Cryptに出てきそうな類いの話です。短編並みの短さで軽く読めます。中盤以降はテンポ速く展開します。読みやすいのですが、 人の身に起こる不幸話の羅列で捻りもなくそこまで後味の悪さも感じない、もやっとした読感です… 中編集で最も好きなFour Past Midnightと比べると物足りなさを感じはしましたが、まだ前半戦。後半に期待したいと思います。 | ||||
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巻末の編集部による作品解題によると、この本は、スティーヴン・キングの、2010年に出版された「星も無い真っ暗闇」という、四つの中短編を収めた本から、二編を抽出した邦訳本なのだそうです(残りの二編の邦訳は「ビッグ・ドライバー」と云う題名で、近く続刊されるとのこと)。作品解題の語句をそのまま引用しますと、四作を貫くテーマは「闇。無慈悲さ。絶望。」で、「「現代最高の物語作家による」「救いの無い厭な結末を持つ物語」、「厭な小説」を集めたもの」なのだそうです。しかし、読後感としては、どうってことありませんでしたね。この10年間ほど、キングの新作は読んでこなかったんですが、最近のキングはこの程度ですか? 私などは、キングと云えば中編「霧」、長編では「ペット・セマタリー」に尽きると思っていますが、あの傑作の「霧」を映画化した「ミスト」とかいう駄作を見て、「なんであの感動的なラストを台無しにするんだろう、キングもさぞかし怒ったに違いない」と思っていたら、キング自身があのラストを「原作をしのぐグッドアイデアだ」などと称賛したってんだから、キングもついにボケたかと疑いましたが、今回これを読んでみると、やはりダメですね。 だいたい、ネブラスカ州なんて中西部じゃダメよ、この人は。いつもの端っこのメイン州じゃなけりゃ。キングはメイン州、フォークナーはミシシッピ州、中上健次は紀州。おのれの地所に憑かれているタイプの作家だから、そこから出たらダメになる。 | ||||
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